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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2009年5月

2009年5月30日 (土)

2009年05月30日沖縄タイムス 社説 /[敵基地攻撃]/軍拡あおる愚を避けよ

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-05-30-M_1-005-1_001.html
2009年05月30日 社説 /[敵基地攻撃]/軍拡あおる愚を避けよ

 自民党国防部会の防衛政策検討小委員会は新「防衛計画の大綱」(2010~14年度)の閣議決定に向け、敵基地攻撃能力の保有などを盛り込んだ提言をまとめた。集団的自衛権行使を禁じる憲法解釈の見直しや憲法改正も提案している。

 ただ、北朝鮮を敵視するような空気が広がる中での提言は、軍拡競争をエスカレートさせるものであり、その愚は避けなければならない。

 提言は、北朝鮮が無謀な核実験やミサイル発射を繰り返したのがきっかけだ。国民感情が敏感になっているところに乗じて、日本の防衛政策の転換につながるような提言をするのはいかがなものか。

 政府は有識者懇談会が6月ごろにまとめる報告書や、自民党国防部会の提言を参考にして今年末、新大綱を策定する。

 敵基地攻撃について提言は「専守防衛の範囲で座して死を待たない攻撃能力が必要」としているが、無理がある。そもそも日本に対する武力行使を、誰がいつ、どのように予測し、攻撃を命じるのか。

 政府は誘導弾攻撃など急迫不正の侵害で他に防御手段がない場合には「誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれ可能だ」との見解を示している。同時に専守防衛の立場から、他国を攻撃する兵器の保有は認めていない。

 新大綱に敵基地攻撃能力の保有が明記されれば、専守防衛を基本としてきた日本の防衛政策を転換するもので憲法問題をはらむ。

 だが、自民党議員の反応とは裏腹に防衛省が慎重な姿勢であるのに注目したい。浜田靖一防衛相は「国民をあおるだけ」と冷静な議論を求め、前防衛相の石破茂農水相は現実的でないと断じている。

 石破氏は朝日新聞のインタビューで、北朝鮮には日本を射程に収めた中距離弾道ミサイル、ノドンが200基以上配備され、どこにあるか分からないのにどうやってたたくのか。二つ三つつぶして、あと全部降ってきたらどうするか―などと指摘している(同紙27日付朝刊)。

 非核化の流れにさからうような北朝鮮の暴挙は批判されて当然だ。北東アジアの安全保障環境を著しく不安定化させているのである。ただ、敵基地攻撃などを即物的に決めれば、取り返しのつかないことになりかねない。米英のイラク攻撃を見ても明らかだ。

 日本政府は、ブッシュ前米大統領が唱えた「先制攻撃」とは違うと強調するが、説得力はない。米英のイラク攻撃の結果はどうだったか。攻撃の理由にした大量破壊兵器はなかった。多くの民間人が犠牲になった。

 敵基地攻撃が似たような危険性を抱えていることは容易に想像できる。

 私たちは隣人を選ぶことはできない。国家も同じことだ。理不尽な相手とも付き合い、国際社会に引き込まないといけない。2国間だけでなく、関係する近隣諸国はじめ国際社会が協力して、粘り強く外交努力を続け、北朝鮮の暴走をやめさせる道を探るべきである。

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(上)麻生首相が腹を固めた!集団的自衛権の憲法解釈見直し

この高橋記者の情報が事実なら、事態は重大だ。麻生・自民党のマニフェストに改憲がどのように盛り込まれるか、しっかり監視しながら、私たちの反撃の行動を起こして行かなくてはならない。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302011-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302011-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302011-n3.htm
【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(上)麻生首相が腹を固めた!集団的自衛権の憲法解釈見直し
今回で3回目のブログになります。おかげさまで2回目のブログ(上)「小沢氏辞任の裏側」、(下)「鳩山代表選出の裏側」も、予想を大きく上回るアクセスをいただきましてありがとうございます。今後とも、「とっておき」の情報をお届けしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 また、4月20日に発売した私の初の著書「外交の戦略と志-前外務事務次官 谷内正太郎は語る」(産経新聞出版、1200円+税)も、引き続き売れ行き好調で、某有名書店の週間ランキングで11位になりました。ご購入いただいた方には重ねて感謝申し上げます。

 今回のテーマは、私がずっと日本の安全保障の懸案だと考えてきた「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」についてです。この問題は日本の国際貢献が問われた平成2(1990)年の湾岸危機(後に戦争)以来、クローズアップされ、国会でも自衛隊を海外に派遣するための法案が審議される度に、大議論が行われてきました。しかし、戦後60年経過して国際情勢が変わっても、「集団的自衛権は保有しているが、行使は許されない」との政府の憲法解釈は変わっていないのです。

 ところが、その憲法解釈がようやく、見直されそうな状況になってきました。というのも、麻生太郎首相(自民党総裁)が9月までに行われる次期衆院選の党のマニフェスト(政権公約)に「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」を盛り込む腹を固めたようなのです。次期衆院選では民主党もマニフェスト(政権公約)に、現行憲法解釈を見直して、国連を中心とした国際平和協力活動に積極参加することを打ち出す見通しです。

 自民、民主両党が次期衆院選で、憲法9条の解釈見直しを打ち出せば、大きな争点になるでしょうし、選挙後は政権がどちらになるにせよ、自民、民主の2大政党が一致点を見いだせば、長年の懸案である憲法解釈の見直しが実現する可能性が高いのです。

 ある自民党幹部から得た「とっておきの情報」を披露すると、その幹部が麻生首相と会った際、首相は「安倍(晋三元首相)さんは教育改革をやった。オレは集団的自衛権の憲法解釈見直しをやる。オレの腹は固まっている」と、決意を表明したそうです。

 首相は4月23日、安倍首相当時に設置された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で座長を務めた柳井俊二元駐米大使と会談し、集団的自衛権の現行憲法解釈見直しに前向きな考えを示しました。また、首相は前日の22日には安倍氏と会談、安倍氏から、集団的自衛権の憲法解釈見直しを次期衆院選のマニフェストに盛り込むよう促されていました。そうした経緯の中で、首相は「腹を固めた」ようです。

 ただ、実際に「集団的自衛権の憲法解釈見直し」をマニフェストに盛り込むとなると、自民党の中には「社会党か」と言いたくなるような左寄りの議員も少なくないので、そういう議員らが強く反対するかもしれません。しかし、自民党の大勢は賛成するでしょう
。麻生首相が本当に腹を固めたのであれば、最後は多数決をしてでもマニフェストに盛り込んでもらいたいと思います。

 現時点で次期衆院選の情勢は、有権者の間に政権交代願望が強いことから、「民主党が優勢」と言われています。世論調査を分析すると、民主党が支持されているというよりは、「自民党はダメになった。一度政権を代えた方がいい」と思っている有権者が多いようなのです。

 その一つの原因は自民党が「保守政党らしさ」を失って、保守層が自民党離れを起こしていることです。その離れた保守層を引き戻すためにも「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」をマニフェストに盛り込むべきでしょう。もし、マニフェストに憲法解釈の見直しを盛り込まなかったら、自民党は今の憲法解釈を守り続けることになり、これからどうやって国際平和協力をしていくのかという議論になったら、民主党に勝つことはできないと思います。

 「集団的自衛権」についてはご存じない方もおられるでしょうから、分かりやすく説明したいと思います。集団的自衛権は「他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていなくても、自国への攻撃とみなして実力で阻止する権利」のことです。国連憲章では主権国家の「固有の権利」と明確に規定されており、もちろん行使も認められています。しかし、日本政府の憲法9条の憲法解釈は、集団的自衛権について「保有しているが、行使は許されない」という、世界中の国とは全く異なる奇妙な解釈をしているのです。

(下)へつづく

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302012-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302012-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090530/plc0905301302012-n3.htm
こうした日本政府の集団的自衛権の憲法解釈は、国会では古くから問題として議論されてきました。ただ、冷戦時代は米ソ超大国による力の均衡で世界の安全保障が支配されていたため、日本がこれに加わらなくても許されていたので、解釈を見直さなくても済まされてきました。

 しかし、湾岸危機以降は、日本に対して世界の安全保障に「カネ」だけではなく、「人」の貢献も求められるようになりました。湾岸危機の際、政府・自民党内では集団的自衛権の憲法解釈見直しが検討されましたが、内閣法制局などの反対で結局、見直しは行われませんでした。そして、見直しを行わないまま、自衛隊などを多国籍軍の後方支援のために派遣する「国連平和協力法案」が提出されましたが、国会論議ではまさに憲法解釈と法案の矛盾が露呈して、廃案となりました。

 この結果、日本は多国籍軍への人的貢献は行わず、130億ドルものカネを出しましたが、国際的には「日本はカネだけで汗は流さない」と厳しい批判を浴びました。その反省から、「国連平和維持活動(PKO)協力法」が作られ、自衛隊が海外に派遣されるようになりました。さらに、2001(平成13)年の米同時多発テロでは、テロ対策特別措置法が作られてインド洋に、2003(平成15年)のイラク戦争では、イラク復興支援特別措置法が作られてイラクなどに、それぞれ自衛隊が派遣されました。

 ただ、これらの法律はすべて「集団的自衛権は行使できない」とする憲法解釈に基づいて作られているため、これに少しでも抵触する活動は一切禁止されています。たとえば、自衛隊が派遣された地域では、日本の部隊は他国の軍隊に守ってもらっていますが、他国の軍隊が攻撃を受けた場合は、日本の部隊は駆けつけて援護すると集団的自衛権に抵触してしまうため、できないのです。こうした国際的常識に合わない問題は山ほどあるのですが、その矛盾は派遣される自衛官に背負わされています。

これを一般世間に例えて説明しましょう。ある地域で不審者が度々出没して、このままではだれかが襲われるかもしれないという状況が起きたとします。そこで、自治会ではみんなで話し合った結果、大人の男性が複数で夜の見回りをやることになりました。しかし、「日本さん」は「うちの家訓では『人と争ってはいけない』ということになっていて、争い事はできませんから」と言って見回りへの参加を断るか、参加したとしても「だれかが不審者に襲われても私は何もできません」と宣言します。

 これを他の人はどう思うでしょうか。間違いなく、「日本さん」は自治会の中で批判の的になって、だれからも相手にされなくなるでしょう。もし「日本さん」が普段の生活で困ったことが起きたとしても、だれも助けてくれないでしょう。国際社会も同じで、これが日本の現実なのです。

 憲法解釈の見直しというと、昔は左翼の人々が大反対してなかなかできませんでしたが、今は世論も大きく変わったと思います。政府や政党がきちんと論理立てて説明すれば、多くの国民は理解してくれると思います。もはや実態とかけ離れた憲法解釈を引きずり続ける時代は終わりました。自衛隊を海外に派遣するたびに、国際社会の現実とかけ離れた法律を作るのではなく、憲法解釈をきちんと見直して、自衛隊を海外に派遣するための恒久法を作るべきです。

 本来は憲法9条を改正すべきですが、日本の憲法を改正するには、衆参両院国会議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。世界の中でも極めて改正が難しい憲法で、これを改正するには相当の年数がかかると思われます。その前に憲法の趣旨をゆがめない範囲で、時の社会情勢に合わせて解釈を見直すことはまさに「法の知恵」と言えます。そしてこれによって、日本は憲法前文にうたっている「国際社会において名誉ある地位」を得ることができます。

私の著書「外交の戦略と志」の中でも、谷内氏は「現在の政府の憲法9条の解釈は日本の安全保障政策、国際平和協力に大きな支障になっている」と指摘し、「この問題を政府部内や与野党間で真剣に議論していくべきだ」と、議論を呼びかけています。同書の第6章「安全保障」では、谷内氏が詳しく、論理的にこの問題を解説していますので、よろしければご一読ください。

 自民党も民主党など各政党も、そして政府も、国家国民のため、次期衆院選を機に、勇気をもって憲法解釈の見直しに取り組んでほしいと思います。

2009年5月29日 (金)

政府・与党、武器輸出三原則の緩和検討 共同開発・生産を容認

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090524AT3S2300Y23052009.html
政府・与党、武器輸出三原則の緩和検討 共同開発・生産を容認

 政府・与党は23日、武器や武器技術の輸出を禁止する武器輸出三原則の緩和を検討する方針を固めた。年末に改定する予定の防衛計画の大綱に、他国との武器の共同開発・生産の容認や、共同開発国への輸出の解禁を盛り込む。欧米諸国が進めている次世代戦闘機など主要装備の共同開発・生産への参加の道を開き、調達コストの抑制と、国内の防衛産業の活性化につなげる狙いだ。

 武器輸出三原則は1967年に佐藤栄作首相が表明した共産国や国際紛争の当事国などへの武器禁輸方針だった。76年に三木武夫首相が事実上の「全面輸出禁止」に転換。現在も米国とのミサイル防衛(MD)システムの共同開発などを除き、禁輸が続いている。 (14:57)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090526-00000592-san-pol

防衛計画大綱改定へ提言案要旨を大筋了承

5月26日19時2分配信 産経新聞
 自民党は26日の国防部会防衛政策検討小委員会で、年末の防衛計画大綱改定に向けた提言案の要旨を大筋で了承した。提言案は北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、海上発射型巡航ミサイルなど敵基地攻撃能力の保有を明記。核実験の監視・情報収集能力の強化も盛り込んだ。

 また、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など4類型について政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認める方向性を示した。
小委員会では提言案の内容をさらに詰め、週明けにも最終案を決定する。

 このほか、提言案要旨には▽他国との装備品共同開発に向けた武器輸出3原則の見直し▽公海上で活動する自衛隊艦船・航空機の安全確保や領空・公海上空における航空警備の法制化-などが盛り込まれた。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090527k0000m040082000c.html
防衛計画大綱:自民提言案に敵基地攻撃のミサイル導入

 政府が年末に改定する「防衛計画の大綱」に向けて、自民党国防部会の防衛政策検討小委員会は26日、提言案をまとめた。敵基地攻撃能力の保有や武器輸出三原則の見直しを明記。同日の小委で原案はおおむね了承された。同党は6月上旬にも提言を決定し、首相官邸に提出する。

 提言案では、弾道ミサイルの脅威に対し、「座して死を待たない防衛政策」として、ミサイル防衛(MD)に加え、策源地(敵基地)攻撃能力の必要性を盛り込み、具体的には巡航ミサイルの導入などを挙げた。敵基地攻撃は、ミサイル発射前の北朝鮮などの基地を攻撃するもので、政府は「ほかに手段がないと認める限り自衛の範囲」と解釈するが、専守防衛の観点から、装備を保有してこなかった。

 武器輸出三原則では、米国以外の企業との共同研究・開発を可能にするよう求めた。数カ国による戦闘機などの共同開発を念頭に置いたものだ。また日米安保条約改定50周年(2010年)に合わせた「新日米安保共同宣言」の策定も打ち出した。【野原大輔、仙石恭】

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009052600902

敵基地攻撃力の保有要望=防衛大綱見直しで提言案-自民小委

 自民党は26日午後の国防部会・防衛政策検討小委員会で、政府が年末に策定する新たな防衛計画大綱に対する提言要旨案を決めた。北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、敵基地攻撃能力の保有や、発射時の熱源を探知する早期警戒衛星の研究・開発を要望。核実験の監視・情報収集能力の強化も盛り込んだ。今後、速やかに党内の意見集約を図り、政府に申し入れる考えだ。
 要旨案では、敵基地攻撃能力について「専守防衛の範囲で、座して死を待たない防衛政策として必要」と明記した。早期警戒衛星についても、「ミサイル防衛(MD)システムのさらなる整備・強化」を理由に積極的な対応を求めた。 
 また、政府の武器輸出3原則を見直し、米国以外の企業とも共同研究や開発、生産を可能とするよう提案。集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を変更する必要性も指摘した。
 さらに、(1)自衛隊出身の首相秘書官の配置や日本版国家安全保障会議(NSC)新設による首相官邸機能の強化(2)1996年の日米安保共同宣言に代わる新たな共同宣言策定-なども提唱した。
 ただ、政府は現時点で、敵基地攻撃能力の保有や早期警戒衛星の導入には慎重姿勢を示しており、大綱へ反映されるかは不透明だ。(2009/05/26-20:40)

対北臨検、慎重に検討=防衛相

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052900426
対北臨検、慎重に検討=防衛相

 浜田靖一防衛相は29日午前の記者会見で、国連安全保障理事会が北朝鮮への追加制裁として船舶検査(臨検)を義務化した場合の対応について「(日本は)周辺事態法の中でしか(臨検が)できない。いろんな状況を勘案しながら、今後考えていく」と慎重に検討する考えを示した。
 海上自衛隊による臨検は、周辺事態法の関連法である船舶検査活動法に基づき可能。ただ、実施には周辺事態の認定が必要となる。これに関連し、与野党で新たな法整備を求める声が出ていることについて、浜田氏は「法律を作るとなれば、時間のかかる話だ。ちょっと考えないといけない」と述べるにとどめた。(2009/05/29- 12:14)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090529k0000e010069000c.html
北朝鮮制裁:船舶検査に慎重姿勢示す 浜田防衛相

 浜田靖一防衛相は29日午前、北朝鮮の核実験を受け、国連安全保障理事会で検討中の新決議案に含まれる北朝鮮船舶などの貨物検査について、「周辺事態法の中でしかできないものもある。状況を勘案しながら今後考えていく」と述べ、自衛隊による船舶検査には慎重な姿勢を示した。閣議後に国会内で記者団の質問に答えた。

 自衛隊による船舶検査は、周辺事態法の関連法の船舶検査活動法に基づくもので、政府による周辺事態の認定が必要となる。民主党などから、周辺事態と認定せずに船舶検査が可能とする法制定が必要との声が出ている点については「法律を作るとなれば時間がかかる。それはちょっと考えないといけない」と述べるにとどめた。【仙石恭】

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009052901000066.html
臨検視野に国連憲章7章を明記 日米決議草案に、採択週明け以降

2009年5月29日 11時55分

 【ニューヨーク28日共同】北朝鮮の2回目の核実験を受けた国連安全保障理事会の5常任理事国と日本、韓国の協議で、日米が提示した新決議草案に、北朝鮮船舶への臨検(貨物検査)の義務化を視野に、軍事行動に道を開く「国連憲章7章の下で行動する」と明記されたことが28日、分かった。また北朝鮮が拉致問題など人道上の懸念に対応する必要性にも言及した。共同通信が決議草案を入手した。

 国連外交筋によると、7カ国の制裁措置の議論で、米国は臨検義務化を強く要求、同時に臨検で軍事衝突が起きることを想定し、憲章7章の明記を求めたという。一方、中国は義務化には慎重姿勢で、協議が進まない最大の理由となっている。

 また決議草案は核実験を「最も強い表現で非難」、2006年10月の最初の核実験後に採択された安保理決議1718の「言語道断の違反、無視」としている。

 決議草案は14項目で、最大の焦点の制裁については、加盟国に「決議1718の措置を直ちに強化」するよう要請。具体的な制裁強化・追加制裁を扱う第8項は記載がなく、7カ国は別紙で協議しているとみられる。

 国連外交筋によると、主要な制裁措置は(1)臨検強化(2)禁輸措置の拡大(3)資産凍結団体の拡大(4)渡航禁止対象者の指定(5)融資・援助停止などの金融制裁-の5項目。金融制裁は追加制裁を求める日本の要請で盛り込まれたという。

 このほか中国、ロシアの要求で、北朝鮮がどの程度決議を順守するかに合わせて、制裁措置を見直すとの項目も設けられた。

 7カ国は28日夕、3回目となる大使級会合を開催、決議草案を協議したが、最終合意に至らなかった。決議案の採択は週明け以降にずれ込む可能性が強まっている。

【産経紙主張】P3C派遣 情報共有して海賊抑止を

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090529/plc0905290317006-n1.htm
【主張】P3C派遣 情報共有して海賊抑止を

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、船舶の警護などにあたる海上自衛隊のP3C哨戒機2機が活動拠点となるソマリアの隣国ジブチに向けて出発した。

 期待されるのは、その情報収集能力だ。海自の護衛艦の活動の支援に加えて、海賊対策に参加する他国部隊にも情報を提供しなくてはならない。

 自衛隊法の海上警備行動に基づいて現在、海自が行っている活動は外国船舶を対象としていない。これを理由に各国との情報共有を問題視する向きがあるが、それはおかしい。

 海賊対策には米国や中国、EU(欧州連合)などから20カ国以上が参加している。対象となるアデン湾は全長900キロ、航行する商船は年間2万隻に及ぶため、海賊船や不審船などに関する情報はきわめて重視されている。

 哨戒機を出している米、フランス、ドイツ、スペインとともに、日本も上空からの情報収集に乗り出すことによって、海賊船や不審船を探知し、海賊行為を抑止することができる。

 情報の共有により、海賊行為の多発地域を特定し、各国が手分けをして警戒するといった方法もとれるだろう。P3C派遣は、日本が国際社会の一員としての責務を果たすだけでなく、海上交通路の確保において実質的な役割を担うことでもある。

 海自の主力哨戒機であるP3Cは、日本周辺海域で不審船や東シナ海ガス田などの監視も行っているが、任務として海外に派遣されるのは初めてだ。

 ジブチ空港を拠点としてすでに活動中の護衛艦2隻とともに、6月中にはアデン湾で日本関連船舶の警護を始めることになる。この活動のために、海自、陸自合わせて約150人が派遣される。任務を完遂して、無事に帰国してもらいたい。

 問題は、海賊対処法案(海賊新法)の取り扱いだ。法案には外国船舶も保護の対象とする内容が盛り込まれている。しかし、4月23日の衆院通過後、1カ月以上も放置され、ようやく参院で審議が始まったばかりだ。このままでは、せっかく情報を収集しても、すべての船舶を保護対象とする活動に生かし切れないことになる。

 法案審議の遅れが、海賊対処活動の実効を妨げる事態を招きかねないことを与野党は認識し、早期成立に協力してもらいたい。

2009年5月28日 (木)

海賊対処法案、審議スタート=参院委

海賊新法は特措法ではなく、恒久法だ。時間が制限されていないことがこういう事になる。いつまで自衛隊を出しておく気なのか。(高田)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052800735
海賊対処法案、審議スタート=参院委

 アフリカ・ソマリア沖に派遣中の海上自衛隊による海賊対策の新たな根拠法となる海賊対処法案は28日午後、参院外交防衛委員会で趣旨説明と質疑が行われ、実質審議入りした。金子一義国土交通相は、活動終了の時期について「ソマリアに自治政府が本当にできて、自らで(海賊行為を)取り締まることができるようになれば、終了することになる」と述べ、明確な終了時期は言及を避けた。
 金子氏はまた、同法案の修正について「必要な修正協議はわたしも見守りたい」と述べた。いずれも、谷岡郁子氏(民主)への答弁。 (2009/05/28-17:26)

雑記(79)自宅のハイビスカスが咲きました

Photo今年も植木鉢のハイビスカスがピンク色した大輪の花をつけました。今朝、起きて覗いたらパアッと開いていました。何だかうれしくなりました。つぼみがあと2つあります。もっと出てくるかなと楽しみにしています。寒い冬には部屋の中に入れて大事にしてきた花です。携帯で撮影しました。この花をみると沖縄を思い出します。沖縄は早くも梅雨ですね。(高田)
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海賊対処法案が参院で審議入り 修正協議、焦点

http://www.asahi.com/politics/update/0527/TKY200905270318.html
海賊対処法案が参院で審議入り 修正協議、焦点

2009年5月27日22時37分
 自衛隊がソマリア沖・アデン湾で行う海賊対策の新たな根拠となる海賊対処法案が27日、参院本会議で審議入りした。参院で多数を握る民主党は、国会の事前承認を義務づけるなどの法案修正を求めており、与野党の修正協議の行方が焦点となる。

 麻生首相は「ソマリア沖の海賊は国際社会全体の脅威だ。関係船舶の船籍などを問わず、海賊行為へ適切に対処することを可能とする海賊対処法案の早期成立が必要だ」と述べた。

 法案は、現行の海上警備行動では認められていない日本と無関係の外国商船も保護対象にし、(1)海賊罪を新設(2)停船命令に応じない船への射撃を認める(3)首相は海賊対処行動の承認時と終了時に国会へ報告する――などを定めている。

 民主党は国会の事前承認を義務づけるなどの修正を求めている。衆院審議の段階では、与党側が衆参両院の議決があれば自衛隊派遣を中止できる妥協案を提案したが、民主党が「事前承認」を譲らず、修正協議は決裂。与党の賛成多数で衆院を通過した。

 海上自衛隊の護衛艦は、活動を始めた3月末からこれまで計5回、保護対象外の外国船などの通報に基づいて不審船に対処してきた。法律に基づいてきちんと保護できるよう、政府は法案成立を急いでいる。民主党は参院審議を長期化させない方針を決めており、修正協議の行方にかかわらず、国会の会期延長後、衆院通過から60日目となる6月21日までには成立する見通しだ。(石松恒)

麻生首相「対北、安保理決議が必要」=敵基地攻撃は自衛の範囲-参院予算委

首相答弁でこういう議論が飛び出している。大変な問題である。朝日報道のみが「敵基地攻撃は合憲」という発言主旨について触れていないのはおかしな報道だ。
麻生首相は1956年の鳩山一郎内閣の政府統一見解(船田中防衛庁長官答弁)を踏襲するつもりであろう。こうした発言は06年7月、小泉内閣に於いて額賀福志郎防衛庁長官によっても行われている。これらの発言自体が、当時、野党などから厳しい批判をあびたように、重大な憲法違反なのである。
今回も麻生首相発言に先立って、自民党国防部会防衛政策小委員会が新防衛計画大綱(2010~14)の閣議決定に向け提言案をまとめた。その中では、敵基地攻撃能力保有のため、情報収集衛星や通信衛星、巡航ミサイルを組み合わせた体制づくり、武器輸出3原則の緩和、軍事裁判所設置に向けた憲法改正などを主張している。
これに呼応して5月26日の産経新聞「主張」なども、「日本の防衛力はこれまで『専守防衛』を基本とし、攻撃能力は米軍にゆだねてきた。日本は自ら報復能力を持っていないが、自衛力の一環として北の核・ミサイル施設に対する先制破壊などの抑止力を整えるべきだ」などと主張していた。
そもそも自衛隊と日米安保条約体制が憲法に反するという問題はさておいて、歴代の日本政府は日米防衛のガイドラインで有事の際の日米の防衛の役割分担を決めてきた。日本は「専守防衛」に徹し、周辺での有事に際しては米軍の後方支援を於くなって対処するというのが従来の日本政府の立場であった。
敵基地攻撃論はこの立場を突破するものである。もともと専守防衛の自衛隊は弾道ミサイルや長距離戦略爆撃機、航空母艦などを持たないことを建前としてきた。敵基地攻撃を可能にするには自衛隊の装備の面でもこれらの能力の保持が必要になる。すでに自衛隊はさまざまな制約を受けつつも、ヘリ空母「ひゅうが」の建造にみられるような前方展開のできる軍艦や、空中給油機などを保持し、軍事偵察衛星の配備などにも着手してきた。巡航ミサイルを導入する動きもあった。こうして自衛隊はいま「敵基地攻撃」を可能にする実力を備えつつある。
今回の自民党国防部会提言や麻生首相発言は、米国のブッシュ前大統領の破綻した「先制攻撃」戦略の後追いであり、「国際紛争の解決の手段としての武力の行使」を放棄した第9条の縛りを破壊するものである。先制攻撃は相手国家との間に戦端を開くものに他ならず、戦争への突入である。こうした発言を絶対に許すわけにはいかない。(高田)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052800048
麻生首相「対北、安保理決議が必要」=敵基地攻撃は自衛の範囲-参院予算委

 麻生太郎首相は28日午前の参院予算委員会で、北朝鮮の核実験への対応について「国連安全保障理事会における決議として極めてきついものが迅速に出されることが一番大きな圧力になり得る」と述べ、追加制裁を含む新たな決議の採択が必要との考えを強調した。民主党の犬塚直史氏への答弁。
 首相はまた、敵基地攻撃能力の保有に関し「他に手段がないと認められるとき、敵の誘導弾の基地をたたくのは法理的には自衛の範囲に含まれ可能だ」との見解を重ねて示し、「武力攻撃に着手していない時点での先制攻撃とは違う」と述べた。
 米国による北朝鮮のテロ支援国指定解除の見直しを求める声が与野党内で強まっている。これについては「ご期待に沿った線で動いている」と述べ、オバマ米大統領と電話会談した際、再指定を働き掛けたことを示唆した。 
 同日の予算委は首相のほか関係閣僚が出席して、北の核実験と新型インフルエンザをテーマに集中審議を行った。首相は、新型インフルの感染が秋以降も予想されることについて「いろいろな対応を今後検討しなければならない」と強調した。自民党の山本一太氏や西島英利氏などの質問に答えた。(2009/05/28-12:38)

http://www.asahi.com/politics/update/0528/TKY200905280125.html
外相一転、「米から通告あった」 北朝鮮の核実験

2009年5月28日12時1分

 中曽根外相は28日の参院予算委員会で、北朝鮮の核実験に関する米国からの事前通告について「米国から情報が伝わっていたということは事実だ」と述べた。ただ、「事前、事後については申し上げられない」と、通告のタイミングは明らかにしなかった。民主党の犬塚直史氏の質問に答えた。

 事前通告について日本政府は河村官房長官が26日の記者会見で「外交やりとりについて申し上げることは差し控える」とするなど明確にしてこなかった。だが、麻生首相が27日の党首討論で「情報がかなり早めに伝わっていたことは事実だ」と述べたのを受け歩調を合わせたとみられる。

 また、首相は、自衛隊が敵基地攻撃能力を持つべきだとの意見が自民党内で出ている点について「現実の自衛隊の装備を見ると、敵基地攻撃を目的とした装備(兵器)体系を保有しているわけではない」と述べるにとどめた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090528/plc0905281255009-n1.htm
【北核実験】麻生首相、敵基地攻撃論に「憲法で認める自衛の範囲」
2009.5.28 12:55
このニュースのトピックス:自衛隊

 麻生太郎首相は28日午前の参院予算委員会で、北朝鮮の核実験に関連し、敵基地攻撃をめぐる議論について言及した。

 麻生首相は「法理的には憲法で認められている自衛の範囲に含まれ可能だ」と明言。そのうえで「現実には敵基地攻撃を目的とした装備体系を自衛隊は保有していない。日米安全保障体制をきちっとした上で、日本の平和と安全を期したい」との認識を示した。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090528k0000e010042000c.html
麻生首相:敵基地攻撃能力「自衛の範囲内」…予算委で

 参院予算委員会は28日午前、麻生太郎首相と関係閣僚が出席し、新型インフルエンザと北朝鮮の核実験に関する集中審議を行った。麻生首相は、北朝鮮のミサイル基地などへの攻撃を想定した「敵基地攻撃能力」について、「他に手段がないと認められる限りで、敵の誘導弾の基地をたたくことは法理的に認められ、自衛の範囲に含まれる可能性がある、というのは1956年(の鳩山一郎首相答弁時)から同じだ。先制攻撃とは違う」と述べた。山本一太氏(自民)への答弁。

 ただ、首相は「現実の自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有していない。日米安保をきちんとして、日本の平和と安全を期することが基本だ」と語った。
また、山本氏が、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう米国に働きかけるべきだと指摘したのに対し、首相は「ご期待の線に沿って動いていると思う」と述べ、日本政府として米国側に働きかけていることを示唆した。

 一方、舛添要一厚生労働相は新型インフルエンザの国内感染の発見が遅れたことについて、「学級閉鎖の定点観測を強化しないといけないと反省している」と述べた。患者の多くが高校生だったが、高校が義務教育でないために学級閉鎖の情報が来ず、「大きな落とし穴になった」と指摘した。【田中成之】

http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009052801000310.html

テロ支援国家再指定、米に要請  参院予算委で首相

 麻生太郎首相は28日午前の参院予算委員会で、北朝鮮の核実験強行を受け、米国にテロ支援国家再指定を働き掛けていることを示唆した。自民党の山本一太氏の「働き掛けるべきだ」との質問に「(オバマ米大統領との)電話の内容まで説明できないが、ご期待に沿った線で動いていると思う」と答えた。

 自民党内で核実験を受け、敵基地攻撃能力保持を新「防衛計画の大綱」に盛り込むべきだとの声が出ていることについては「(官邸に設置された新大綱に関する有識者懇談会などの)議論を見た上であらためて検討したい」と述べるにとどめた。

 これに関連し、首相は「法理的には憲法が認める自衛の範囲に含まれ、可能であるというのは昭和31年から同じことだ。武力攻撃を着手していない時点での先制攻撃とは違うというのは肝心なところだ」と、違憲ではないとの見解をあらためて示した。

 舛添要一厚生労働相は新型インフルエンザの政府対応に関し「大きな1つの落とし穴は高校に目が向いていなかったことだ」と述べ、高校の学級閉鎖情報を十分に把握できず国内感染者の発見が遅れたとの認識を示した。

憲法審査会「仕切り直しを」=民主・枝野氏

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052800423
憲法審査会「仕切り直しを」=民主・枝野氏

 衆院議院運営委員会は28日午前、国民投票法に基づいて設置された憲法審査会の規程制定をめぐり、民主党の枝野幸男氏を招いて意見を聞いた。同法成立前に与党との協議に関わってきた枝野氏は「大方の合意形成がなされていたのに、(与党による)残念な強行採決になった。仕切り直すべきだ」と批判、早急な規程制定に反対した。
 枝野氏が退席した後、同委では自民党が規程の速やかな制定を重ねて求めたのに対し、民主党は「時間をかけるべきだ」と慎重な議論を求めた。(2009/05/28-12:42)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-29/2009052902_05_1.html
憲法審査会規程めぐり議論
国民は改憲の場求めず
佐々木氏主張

 衆院議院運営委員会で二十八日、改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会の規程制定をめぐり、民主党の枝野幸男前衆院憲法調査会長代理が参考人として意見陳述しました。

 日本共産党は、参考人を呼ぶことは規程づくりの前提になるとして反対しました。

 枝野氏は「憲法改定論議は、国会内での広範な合意、政権を担う意思のある政党同士の共同作業が必要だ。中山太郎会長(自民)の努力で共同作業が進められてきたが、安倍内閣のもとで改憲を選挙の争点とし、強引な議会運営が行われ、国民投票法(改憲手続き法)の内容についてはいくつかの論点で合意形成できないまま強行採決となった」とのべ、「信頼関係破壊に対する真摯(しんし)な謝罪と仕切り直しなしに、審査会規程を議決しても議論は進まない」と与党の強硬姿勢を批判しました。

 日本共産党の佐々木憲昭議員は「改憲手続き法は安倍内閣の改憲スケジュールに沿って強行されたものだが、全国に七千を超える九条の会が結成されているように、国民の圧倒的多数は九条改憲に反対だ」と強調。「国民は改憲論議の場を国会につくることを求めていない。いま求められているのは、憲法二五条が脅かされている現実をどうするかということだ」と批判しました。

 自民党の小此木八郎議員(同委筆頭理事)は「引き続きこの国会で規程を制定する立場で協議を続けていきたい」と表明しました。

2009年5月27日 (水)

5・27緊急院内集会

0021海賊新法の参議院審議入りの27日、5・3憲法集会実行委員会は午前10時半から参議院議員会館で、海賊新法と憲法審査会始動に反対する緊急院内集会を開いた。折しも明日は、衆議院議院運営委員会で憲法審査会をめぐって、民主党の枝野・元憲法調査特別委員長代理から意見聴取をするという日程になっている。
呼びかけて3日目の平日の朝の集会にもかかわらず、77人の市民が参加した。市民連絡会の高田健が主催者挨拶し、その中で、次回の行動を6月9日(火)正午、日比谷公園霞門に集合して、昼休み国会デモを行うことを提起した。
国会からは共産党の佐々木憲昭衆院議員、社民党の日森文尋衆議院議員、福島瑞穂参議院議員、近藤正道参議院議員が参加し、国会報告をした。
市民団体からは、憲法を愛する女性ネットの山口菊子さん、憲法会議の川村俊夫さん、日本山妙法寺の武田隆雄さん、女性の憲法年連絡会の榎本よう子さん、イラク派兵違憲訴訟団原告の寺尾光身さん、キリスト者平和ネットの糸井玲子さん、憲法を生かす会の筑紫建彦さんらが発言した。(高田)

2009年5月26日 (火)

敵基地攻撃論を煽動する産経主張と西尾幹二氏

産経紙の敵基地攻撃能力保持論についてはどこかで述べたい。下段に紹介した西尾の言説で、経済制裁がすでに戦争行為であると指摘している点は重要だ。結論は180度ちがうのだが、経済制裁論者の人たちには考えてもらいたい点である。(高田)

下段に紹介した
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090526/kor0905260339002-n1.htm
【主張】北朝鮮の核再実験 断固たる制裁発動せよ 弾頭小型化に備えはあるか
北朝鮮が2006年10月の核実験に続き、「地下核実験を成功させた」と発表した。先月、国際社会の制止を振り切って強行した長距離弾道ミサイル発射に次ぐ暴挙だ。世界の平和と安全を正面から脅かす重大な挑戦である。

 東アジア地域の脅威を高め、核・大量破壊兵器拡散の危険も増大させた。06年以来の一連の国連決議に対する明確な違反を断じて許してはならない。日本は米韓などとともに国連安全保障理事会の緊急協議に力を結集し、国際社会の総意をまとめて速やかに厳しい制裁を発動すべきである。

 一方、北の核再実験は日本の防衛に重大な問題を突きつけた。長距離ミサイル発射と同様に、日米同盟の抑止力が機能不全に陥っている現実をみせつけたからだ。ミサイルと核の脅威増大への備えをどうするかこそ、国の総力をあげて取り組むべき課題である。

 北は先月の「衛星打ち上げ」を名目とした長距離ミサイル発射に対する安保理議長声明を拒み、6カ国協議離脱と核・ミサイル実験の再開を予告していた。06年7月のミサイル発射、10月の核実験と同じ行動パターンで、国連決議を無視した不遜(ふそん)な対決姿勢を改めないのは大きな問題である。

 ≪米は包括政策固めよ≫

 だがそれ以上に、前回の核爆発規模が1キロトン以下で「実質的に失敗」との見方があったのに対し、今回は核弾頭小型化技術の確立を狙ったとの観測もある。弾頭を小型化してミサイル搭載が可能になれば、脅威は飛躍的に増大し、世界的な核・ミサイル拡散の危険も高まるのは明らかだ。

 とりわけ政権交代したばかりのオバマ米大統領は、4月の「核なき世界」を掲げた演説の当日に弾道ミサイルを発射されたのに続いて、あからさまな挑戦的行動を再び突きつけられた。

 核実験によって、核問題解決をめざす6カ国協議再開の期待は一層遠くなった。こうなった背景には、米国の対北政策が迷走状態にあることと、6カ国協議のメンバーで安保理常任理事国でもある中国、ロシア両国の非協力的な姿勢の2点が挙げられよう。

 北は05年以降、核の検証や核施設無能力化の約束を果たそうとしなかった。にもかかわらず、ブッシュ前米政権は、北の行動や経済を締めつける効果を示した金融制裁とテロ支援国家指定の外交カードを2つとも口約束で解除してしまった。これは重大な失敗といわざるを得ず、反省すべきだ。

 6カ国協議の継続方針を掲げたオバマ政権も、包括的な対北政策はまだ固まっていない。それなのに、クリントン国務長官が指名したボズワース担当特使は「金融制裁もテロ支援国家指定も再発動の予定はない」と公言、北に「圧力はかけない」と教えるような言動を重ねてきたのは遺憾である。

 ≪中露は責任を果たせ≫

 中露の姿勢にも問題が多い。北はミサイル技術や偽ドル、偽たばこなどあらゆる不当な手段で外貨獲得を図っている。国連は安保理決議1718などを通じて制裁強化を求めてきた。しかし、4月のミサイル発射時もそうだったように、中国とロシアは制裁の履行と強化には一貫して消極的で、国連決議の義務を十分に果たしているようには見えない。

 オバマ大統領が「明確な国際法違反」と述べたのをはじめ、日韓など各国が北を厳しく非難しているのは当然だ。しかし、北の行動を改めさせるには、明確で断固とした制裁措置の実行が不可欠である。米国は金融制裁とテロ支援国家指定の再発動を真剣に検討すべきであり、中露は世界の平和と安全を担う重大な責任を自覚し、義務を果たすよう求めたい。

 日本の防衛力はこれまで「専守防衛」を基本とし、攻撃能力は米軍に委ねてきた。日本は自ら報復能力を持っていないが、自衛力の一環として北の核・ミサイル施設に対する先制破壊などの抑止能力を整えるべきだ。

 

同時に、日米同盟の強化も必要である。自衛隊と米軍の連携に不可欠な集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の改定を急ぐとともに、米国の「核の傘」に安全を委ねる日本のあり方に関する議論も必要かもしれない。最低限、核抑止がどの程度機能しているかを日本政府は検証しなければならないだろう。

 国連の場での制裁論議や日本独自の制裁強化もさらに検討する必要がある。そうした外交的対応と同時に、防衛・安全保障のあり方の検討も怠ってはならない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090526/plc0905260342005-n1.htm
【正論】評論家・西尾幹二 敵基地調査が必要ではないか
≪戦争と背中合わせの制裁≫

 東京裁判でアメリカ人のウィリアム・ローガン弁護人は、日本に対する経済的圧力が先の戦争の原因で、戦争を引き起こしたのは日本ではなく連合国であるとの論証を行うに際し、パリ不戦条約の起案者の一人であるケロッグ米国務長官が経済制裁、経済封鎖を戦争行為として認識していた事実を紹介した。日米開戦をめぐる重要な論点の一つであるが、今日私は大戦を回顧したいのではない。

 

経済制裁、経済封鎖が戦争行為であるとしたら、日本は北朝鮮に対してすでに「宣戦布告」をしているに等しいのではないか。北朝鮮がいきなりノドンを撃ち込んできても、かつての日本のように、自分たちは「自衛戦争」をしているのだと言い得る根拠をすでに与えてしまっているのではないか。

 勿論(もちろん)、拉致などの犯罪を向こうが先にやっているから経済制裁は当然だ、という言い分がわが国にはある。しかし、経済制裁に手を出した以上、わが国は戦争行為に踏み切っているのであって、経済制裁は平和的手段だなどと言っても通らないのではないか。

 ≪北の標的なのに他人事?≫

 相手がノドンで報復してきても、何も文句を言えない立場ではないか。たしかに先に拉致をしたのが悪いに決まっている。が、悪いに決まっていると思うのは日本人の論理であって、ロシアや中国など他の国の人々がそう思うかどうか分からない。武器さえ使わなければ戦争行為ではない、ときめてかかっているのは、自分たちは戦争から遠い処にいるとつねひごろ安心している今の日本人の迂闊(うかつ)さ、ぼんやりのせいである。北朝鮮が猛々(たけだけ)しい声でアメリカだけでなく国連安保理まで罵(ののし)っているのをアメリカや他の国は笑ってすませられるが、日本はそうはいかないのではないだろうか。

 アメリカは日米両国のやっている経済制裁を戦争行為の一つと思っているに相違ない。北朝鮮も当然そう思っている。そう思わないのは日本だけである。この誤算がばかげた悲劇につながる可能性がある。「ばかげた」と言ったのは世界のどの国もが同情しない惨事だからである。核の再被爆国になっても、何で早く手を打たなかったのかと、他の国の人々は日本の怠惰を哀れむだけだからである。

 拉致被害者は経済制裁の手段では取り戻せない、と分かったとき、経済制裁から武力制裁に切り替えるのが他のあらゆる国が普通に考えることである。武力制裁に切り替えないで、経済制裁をただ漫然とつづけることは、途轍(とてつ)もなく危ういことなのである。

 『Voice』6月号で科学作家の竹内薫氏が迎撃ミサイルでの防衛不可能を説き、「打ち上げ『前』の核ミサイルを破壊する以外に、技術的に確実な方法は存在しない」と語っている。「独裁国家が強力な破壊力をもつ軍事技術を有した場合、それを使わなかった歴史的な事例を見つけることはできない」と。

 よく人は、北朝鮮の核開発は対米交渉を有利にするための瀬戸際外交だと言うが、それはアメリカや他の国が言うならいいとしても、標的にされている国が他人事(ひとごと)のように呑気(のんき)に空とぼけていいのか。北の幹部の誤作動や気紛れやヒステリーで100万単位で核爆死するかもしれない日本人が、そういうことを言って本当の問題から逃げることは許されない。

 ≪2回目の核実験を強行≫

 

最近は核に対しては核をと口走る人が多い。しかし日本の核武装は別問題で、北を相手に核で対抗を考える前にもっとなすべき緊急で、的を射た方法があるはずである。イスラエルがやってきたことである。前述の「打ち上げ『前』の核ミサイルを破壊する」用意周到な方法への準備、その意志確立、軍事技術の再確認である。私が専門筋から知り得た限りでわが自衛隊には空対地ミサイルの用意はないが、戦闘爆撃機による敵基地攻撃能力は十分そなわっている。トマホークなどの艦対地ミサイルはアメリカから供給されれば、勿論使用は、可能だが、約半年の準備を要するのに対し、即戦力の戦闘爆撃機で十分に対応できるそうである。

 問題は、北朝鮮の基地情報、重要ポイントの位置、強度、埋蔵物件等の調査を要する点である。ここでアメリカの協力は不可欠だが、アメリカに任せるのではなく、敵基地調査は必要だと日本が言い出し、動き出すことが肝腎(かんじん)である。調査をやり出すだけで国内のマスコミが大さわぎするかもしれないばからしさを克服し、民族の生命を守る正念場に対面する時である。小型核のノドン搭載は時間の問題である。例のPAC3を100台配置しても間に合わない時が必ず来る。しかも案外、早く来る。25日には2回目の核実験が行われた。

 アメリカや他の国は日本の出方を見守っているのであって、日本の本気だけがアメリカや中国を動かし、外交を変える。六カ国協議は日本を守らない。何の覚悟もなく経済制裁をだらだらつづける危険はこのうえなく大きい。(にしお かんじ)

2009年5月25日 (月)

野党マニフェストに不参加=憲法・安保で民主と距離-社民

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052500459
野党マニフェストに不参加=憲法・安保で民主と距離-社民

 社民党の福島瑞穂党首は25日、国会内で記者会見し、次期衆院選に向けて民主、国民新両党が合意した政策協議について「社民党は国会に必要で、社民党にしかできないことがある。社民党の票を増やすためにも統一マニフェスト(政権公約)を作るつもりはない」と述べ、参加しない考えを表明した。選挙協力は続けるという。
 民主党は、衆院選後に社民、国民新両党と連立政権を樹立することを視野に入れているが、社民党内には憲法や安全保障問題で立場の異なる民主党との連立に慎重な意見が根強い。
 福島氏は会見で、衆参両院に設置されながら始動していない憲法審査会に関して「動かしたら危機的なことになる」と強調。民主党の鳩山由紀夫代表に電話し、始動阻止に向け協力を要請したことも明らかにした。(2009/05/25-14:58)

敵基地攻撃能力の保有要求 新防衛大綱へ自民提言案

http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009052401000606.html

敵基地攻撃能力の保有要求  新防衛大綱へ自民提言案

 政府が今年末に予定する新「防衛計画の大綱」(2010-14年度)の閣議決定に向け、自民党国防部会の防衛政策検討小委員会がまとめた提言案が24日、明らかになった。4月の北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射を受け、敵基地攻撃能力の保有や、ミサイル発射を探知する早期警戒衛星の研究、開発を求めるのが柱だ。

 政府は敵基地攻撃について、敵ミサイルの日本攻撃が確実な場合などは憲法上許されると解釈している。ただ浜田靖一防衛相らは能力保有検討に慎重姿勢を示しており、新大綱への盛り込みにはなお議論を要しそうだ。

 提言案は、敵基地攻撃に関し「専守防衛の範囲で座して死を待たない防衛政策として敵基地攻撃能力が必要」と強調。情報収集衛星で相手国の発射の動きを察知し、巡航ミサイルなどで攻撃することは可能とした。

 日本は現在、ミサイル発射の探知を米早期警戒衛星に依存しているが、4月5日の北朝鮮のミサイル発射以来、独自衛星の保有論が自民党の一部に出ていた。
2009/05/24 19:04   【共同通信】

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090526/stt0905260130001-n1.htm
防衛大綱・自民素案「北策源地攻撃に海上発射の巡航ミサイル」

年末の防衛計画大綱改定に向け、自民党国防部会がまとめた素案概要が25日分かった。4月の北朝鮮弾道ミサイル発射を受け、海上発射型の巡航ミサイル導入など敵基地攻撃能力の保有を提言。米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など4類型について政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認める方向性も示した。

 政府は敵基地攻撃は、敵のミサイル攻撃が確実な場合は憲法上許されるとするが、北朝鮮まで往復可能な戦闘機や長射程巡航ミサイルがない。素案は弾道ミサイル対処で、ミサイル防衛(MD)システムに加え「策源地攻撃が必要」と明記。保有していない海上発射型巡航ミサイル導入を整備すべき防衛力とした。

 MDでは、自前の早期警戒衛星開発やPAC3より広い空域での迎撃が可能な「THAAD」(高高度地域防衛)システムの導入検討を提言。公海上に展開するイージス艦防護を念頭に、公海上の自衛隊艦船・航空機への不法行動にも武器を使用して対処できるよう検討することなどを打ち出した。

 素案は日米協力や国際貢献のため、(1)公海上での米軍艦艇防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)駆けつけ警護(4)他国部隊の後方支援-の4類型について、集団的自衛権行使に向けた国民理解を深める必要性を強調。複数国による戦闘機などの共同開発を視野に武器輸出3原則を見直し、米国以外の企業とも共同研究・開発、生産を解禁する考えを示した。

【正論】防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛 集団的自衛権の保有確認求む

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090525/plc0905250316000-n1.htm
【正論】防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛 集団的自衛権の保有確認求む

 ≪鳩山代表も制限行使に関心≫

 何回目のことだろうか。政治家の間に集団的自衛権への関心が戻ってきたらしい。安倍政権当時にこの問題で安保法制懇座長を務めた柳井元駐米大使が先般、麻生首相に1年前の懇談会報告書の内容を説明した。安倍元首相も総選挙用マニフェストに集団的自衛権行使不可なる現行憲法解釈の変更を謳うよう、首相に進言したようだ。首相自身は就任時に、解釈変更への賛意を語っていた。

 21世紀に入ってから小泉、安倍、福田、麻生の4代の自民党首相中、この問題に無関心だったのは懇談会報告書をお蔵に入れた福田氏だけ。この人は自衛隊最高指揮官意識までもが不足していたのだから、例外なのだろう。他方、ことと次第で次期首相の可能性がある鳩山民主党新代表も先日、集団的自衛権の制限的行使についての関心を語った。因みに、小沢前民主党代表が現行政府解釈を正解視していないことも周知だ。

 昭和56年に出た現行の政府見解のままでいいと考えているリーダー格の政治家は、探しても見つけるのが困難だ。この事実があるのに集団的自衛権問題が現実には一歩も動いていないことは、不思議千万。が、不思議がっていても始まらない。観察が必要である。

 ≪現行では日米安保ももたぬ≫

 右の政治家や関係諸家の議論におおむね共通するのは、現行解釈のままでは日米安保体制がもたなくなるとの危惧である。日米安保体制がもたなければ日本の防衛も危うくなる。この危惧は正しい。そこで、日米安保体制が危うくなる事態とは何かが洗い出され、せめてその種の事態だけでも回避するための方策が探られる。「四類型」への対応を検討した安倍政権時代の安保法制懇の報告書は、その意味では画期的であった。

 因みに「四類型」とは(1)公海上での米艦の防護(2)米国に向かう弾道ミサイルの迎撃(3)国際的平和活動での武器使用(4)国際的平和活動での「後方支援」における武器使用、である。報告趣旨が活かされるならば、米国側の対日不満は大幅に解消されよう。

 ただ、同懇談会に加わった私は検討が四類型に絞られ、集団的自衛権に関する政府見解そのものの欠陥性が議論されなかったことに、当初から疑問を感じた。

 政府見解は、わが国は集団的自衛権を「国際法上は保有するが、憲法上その行使は不可」というものである。その際、「憲法上は保有か、非保有か」は全然吟味されていない。過去に法制局長官は「結局は行使は違憲なのだから、その吟味は無意味」との趣旨を述べた。シニカルな議論であり、ここに政府見解の最大の欠陥がある。分かりやすい例で考えてみよう。

 被選挙権なる権利がある。公職選挙法第11条、同11条の2の該当者以外、法定年齢以上の日本国民は誰もがそれを有するし、理論上はそれを行使できる。が現実には「地盤、看板、鞄」の3バンなき人間はその行使を考えまいし、その行使は茶番だろう。落選確実だからだ。ただ重要なのは、誰もが被選挙権を有するという確認が先行していることだ。

 個別的、集団的自衛権は国連憲章がすべての国家に認めている権利である。政府見解が日本は憲法上その行使は不可と言うのなら、まずその前提、つまり集団的自衛権の憲法上の保有、非保有の確認から始めるべきなのだ。後述するように、私は保有確認が可能と考える。ところが現実の政府解釈はそこのところを逃げてしまった。

 ≪原則解釈の確立が先決だ≫

 被選挙権論を3バン論から始めるのは順序が狂っている。同じように、集団的自衛権論議を「憲法上行使不可」論から始め、「保有・非保有」確認を飛ばしてしまうのもおかしい。今日出回っている集団的自衛権行使制限論ないし限定的行使論は、言ってみれば「3バン」論で被選挙権を論じるのに似ている。ボタンは上から掛けるべきで、「急がば回れ」なのだ。さもないと将来、「四類型」以上の新しい事態が予測されると、またもや議論が一から始まる。現に類型(2)、(3)、(4)などは十数年前には論議する人とてなかった。他方、「集団的自衛権を保有、その行使は合憲」の原則解釈を確立すれば、行使の範囲、態様などは爾後の政策マターとなる。

 鳩山民主党新代表の祖父鳩山一郎首相は就任早々の昭和29年12月、自衛権の保有に関する政府統一見解を出した。いわく、「憲法は、自衛権を否定していない。自衛権は国が独立国である以上、その国が当然に保有する権利である。憲法はこれを否定していない。従って現行憲法のもとで、わが国が自衛権を持っていることはきわめて明白である」。

 立派な解釈であり、以後、自衛権存否論争は止んだ。今日、右の文中の自衛権の語にそのつど「個別的および集団的」という言葉を冠すればよい。現行憲法中に集団的自衛権保有を否定する文言はないからだ。これで保有を確認し、しかるのち、保有する権利の行使の範囲、態様などにつき、国益の観点から活発に議論すべきなのだ。(させ まさもり)

2009年5月24日 (日)

次期戦闘機:米、浜田防衛相にF35導入要請 空自、F22困難に

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090524ddm001010092000c.html
次期戦闘機:米、浜田防衛相にF35導入要請 空自、F22困難に

 航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の選定を巡り、浜田靖一防衛相が今月1日に訪米した際、ゲーツ国防長官から戦闘機F35の導入を打診されていたことが23日、分かった。会談では、防衛省が最有力候補にしてきた最新鋭のステルス戦闘機F22について、ゲーツ長官が禁輸条項を理由に輸出は困難と説明した。米側がF35購入を強く促したことで、F22の導入は困難な状況となった。

 F22は現状では世界最高水準のステルス技術を内包しているため、技術の流出を懸念する米議会の意向で輸出禁止措置が取られている。さらに4月、ゲーツ長官が、現在計画中の187機で生産を終了し、米軍には最新鋭ステルス機で英豪などと共同開発しているF35の導入を推進することを表明していた。

 浜田防衛相とゲーツ長官はワシントンで会談。ゲーツ長官が米議会の状況について説明した。この中で、F35の機種名を挙げて、日本側が選定するよう示唆したという。浜田防衛相は「防空能力のしっかりしたものを考えたい」と述べ、F22を選択肢として残す意向を示したが、米側は軍事機密優先という構えを崩しておらず、防衛省では「F22導入が難しいのは間違いない」(幹部)との見方が大勢だ。

 防衛省はFX候補として、F22とF35のほか欧州のユーロファイター・タイフーンなど計6機種から選定を進めてきた。中でも高度のステルス機能を有し防空能力が群を抜くF22が本命とされていた。F35は1機約90億円で1機約140億円のF22よりも価格が安いが、ステルス性能が劣り、実戦配備は14年ごろの予定。【仙石恭】

2009年5月22日 (金)

28日に民主議員が陳述/憲法審査会規程めぐり 自公民が決定/衆院議運委理

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-22/2009052202_02_1.html
28日に民主議員が陳述/憲法審査会規程めぐり 自公民が決定/衆院議運委理

 自民、公明の与党と民主党は二十一日の衆院議院運営委員会理事会で、憲法審査会規程の制定をめぐって二十八日に前衆院憲法調査会長代理の枝野幸男議員(民主)を参考人として意見聴取することを決めました。

 日本共産党の佐々木憲昭議員は「これまでも野党の反対を無視して委員長の職権で進めてきた。なんの反省もなく、それを前提として、このような形ですすめることには反対だ」と批判しました。小坂憲次委員長は「その意見は十分聞かせていただいたが、やらせていただく」と述べました。

 民主党はこの間、「改憲手続き法強行(二〇〇七年五月)について与党の側からの一定のけじめが必要」などとして、同規程の制定を正式の議題とすることに反対し、民主側の意見陳述にも応じない姿勢を示してきました。

 一転、承諾したことについて民主党の国対幹部は、「与党が非常に強硬で、このまま一方的に規程議決を強行されるのも問題がある。一方的だったとはいえ、自民党の中山太郎議員(前衆院憲法調査特別委員長)も意見陳述しており、民主党の意見も表明しておくことにした。もともと何が何でも反対ではない」と述べました。

国会:27日に海賊法案参院質疑

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090522ddm005010136000c.html
国会:27日に海賊法案参院質疑

 自民、民主両党の参院国対委員長は21日、海賊対処法案の本会議での趣旨説明と質疑を27日に行うことで合意した。また、参院予算委員会は21日の理事懇談会で、25、26の両日、一般質疑を行うことを決めた。

雑記(78)クジャクサボテンの開花

0011ずっと待っていたのですが、植木鉢のクジャクサボテンが咲きました。大輪の赤とピンクの花びらが大変美しい花です。つぼみはあと2つ、ありますので、しばらく楽しめそうです。せっかく咲いても、今晩、帰宅した頃はしぼんでしまっているでしょう。世間は新インフルエンザの流行でてんやわんや、東京の街でもマスク姿の皆さんが急増中です。そんな人間界の騒ぎの中で、今年も堂々と大輪を咲かせたクジャクサボテンの姿がとてもいいです。昼咲く花は「クジャクサボテン」、夜咲く花は「月下美人」とインターネットで知りました。それにしても、私のデジカメの扱いは下手ですねえ。実物の美しさが出ていません。(高田)

0022

2009年5月21日 (木)

駐日米大使人事「何も聞いていない」…日本政府に不快感

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090521-OYT1T00045.htm
駐日米大使人事「何も聞いていない」…日本政府に不快感

 政府は、駐日米大使にジョン・ルース氏の起用が固まったことを「予想外の人事」(政府筋)と受け止めている。

 米政府から日本政府への連絡は直前までなく、20日の新聞報道でルース氏の起用を知った政府高官は、「何も聞いていない」と不快感を示した。ルース氏に関する情報も少なく、外務省でさえ「どんな人物かよくわからない」(幹部)のが実情だ。日米間には在日米軍再編などの懸案が山積するだけに、こうした問題に関するルース氏の考えについて「独自に情報収集を進める」(防衛省幹部)動きも始まった。

 ただ、日本政府は駐日大使の知名度よりも大統領との「近さ」を重視している。ルース氏がオバマ大統領に近い存在と伝えられたことから、大統領との仲介役として期待する声も出ている。

 ◆中国大使に比べ「格差あるのでは」◆

 一方、オバマ氏は、次期中国大使に、将来の大統領候補とも目されるハンツマン・ユタ州知事を指名した。日本側には今回の日中の米大使人事を比較し「格差があるのではないか。意外な感じ」(外交筋)との受け止めも広がった。

米兵:対テロ戦参加、自殺率が倍増…長期従軍で疲弊

http://mainichi.jp/select/world/news/20090521k0000m030160000c.html
米兵:対テロ戦参加、自殺率が倍増…長期従軍で疲弊
イラク戦争以降の米陸軍兵の自殺件数

 【ワシントン大治朋子】イラクやアフガニスタンでの対テロ戦争に従軍した米陸軍兵の昨年の自殺率がイラク戦争前に比べて倍増し、ベトナム戦争以来、初めて一般の米国民の自殺率を上回ったことが分かった。今年の自殺件数は「調査中」も含めると既に91件で、過去最悪となった昨年の143件を上回る見通し。戦争の長期化で米兵の6人に1人が3回以上従軍しており、背景には過剰展開による米軍の疲弊があると指摘されている。

 米陸軍が毎日新聞の取材に提供した資料によると、同軍兵士の昨年の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は20.2人で、イラク戦争前の02年(9.8人)から倍増している。兵士と同世代(20~34歳)の米国民の自殺率は19.5人(05年統計・米陸軍修正値)で、この割合を上回ったのは「ベトナム戦争以来」(米陸軍)という。

 昨年の自殺は、今年1月時点の集計では128件だったが、その後「調査中」とされたケースの大半が確認され、143件(今年3月時点)に増えた。記録を取り始めた80年以降で最多という。今年は、既に4月末までに46件が確認され、45件が調査中となっている。

 戦争の長期化で陸軍は本来12カ月の従軍期間を15カ月に延長。除隊希望者には1年前後の延期を命じるなどして兵員不足を補った。この結果、米軍全体の4割にあたる約70万人が2回以上従軍している。
キアレリ陸軍副参謀長は今年3月、連邦議会で「陸軍はストレスにさらされ、疲弊している」と指摘。兵士の従軍長期化が「自殺の大きな要因」と述べた。

 米陸軍の調査によると、繰り返し配備された米兵は、1回だけの兵士より心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する割合が5割高くなる。

2009年5月20日 (水)

ソマリア沖:海自派遣部隊 ネットで他国と不審船情報共有

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090520k0000m010113000c.html
ソマリア沖:海自派遣部隊 ネットで他国と不審船情報共有

 防衛省は19日、東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊の派遣部隊が、各国海軍が利用するネットワーク経由で、周辺海域の不審船情報を得ていることを明らかにした。各国海軍との情報交換や連携のあり方については、国会などで具体的な議論は深まっていない。一方、現場では、護衛対象外の外国船への対応などで、他国海軍との情報交換や連携が求められる実情があるとみられる。

 防衛省によると、不審船情報をインターネット経由で共有する仕組みで、メールなどで他国海軍と情報交換できる。実際、このネットワークの情報で、既に2回対応した。今後、すべての船舶の護衛を可能とする海賊対処法案の国会審議にも影響する可能性がある。【本多健】

【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 民主党の外交安保を憂慮する

森本氏が民主党中心政権の誕生の可能性を畏れて、安保政策での現政権の政策継承のために鳩山執行部を必死に脅している図である。果たして現自公政権の安全保障政策が国民にとって是認すべき事なのかどうか、姑息な単なる小沢バッシングではなくて、あらためて問い直されなくてはならないだろう。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090520/stt0905200319002-n1.htm
【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 民主党の外交安保を憂慮する
≪米国の地位・役割も変質≫

 鳩山民主党が誕生し、世論調査によれば与党より人気が高い。総選挙が近いことを考えると国内政治にとって重要な意味を持つ。これを好機として政治に新風が吹き込まれることを期待したい。

 しかし、今回の代表選挙における民主党の外交・安全保障論議は感心しない。勿論(もちろん)、小沢氏の退任に伴い、総選挙に向けて新代表を選ぶ選挙であり、党内意見が分裂しているという印象を与えぬように配慮したことは理解できる。それにしても、次の総理になるかもしれない野党第一党の代表が日米同盟の在り方や中国、ロシアへの取り組みといった国家の基本である外交、安保について明確な方針を示さずに選ばれるなどということがあってよいものか。

 いま、世界は激動している。各国は金融危機から脱しようと必死である。中東や南アジアの混乱は深刻で、テロ組織が核兵器を使用する恐れもある。北朝鮮の核・ミサイル開発が進み、米国の対応次第では再び核実験を強行するであろう。中国やロシアの軍事力強化は止まらない。米国の地位と役割は大きく変質した。オバマ大統領は核軍縮を提案しているが、核抑止と核軍縮をどう調和させるかは難問である。核拡散、海賊、新型インフルエンザなどいずれもリスクの高い難問だ。

 ≪国益踏まえ個々の政策を≫

 国内政治を見ると、ねじれ国会の中で深刻な閉塞(へいそく)状態にある。重要法案も通り難く、政治家や官僚まで政党間の駆け引きに奔走し、世界の激動をよそに日本政治は国民不在の状態にある。

 今回の民主党の代表選も国民不在の感がぬぐえない。鳩山民主党がこの国を如何(いか)なる方向に進めようとしているのか良く見えなかった。来年5月には憲法改正の草案作成が凍結解除になる。憲法改正への取り組みも不明瞭(ふめいりょう)だ。鳩山氏は憲法改正に前向きだが、岡田氏が後ろ向きであることだけは何となく分かっただけである。

 民主党のマニフェスト(選挙公約)や政策インデックスには「主体的外交の確立」「米国との対等な真の同盟関係」「国民不在の在日米軍再編」「日米地位協定の見直し」「北朝鮮外交の主体的展開」などと書かれていた。これだけでは外交政策全体は分からないが、民主党は国会において、テロ特措法延長やソマリア沖海賊への海自派遣、グアム移転経費、HNS(接受国支援)、普天間基地建設に反対してきた。

 すると民主党が政権を担当すれば、ただちにインド洋やソマリアから自衛隊を撤収するのか。あるいは政権政党になれば、今までの国会議論を棚上げするのか。

 「小沢氏の傀儡(かいらい)」との指摘もある鳩山代表だが、個々の政策が日米同盟の信頼性や日本の国益にいかなる影響を与え、損失を生じさせるかを明確にすべきである。

 従来、同党の政策は小沢氏が主導してきた。小沢氏は鳩山代表の下で代表代行になったが、実態は小沢氏が民主党の主導権を掌握し続けることに変わりはない。

 小沢氏の核兵器問題での発言に中国が反発したこともある。氏はイラクへの自衛隊派遣も、インド洋への海自派遣も憲法違反として反対したが、アフガンのISAF(国際治安支援部隊)は国連安保理に基づくので、参加することは憲法に抵触しないとした。「日本もグローバル戦略で米国と役割分担し、在日米軍が果たしてきた役割をさらに担えば、米軍が出動部隊を日本におく必要はない」「第7艦隊がいれば、米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」との趣旨の発言をしたこともある。

 ≪政権担当能力が問われる≫

 在日米軍のうち、陸軍と海軍は後方支援部隊であるが、海兵隊と空軍は戦闘部隊である。しかし、第7艦隊は洋上で作戦に従事する統合部隊であり、在日米軍には含まれない。

 第7艦隊は西太平洋全域で活動しており、常時、日本周辺にいるわけではないが、在日米海軍や海兵隊の支援があって初めて作戦を遂行できるのであって、第7艦隊と在日米軍は切り離せない。小沢氏の考え方を延長すると、在日米軍の戦闘部隊が撤退して有事駐留になるか、日本が再軍備して米軍の役割を担うということになる。

 有事駐留論は、在日米軍の抑止力を過小評価しすぎで日米同盟を危機に陥れることになり、中国や北朝鮮が喜ぶだけだ。他方、米軍が撤退し、日本がその代替を果たすには再軍備が必要であり、これはアジア諸国はいうに及ばず、米国が容認しないし、日米同盟は危うくなる。日本人の多くはこのいずれの選択もしないであろう。

 安全保障政策はリスクを負えない。日米同盟に大きな亀裂を生むような政策は日本の安全を阻害する。鳩山民主党は政権を担当する際、いかなる外交・安保政策を進めようとするのか、国民に明確な形で示すべきである。国民はそれによって民主党が真に政権担当能力があるかどうかを判断するであろう。そしてその結果は同盟国だけでなく、国際社会が注視していることを忘れるべきではない。(もりもと さとし)

「18歳成人」最終報告案、結論見通せず 法制審部会

http://www.asahi.com/politics/update/0520/TKY200905190415.html
「18歳成人」最終報告案、結論見通せず 法制審部会
 民法上の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げるべきか検討している法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会は19日、初めて最終報告書の内容を議論した。しかし、引き下げの是非など結論自体の方向性が定まらず、改めて意見を整理し直すことになった。一本化には、なお曲折がありそうだ。

 この日の審議には、事務局の法務省民事局がこれまでの議論をもとにまとめた1次案が示された。引き下げの意義や問題点など結論の前提となる各論点に対する認識は列挙されたが、結論にあたる引き下げの是非や引き下げる場合の時期は「保留」として記載がなかった。

 総務省が選挙年齢の引き下げも想定しているため「選挙年齢が18歳に引き下げられるなら、特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げることが適当」との記述はあったが、「民法の議論なのに唐突感がある」と異論が出て、見直されることになった。

 部会の審議は、憲法改正の投票年齢を「18歳以上」と定め、来年5月までに「必要な法制上の措置を講ずる」とする国民投票法の成立を受けて始まった。世論の反対も根強く、昨年12月の中間報告では賛否両論を併記。早ければこの春には最終報告がまとまるという見通しもあったが、部会の日程は7月まで入っており、「そこでまとまるかも分からない」(民事局)という状況だ。(延与光貞)

弁護士ルース氏指名へ=オバマ大統領の選挙に貢献-駐日米大使

あららららっ。
私はここしばらく、各地の講演で、ナイ駐日大使説を紹介してきたが、ジョン・ルースになってしまった。廿日市や、三原、藤枝などをはじめ各地のみなさま、すみません、訂正です。
ジョン・ルース指名とオバマ政権の対日政策の関係がどのようになるのか、ルースがオバマ側近であるということから、この任命が「ジャパン・パッシング」につながらないとは思うのだが、ある程度時間をいただいて分析し直します。(高田)


http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2009052000109
弁護士ルース氏指名へ=オバマ大統領の選挙に貢献-駐日米大使

 【ワシントン19日時事】オバマ米政権は次期駐日大使にカリフォルニア州の有力弁護士ジョン・ルース氏(54)を指名する方針を固め、日本政府に事前承諾(アグレマン)を求めた。日米両政府筋が19日、明らかにした。ルース氏はいわゆる知日派ではないが、オバマ大統領と個人的に近く、昨年の大統領選の勝利に貢献した。
 駐日大使人事では当初、クリントン国務長官ら国務省サイドが推した元国防次官補のジョセフ・ナイ・ハーバード大教授が有力だったが、最終的にホワイトハウス主導で、オバマ大統領の信頼の厚いルース氏が抜てきされた。ルース氏はオバマ陣営の選挙資金調達で大きな役割を果たし、大使起用は「論功行賞」の側面もある。 
 ルース氏は大手弁護士事務所の最高経営責任者(CEO)で、情報技術(IT)産業が集積するシリコンバレーを拠点に企業の合併・買収などを手掛けている。北朝鮮の核・拉致問題といった外交懸案での日米連携にどれだけ力量を発揮できるかは未知数だ。
 歴代駐日大使には知日派や大物政治家が起用される例が多かったが、ブッシュ前大統領が親友のシーファー氏を起用したのと同様に、オバマ大統領も自身とのパイプの太さを重視した。大統領は近く指名を正式発表する見通し。就任には上院の承認が必要となる。(2009/05/20-09:45)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090520-00000021-mai-int

<駐日米大使>弁護士ルース氏指名へ 大統領選で資金集め役

5月20日10時30分配信 毎日新聞
 【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は、次期駐日米大使にカリフォルニア州で企業合併などを手掛ける弁護士で、大統領選でオバマ氏の資金集め役を務めたジョン・ルース氏(54)を指名する意向を決め、日本政府に通知した。日米外交筋が19日明らかにした。大使人事は、日本通で元国防次官補のジョセフ・ナイ・ハーバード大教授がいったん固まったが、大統領選でオバマ氏を早くから支持し、同氏と親しいルース氏に入れ替わった。

 ルース氏はIT企業密集地シリコンバレーの企業を顧客とする法律事務所の最高経営責任者(CEO)。米メディアによると、ルース氏は大統領選でオバマ氏を支持し、シリコンバレー企業からの献金集めに奔走。米紙ニューヨーク・タイムズは07年8月、「オバマ氏にはオーラがある」とのルース氏のコメントを掲載している。

 ただ、共和党のアーミテージ元国務副長官らとともに対日包括戦略を2度にわたって提言している知日派のナイ氏に対し、ルース氏の日本での知名度はほとんどなく、対日政策も未知数で、不安視する見方もある。

 複数の外交筋によると、米政府内ではクリントン国務長官主導によるナイ氏起用案に対し、ホワイトハウスが「ブッシュ前大統領が親友のシーファー前大使を抜てきしたケース」を想定して対立。最終的にオバマ氏の当選に貢献したルース氏に白羽の矢を立てたホワイトハウスが「論功行賞」人事で押し切ったという。

2009年5月19日 (火)

ソマリア海賊:海自派遣 不審船攻撃情報、海自ヘリが出動

艦載ヘリの出動は初めてだが、すでに4回行われた外国船の警護を目的とした海自艦の出動につづくこれは5回目の駆けつけ警護活動だ。外国船の警護は船員法の適用などと弁解しても、明らかに今回の海自派遣の根拠法である自衛隊法82条からの逸脱であり、武力の行使を禁じた9条違反を覚悟の上での出動になる。相手が国ではなく、海賊だから9条違反にはならないなどという詭弁を容認することはできない。(高田)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090519ddm041010047000c.html
ソマリア海賊:海自派遣 不審船攻撃情報、海自ヘリが出動

 防衛省は18日、東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に派遣された海上自衛隊の派遣部隊が、「小型船に攻撃や追跡を受けているタンカーがいる」という情報を得て、艦載ヘリコプターを現場に出動させたと発表した。結局不審船は見つからず、まもなくヘリは現場を離れたという。

 不審船情報への対応は5回目で、情報源は同種活動中の他国海軍だった模様だ。

 攻撃内容や被害状況について同省は「詳しいことは確認しないとわからない」と話している。

 防衛省によると、18日午後5時45分(現地時間午前11時45分)ごろ、アデン湾で護衛活動中、西南西約90キロのマルタ船籍のタンカーが「30分にわたり小型船舶から攻撃および追跡を受けている」という情報を入手した。【本多健】

「民法の成人も18歳が適当」、法制審部会が最終報告案

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090518-OYT1T01206.htm
「民法の成人も18歳が適当」、法制審部会が最終報告案

 法制審議会(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は18日、民法の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げることが適当だとする最終報告書の原案をまとめた


 国政選挙に投票できる選挙年齢が18歳に引き下げられることを前提とし、引き下げの時期は明記していない
。部会は6月に最終報告書を作成し、今秋に法制審が法相に答申する予定だ。法務省は、早ければ来年の通常国会に民法改正案を提出することになる。

 

同部会は、憲法改正のための国民投票の投票年齢を原則18歳以上と定める国民投票法が2007年5月に成立したのを受けて検討を始めた。10年の同法施行に伴って選挙年齢の引き下げも検討されており、原案ではこれに合わせ、「特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げることが適当だ」と明記した。

 理由としては、成人年齢のデータがある187か国・地域のうち134が成人年齢と選挙年齢を一致させており、それによって法体系が統一されることを挙げた。成人年齢を引き下げる利点については、「若年者を国づくりの中心にする、国としての強い決意を示すことにつながる。若年者の自立を援助する施策を推進する原動力となることが期待できる」とした。

 昨年12月の中間報告は、成人年齢を引き下げれば、18歳で親の同意なく1人で契約できるようになることで、若者の消費者被害が拡大する恐れが指摘されたため、引き下げの是非は賛否両論を併記した。今回の原案にも、若者が悪質業者に高額な契約をさせられたり、マルチ商法被害が高校で広まったりする例を挙げる形でこうした懸念を盛り込んだが、全体としては、引き下げの必要性を中間報告より強調する内容とした。同部会は19日から原案を基に議論を始める予定だ。
(2009年5月19日03時09分  読売新聞)

2009年5月18日 (月)

ノーベル平和賞受賞者「ヒロシマ・ナガサキ宣言」

池田香代子さんからのすばらしいニュースです。これは昨年の九条世界会議が生
み出したものです。本日の東京新聞にも全文掲載されていました。
転載します。(高田健)

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みなさま、
池田です。

この宣言は、去年、9条世界会議で出会ったひとりの受賞者と新聞記者の発案です。
受賞者とはマグワイヤさん。
田城記者のことは、ご存じの方もおられると思います。
核の問題で貴重なお仕事を続けてこられました。

いまは中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター所長です。

会議の果実が確実に実っていっていること、心強い限りです。

http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter_d/jp/hiroshima-nagasaki/index.html

2009年5月17日 (日)

産経・読売社説が鳩山民主党に期待するもの

民主党代表に鳩山悠紀夫氏が就いた。
早速、産経、読売紙は鳩山氏に注文を出した。産経の「主張」は露骨に、読売の社説はややひかえめに。産経は政策的な相違がないような自民党との二大政党制の確立を要求し、鳩山の著書を引いて、改憲問題に積極的に取り組むよう要求した。読売は日米同盟の強化のため努力するよう要求した。
今後もこの2紙は自らの紙面を使い、このキャンペーンを繰り広げるだろう。鳩山民主党がこの圧力に惑わされることなく、今回、鳩山が約束した「国民生活が大事」「公開制」「野党共闘の堅持」などの主張を堅持できるかどうかが問われている。与野党逆転の実現はこの先にある。
鳩山さん、手始めに、改憲議員同盟の顧問を辞めなさい。「ソフトクリーム」などと揶揄された中曽根康弘・元首相に媚びへつらっている時ではない。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090517/stt0905170301003-n1.htm
【主張】鳩山新代表 政権担当能力を鍛えよ 「傀儡」批判をどうはね返す

民主党の新代表に鳩山由紀夫氏が選出された。西松建設の違法献金事件をめぐって辞任した小沢一郎前代表を支えてきた鳩山氏の責任問題は残っているものの、政権を担える政党に民主党を鍛え上げることを期待したい。

 二大政党が機能することは日本の政治に良い意味の緊張感を与える。
切磋琢磨(せっさたくま)することで国民の利益が確保されるからである。

 だが、鳩山民主党の前途は多難だ。まず、党への信頼回復をどうするか。鳩山氏は小沢氏を要職に起用する考えを示しているが、代表選前には「小沢氏とは一蓮托生(いちれんたくしょう)」と語っていた。小沢氏が西松建設からの巨額献金の使途などを説明しない限り、国民は不信感を持ち続けよう。

 鳩山氏は違法献金事件を受けて設けた「政治資金問題をめぐる政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」で小沢氏に説明を求める考えは示しているが、この問題を総括しない限り、小沢氏の「傀儡(かいらい)」という見方は消えないだろう。

 人事について鳩山氏は敗れた岡田克也氏の起用を表明したが、「小沢体制」を継承するのかどうかが問われている。岡田氏も「党運営に何が必要か十分考えた方がいい」と鳩山氏に求めた。「変化」を有権者にどう示すか。鳩山氏が避けて通れない課題だ。

 ◆政策の曖昧さぬぐえず

 鳩山氏は当選後の会見で、参院に送付済みの補正予算案への対応について「引き延ばし戦術をあえて使う必要はない」と審議拒否を否定した。小沢代表体制の下での政局至上主義に距離を置こうというなら評価できる。ただ、鳩山氏は「国会対策委員会での戦略はこれから決めていく」「野党との協力関係をさらに強固にしていきたい」とも付け加えた。こうしたあいまいな政策判断では、指導力は発揮できない。

 国民が最も不安視しているのは民主党の政策だ。

 民主党は政権を獲得した場合、インド洋での海上自衛隊による補給活動やソマリア沖での海賊対処活動などをどう位置付けるのか。テロとの戦いに参加する国際協調行動であると同時に、主要な海上交通路を確保する日本自身の国益がかかる問題だ。政権担当者として直ちに判断を求められる。

 15日の日本記者クラブ主催の公開討論会で、鳩山氏は憲法改正問題について「首相になったときに即、手を付けられる状況ではない」と述べた。また、国連決議に基づく国際平和協力活動であっても、武力行使を伴う活動に自衛隊を参加させることには否定的な見解を示した。

 「自衛軍」保持を明記した「新憲法試案」を出版するなど、憲法改正論者だった鳩山氏が、「脱官僚政治」を進めるために「憲法論議を大上段に構えている余裕があるだろうか」といった説明をするのは理解しがたい。

 子ども手当、農業者戸別所得補償など民主党の政策を実現する上での財源論も、与党から根拠がないと批判を受けた内容から変わっていない。無駄を削減し、一般会計、特別会計合わせて200兆円の1割で20兆円を生み出す-というものだ。

 岡田氏も論戦で同じ財源を挙げながら、「具体的なメドがついた歳出削減額に応じて政策を実行に移す」とも述べた。財源が確定していないことを認めざるを得なかったためだろう。

 天下り廃止などの公務員改革や地方分権など、政府・与党と政策の方向性が同じで、より積極姿勢を示している分野についても、政策全体としての整合性、現実性をさらに精査すべきだ。

 ◆自民も敵失頼みやめよ

 一方、自民党は小沢氏が代表にとどまり、民主党支持率が低下する「敵失」を眺めていたにすぎない。民主党代表選に対し、「鳩山新代表の方が岡田氏よりも戦いやすい」といった声も出ていた。

 世襲候補の立候補制限を政権公約(マニフェスト)に盛り込むかどうかで、党内対立が生じているが、民主党が打ち出した企業団体献金の廃止案をまともに論じる姿勢は見られない。政治資金の透明化への取り組み姿勢も弱い。

 自民党は、小沢氏の違法献金問題が判明した以降も次期衆院選で民主党に投票したい有権者が多い現実を直視すべきだ。政治とカネだけでなく、政策面全般にわたり自民党への失望感が大きくなっている。これを是正しない限り、国民の政権交代への期待がしぼむことはない。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090516-OYT1T00983.htm

鳩山民主党 小沢路線踏襲は理解されるか(5月17日付・読売社説)

 民主党は、小沢路線の見直しでなく、踏襲を選択した。問題は、その選択が国民に理解・支持されるかどうかだ。

 民主党の新しい代表に鳩山由紀夫幹事長(62)が選出された。岡田克也副代表(55)は追い上げたが、及ばなかった。

 鳩山代表は3年半以上、幹事長を務め、党内各グループと良好な関係を築いた。安定感とバランス感覚が評価された。党所属国会議員の約半数を占める参院で支持を広げたことが勝因となった。

 岡田氏はクリーンな印象が評価され、世論調査や民主党の地方県連の予備調査で、鳩山代表より高い支持を得た。衆院議員には「総選挙の顔」との期待があった。

 代表選は、小沢一郎前代表との距離が大きな対立軸となった。

 鳩山代表は、「小沢氏のおかげで今日の民主党がある」と言明し、小沢路線を継承、発展させる方針を前面に掲げた。

 岡田氏は、2007年参院選で勝利した小沢氏の実績を評価しながらも、小沢路線とは距離を置き、批判もにじませた。

 良くも悪くも、民主党は小沢氏の強烈な個性と指導力に依存してきた。鳩山代表は新体制でも、小沢氏を要職に起用する意向で、小沢氏の影響力は維持される。

 鳩山代表は、「小沢の傀儡(かいらい)政権と呼ばれるつもりは一切ない」と言う。党運営や国会対策を通じて「鳩山色」を出すなど、行動で示すことが求められよう。

 鳩山代表が早急に取り組むべきは、衆院選に向けて、挙党一致体制を構築し、小沢氏の「政治とカネ」の問題で傷ついた党の立て直しを図ることだろう。ただ、それは簡単な作業ではない。

 政権公約の充実も課題だ。

 岡田氏が「財源なくして政策なし」と主張したのはもっともだ。将来の消費税率引き上げの議論さえ封印するのでは、責任政党とは言えない。子ども手当、農家の所得補償などの政策の財源を明確化する作業を避けてはなるまい。

 包括的な外交・安全保障政策も策定する必要がある。

 民主党は、日米同盟の重要性は認めながら、米国に注文する姿勢ばかりを強調している。日本が国際社会でどんな役割を担い、同盟強化に何をするかをこそ、明確に打ち出すべきだろう。

 週明けの国会では、補正予算案の参院審議が焦点となる。鳩山代表は、審議の引き延ばしはしない方針を示す一方で、党首討論の開催にも前向きの姿勢を示した。建設的な国会対応を期待したい。
(2009年5月17日01時24分  読売新聞)

2009年5月16日 (土)

北ミサイル報告 「敵基地攻撃」は冷静に議論せよ(5月16日付・読売社説)

読売新聞の驚くべき社説である。
冷静に「敵基地攻撃能力の保有を研究する」べきだというのである。この社説は田母神発言などを契機にして活発になっている一部右翼論壇にみられる「対米自立」「自主的軍事力確立」「核保有」などの煽動的言論に対して「冷静な議論」を要求しているポーズを示しているのかも知れないが、「日米軍事同盟の強化と集団的自衛権行使を前提にした敵基地攻撃能力の保持」を主張する極めてヒートアップした議論である。
この主張は北朝鮮のミサイル能力の向上を理由にして、日本国憲法の第9条、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。……国の交戦権は、これを認めない」に真っ向から反するものであることはいうまでもない。国内最大の発行部数を誇る新聞が、こうした憲法違反の主張をすることは容認できるものではない。
この社説には戦争を如何にして防ぐかの真剣な考察が全くない。9条を持つ日本が北東アジアで如何にしてその9条力と外交能力を発揮して、平和を構築すべきか、そのための努力の重要性が全く論じられていない。はじめに日米軍事同盟強化ありき、「北朝鮮=敵」という危険な思考に凝り固まっている。これでは活路は開けない。MD万能論のような議論で、MD導入を煽動していたのは誰だったのか。いまさら、MDの限界などという話は無責任きわまりない。そんなことは、はじめから分かり切ったことであった。
6者協議が頓挫した現在、日朝関係の正常化を如何にして実現するのか、今必要なことは、こうしたヒートアップした読売社説のような議論ではなく、そのための努力である。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090515-OYT1T01083.htm
北ミサイル報告 「敵基地攻撃」は冷静に議論せよ(5月16日付・読売社説)

 

ミサイル防衛(MD)に限界があるとすれば、敵基地攻撃能力の保有を研究することは、重要な意義を持つ。ただし、冷静に議論を進めることが肝要である。

 防衛省が、4月の北朝鮮のミサイル発射に関する報告書を公表した。ミサイルの2段目以降の飛行距離は3150~3200キロで、テポドンの「長射程化を進展させた」と分析している。

 長射程のミサイル実験は、射程の短いミサイルの射程の延伸や、弾頭重量の増加、命中精度の向上に資する、とも指摘している。

 確かに、日本の安全保障にとって警戒すべきは、日本を飛び越えるテポドンの長射程化よりも、日本を射程に収めるノドンの性能向上である。

 政府は、イージス艦発射型と地上発射型の2種類のMD配備を着実に進めるべきだ。

 だが、一度に多数のミサイルが発射された場合、MDで完璧(かんぺき)に迎撃するのは極めて難しい。

 

日本は専守防衛の方針の下、自衛隊は防御に徹し、報復の攻撃力は米軍に依存する、という役割分担をしている。日米同盟が機能すれば、現体制でも軍事的抑止力は基本的に維持される。

 

ただ、現体制を補完する形で、自衛隊が一定の攻撃力を持つ選択肢も排除すべきではあるまい。

 敵基地攻撃の手段を大別すればトマホークのような巡航ミサイルと、攻撃機による爆撃がある。

 巡航ミサイルは、攻撃目標の正確な位置を発射前に入力することが必要なため、ノドンのような移動式発射装置の攻撃は難しい。

 攻撃機による爆撃は、敵の防空網を突破するため、爆撃機だけでなく、制空目的の支援戦闘機や、妨害電波を出す電子戦機、空中給油機など、大規模な航空部隊の編成が必要となる。

 いずれにせよ、米軍との緊密な協調が前提となる。

 そもそもミサイル発射の兆候の探知や攻撃目標の位置特定には、米軍の情報協力が不可欠である。自衛隊単独での全ミサイル基地攻撃というのは、膨大な費用と時間を要し、非現実的だ。

 どんな場合に、自衛隊が米軍の攻撃力をどう補完するのが効果的なのか。部隊運用の実情を踏まえて、客観的に研究したい。

 日米同盟を機能させるには、政府の憲法解釈が禁じている集団的自衛権の行使を可能にすることも必要だ。米国に向かうミサイルは憲法上、迎撃できないというのでは、同盟が揺らぎかねない。

(2009年5月16日01時27分  読売新聞)

2009年5月15日 (金)

内閣支持、26.3%=時事世論調査

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009051500621
内閣支持、26.3%=時事世論調査

 時事通信社が8~11日に実施した5月の世論調査によると、麻生内閣の支持率は前月比1.1ポイント増の26.3%だった。不支持は同1.8ポイント減の52.0%。政府の景気対策への期待感などが反映したとみられる。
 調査は、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は67.8%だった。
 次期衆院選比例代表の投票先は、自民が前月比3.7ポイント減の25.2%。民主は同0.3ポイント増の28.9%。前月、わずかながら自民のリードを許した民主が再び逆転した。
 各政党の支持率は、自民19.9%(前月比1.5ポイント減)、民主14.2%(同0.2ポイント増)。公明は3.3%、共産は1.7%、社民は0.4%。支持政党なしは58.5%だった。
 衆院解散・総選挙の時期については、「急ぐ必要はない」が54.8%(同5.9ポイント増)、「急ぐべきだ」が32.3%(同6.4ポイント減)。
 望ましい政権の枠組みでは、「自民、民主の大連立」が25.5%(同2.1ポイント減)、「民主中軸の非自民連立」が15.9%(同0.4ポイント減)。「自公連立」は14.2%(同1.8ポイント減)、「民主単独」は11.7%(同2.1ポイント増)、「自民単独」は8.6%(同0.6ポイント減)だった。 (2009/05/15-15:23)

2009年5月14日 (木)

イ・イ戦争末期に幻の海保派遣計画 後藤田氏が反対

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009051490110129.html
イ・イ戦争末期に幻の海保派遣計画 後藤田氏が反対

2009年5月14日 11時01分

 イラン・イラク戦争(1980-88年)末期、日本船を守るため海上保安庁がペルシャ湾への巡視船派遣を決め、派遣計画を練っていたことが国会議事録や関係者の証言で分かった。航続距離のある巡視船は1隻しかなく、防弾性も不十分ながら派遣を決定。しかし、当時の後藤田正晴官房長官(故人)が職を賭して反対し、計画は実行されなかった。

 91年4月の衆院大蔵委員会議事録によると、湾岸戦争に関連する所見を問われた故・橋本龍太郎蔵相(当時)は「イラン・イラク戦争の一番激しい時期、運輸大臣を務め、海保の職員が同意してくれるなら巡視船を送りたい決断をした」と幻の派遣計画に言及。「第一船に乗る約束もしたが幸い戦争は終結」などと答弁していた。

 橋本氏が約束した相手とされる海保警備救難部長だった辺見正和氏(76)は本紙の取材に、87年にペルシャ湾に巡視船を派遣することが決まり、司令官ポスト新設などの派遣案が検討されていたことを、初めて認めた。

 派遣できる巡視船は「みずほ」(5、300トン)だけだったが、ペルシャ湾近隣などの友好国から燃料、食料を補給すれば長期活動も可能と判断。1隻では船団護衛は難しく、交戦中の両国軍艦がいない航路などの湾内の安全航行情報を、日本籍や外国籍船に毎日流す計画を立てた。

 橋本氏の運輸相退任(87年11月)後も戦争は続き、派遣されなかった理由は「戦争終結」ではない。当時の内閣安全保障室長だった佐々淳行氏らによると、「戦争に巻き込まれかねない」などと、後藤田氏が自衛艦や巡視船の派遣に官房長官職を賭して反対したためといい、中曽根康弘内閣(当時)は派遣を断念、湾岸地域などへの経済貢献策を行った。

(中日新聞・東京新聞)

右派の惨憺たる言論への同志社大教授・村田晃嗣の悲鳴

資金に任せて、質の悪さを気にしないで発行している右派の雑誌はいろいろあるが、この度、文弘や安倍晋三、田母神俊雄、石原慎太郎、桜井よしこ、西部遇、秦郁彦、渡部昇一、西尾幹二、八木秀次、長谷川三千子、西岡力、らが常連で登場するが、相互 のバトルも起きている。まさに村田が嘆くような状況だ。これらの「保守」が真の意味での現実主義と合流することなど、不可能なことだ。それでは危機アジリ 専門の「保守」の価値が亡くなってしまうからだ。(高田)芸春秋社の『諸君!』は休刊する。最終号は「日本への遺書」特集だ。
花田紀凱編集長の『WILL』は極度に低級で、産経の『正論』なども質が悪い。これらの雑誌には中曽根康弘や安倍晋三、田母神俊雄、石原慎太郎、桜井よしこ、西部遇、秦郁彦、渡部昇一、西尾幹二、八木秀次、長谷川三千子、西岡力、らが常連で登場するが、相互のバトルも起きている。これらは北朝鮮や中国を罵倒し、政府・与党内の弱腰を口を極めて非難する。そして「日本が危ない」とアジリまくる。それで原稿が一丁上がりなのである。
最近は田母神は「北朝鮮には核で対抗せよ!」という文章を書き、西尾は「日本の分水嶺~危機に立つ保守」という文章、安倍は「世界は日本の『覚悟』を待っている」などという酷い文章をかいている。
まさに村田が嘆くような状況だ。これらの「保守」が真の意味での現実主義と合流することなど、不可能なことだ。それでは危機アジリ専門の「保守」の価値が亡くなってしまうからだ。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090514/plc0905140324002-n1.htm
【正論】同志社大学教授・村田晃嗣 保守は現実主義を取り入れよ
≪2人の政治学者の死に≫

 昨年末に国際政治学者の永井陽之助氏が亡くなり、今年2月には同じく神谷不二氏も亡くなった。お二人とも、いわゆる「現実主義」の論客として学界と論壇をリードしてこられた方である。ご冥福をお祈りしたい。

 「現実主義」とは何か。代表的論客だった高坂正堯氏の説に耳を傾けよう。それは「…社会・歴史・政治について、それに内在する不可知なものを承認し、簡単な図式でもって置き換えないこと、そして、目的と手段との間の相互関連性を認め、この両者の間の生き生きとした会話を重視することを説くものなのである」。

 インターネットを含む最近の言論界では、「保守」や「保守主義」が標榜(ひょうぼう)されることは多いが、「現実主義」の説かれることは少ないように思う。「保守」は伝統と結びつくこともあろうし、「タカ派」的イメージと重なる部分もある。しかし本来、「現実主義」や懐疑主義とも連動するはずである。これらと接点をもたない「保守」は、狭量で硬直したものになりがちである。

 例えば、「あの人は真の保守ではない」といった非難は、保守すべき目標以上に「保守」的な姿勢を自己目的にしてはいまいか。また、複雑な社会・歴史・政治を「保守」と「リベラル」という「簡単な図式」で判別することを、「現実主義」は避けようとしてきた。さらに、ある特定の立場を「真の保守」と断定するような姿勢には、不可知なものへの謙虚さや自らを懐疑する知恵が欠けている。

 ≪抵抗ポーズにも厳しさを≫

 おそらく、自ら「保守」を標榜する人々の一部は、依然として日本社会が「リベラル」に汚染されていると嘆じ、自称「リベラル」(しばしば狭量で不寛容であるが)は社会の「保守化」を憂えている。いずれもが「過慮」(中江兆民)であろう。「過慮」は言論を過激にし、不寛容を助長する。

 中国や北朝鮮ならいざ知らず、言論の自由の保証された日本社会では、「保守」にせよ「リベラル」にせよ、過激な言論を展開することに、実はそれほどの勇気はいらない。むしろ、中庸な意見のほうが、折衷主義や妥協的、現状追従といった非難を浴びやすいかもしれない。「政治権力への抵抗のポーズそれ自身が何かに対するひとつのサービスなのだ、という現代の逆説に厳しい自覚を欠いた言論は、いつかまた、世論や民衆のムードの変化に応じて、たちどころに総転換が始まるだろう」と、永井氏は指摘している。「何か」に激烈に抗議・抵抗するポーズが、実は別の「何か」への迎合や追従でありはしないか。

 去る4月5日の北朝鮮によるミサイル発射実験を受けて、日本の安全保障体制に多角的な見直しは必要である。しかし、ここから安直に核武装論を導き出すべきではない。念のために言うが、筆者は核武装を議論することを否定しているのではない。目的と手段との「生き生きとした会話」の必要性を喚起しているのである。

 北朝鮮の脅威に対応する上で、核武装が最も妥当な選択か、核武装に伴うリスクやコストは何か、さらには、どのような方法でどのような種類の核武装を行うのか-こうした論点を十分に検証しなければならない。核武装は「劇薬」であり、場合によっては日本国の存亡にかかわる。愛国心をもった人間なら、思いつきだけで議論はできないはずである

 ≪優先順位の感覚と寛容を≫

 核をもつ意思表示で抑止効果が生じると説く人もいる。しかし、意思だけで方法論を欠けば、議論に信憑(しんぴょう)性がなく、抑止効果は生じない。まして、日米ニュークリアシェアリング(核の共有)論なら、アメリカの意思も問題になる。在日米軍の大幅削減論や真珠湾コミンテルン陰謀説とセットでそれを論じても、効果は乏しかろう。逆に、意思表示だけで、日本に対するネガティブ・キャンペーンの材料にはなるかもしれない。

 多くの場合、過激な言論を説くことは容易だし、不安や不満の蔓延(まんえん)する現下の社会では、過激な言論に一時的に身を委ねることで、ある種の清涼感が得られるかもしれない。しかし、目的と手段との間に「生き生きとした会話」を欠く核武装論では、一時的な清涼感以上のものは期待できない。

 もとより、将来により精緻(せいち)な核武装論が展開されるかもしれない。だが、政治や戦略にとっては優先順位が重要である。安倍元首相が着手した集団的自衛権の行使に関する見直し作業は、未完のままである。その安倍氏も最近の訪米で、バイデン副大統領に包括的核実験禁止条約への調印を促している。つまり、核軍縮の潮流を重視しているのである。日本の国連安保理常任理事国入りも果たせていない。地球環境やエネルギー、海洋政策でも国際協力を進めていかなければならない。

 日本の外交課題が山積する中で、「保守」が「現実主義」と再び合流し、優先順位の感覚と寛容の精神を再発見することに、心から期待したい。(むらた こうじ)

2009年5月13日 (水)

鳩山由紀夫民主党幹事長に新憲法制定議員同盟顧問の辞職を要請します。

鳩山由紀夫民主党幹事長に新憲法制定議員同盟顧問の辞職を要請します。


この国の政治の極めて重要な局面にあたり、小沢一郎・民主党代表が辞任されました。民主党では16日にも新代表が選出されるということですが、鳩山幹事長も代表選に立候補されると聞きます。
私どもは民主党が一刻も早く新体制を整え、野党各党と協力して、日本国憲法の精神を軽んずる政治をつづける麻生・自公連立政権を倒す闘いの先頭に立って奮闘されることを期待するものです。
ところで、鳩山幹事長はさる2008年3月4日、復古主義的な改憲をめざす新憲法制定議員同盟(中曽根康弘会長)の顧問に就任されました。しかし、今日なお、こうした政治的立場にとどまることは多くの国民の願いに合致せず、麻生政権の打倒を目指して民主党の代表選に立候補される鳩山氏にとって、極めて不適切なものと言わなければなりません。
私たちは鳩山氏が直ちに同職を辞任することを公式に表明されることを要請致します。鳩山幹事長の決断を期待致します。
2009年5月13日

 許すな!憲法改悪・市民連絡会事務局 高田 健
東京都千代田区三崎町2-21-6-301
03-3221-4668 FAX03-3221-2558

雑記(77)昼咲き月見草

200905140917


近くの公園のすみに咲いているヒルサキツキミソウ。淡いピンクの可憐な花です。周りにあるのはシロツメクサの花と葉。(高田)

0022

2009年5月12日 (火)

対北、アフガンで米と協力=亀井国民新代表代行

亀井氏が言っていることは興味深い。
北朝鮮外交やアフガン支援で対米協力という中身だが、北朝鮮問題ではオバマ政権は2国間交渉も辞さずの構え。ブッシュ政権時のような硬直した外交はとらないだろうと思われるが、6者協議はすでに崩壊している。この再構築ができるかどうかは、相当に劇的な米朝関係の進展無しにはむずかしい。米国は躊躇するだろうから、社民党が容認できるような情勢になるのかどうか。
アフガン協力は軍事戦略の重点をアフガンに移したオバマ政権の対日要求が経済協力であっても軍事がらみになることは明らかだ。社民党が容認できるようなものではない。亀井氏はこれらを知っていてこういう発言をしている。彼は社民党はいずれにしても入閣に惹かれて妥協するだろうと踏んでいる。これでは村山政権の二の舞だ。社民党は閣外協力にとどまらないと大やけどをする。今回の総選挙の結果の問題もあるが、党存亡の危機になる。ぶら下がったニンジンはおいしそうだが、連立参加はやめた方がかしこい。(高田)


http://www.jiji.com/jc/c?g=pol
対北、アフガンで米と協力=亀井国民新代表代行

 【ワシントン12日時事】訪米中の亀井静香国民新党代表代行は11日、ベーダー国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長とホワイトハウスで会談した。亀井氏は、次期衆院選後に民主、国民新、社民3党による連立政権が樹立される可能性が大きいとの見方を示し、北朝鮮外交やアフガニスタン支援などで米国と協力していきたいとの考えを表明。ベーダー氏は両国間で協力の在り方の議論を続けたいと応じた。
 亀井氏はまた、「インド洋での海上自衛隊の給油活動に反対した勢力が与党になることを念頭に置いてほしい」と指摘、現在の野党による連立政権の場合、日本が現在よりも自衛隊の海外派遣に慎重になることに対し、理解を求めた。(2009/05/12-16:32)

読売の高笑いが聞こえる~小沢代表自任について

小沢辞任の第一報を聞いて思ったのは「あ~ぁ、またやってる」という印象だった。13日の麻生太郎との党首討論を控えて、そのわずか2日前。読売の全国世論調査で、小沢辞任要求が7割になったという報道があった直後のことだ。小沢氏は決断したのが3日だったという説明をしているが……。「豪腕政治家」などという彼への形容は虚構だという私の持論が再度確認されたかたちだ。

この長い記者会見の中で、彼は自党内の事情の説明にすべてを費やしただけだった。党の結束、挙党一致云々……。西松疑惑と彼の金権体質の問題については頑固に説明を拒否した。彼がどこに足場と目線を置く政治家であるかはこの一事で明確だ。民衆に基盤を置く政治を目指すなら、自分が間違っていないというかぎり「説明責任」など、他人に言われなくても、当然のことで、繰り返しあらゆる機会を使って説明を行うべきだろう。この点で小沢は「あ~う~」の大平元首相に代表されるような1時代前の古い体質をもった政治家だ。「東北人は口下手だから」などという弁解をされるのは、東北人が迷惑するというものだ。小沢氏は党首を降りても、政治家をつづける以上、この西松疑惑の説明から逃れられない。

しかし、小沢辞任を迫ったなかに、多くの民衆の正論とともに、「読売」などの反動勢力があったことも見逃すことはできない。読売は次の総選挙での自公与党政権の継続のために系統的にキャンペーンをはり、民主党・小沢体制を攻撃してきた。福田を使っての大連立構想が失敗したあと、読売は「政局の小沢」を攻撃することで、民主党の統一と野党の共闘に攻撃を絞ってきた。インド洋派兵、ソマリア派兵、憲法審査会、集団的自衛権、日米同盟などなど、小沢体制の下での民主党が煮え切らない事への不満からである。この読売の企ては極めて危険だ。いま、ナベツネは高笑いをしているだろう。小沢を退陣に追い込んだあと、読売などの連中が狙ってくるのは、まさにここだ。このために小沢の西松疑惑につけ込んだのだ。
小沢に変わって、誰が代表になるかは不明だが、「政権交代能力」「独自の政策」などという脅しに乗ってこうした問題で、野党共闘を乱すのは愚の骨頂だ。永田町の森の中には狐も狸も、ヌエもいる。民主党の「若手」と呼ばれメディアにちやほやされる人びとの中に、これらに乗せられるような危険な傾向があることを注視しておかねばならない。

いま、この国会では補正予算の問題をふくめ、歴史に残るような恥ずかしい悪政が麻生政権のもとで繰り広げられている。グアム移転協定、海賊対処新法など許し難い政策が相次いでいる。ともあれ、目前は自公政権を打倒し、この悪政をとめることだ。民主党の新執行部はこの目標を忘れてはならない。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0511/TKY200905110248.html
http://www.asahi.com/politics/update/0511/TKY200905110248_01.html
http://www.asahi.com/politics/update/0511/TKY200905110248_02.html
「連休中、熟慮を重ねて結論」小沢代表の辞任会見(全文)

小沢代表

【冒頭発言】

 申し上げます。メモにしてきましたので、あとで諸君にも配りますけれど、メモを読み上げさせてもらいます。

 「挙党一致をより強固にするために」ということで、来る衆議院総選挙での必勝と、政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするために、あえてこの身を擲(なげう)ち、民主党代表の職を辞することを決意いたしました。

 国民のみなさま、支持者のみなさまに、ご心配をおかけして参りましたことをおわび申し上げますとともに、特にこの3年間、至らぬ私を支えてくださいました同僚議員の方々、党員サポーターのみなさまに心より、御礼を申し上げます。

 もとより今度の総選挙は、国民自身が政権を選択して、自らこの国と国民生活を救うまたとない機会であります。 民主党にとっては悲願の政権交代を実現する最大のチャンスであります。民主党を中心とする新しい政権をつくり、「国民の生活が第一。」の政治を実現して、日本の経済社会を根本から立て直すこと。そして政権交代によって日本に議会制民主主義を定着させること。

 この二つが民主党に課せられた歴史的使命であり、私自身の政治家としての最終目標にほかなりません。日本のために、また国民にとって民主党にとって、そして私自身にとっても、何が何でも、ここで勝たなければならないのであります。

 それを達成するためには、党内の結束、団結が絶対不可欠の条件であります。党内が乱れていたのでは、総選挙に勝利することはできません。

 逆に、挙党一致で臨みさえすれば、必ず勝利することができると確信しております。 私が代表の職にとどまることにより、挙党一致の態勢を強固にするうえで、少しでも差し障りがあるとするならば、それは決して私の本意ではありません。政権交代という大目標を達成するために、自ら身を引くことで、民主党の団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたいと判断した次第であります。

 まさに身を捨て、必ず勝利する。私の覚悟、私の決断は、その一点にあります。連休中、熟慮を重ねまして、その結論に達し、決断した以上、党内の混乱を回避するためにも、ただちに連休明けの本日、辞意を表明することにいたしました。

 ただし、国民生活への影響を最小限に抑えるために、09年度補正予算案の衆議院での審議が終わるのを待った上で、速やかに代表選挙を実施していただきたいと考えております。

 重ねて申し上げます。新代表の下で、挙党態勢を確立して、総選挙に臨むことが何よりも重要であります。もちろん私もその挙党態勢の一員として、新代表を支え、総選挙必勝のために、最前線で戦い続けたいと思います。

 国民のみなさま、引き続き民主党をご支持くださいますよう、心よりお願いを申し上げます。ありがとうございました。

【質疑応答】

 記者 「党内の結束」という説明があったが、挙党態勢に不安があったのか?なぜ、この時期に辞めるということになったのか。離党や議員辞職するのでは、という声も党内にあるが、今後の政治活動は?

 小沢氏 あのー、第一点は、皆さん自身がよくお分かりだと思う。連日、みなさんの報道にありますから、それによって、結果として、党内が不安定になったり、みんなが不安になったりしてはいけない。

 私が、その、メディアの批判の矛先の相手であるとするならば、私自身が代わることによって、それがかわされ、そしてみんなが安心して、安定して、総選挙に向けて挙党一致で戦う。そういう態勢を、ぜひ、作り上げてもらいたいし、私も一員として協力していきたい。そう思っている。

 えー、それから、今日、辞意表明をしたからと言って別に、政治家を辞めるわけではない。もう、あと、わずかの総選挙までの期間だ。代表を退いても、全力で政権交代のために頑張りたいと思う。

 記者 辞意決断の経緯。決断したのはいつか。また総選挙対策としてどのような活動をするか。

小沢氏 私が民主党の代表を辞するという決断をしたのは、最終的に連休で、ゆっくり考える時間が出来た時点である。それから選挙のやり方については、質問者も長年見ておられるはずである。選挙必勝の私自身のやり方で、今後も全力でがんばる。

 記者 後継を選ぶ代表選は、政権交代にかける選挙の代表。どのような代表が望ましいか。現時点で意中の人はいるか。衆院選では代表自身が「自分自身の公認が最後で良い」という態度でいまだ公認していない。次期衆院選で立候補するか。選挙区は代表を辞めることでどうなるか。

 小沢氏 辞めていくものが、次の人について論ずべきではないだろうと思っておる。ましてや、いまだ誰が立候補するかも分からない段階だから、質問には答えかねる。

 それからさっき言ったように、別に私これで辞めるわけではない。次の総選挙で勝つことが私の最大の願いであり、それは日本の国にとって、国民にとって必要な政治の転換だというふうに思っているので、どこの選挙区であれ全力で戦い、必ず勝ちぬいて参りたい。

 記者 代表辞任後の新執行部から、「新たな執行部に入ってもらい党幹部の職を続けてほしい」とか「選挙の責任を持つ立場に立ってほしい」と要請されたら。

 小沢氏 いまだ私が辞意表明して、選挙の日取りを始めとする選挙の手続きもいまだ決めていない。それは明日からだ。そして、顔ぶれもどのような方が立つかさえも分からない。だから、新しい代表になってから、なったらどうこうするかという仮定の質問に今答えるべきではないと思う。

 ただ一般論として、党員である以上、みんなで決めたことは守らなければならない。それが民主主義だ。自分は意見が反対だったから守らない、では国会もすべて成り立たない。反対した法律でも多数で成立すればそれは法律だ。皆で話し合いの上まとまれば一番だが、話し合いが付かなければ多数決、選挙ということで決するのが先人の知恵であり民主主義の基本である。

 だから、それによって選ばれたリーダーの命については私ばかりでなくして全員が守っていかなければならないと思っている。

 記者 自身の進退について政権交代可能かどうかを判断基準にすると繰り返し言っていた。この状態で選挙に勝てる判断や、国民の理解を得られる判断を示してきたが、その発言に比べて今日の発言は乖離(かいり)があるが。どう判断が変わったか。

 小沢氏 全く私の話を今聞いていただき、配ったメモを読んでいただければ何の乖離も何の矛盾もない。

 民主党にとって挙党一致、団結して力を合わせて国民に訴える態勢さえできておれば、
必ず国民の信頼を得られると思っている。

 その意味で私は今日でも民主党は国民の理解を得られると思っておるけれども、そのことをさらに万全なものにするために少しでもマイナスの部分は、この際自分自身が身をひくことによって、取り除いていきたい。

 そして、何としても政権交代を実現したい。それが国民のためであり、我々民主党の使命であると考えているということだ。

 記者 選挙と政権交代のための辞任ということだが、党内と有権者からは辞任自体が遅すぎだ、遅すぎることで党にダメージを与えたという意見もある。離党、議員辞職も選択肢にあるか。

 小沢氏 なぜ離党、議員辞職しなければいけないか。

 記者 献金事件にまつわるイメージを民主党から離すために離党すべきではないかという意…。

 小沢氏 (遮って、語気を荒らげる)私は政治資金の問題について一点のやましいとこもない。法律に従ってきちんと処理し報告している。

 また、今回は政治的な責任で身をひくわけでもない。皆さんのお力添えのお陰で、私が3年前に代表職を引き継いだときには本当に1けたの支持は1けた台だったと思うが、いま、皆さんの懇切丁寧な報道ぶりにもかかわらず20%以上の支持を持って自民党とほぼ拮抗(きっこう)している。

 私はそういう意味において、ほんとうに国民皆さんの理解がわが党に対する理解、そしてやはり政治は変えなくてはいけないという理解が進んでおる証左だと思っている。私も微力ながらそのことに多少なりとも貢献してきたのではないかと思っている。あなた会社どこだっけ?(記者 日本テレビ)日本テレビでもよく国民の皆さんの調査をしてみて下さい。

 記者 3月の西松報道以来、バッシングもあったが小沢総理を求める声が多数あった。その声に応えられなかった無念の思いはあるか。

 小沢氏 個人的に私を強く支持してくださる方は、私が民主党代表として総選挙に勝ち総理大臣になることを願っていてくれたことと思う。

 しかし私は、私自身が何になるならないということは全く自分にとっては問題ではない。民主党が中心にして、とにかくこの長期政権、腐れ切った政権を変えなくてはいけない。

 政権交代、それが果たされれば私自身にとってまったく本懐であり、それ以上の期待をしてくれた支持者の方がおったとしたら申し訳ないことではあるが、私は政治家としてはまったく政権交代、国民生活第一の政治、国民サイドに立った政治、日本における議会制民主主義の確立、これが樹立されれば、少なくともそのスタートを切れるということを、自分の目で確かめることが出来るとしたならば、それはまさに政治家の本懐、男子の本懐、そう考えておる。

 司会 以上で終了します。

 小沢氏 はいどーもありがとう。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090511-OYT1T01127.htm
小沢代表辞任 世論に追い込まれた末の退場(5月12日付・読売社説)

 厳しい世論に追い込まれた末、「政治とカネ」に関する説明責任を果たさないまま、遅きに失した退場と言えよう。

 民主党の小沢代表が記者会見し、辞任する意向を表明した。西松建設の違法政治献金事件で公設秘書が逮捕、起訴された問題の責任を取ったものだ。

 小沢代表は、「来る衆院選での必勝と、政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするため、あえてこの身をなげうつことを決意した」と強調した。

 大型連休中に進退問題を熟慮した結果、自らの辞任が次期衆院選での民主党の勝利に貢献する、と判断したという。

 ◆説明責任は果たされず◆

 小沢代表は公設秘書の政治資金規正法違反罪での起訴後、いったんは代表続投を表明した。

 だが、党内では、「小沢代表の下では次期衆院選を戦えない」との危機感から、代表の自発的辞任を求める声が広がっていた。小沢代表は、この声を覆すだけの反論ができなかった。

 小沢代表は、「この種の問題で起訴という事例は記憶にない」などと検察批判を展開したが、政治家に極めて近い公設第1秘書が起訴された事実は重い。

 今後、秘書の公判が始まれば、小沢代表側と西松建設との関係が国民の目にさらされるだろう。建設会社から長年、巨額の政治献金を受け取る行為は、古い自民党的な金権体質そのものだ。衆院選への影響は計り知れない。

 読売新聞の最新の全国世論調査では、小沢代表続投について「納得できない」との回答が7割を超えている。

 一時は20%を切った麻生内閣の支持率は上昇し、30%に迫りつつある。麻生首相と小沢代表のどちらが首相にふさわしいかという質問でも、麻生首相が小沢代表を上回り、その差を広げている。

 こうした厳しい世論の背景にあるのは、小沢代表が西松建設事件の実態について、説明責任を果たしていないことだ。

 鳩山幹事長らは再三、小沢代表に国民向けの説明を行うよう進言したが、実行されなかった。小沢代表の辞任記者会見でも、事件で「心配をかけた」支持者への謝罪はあっても、政治献金に関する具体的な説明はなかった。

 小沢代表は自らを「口べた」と称するが、野党第1党党首として首相を目指す以上、そうした言い訳は通用しない。自らの立場を国民に説明し、理解を得るのは、首相に不可欠な基本的資質だ。

 民主党の国会対応が最近、精彩を欠いていたのも、小沢代表の進退問題と無縁ではない。

 小沢代表が避け続けていた首相との党首討論も、ようやく13日開催が決まったが、小沢代表辞任で再び先送りされる。

 ◆民主党は政策を見直せ◆

 民主党に今、求められているのは、迅速かつ民主的な手続きによる後継選びと、新たな党首の下での結束だろう。後継代表には、岡田克也副代表や鳩山幹事長などの名前が挙がっている。

 次期衆院選が迫る中での代表交代だけに、党内には、混乱を懸念する声もある。

 民主党は、小沢代表ら自民党出身者のほか、旧社会、旧民社党系など、様々な出身の議員で構成される「寄り合い所帯」の政党だ。小沢代表以外に党を束ねる強力な指導者がいないというのが、代表続投の主な理由だった。


 だが、小沢執行部の退陣は、小沢代表主導による政局・選挙一辺倒の姿勢を是正し、政策の見直しを図る好機でもある
。小沢代表が決定した政策や方針には異論を唱えられないような風潮は当然、改めるべきだ。

 民主党はかねて、最低保障年金制度や子ども手当の創設など、20兆円以上の新規政策の財源が不明確だ、と批判されている。今後、社会保障費の増大が見込まれる中、消費税率の引き上げを封印したままで本当によいのか。

 民主党の弱点とされる外交・安全保障政策の論議も、避けてはなるまい。インド洋での海上自衛隊の給油活動やソマリア沖での海賊対策などで、より現実的な政策を打ち出し、政権担当能力を示すことが必要ではないか。

 ◆衆院選の時期にも影響◆

 小沢代表が新体制でどんな役割を担うかも一つの焦点だ。

 小沢代表はこの20年間、常に日本の政界で重要な地位を占めてきた。代表辞任が「小沢時代」の大きな節目となるのか、あるいは影響力を保持し続けるのか。

 民主党の代表交代は、今秋までに必ず行われる衆院解散・総選挙にも影響するだろう。

 民主党の新たな代表と執行部、その打ち出す政策が、国民にどんな評価を受けるのか。麻生首相はその点を見極めながら、解散のタイミングを探ることになる。

 自民、公明の両与党も、漫然と対応することは許されまい。政権公約(マニフェスト)の策定・充実などを通じて、新しい民主党との政策競争の準備を急ぐことが求められよう。

(2009年5月12日01時33分  読売新聞)


http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009051101038&rel=j&g=pol

「説明責任果たしてない」=共産・社民、小沢氏を批判

 共産、社民両党は11日、民主党の小沢一郎代表が辞任を表明したことについて「小沢氏本人の説明責任は果たされていない」(市田忠義共産党書記局長)などとそろって批判した。
 市田氏は記者会見で、「西松建設絡みの献金疑惑について、国民の厳しい批判の前に辞任せざるを得なくなったのが事の真相だ。辞めて済む話ではない」と指摘。民主党の対応に関しても「党として自浄努力の動きはなかった」と切り捨てた。
 社民党の福島瑞穂党首も会見で「政治とカネの問題について国民の疑問に答えていない」と述べた。ただ、「誰が民主党の代表になっても、野党共闘して自民党政治を倒す」として、民主党と協力していく方針に変わりはないことを強調した。

 一方、国民新党の亀井久興幹事長は国会内で記者団に「民主党の結束をさらに強めていくために決断したということだから重く受け止めたい。民主党を中心とした(野党の)協力関係には何ら変わるところはない」と語った。 (2009/05/11-23:35)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-12/2009051202_01_1.html
主張
小沢代表辞任
説明の責任果たされていない

 準大手ゼネコン「西松建設」から違法な献金を受け取り、政治資金収支報告書でうその届け出をしていた疑いで政策第一秘書が逮捕・起訴された問題で、小沢一郎民主党代表がようやく代表の辞任を表明しました。秘書の逮捕から二カ月余、起訴からだけでも一カ月半になります。

 小沢氏は潔白を主張し、疑惑の解明も責任を明らかにすることも拒み続けてきました。辞めたからといって疑惑を国民に説明する責任が果たされたわけではありません。小沢氏は引き続き説明の責任を果たすべきです。

疑惑自体に反省がない

 小沢氏は記者会見で辞任を決めた理由について、「次期衆院選での必勝、政権交代実現のため」で「挙党一致をより強固にするため」といいました。しかし、違法献金をめぐる疑惑については「一点もやましいことはない」と開きなおっただけで、具体的な説明はしませんでした。要は選挙に勝つか負けるかの党略的な判断優先で、疑惑の解明はそっちのけの態度です。

 小沢氏は秘書が逮捕・起訴されてからこれまで、誰からの献金かいちいちせんさくしないとまでいって疑惑の解明に背を向け、「選挙に勝つ」ためだとして自らの辞任を拒否してきました。選挙に不利だとみると辞任を言い出すなどというのは、国民に対して二重三重に無責任な態度です。

 小沢氏が民主党の代表を辞めるかどうかは、小沢氏と民主党が決めることです。しかし、ゼネコンから政治団体を偽装した違法な献金を受け取り、うそを届け出ていたという疑惑は、軽々にすませていい問題ではありません。

 政治資金規正法は政治家個人への企業献金を禁止しています。政治家に政治資金の収支の届け出とその公開を義務付けているのは「政治活動が不断の監視と批判のもとに行われるようにするため」(政治資金規正法第一条)です。違法な企業献金を長期にわたり受け取りながら、その事実を隠すうその届け出は制度自体の根幹を崩すものです。

 だいたい営利が目的の企業が政治家に献金するのは、見返りを期待するからです。実際、小沢氏に絡む「西松」の献金をめぐっても、東北地方などでの公共事業とのかかわりが指摘されてきました。

 この点では、「西松」から巨額の献金を受け取っていた、二階俊博経済産業相らも同様です。

 衆院の政治倫理綱領は、疑惑をもたれた政治家は「真摯(しんし)な態度を持って疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう」求めています。小沢氏が違法献金疑惑について国民への説明責任を果たしてこなかったのは、政治家として真摯さに欠けるものであり、それだけでも資質がないといわれて当然です。

民主党の責任も重大

 小沢氏にかかわる「西松」違法献金疑惑は、民主党が金権腐敗体質という点で自民党とまったく変わらないことを改めて証明したという点でも見過ごせません。自民党にも民主党にも金権腐敗への自浄努力が見られません。

 民主党が党として小沢氏を問いただすこともせず、辞任を言い出すまでやめさせようともしなかったのは重大です。その点への根本的な反省がない限り、誰が代表になっても国民からのきびしい批判を免れることはできません。

2009年5月11日 (月)

哨戒機2機、15日に派遣命令 ソマリア沖海賊対策で

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009051001000323.html
哨戒機2機、15日に派遣命令 ソマリア沖海賊対策で

2009年5月10日 16時11分

 政府は10日、アフリカ東部ソマリア沖の海賊対策として、自衛隊法の海上警備行動に基づき、15日に海上自衛隊のP3C哨戒機2機の派遣命令を出す方針を固めた。安全保障会議と閣議での決定を経て、浜田靖一防衛相が派遣命令を出す段取りだ。

 防衛省は命令後速やかに先遣隊員を出し、本隊は今月下旬に派遣。ジブチを拠点に6月から活動を開始する見込み。自衛隊のP3Cが実際の任務で海外に派遣されるのは初めてとなる。

 ソマリア沖では、海上警備行動により海自護衛艦2隻が活動している。P3Cは、海自護衛艦が日本関連船を警護するソマリア沖・アデン湾の上空から海賊船の警戒に当たり、日本関連船、各国軍の艦船に情報を提供する。P3C派遣に伴い、空港警備に当たる陸上自衛隊員ら計約150人がジブチ空港に駐留。航空自衛隊も人員や必要な物資を同空港に輸送する。

 衆院を通過し、参院での審議を控えている海賊対処法案が成立した場合、政府は派遣根拠を海上警備行動から海賊対処法に切り替える方針だ。
(共同)

【民主党解剖】第3部ぶれる輪郭(4) 憲法論議封じる共闘路線

下欄に(註)を付記した。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090510/stt0905102322006-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090510/stt0905102322006-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090510/stt0905102322006-n3.htm
【民主党解剖】第3部ぶれる輪郭(4) 憲法論議封じる共闘路線

違法状態を放置

 「わが党はあまりにも野党共闘に気を使いすぎて、憲法審査会規程の制定に後ろ向きの印象を与えている。改めておわび申しあげたい」

 5月1日に東京・永田町で開かれた超党派の「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)の大会で、民主党を代表してあいさつした副幹事長の長島昭久は聴衆に頭を下げた。

 2年前の平成19年5月14日に成立した国民投票法に基づき、衆参両院に常設機関として憲法審査会が設置されたが、委員数や議事手続きを定める審査会規程はいまだになく、実質的なスタートに至っていない。

 民主党は同法が衆院で「強行採決」されたことに反発し、他の野党と一緒に規程の制定に抵抗し続けてきた。それが冒頭の長島の謝罪につながっている。

 「確かに違法状態になっていることは認めざるを得ない。本来はやるべきだ」

 参院議院運営委員長の西岡武夫がこう語るように、憲法審査会の現状を問題視する声は党内にも存在する。それでも民主党が違法状態の解消に消極的なのは、政権交代後に社民党と連立を組むことを想定しているからだ。護憲派の社民党は「憲法審査会を動かす必要はない。今、憲法を改正しなければならない状況だとは思わない」(党首の福島瑞穂)と主張する。

 民主党代表の小沢一郎自身、「憲法を何が何でも改正しなければ、という緊急性があるのか」(昨年4月28日の記者会見)と述べており、党内に憲法論議を進めようという機運はない。

寄り合い所帯

 憲法をめぐり、野党共闘以上の難題は党内調整だ。

 民主党では、かつて幹事長の鳩山由紀夫が「自衛軍」の保持を明記した「憲法改正試案」を出版し、旧民社系グループが軍隊の保持を明記した「新憲法草案」をまとめたことがある。長島のように「憲法改正の実現は党是だ」と主張する議員もいる。

 一方、今年1月、自治労や日教組と関係が深い「フォーラム平和・人権・環境」が香川県で開いた護憲大会には、民主党から衆院議員の近藤昭一ら3人が来賓として参加した。また、45人の党所属議員が「日本国憲法と9条の精神を守るべく、みなさまとともに頑張る」(衆院議員、仲野博子)などと祝電を寄せた(註)。

 改憲論者から、ガチガチの護憲派、旧社会党左派までが同居する寄り合い所帯だけに、ひとたび憲法論議が始まれば、党内に深刻な亀裂が入るのは確実だ。

 「今はあらゆることに政権交代が優先する。国民には『武士の情け』で、自民党政権の巨悪を引きはがすまで待っていただきたい」

 自主憲法制定が持論の若手議員は、苦しい胸のうちを語る。ただ、民主党政権誕生後も、憲法改正が政治日程に上る見通しはない。

 

平成17年に党憲法調査会長として「憲法提言」をまとめた元政調会長の枝野幸男は今、「政権交代をしたら、まず自民党と違うことをやらなければならない。自民党とも合意し、憲法改正を(衆参の)3分の2以上でやるには時間がかかる」と、憲法改正の優先順位は低いと指摘する。

 そして、実際の憲法改正への着手時期については「あと10年ぐらいかかるのではないか」と、遠い目をしてつぶやいた。

議論の場もなく

 「今後も国民の皆さんとの自由闊達(かつたつ)な憲法論議を行い、国民の多くの皆さんが改正を求め、国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます」

 62回目の憲法記念日の5月3日に、民主党が政策調査会長の直嶋正行の名で出した談話だ。にわかには意味を判読できない回りくどい表現、「慎重かつ積極的」という矛盾した文言。党内からも「見事な悪文」(中堅議員)と呼ばれ、憲法論議に腰の引けた姿勢を浮き彫りにしている。

 現在、与党側の憲法論議も、決して活発だとはいえない。しかし、民主党は国民投票法の成立後、党憲法調査会を一度も開いていない。一昨年7月の参院選以降は、憲法調査会長ポストも空席となったままだ。

 「メンバーも選任されておらず、会長が空席というだけでなく、会自体が存在していないとも解釈できる」(党職員)といわれ、「自由闊達」な議論を行おうにも、そのための場がないのだ。

 民主党の「政策インデックス2008」。現時点での党の最新政策集となるものだが、「憲法」の項目は最終頁に小さく触れられているだけだ。その前頁には「ヒトとクマとの共生プラン」。山から人里に下りてきて作物や生ゴミを荒らすクマ対策が書かれている。

 「これじゃあ、民主党にとって憲法はクマ以下だって思われちゃうよね」。ある議員秘書は自嘲(じちよう)気味につぶやいた。       (敬称略)

(註)連帯のメッセージ・電報などを寄せた民主党の国会議員

    衆議院副議長     横路孝弘

    衆議院議員

    小川淳也     加藤公一     金田誠一    川内博史     小平忠正   近藤昭一

    佐々木隆博     篠原  孝     神風英男    仙谷由人     高井美穂   仲野博子    
    鉢路吉雄     平岡秀夫       細川律夫    松本 龍     三日月大造   柚木道義    
  横光克彦


    参議院議長     江田五月

    参議院議員

    相原久美子     植松恵美子     大河原雅子    大塚耕平     小川敏夫   神本美恵子    

    輿石 東     今野 東     佐藤泰介     高嶋良充     高橋千秋  武内則男    
   
  千葉景子       辻泰弘     富岡由紀夫     那谷屋正義     林久美子  前川きよしげ    
        牧山ひろえ     松岡とおる     松野信夫     円より子   水岡俊一     水戸将史    
       峰崎直樹   山根隆治

 

2009年5月10日 (日)

米に空爆中止要求/アフガン大統領“民間人被害出すだけ”

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-10/2009051005_01_1.html
米に空爆中止要求/アフガン大統領“民間人被害出すだけ”

 【ワシントン=小林俊哉】アフガニスタンのカルザイ大統領は、八日放映の米CNNテレビのインタビューで、米国に空爆を中止するよう要求しました。アフガン当局によれば、米国主導の多国籍軍によるアフガン西部ファラー州への空爆で、百四十七人の民間人が死亡しています。

 カルザイ氏は「われわれは空爆の中止を要求する」と主張。「タリバンや重要なテロリストを何人殺すためであろうとも、事故であれなんであれ、民間人の死傷を正当化することはできない」と厳しく批判し、「空爆はテロとのたたかいで効果的ではなく、民間人の死傷者を出すだけだと強く確信している」と述べました。

 民間人の被害がタリバンの手投げ弾による可能性があるとする米軍当局者の主張について、カルザイ氏は「民間人の死者は空爆によるものだという確実な言明を(アフガン)政府から受けている」と断言しました。

 オバマ米大統領は七日、民間人の被害を防ぐために「あらゆる努力」を払うと述べましたが、米軍の軍事作戦による民間人被害は増え続けています。

 ゲーツ米国防長官は、訪問先のアフガン・カブールで七日、「われわれにとって決定的なことは、アフガン国民を守るために駐留しているのであって、傷つけるためではないと(アフガンの)人々が確信することだ」「民間人死傷者が出れば、この点を崩すことになる」と述べています。オバマ政権が進める軍事作戦の強化が、逆に状況を悪化させる事態となっています。

2009年5月 9日 (土)

砂川事件:最高裁など、米大使との会談を「不開示」に

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090509k0000e040080000c.html
砂川事件:最高裁など、米大使との会談を「不開示」に

 米軍立川基地にデモ隊が侵入した「砂川事件」の最高裁判決(1959年)を前に、当時の駐日米大使と最高裁長官らが密談していたことが米国の公文書で判明した問題で、日本側の関連情報の開示を求めた元被告の土屋源太郎さん(74)=静岡市葵区=らに対し、最高裁、外務省、内閣府の3機関がいずれも「不開示」を通知していたことが分かった。土屋さんは不服申し立てをする方針。

 情報開示請求をしたのは土屋さんと「砂川事件の情報公開を請求する会」(塚本春雄代表)。今年3月、裁判を巡る日米関係者の秘密協議に関する記録を開示するよう求めた。しかし、3機関とも今月7日までに「記録がない」として不開示を通知した。

 砂川事件を巡っては、東京地裁が59年3月30日に、基地の存在を違憲とし土屋さんらを無罪とする判決(伊達判決)を出している。08年4月に米国立公文書館で見つかった外交文書には、この判決の翌日に、当時のダグラス・マッカーサー2世駐日米大使が高裁への控訴を飛ばす跳躍上告を藤山愛一郎外相に勧めたことや、田中耕太郎最高裁長官が大使とひそかに協議し、上告審の時期について見通しを語っていたことなどが記されていた。

 土屋さんは「日本に文書がないというのはおかしい。国は重要な判決をつぶしたことを国民に明らかにする責任がある」と話している。【野口由紀】

 【ことば】▽砂川事件▽ 1957年7月8日、東京都砂川町(現立川市)にあった米軍立川基地の拡張に反対するデモ隊の一部が基地に立ち入り、23人が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反容疑で逮捕された事件。7人が起訴され、1審・東京地裁は安保条約による米軍駐留は憲法9条に違反するとして全員を無罪としたが、最高裁大法廷は59年12月に1審を破棄、差し戻しを命じた。7人は罰金2000円の有罪が確定。

補正衆院通過、14日以降=党首討論を優先-与党

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol
補正衆院通過、14日以降=党首討論を優先-与党

 週明けの国会は、2009年度補正予算案の採決をめぐる与野党攻防がヤマ場を迎える。与党は13日にも税制改正法案など関連法案とともに補正予算案の衆院通過を図る構え。ただ、採決を強行すれば、同日に予定される党首討論が開催できなくなる恐れもあるため、衆院通過は14日以降となる公算だ。また、海賊対処法案など重要法案の参院での審議日数を確保するため、政府・与党内では6月3日までの会期を延長せざるを得ないとの見方が強まっている。
 衆院予算委員会は11日に一般質疑、12日にに麻生太郎首相が出席して集中審議を開く。与党は同日の採決要求を取り下げ、13日以降の採決を目指している。
 ただ、13日は党首討論のほか、在沖縄米海兵隊のグアム移転協定承認案の参院採決と、承認案の参院否決に伴う両院協議会開催が想定されており、国会日程は立て込んでいる。
 首相は党首討論について「いろいろ伺いたいことがある」と、昨年11月以来となる小沢一郎民主党代表との「直接対決」に意欲を示している。与党側は、採決強行で民主党に討論中止の口実を与えることはないと判断。党首討論では、小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件や、経済危機への対応、日米関係などがテーマとなりそうだ。
 党首討論をめぐっては、与党側が再三の開催を要求していたが、民主党は「小沢隠し」との批判を払しょくしようと、法案処理が集中する13日の開催を逆提案。同党幹部は「補正で強行すれば討論はさせない」とけん制しており、与党側も「手荒なことはできない」と慎重に対応する構えだ。
 もっとも、補正の衆院通過が週後半となり、参院審議入りが来週にずれ込めば、国民年金法改正案や海賊法案など重要法案への影響は必至。参院で審議時間を確保できず、会期延長は不可避となる。このため、与党内には憲法の「60日ルール」で、予算関連法案の衆院での再可決を可能にするため、「最低限、45日間程度の延長が必要」(自民国対幹部)との声が出ている。(2009/05/09-14:56)

2009年5月 8日 (金)

衆院議運委、河野衆院議長の提案を受け「核廃絶国会決議」を検討へ

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090508/plc0905081233007-n1.htm
衆院議運委、河野衆院議長の提案を受け「核廃絶国会決議」を検討へ
2009.5.8 12:29
 衆院議院運営委員会は8日午前の理事会で、河野洋平衆院議長の提案を受け、核廃絶を求める国会決議の今国会採択に向け検討を始めることで一致した。席上、与党側が前向きに検討することを表明。民主党など野党側は賛同する考えを示し、野党間で決議の文案調整に入っていることを説明した。

 河野氏の提案は、オバマ米大統領が4月5日、チェコの首都プラハでの演説で「核のない世界を追求する」と提唱したことに触発されたもの。小坂憲次衆院議運委員長によると、河野氏はオバマ演説の翌日、小坂氏を通じて与野党の衆院議運委筆頭理事に「オバマ氏の演説内容は画期的だ。わが国も議会として歓迎し、核廃絶に向けた国会決議をすべきでないか」と提案したという。

在沖海兵隊グアム移転に375億円=MDの東欧配備費を凍結-米

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009050800295
在沖海兵隊グアム移転に375億円=MDの東欧配備費を凍結-米

 【ワシントン7日時事】オバマ米政権は7日、議会に提出した2010会計年度(09年10月-10年9月)の予算教書で、在沖縄海兵隊のグアム移転のための事業費として3億7800万ドル(375億円)を初めて計上した。また、ミサイル防衛(MD)予算を前年度比で13%削減し、東欧配備に関する費用支出を凍結する方針を示した。
 日米両政府は、在日米軍再編の一環として、在沖海兵隊8000人とその家族を2014年までにグアムへ移転させることで合意。米政府は今回、受け入れ態勢を整えるため、アプラ港基地の改修や道路整備などに予算を付けた。移転の費用は日米両政府が共同で負担し、日本側が最大28億ドル(約2800億円)を拠出することになっている。 
 10年度のミサイル防衛予算は78億2600万ドル(約7800億円)。実用化が困難視される技術開発の廃止・縮小により、前年度より約12億ドル削減された。また、ポーランドに迎撃ミサイル、チェコにレーダーを配備する計画については、新たな政策方針が示されるまで支出を凍結すると表明。同計画に反発するロシアとの外交交渉を見守るためとみられる。
 10年度国防予算の総額は約6640億ドル(65兆9000億円)で、内訳はイラク、アフガニスタンの戦費が約1300億ドル、その他の通常経費が約5340億ドル。航空自衛隊の次期主力戦闘機の候補である最新鋭ステルス戦闘機F22の生産中止方針も定めている。(2009/05/08-10:45)

重大事件で海賊拘束なら、ジブチ経由で日本に移送 政府方針

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090508AT3S0102Z07052009.html
重大事件で海賊拘束なら、ジブチ経由で日本に移送 政府方針

 政府はアフリカ・ソマリア沖の海賊対策について、日本人に殺害などの重大事件を引き起こした海賊の身柄を拘束した場合、ジブチ経由で日本に移送し、刑事手続きに入る方針を固めた。武装した海賊の身柄拘束は「交戦状態を引き起こしかねない」とみて慎重に対処する方針だが、邦人の権益を著しく損なう犯罪なら日本国内での司法手続きを最優先する考えだ。

 政府が想定するのは、海賊の民間船舶の襲撃で日本人が傷害や殺害などの危害を受けるケース。海上自衛隊の護衛艦が現場海域に到着し、護衛艦に同乗する海上保安官が海賊の身柄を拘束できた場合は、護衛艦に搭載した哨戒ヘリコプターを使ってアフリカ東部のジブチ空港に空輸。同空港経由で民間航空機などで日本に移送する方針だ。(07:00)

警戒衛星で研究費 10年度予算 政府が計上検討

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009050802000085.html
【政治】
警戒衛星で研究費 10年度予算 政府が計上検討

2009年5月8日 朝刊

 政府は七日、敵のミサイル発射を探知する早期警戒衛星の独自開発に向け、二〇一〇年度予算に研究費を計上する方向で検討に入った。北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射で「情報収集能力強化に対する世論の反対は少ない」(政府筋)と判断した。ただ、開発には数千億円が必要とされ、実現するかどうかは未知数だ。

 政府は警戒衛星の導入自体について正式に決めていないが、政府筋は「研究で実用性やコストに見通しがつけば保有、開発の是非が最終判断できる」と説明している。

 米政府は一九九〇年代後半、日本独自の情報衛星開発にも「日米の役割分担を考えれば無駄な行為」(政府高官)と反対した経緯があり、警戒衛星の研究・開発では米側との擦り合わせが欠かせない。

 開発は、ミサイル発射時の熱源を探知するセンサーの精度向上が大きな課題。日本政府は「防衛省技術研究本部で精巧なセンサーを開発することは可能」としており、宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)も今月末にまとめる「宇宙基本計画」で警戒衛星センサーの研究推進を盛り込む方針だ。

 警戒衛星には宇宙の軍事利用本格化につながるとして慎重論も少なくない。政府は防災対策、気象情報拡充にも応用できるとして、理解を求める考えだ。

2009年5月 7日 (木)

海賊新法反対国会前行動(第5波)

00225・3憲法集会実行委員会がよびかけた海賊新法と憲法審査会始動に反対する国会前集会(第5波)は、小雨降る中、参議院議員会館前に60人の市民が参加して開かれた。共産党の紙とも子参議院議員と、社民党の福島瑞穂党首が国会報告を行った。(高田)

2009年5月 6日 (水)

社説:早期警戒衛星 拙速の導入論は避けよ

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090506k0000m070111000c.html
社説:早期警戒衛星 拙速の導入論は避けよ

 政府の宇宙開発戦略本部が、初の「宇宙基本計画」案をまとめた。国民の意見を募る「パブリックコメント」を経て今月下旬に決定する。計画案には、ミサイル発射をいち早く探知できる早期警戒衛星の導入に向けたセンサー研究が盛り込まれている。しかし、同衛星の開発・保有には巨額の費用がかかることや、衛星の必要性そのものをめぐって政府・与党内にも議論がある。ただちに導入の方向を打ち出すのは疑問だ。

 早期警戒衛星は、米国のDSP(国防支援計画)衛星やロシアのコスモス衛星の一部がこれにあたり、弾道ミサイル発射などの熱源を赤外線センサーで探知する。ミサイル防衛(MD)には欠かせないとされる。

 昨年、宇宙空間の軍事(防衛)利用に道を開く宇宙基本法が成立し、政府は早期警戒衛星導入を視野に入れてきた。4月の北朝鮮のミサイル発射では日本は米国衛星の情報を入手したが、政府・与党内に独自保有の意見が一気に盛り上がった。

 北朝鮮のミサイルは日本の脅威であり、これを理由にした衛星保有の主張はわかりやすい。

 しかし、事はそう単純ではない。まず費用対効果の問題である。DSP衛星は大陸間弾道ミサイルなど長射程のミサイルには有効だが、日本にとって脅威である北朝鮮の「ノドン」など中距離弾道ミサイルに対しては監視能力が落ちると言われる。これを改善するため米国が開発中の新衛星は低高度軌道であるため、日本周辺だけを監視対象としても数基の衛星が必要となる。日本が開発・保有し、しかも独自の解析能力を持つには数兆円がかかるとされる。

 政府・与党内に費用面で懸念の声が上がっているのは当然だ。北朝鮮などの脅威には、日米同盟の役割分担と両国の連携の中で対応する姿勢を放棄してはならないだろう。

 また、オバマ米政権のMD政策も見極める必要がある。ゲーツ国防長官は10会計年度でMD予算の削減を表明した。日本が配備する既存システムについては増額され、当面日本のMD政策には影響ないとみられるが、国防政策全体の中でMDの比重は低下する。ブッシュ前政権と違ってMDの共同開発を日米安保の柱と位置付けているわけでもない。今後のオバマ政権の方向しだいで、日本の安全保障政策に影響する可能性があることも念頭に置かなければならない。

 さらに、外交面では、早期警戒衛星導入によるMDシステム強化が引き起こす隣国の中国、ロシアの反応についての分析も必要だ。

 早期警戒衛星の導入は、今年末に決める防衛計画大綱、中期防衛力整備計画の改定作業の論点の一つとなる。慎重な対応が求められる。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-06/2009050602_01_1.html
主張
宇宙基本計画案
軍事態勢を強めることになる

 政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)の専門調査会が、宇宙の軍事利用に向けた宇宙基本計画案を了承しました。五月中旬までに国民の意見を求め、同月下旬に正式決定します。

 計画案には、二足歩行ロボットによる月探査など夢につながる目標もあります。しかし、日本の宇宙政策の「安全保障分野の活用」や「宇宙外交」を強調していることからもわかるように、宇宙の軍事利用を高めることが中心であるのは明らかです。


海外軍事動向の監視

 計画案はアメリカ、ロシアなどの宇宙大国と比較し、日本の軍事利用が「限られている」といって危機感をあおっています。戦争を禁止した憲法をもち、宇宙開発を「平和利用に限る」と明記した国会決議をもつ日本を、宇宙まで侵略戦争のために利用している国と比べること自体、そもそも間違いです。日本を宇宙軍事利用の国にするのは、憲法の精神にも国民の意思にも反します。

 計画案は、「関心地域」や「日本周辺海空域」での「警戒監視機能を強化」するといっています。アフガニスタンなどアメリカが戦争を行い、自衛隊が参加している地域も含まれます。原案から削除されたとはいえ、北朝鮮のミサイル開発を想定しているのも否めません。五年以内に情報収集衛星を現在の三機から四機体制にして、「地球上の特定地点を一日一回以上」監視するのは、まさに海外での戦争に備えるためです。

 「自衛隊の本来任務となった国際平和協力活動等における通信手段等を確保」するとものべています。これも海外の戦場で必要な通信を確保し、指揮・命令を保障することが狙いです。

 日本は地上監視のための情報収集衛星をもっていますが、弾道ミサイル対処の早期警戒衛星はもっていません。計画案は、早期警戒衛星の保有を視野にセンサー(探知装置)の研究にふみだすとしています。アメリカ本土を標的にするミサイルを、自衛隊が撃ち落としアメリカを防衛することにもつながるだけに大問題です。

 見過ごせないのは、計画案が日本の宇宙産業いいなりの産物だということです。日本経団連が二月に発表した「戦略的宇宙基本計画の策定と実効ある推進体制の整備を求める」要求は、宇宙関連産業の全体規模は六兆円をこえるとそろばんをはじいたうえ、「官民連携」を求めています。財界の利益のために税制上・金融上の支援を明記した計画案は異常です。

 文科省が所管する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内閣府移管も狙っています。「基盤的研究」や「平和目的に限り」が原則のJAXAでは、軍事利用を押し付けにくいからです。軍事秘密を口実に宇宙開発の「自主・民主・公開」の原則も危うくなります。
国民犠牲を許さない

 軍事衛星の開発・保有一つとっても、それには巨額が必要です。防衛省が宇宙の軍事利用の第一号とした情報収集衛星の開発・運用だけでも総額が六千億円もかかっています。早期警戒衛星は一機でも五千億円以上といいます。こうした天井知らずの経費負担の犠牲にされるのは国民生活予算です。

 宇宙の平和のためにも国民の暮らしを守るためにも、宇宙の軍事利用を許さないことが重要です。

領空警備で武器使用基準を緩和へ 「任務遂行」の追加を検討

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090506/plc0905060130001-n1.htm
領空警備で武器使用基準を緩和へ 「任務遂行」の追加を検討
2009.5.6 01:30

 年末の防衛計画大綱改定に向け、政府・与党内で自衛隊法改正による領空警備の見直しが浮上していることが5日、分かった。

 武器使用を正当防衛、緊急避難に限定したままでは実効ある対応が難しいため「任務遂行のための武器使用権限」の付与を検討する。米中枢同時テロのような旅客機ハイジャック対応も盛り込まれる公算が大きい。

 防衛大綱は政府が策定する安全保障政策の基本方針。麻生内閣は今年1月に見直しに向けた有識者懇談会を設置し、年末の改定を目指している。

 自衛隊による領空警備は自衛隊法84条に対領空侵犯措置の規定があり、外国の航空機が国際法や国内法に違反し、日本の領空(日本の海岸線から12カイリの上空)に侵入した場合、防衛相が自衛隊部隊に命じ、着陸や退去などの強制措置を講じることができる。

 ただ、武器使用(危害射撃)は正当防衛、緊急避難に限られ、相手が攻撃の意思を示さず挑発的な飛行を繰り返すだけでは「武器使用が困難で強制的に排除する手だてがない」(航空自衛隊幹部)のが実情だ。

 防衛省によると、領空侵犯の可能性がある国籍不明機への空自の緊急発進(スクランブル)では、ロシア機が全体の8割を占め、中国機がこれに次いでいる。

 4月5日の北朝鮮によるミサイル発射では、ロシアが情報収集機を派遣し、公海上に展開させた日本のイージス艦のミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察した。ロシア機が、飛行計画の提出が必要な防空識別圏に入ったため、戦闘機を発進させたが、公海上で領空侵犯のような排除措置はとれなかった。そのため政府内には「防空識別圏でも空自に十分な対処権限を認める必要がある」との考えがある。

 また、米中枢同時テロのようなハイジャックされた旅客機の攻撃を想定。治安出動などでは時間がかかるため領空警備で対応し、領空侵犯の対象に外国航空機だけでなく、国内航空機を加える案が浮上している。

雑記(76)シャリンバイのはな

200905060922駅までの道端の公園に咲いているシャリンバイ。車輪梅と書くそうです。おもえば、梅の名を付けたはなって、たくさんありますね。
連休最後の日の小雨降る朝、力強く咲いていました。携帯で撮ってパソコンに転送しました。縮小してありますが、花の写真をクリックすると少し拡大されます。(高田)

2009年5月 5日 (火)

ソマリア沖派兵/「海賊」口実 新たな米軍支援/陸・海・空 そろい踏み

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-05/2009050502_01_1.html
ソマリア沖派兵/「海賊」口実 新たな米軍支援/陸・海・空 そろい踏み

 ソマリア沖アデン湾への自衛隊派兵問題で政府は、海上自衛隊の護衛艦に加え、P3C哨戒機や陸上自衛隊の中央即応連隊を今月中に派遣しようとしています。航空自衛隊もC130輸送機による人員・物資の輸送を計画。「海賊対策」を口実に陸・海・空そろい踏みで自衛隊の海外派兵を新たな段階に引き上げるものです。

 アデン湾には現在、自衛隊法が定める海上警備行動として護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の二隻(乗員計約四百人)が展開しています。同湾は、「対テロ」戦争支援のためにインド洋に派遣されている海自艦船が米軍など他国艦船への補給活動を行う主要海域の一つでもあります。(現在、派遣されているのは護衛艦「あけぼの」と補給艦「ときわ」。乗員計約三百三十人)

 政府・防衛省はこれに加え、ソマリア隣国のジブチ(旧仏領ソマリランド)に海自のP3C二機を派遣する準備を進めています。ジブチ空港の一角を駐機場として借りることから警護要員が必要だとして中央即応連隊所属の隊員も派遣する計画。P3Cの整備要員などを加え、人員は約百五十人に上ります。

 その結果、アデン湾とその周辺に、全体で九百人近い大規模な自衛隊派兵が行われることになります。

 しかも、P3Cの派遣は海外での実任務としては初めてです。

 P3Cはアデン湾で警戒監視を実施。政府はすでに、同機が収集した情報を米軍に提供することを明らかにしています。これまで米軍はアデン湾で、「海賊対処」だけでなく、ソマリアへの軍事介入や「対テロ」戦争などを行ってきました。P3Cによる情報提供は、同海域で米軍が展開している軍事作戦全体を支援することにつながる重大問題です。

 中央即応連隊が実任務に就くのも初めてです。同連隊は、海外派兵への即応部隊として昨年三月に新設されたばかりの“精鋭部隊”です。

 日本政府がジブチ共和国と結んだ協定は、自衛隊の施設や艦船、航空機などを外部からの攻撃や侵入から守るため「必要な措置」をとることができるとしています。

 ジブチ空港には、米軍やフランス軍など複数の国の軍隊が哨戒機を置いていますが、「自前で機体警備を行わない軍もある」(「東京」四月二十四日付)とされます。中央即応連隊の派兵はその実績づくり自体に狙いがあるといえます。

 政府・与党は、衆院を通過させた「海賊対処」派兵新法案の連休明けの成立を狙っています。同法案は自衛隊の武器使用基準を大幅に緩和するなど、アデン湾への派兵をさらに危険なものにします。

 「海賊対策」を口実にした新たな米軍支援やそのための海外派兵拡大を許さず、新法案の成立を許さない世論と運動を広げることが必要です。(榎本好孝)

 P3C哨戒機 P3Cは、潜水艦や水上艦を探知・監視する航空機。1999年の能登半島沖不審船事件への海上警備行動では、警告のため150キロ爆弾も投下しました。

 中央即応連隊 自衛隊の海外派兵主要任務化を受けて創設された部隊。宇都宮駐屯地にあり、連隊本部、3個の普通科中隊などで編成。隊員は全体で約700人。

2009年5月 4日 (月)

5・3社説 朝日/読売/産経/毎日/東京/日経/北海道・沖タイ

http://www.asahi.com/paper/editorial20090503.html
憲法記念日に―貧困、人権、平和を考える

 戦後最悪という経済不況の嵐が世界を吹き荒れている。そんな中、62回目の憲法記念日を迎えた。

 昨年暮れから正月にかけて、東京・日比谷公園にできた年越し派遣村。自動車や家電企業から突然首を切られ、転がり込んできた労働者らが炊き出しの食事で命をつないだ。

 約20人の若手弁護士が作るNGO「ヒューマンライツ・ナウ」に属する安孫子理良(あびこ・りら)さんは正月、派遣村での法律相談会に加わった。

■日本に広がる「貧困」

 もともとこのNGOは、途上国の人権や貧困問題に取り組んできた。軍事政権下のミャンマー(ビルマ)やパレスチナなどが関心の対象だった。

 司法修習生時代にこのNGOを知った安孫子さんは、かつてポル・ポト政権による住民虐殺が起きたカンボジアに足を運び、人権の状況を調べた。今月には、同僚と「人権で世界を変える30の方法」という本を出す予定だ。

 ところが、半年ほど前から国内での活動が増え始めた。住む所を追い出されたという失業者、突然帰国を命じられた外国人研修生……。そんな人々と一緒に、役所や企業に出向いて交渉する。派遣村に行ったのも、困った人を放っておけないと感じたからだ。

 「途上国は貧しくても、失業した人を受け入れる社会がある。日本の家族や地域共同体にそんな余裕はなくなっています」と安孫子さんは言う。

 岐阜県高山市を拠点とするNGO「ソムニード」は、インド南部で農業や林業支援を続けている。貧困から抜け出し、自立を目指す住民たちを手助けするためだ。だが、最近は飛騨の地域おこしにも力を入れ出した。

 「飛騨の山村に、インドと同じぐらい深刻な問題があるからです」と、竹内ゆみ子専務理事。過疎化でさびれるばかりの村。稲作指導でインドを訪れた人は、大勢の若者や老人たちが助け合う姿を見て「おかしいのは日本の方ではないかと思った」と話す。

 中国から来た農村花嫁に日本語を教え、村の空き家に都市の若者を招いて住民と交流する。地域に活気を取り戻す試みが続く。

 海の向こうの貧困問題に取り組んできた人々が今、自らの足元に目を向け始めている。

 むろん、途上国の貧困と、世界第2の経済大国の豊かさの中で起きるさまざまな現象を同一には論じられない。

 だが、人々の明日の暮らしが脅かされ、教育や医療の機会を奪われる子どもも出てきた。この状況を何と表現すればいいのか。やはり「貧困」という以外にない。この日本にも当たり前の人権を侵されている人々が増えているのだ。豊かな社会全体の足場を崩しかねない危うさが、そこにある。

 かつての日本に、もっとひどい「貧困」の時代があった。

■安定社会への見取り図

 昭和初期。漁業の過酷な現場で働く若者の姿を描いた小林多喜二の小説「蟹工船」が発表されたのは1929年。金融大恐慌が始まった年だった。日本でも経済が大打撃を受け、都市には失業者があふれ、農村は困窮して大陸への移住も盛んになった。

 そうした社会不安の中に政治テロや軍部の台頭、暴走が重なり、日本は戦争と破滅へ突き進んでいく。

 この過去を二度と繰り返したくない。繰り返してはいけない。日本国憲法には、戦争をくぐり抜けた国民の思いが色濃く織り込まれている。

 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」。憲法25条のこの規定は、連合国軍総司令部(GHQ)の草案にもなかったものだ。後に文相を務めた森戸辰男議員らの要求で加えられた。

 だれもが人間らしく生きる権利を持つ。政府にはそれを具体化する努力義務がある。当時の欧米の憲法にもあまりない先進的な人権規定だった。

 憲法の描く社会の見取り図は明確だ。自由な経済活動によって豊かな社会を実現し、貧困を追放する。同時に国民は平等であり、教育や労働といった権利が保障される。

 多くの国民がこうした国家像を歓迎したのは当然だろう。日本人は懸命に働き、「一億総中流」と呼ばれる社会を築き上げた。

 その中流社会が今、崩れかけている。その先に何が待ち受けているのか。漠然とした不安が広がっている。

 派遣村の名誉村長で、反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士は「しわ寄せされた若者たちの間に、この社会をぶち壊したい、そのためなら戦争でもやったらという、極端な空気さえ感じることがある」と語る。

■25条と向き合う時代

 右肩上がりの経済成長が続いていた間、国民はほとんど憲法25条を意識することなしに生きてきた。そんな幸福な時代が過ぎ、そこに正面から向き合わなければならない時がきたということなのだろう。

 こんなしんどい時だからこそ、憲法の前文を思い起こしたい。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

 転機を迎えているのは日本だけではない。世界の戦後秩序そのものが大きく転換しようとしている。そんな中で、より確かな明日を展望するために、やはり日本と世界の大転換期に誕生した憲法はよりどころとなる。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090502-OYT1T01042.htm
憲法記念日 審査会を早期に始動させよ(5月3日付・読売社説)

 今一度、憲法に立ち返って、これからの日本の国家像を描いてみる。きょうの憲法記念日をそんな一日にしたい。

 2年前、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が成立した。国民の手で憲法を改正するための画期的な法律である。

 ところがその後、憲法改正論議は失速した。参院選後生まれた「ねじれ国会」は、与野党の不毛な対立を呼んだ。世界的な経済危機は、日本政治に何よりも、迅速果敢な対策を求めている。

 それにしても国会は、改正論議を、サボタージュし過ぎているのではないか

 憲法問題は国会で日々、提起され続けている。

 機能不全に陥りがちなねじれ国会の現実は、衆参両院の機能の見直しを迫っている。

 海賊対策にあたる海上自衛隊のソマリア沖派遣や、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処の論議を聞けば、集団的自衛権は「保有するが、行使できない」とする政府解釈が、自衛隊の実効的な活動を妨げていることは明らかだろう。

 国民投票法の成立に伴い、衆参両院に設けられた憲法審査会は、法施行までの3年間、こうした憲法改正の具体的な論点の整理にあたることになっていた。

 

だが、政治の不作為によって、いまだに委員数などを定める審査会規程が決まらず、有名無実の存在になっている。

 与党は先月、衆院議院運営委員会に、規程案をようやく提示したが、野党は乗り気でない。

 民主党は、規程案の審議入りを「強引だ」「憲法を政争の具とするもの」などと批判した。

 これはおかしい。国民投票法は、自民、民主の両党案を合体して作成したものだ。当時、参院選をにらんで政略的観点から反対したのは民主党である。

 民主党には、小沢代表、鳩山幹事長をはじめ、改憲派の議員は多い。読売新聞の世論調査でも、民主支持層の過半数は憲法改正に賛成している。

 それなのに党として改憲論議を忌避するのは、衆院選を前に、党内の改憲慎重派との摩擦を避ける一方、「護憲」を掲げる社民党などとの選挙協力を優先させる政治的思惑からだろう。

 審査会は、すでに2年を空費してしまった。18歳投票権に伴う関連法整備など積み残しの懸案も、検討を急ぐ必要がある。

 与野党ともに、憲法審査会を早期に始動させるため、取り組みを強めるべきである。
(2009年5月3日01時39分  読売新聞)

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090503/plc0905030317001-n1.htm

【主張】憲法施行62年 脅威増大を見過ごすな 9条改正し国の安全を守れ
憲法施行から62年が経過した。その間、大規模な戦争に巻き込まれなかったことをすべて「平和憲法」の恩恵と考えるのは幻想にすぎない。国際情勢や安全保障環境は大きく変化しており、北朝鮮が日本列島越しに弾道ミサイルを発射したのはつい1カ月前だ。

 北の発射予告に応じて、日本はミサイル防衛(MD)による警戒態勢をとった。これまでの準備が結実したものだ。しかし、予告なしの発射はないのだろうか。中距離ミサイルが多数飛来した場合はどうなるのか。国の守りの限界を突き付けられたといってよい。

 問題の根幹は、自衛隊を軍隊と認めず、国家の防衛を抑制してきたことにある。憲法9条がその限界を作っているのは明らかだ。
確実な脅威の高まりに、憲法見直しを避けてはなるまい。

 北のミサイル発射後、自民党の安倍晋三元首相は「敵基地攻撃能力の保有」を提唱した。民主党からも「相手の基地をたたく能力を持っておかないとリスクをヘッジ(回避)できない」(浅尾慶一郎氏)との意見が出た。

 核弾頭が搭載される可能性がある中距離ミサイルに対し、自衛権を先制的に行使することへの重要な問題提起といえる。

 ≪与野党に敵基地攻撃論≫

 昭和31年にも、当時の鳩山一郎首相がミサイル攻撃などについて「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨だとは考えられない」との見解を示した。敵基地攻撃は自衛の範囲に含まれ、可能だという趣旨だが、これまでも問題提起にとどまってきた。

 その理由は、日本の防衛力はそうした能力を持たないことにしているためだ。報復能力は米軍に委ねている。憲法9条による戦力不保持規定と関連する専守防衛によるものである。日本の力を抑えつけておくことを最優先にしてきた、戦後間もない占領政策がいまだに生き続けている。

 衆院を先月通過した海賊対処法案は、民間船舶に接近する海賊船への船体射撃を認めた。任務遂行のための武器使用をようやく認めたが、あくまで海賊船を追い払う警察権の行使でしかない。逃走防止や人質奪還の武器使用は9条が禁じる「武力行使」と一体化しかねないと禁じられている。これでは脅威を排除できない。列国の海軍と共同行動を名実ともに取れない理由はそこにある。

 問題は、自らの国を自分で守れず、国際社会の共同行動にも参加できない日本でよいのか、である。国民の生命と安全を守るためには憲法9条の改正こそ急務であると強調したい。

 一方で日米の共同防衛の実効性を高めることも必要だ。

 

シーファー前駐日米大使が1月のお別れ会見で、日本が米国向けミサイルを迎撃しなければ「米国民は日米同盟の価値を感じなくなる」と懸念を表明したことを思い起こすべきだ。

 集団的自衛権は行使できないという憲法解釈のためだが、麻生太郎首相は解釈見直しにどう取り組むのか。腰が引けていては日米の信頼のきずなは強まらない。

 ≪無法状態を放置するな≫

 憲法問題の混迷を象徴しているのが、憲法改正のための国民投票法に基づき、一昨年8月に衆参両院に設置された憲法審査会の扱いだ。野党のサボタージュでいまだに始動できていない。

 運営のルールを定める「審査会規程」さえ作成されておらず、与党がこの憲法記念日前に成立させる構えを示すと、民主党は「政争の道具にしている」と反発した。国会法に基づく常設機関の活動を阻止するような無法状態を、立法府で放置している責めは、民主党が負うべきだろう。

 法の手続きにのっとり、憲法改正を含む立法作業を行うことは立法府を構成する国会議員の使命である。来年5月18日には憲法改正原案の発議が解禁される。

 政権交代を目指すという政党が、どんな憲法を構想しているのかを提示できないようでは、その資質が問われる。

 自民党は平成17年に新憲法草案をまとめているが、その草案を見直す必要はないのか。全党的な議論をすべきだろう。

 草案は参院の見直しに言及していない。二院制を一院制にして、国会議員の定数を3割減らすなどの案を自民党幹部が語ったことがあるが、統治のありようなども抜本的に見直すべきだ。

 自民、民主両党などは、憲法見直し案をまとめ、それで国民の信を問うことが求められている。

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090503ddm004070008000c.html
社説:憲法記念日に考える もっと魅力的な日本に 軍事力の限界見据え

 駐日米大使に、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が任命されるという。ナイ氏はクリントン政権で国防次官補を務めた。冷戦後に日米安全保障条約の存在意義が問われ経済面では通商摩擦が激化した。そうした日米関係の危機を救ったのがナイ氏の「日米安保再定義」だ。

 これは旧ソ連に対する対応策だった日米安保を、アジア・太平洋の平和のための条約に「格上げ」するもので、日本の対米協力が加速、ついにはイラクへの自衛隊派遣に至った端緒ともみることができるだろう。
 ◇開店休業の憲法審査会

 今日の憲法問題でもっとも鋭い争点となっている「集団的自衛権」の行使の是非も、もともとは日米同盟の強化に不可欠のものという文脈で登場してきた。その最も有力な論客が米国の大使として日本に赴任する意味は小さくない。

 しかし、憲法問題への国民の関心は高いとはいえない。「世界同時不況」で暮らしが脅かされており、語弊をおそれず言えば「憲法どころではない」という気分であろう。政界の関心も薄い。国民投票法成立で2年前、衆参両院に憲法審査会が設置された。だが、委員の数や議事の進め方などの審査会規定が未整備で、議論を行う態勢になっていない。

 日本を覆う閉塞(へいそく)感は経済問題に限らない。日本は本来持っている潜在力を発揮していない。そんなもどかしさを、多くの日本人が感じているように思われる。憲法を考えるということは、国のあり方と進路を点検することである。混迷が深いならそれだけ有益な作業になるだろう。

 「国の安全」という問題に限定しても、問題は山積している。とりわけ、世界的なパワーシフトの中で、従来の日本の安全保障政策でよいのか、再考する必要がある。ナイ教授が提唱する「ソフトパワー論」自体がよい素材であろう。

 ブッシュ前政権はハードパワー(軍事力など)を過信してイラク戦争に突入し、世界の信望を失った。クリントン米国務長官は今後はこれにソフトパワーを加えたスマートパワーを米外交の基礎とすると表明した。強制力でなく人権重視の価値観や文化的魅力によって相手の自発的協力を引き出そうというのだ。

 米国に協力的な日本はそのソフトパワーの有効性の証しであり、オバマ米大統領は麻生太郎首相を外国首脳として初めてホワイトハウスに招くなど、日本重視の姿勢を示した。ナイ教授の起用もその一環だろう。

 

ただ、日米同盟の維持には、日本の「集団的自衛権の行使」が不可欠という考え方を米国は鮮明にしている。ナイ教授も講演で「ミサイル防衛で日本に向かっているミサイルは撃墜するが、アメリカに向かうミサイルは黙って見送るというのではアメリカの世論が許さない」と述べている。日米同盟は難しい局面に差し掛かっている。
 ◇外圧の時代は終わった

 米国で「G2」論が台頭していることにも注目すべきだ。米中による世界経済運営論である。米国のアジアにおける2国間関係で優先順位ナンバーワンは日本から中国に移ったのではないか。北朝鮮が核とミサイル開発を手放そうとしない現状では、米国との同盟が日本の安全に不可欠なのは明らかだ。しかし、追随するだけでは日本は国際政治の脇役に追いやられ国益を守れない。

 米通商代表部の日本部長を務めた在日米商工会議所名誉会頭のチャールズ・レイク氏は、「黒船はもうこない」と米国の対日戦略の変化を指摘する。米国がかつてのような露骨な外圧を日本にかけることはない。長期的には嫌米感をまねいて得にならないからだ。

 日本は大きい改革に際して、抵抗勢力をだまらせるため、しばしば外圧を利用してきた。だが、それではもはや世界の構造変化に対応できない。どこまで、日米同盟を拡張し強化していくのか、危険な任務も多い平和構築にどこまで踏み込んでいくのか、日本は自分の頭で考え国民的合意を形成しなくてはならない。

 その場合、ソフトパワーを重視し戦略的に位置づけるべきだ。例えば留学生政策。旧ソ連ゴルバチョフ政権で、ナンバー2だったヤコブレフ氏が自由化政策を献言した背景には米コロンビア大学に学んだ経験があるとナイ教授は指摘している。英BBC放送の調査では、世界における日本の好感度はカナダと並び最高だった。もっと自信をもってよい。

 日本はイランやミャンマーなど米国が「苦手」とする国々とも独自外交で友好関係を築いてきた。地域の安定への貴重な政治資源だ。政府開発援助(ODA)も世界2位から5位に下がったが、このODAの貢献によって日本の発言力が支えられてきた面が大きい。

 ソフトパワーが問われているのは米国よりむしろ日本であろう。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009050302000070.html
【社説】
憲法記念日に考える 忘れたくないもの

2009年5月3日

 寒空の下のテント村が思い出させたもの、“北”をにらむミサイルが忘れさせたもの…いずれも憲法の核心です。いまこそそれを再確認しましょう。

 東京の都心、日比谷公園に仕事と住居を失った五百人以上ものテント村ができたのは、昨年末から今年はじめにかけてでした。市民団体、労組や弁護士らが企画した「年越し派遣村」は、「百年に一度」といわれる経済危機の中、この国で起きていることをだれの目にも見える形にしました。

 それは、“一億総中流”の幻に惑わされて多くの日本人が忘れかけていたものを、思い出させてくれました。
◆生存権の保障は自前

 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(日本国憲法第二五条第一項)-第二項は国に社会保障、福祉の向上、増進を命じています。

 改憲論者から押しつけと攻撃される憲法ですが、生存権を保障したこの規定は衆院の審議で追加された自前の条項です。

 第一三条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については(中略)国政の上で、最大の尊重を必要とする」となっています。

 現実はどんな状態でしょうか。

 OECD(経済協力開発機構)のデータによる、いわゆる貧困率は先進国中で第二位、金融広報中央委の調査では、一九八〇年代に5%前後だった貯蓄ゼロ世帯が二〇〇六年には23%に増え、三千万人が何の蓄えもなしにその日暮らしをしています。

 景気回復期といわれた〇三年から〇六年にかけてさえ被雇用者の賃金は下がり続け、年収二百万円以下の給与所得者は一千万人を超えています。雇用労働者の三分の一が、万一の場合の安全策もない非正規雇用です。
◆社会の階層化が進む

 貧困層が急増し「富める者はますます豊かに、貧しい者はますます貧しく」なり、社会が分断されつつあるのです。貧困が親、子、孫と継承される社会の階層化も急速に進みつつあります。

 誰でも働いてさえいれば食べていける状態が崩れ、最近は働く場さえ次々なくなっています。仕事を失えば住まいもなくなって路上に放り出され、たちまち生命の危機に瀕(ひん)します。

 「個人として尊重される」どころか、モノのように扱われ、捨てられているのです。

 人間らしく生きるための最低条件を保障すべきセーフティーネットもほころびだらけです。

 派遣村には、警察からも、ハローワークからも、なんと社会保障の役所側窓口である福祉事務所からも、職と住居のない人が回されてきました。

 警察は自殺を図った人を保護しても連れて行く所がなく、ハローワークは失業手当をもらえない非正規雇用の被解雇者から相談されても何もできなかったのです。行政が大都市に設けている一時宿泊所は定員が少なく、急増する困窮者に対応しきれません。

 政府は「過去最大、十五兆円の財政出動」など景気回復、雇用拡大策を派手に打ち出しています。

 しかし、数字からは個人が見えてきません。人間としての苦しみや悲しみが無機質な数字でかき消されないよう、派遣村の熱気と緊張感を思い出しましょう。

 景気回復は当面の最大課題ですが、雇用、福祉制度の見直しも同じく急務です。雇う側、使う側の視点から雇われる側の視点へ、効率、コスト優先から人間らしく生きる権利の最優先へ-憲法第一三条、第二五条の再確認が必要です。

 桜前線が北上し、派遣村の余韻が消えかかったころ、今度は「北朝鮮ミサイル」のニュースが注目を集めました。政府は対応策を積極的にPRし、危機感をおおいにあおりました。

 

その効果でしょうか、一般道路を走る迎撃ミサイル運搬のトレーラーや、首都の真ん中で北の空をにらむミサイルの映像にも、違和感を覚えた人はさして多くなさそうです。北の脅威、迎撃などの言葉が醸し出す緊迫感は、憲法第九条の存在感を薄れさせました。

 ソマリア沖では海賊対策とはいえ自衛艦が堂々展開し、自衛隊の海外派遣を恒久化する動きも急ですが、国会外ではあまり議論が起きません。現実を前にして憲法の規範性が危うくなっています。

◆現実に流されない覚悟

 自民党を中心に広がった幻想のような改憲論が沈静化したいまこそ、憲法に適合した政治、行政の実現を目指したいものです。

 それには、国民の一人ひとりが「忘れたくないもの」をはっきりさせ、目まぐるしく動く社会の現実に決して流されない覚悟を固めなければなりません。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090502AS1K3000530042009.html
社説1 日本国憲法を今日的視点で読み返そう(5/3)

 憲法記念日のたびに様々な角度から日本国憲法を考えてきた。ことしは現在の国際社会での日本の立場と憲法の関係に焦点を当てる。集団的自衛権をめぐる憲法解釈を見直し、そのうえで自衛隊の国際協力活動を包括的に規定した一般法の制定が要る。そんな結論になる。

 ソマリア沖の海賊を取り締まるために、いま海上自衛隊の艦船が活動をしている。自衛隊法82条にある海上警備行動命令が根拠だが、国会で審議中の海賊対処法案は、より強い権限を与える。海賊法案は過去の類似の法律と違うのは、時限法ではなく、一般法である点だ。

 警察活動とされ、集団的自衛権をめぐる議論にはなっていない点も違いだ。インド洋での自衛隊の活動を認める補給支援法をめぐり、民主党は憲法違反として反対した。海賊法案ではそれを主張しない。

 私たちは2001年の米同時テロの後、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直し、多国籍軍後方支援法の制定を求めた。今日風にいえば、海賊法を包み込む形で、自衛隊の国際活動を包括的に定めた一般法である。国連平和維持活動(PKO)参加の根拠となっている国際平和協力法も吸収する。

 それがない現状はどうか。PKOなど国連ミッションに参加する自衛官は39人。世界で80位だ。「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とする憲法を持ち、安保理の常任理事国を目指す国とは思えぬ数字である。安倍政権が検討し、福田政権が無視した集団的自衛権をめぐる解釈見直しは当然だろう。

 「ひとを守ってこそ、おのれを守れる。いくさとはそういうものだ」――。映画「七人の侍」で志村喬が演じる侍が農民にこう語る。個別自衛と集団自衛との間に線を引きにくい現実を語ったように聞こえる。ただし日本は「いくさ」に行くわけではない。

 

現在ある非現実的な制約を除去すれば、国際社会の安定のために日本が能力の範囲内で活動できる場は広がる。39人、80位という主要国のなかで最低の数字は、経済力では世界で2位を自負する国にとってはあまりに不釣り合いであり、返上を急ぎたい。

 秋までには衆院選挙がある。その結果、次の政権が決まる。憲法にせよ、安全保障にせよ、最も重要な国政上の論点である。各党とも考えを有権者に説明してほしい。それを聞く側は、62年前のきょう施行された憲法を当時ではなく、今日の視点で読み返してみよう。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/162910_all.html
社説
憲法記念日 いま生きる手だてとして(5月3日)

 日本国憲法が施行されてきょうで六十二年となる。

 前文はうたっている。

 「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

 これは、憲法の柱として、第九条の戦争放棄と、第二五条の生存権、すなわち「平和」と「福祉」が一体の関係にあることを示している。

 だが「派遣切り」に象徴される貧困問題が顕在化し、生きる権利そのものが侵害されている。国際貢献を名目に自衛隊を海外に派遣しようとする動きもやまない。

 人として生き、平和を守る手段としてこの憲法を活用したい。

*深まる「生存の危機」

 東京都内で三月下旬、「反貧困フェスタ」という催しがあった。

 会場の都心の中学校には派遣切りにあった労働者や支援の労組、市民ら約千七百人が参加した。校庭では歌舞の披露や炊き出しもあり、職を失った人たちを励ました。

 底冷えのする体育館でのシンポジウムでは、口々に雇用の厳しさを訴える労働者に交じって、釧路出身の四十七歳の男性が立った。

 「派遣会社の面接を受け埼玉、群馬の工場で働いた。でも首を切られ生活保護を受けている。やり直したいけれど先が見えない」

 年末年始に東京・日比谷公園に開設された「年越し派遣村」には、突然、仕事と住まいを失い路上に放り出された労働者が集まった。

 この春、同様の取り組みが各地に広がった。相談会にやってくる労働者には北海道、東北、沖縄など格差拡大と経済危機の打撃の大きい地域の出身者が目立つ。

 憲法二五条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」としている。

 しかし派遣村の光景は国民の生存権が脅かされ、憲法の理念とかけ離れた現実を浮かび上がらせた。

 雇用、年金、医療、生活保護など社会保障制度の法的根拠はこの二五条にある。第二項は、社会福祉や社会保障の確立に向けた国の責務を明確に規定している。

 ところが日本社会のセーフティーネットは極めて不十分である。

 労働者派遣制度は、企業が簡単に労働者の首を切れる雇用調整弁であることがはっきりした。厚生労働省は六月末までに二十万人余の非正規労働者が職を失うとみる。

 国民の安心を保障し、生き生きとした暮らしを実現することこそ、憲法が政府に課した仕事である。それをないがしろにした政治には、政策を語る資格があるだろうか。

*貧困の連鎖断たねば

 派遣切りの問題は働く人の三分の一を占める非正規にとどまらず、リストラや雇用条件の切り下げとなって正社員にも跳ね返ってくる。

 最終的なセーフティーネットである生活保護の受給者は百六十三万人(厚労省調べ)に上るが、制度から漏れた生活困窮者は六百万-八百五十万人にも達するとみられる。

 生活困窮者の増大は子供の世代にも及び、社会の劣化を招く悪循環に陥ろうとしている。

 市場万能、競争至上の新自由主義経済は格差を拡大して破綻(はたん)し、潜在化していた貧困問題が昨年秋の経済危機で一気に噴き出した。

 経済協力開発機構(OECD)の調査では、所得分布の中央値の半分に満たない人々の割合(相対的貧困率)は、先進国のなかで日本が米国に次いで高い。憲法が掲げた平和・福祉国家からほど遠い。

 貧困にむしばまれた社会を憲法の理念に沿って立て直すときだ。

 派遣村は多くの労組や市民ボランティアが支え、その訴えが国会や官公庁を動かした。国民が憲法の生きる権利を求めたと理解したい。政府はその重みを受け止めるべきだ。

*国民の意思問われる

 国会ではソマリア沖の海賊対策を理由に自衛隊海外派遣を随時可能にする海賊対処法案の審議が進む。

 成立すれば政府の一存で自衛隊を海外に送り出せるようになり、海外派遣恒久法に道を開く。

 イラクへの自衛隊派遣からの一連の流れは、憲法が禁じた海外での武力行使や集団的自衛権の容認にまでつながる恐れがある。

 もう一度、立ち止まってよく考えたい。ソマリアは軍事政権が崩壊し無政府状態にある。数百万人が国連などの食料援助に依存し、国内外に難民があふれている

 こうした現状を直視すれば、息の長い民生支援を通じ、国家の再建を図るほかないだろう。海賊対策は沿岸警備の問題であり、日本は教育や福祉支援などの地道な貧困対策で現地の人々を勇気づけたい。

 それが「戦争放棄」を掲げた憲法九条の力を世界に広げ、日本の国際貢献の実をあげる道だ。

 国民投票法によって二〇一〇年に改憲の発議が可能となる。秋までに行われる総選挙は、憲法の平和・福祉の理念を生かすために、有権者が意思表示する絶好の機会である。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-05-03-M_1-005-1_001.html
[憲法と沖縄]

人権保障の砦が危ない

 

突然、あなたの子供を含む家族が国家によって訴えられたとしたら?

 人口160人の東村高江区がいま、「国策」による裁判騒ぎに揺れている。米海兵隊のヘリパッドを増設する計画に反対する区民14人が昨年11月、防衛省沖縄防衛局によって訴えられた。通行妨害の禁止を求める仮処分申請の債務者と名指しされた

 1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意により、北部訓練場の約半分を返還する条件として高江の住宅地を取り囲むようにヘリパッド6基を設置する。

 在日米軍再編の最終合意が交わされた翌年の2007年7月、那覇防衛施設局(当時)はヘリパッド着工を発表。この間、建設資材を搬入しようとするが、現場で反対運動を続ける住民に阻止された。

 通行妨害禁止の申立書で防衛局は、ヘリパッド設置が「重要」である理由として、(1)県民が基地縮小を求めている(2)SACOで北部訓練場の約半分返還を決めた(3)ヘリパッドは返還条件(4)ヘリパッド設置は日米安保体制における日本の責務で、外交・防衛など国策の極めて重大な意義を有する―などを挙げた。

 のどかな山村に国策が突きつけられた。

 「静かな環境を守りたいだけだ」。高江区代議員会は2度反対決議した。一部住民が輪番制で毎日朝から夕方まで、訓練場の入り口近くに張ったテントで座り込む。

 若夏の日がまぶしいこの季節、小鳥のさえずりが新緑に染みる。自然豊かな生活を守ろうと住民は座っている。

 申立書の中で、住民らの妨害行為として「監視」の文字が繰り返し記されている。住民の反対・監視行動は「国策妨害」なのか。

 さらに、訴えられた人の中に、8歳女児も含まれていた。後に取り下げたものの、真部朗沖縄防衛局長は「年齢、性別にかかわりなく妨害行為をしないように、という以外の他意はない」と語った。

 8歳女児が妨害を意図した証拠はあるだろうか。国事業に反対する住民運動をすべて「国策妨害」と決め付ける行政判断に危うさを感じる。

 基本的人権である「表現の自由」を侵害する危険性をはらんでいるからだ。

 人権保障は憲法の存在意義であり、それは権力(立法、行政、司法)を分離することで弱い立場の人々を護るためにある。ところが今回の仮処分申請は、国策の合理性は問われないまま、行政が司法を使って反対住民を排除しようというものだ。

 住民の反対運動に対する仮処分申請は異例だ。

 本土での米軍基地建設は、激しい住民闘争に遭った。石川県内灘闘争(1952~53年)、長野県浅間山闘争(53年)、群馬県妙義山接収反対闘争(55年)、東京立川基地拡張の砂川闘争(55~57年)。計画はすべて中止された。

 政治・行政が司法権を利用することが一般化すると、国民生活はどうなるだろうか。高江区の住民運動は、憲法の基本的な役割を再考する上で大切な問題提起をしている。

http://mainichi.jp/select/opinion/watching/news/20090510ddm004070004000c.html
社説ウオッチング:憲法記念日 毎日、ソフトパワー活用訴え
 ◇貧困拡大で生存権に注目--朝日・東京
 ◇改正へ加速を注文--読売・産経

 「生まれたばかりの憲法はこづきまわされた」。施行7周年にあたる1954(昭和29)年5月3日の、毎日社説の一節である。紙面はまだ8ページしかない。テレビでなくラジオの番組表が掲載されている。次のような指摘が続く。

 「国際情勢は戦後の理想主義をふみにじった」「この4、5年間は国民の最大の論議は憲法、ことに第9条の戦争放棄の規定の可否であった」。そして吉田茂内閣が事実上の戦力増強に向け「憲法を勝手次第に解釈することの害毒」を強調している。いわゆる「解釈改憲」で少なくとも外見上、憲法条文と現実とが乖離(かいり)する。この点への強い不快感がにじんでいる。

 その10年後、東京五輪が開かれた64年の毎日社説は、憲法が「その理想主義的行き過ぎや、起草上の諸欠陥にもかかわらず、国の基本法として広く国民生活の中に根をおろしつつある」と指摘。改憲論にも護憲論にも根拠があり、近い将来の決着が期待できない以上、当面の急務は「現憲法をいかに実効的に、摩擦なく運用するか」だと論じている。
 ◇冷え込む「改憲論議」

 もちろん、この2本の社説が示す経過より、はるかに多くの論議と曲折を経て、憲法は施行62周年を迎えた。安倍晋三元首相の登場で一時高まった改憲論議は冷え込んだ。世界同時不況などの影響で閉塞(へいそく)感は強まるばかりだ。こうした状況で、各紙の憲法記念日社説は何を主張したか。

 毎日は対米関係を軸に、日本の進むべき道を提言した。駐日米大使に任命される見通しのジョセフ・ナイ教授の「ソフトパワー論」を、むしろ日本が活用して、国の安全を守り、国際社会での評価と発言力を高めようという主張だ。

 いま焦点の集団的自衛権について日本政府は「権利はあるが行使できない」と解釈する。しかしナイ教授は、その「行使」こそ日米同盟維持に不可欠だとする立場の論客だという。日米同盟は難しい局面に入ると社説は展望したうえで、単なる対米追随も外圧としての利用も適切でなく、世界から好感されている日本の魅力や、積み重ねた国際貢献による発言力を生かす道を推奨した。

 これがうまくいけば、日本は米国からも国際社会からも、信頼と尊敬を集められるだろう。

 朝日と東京は一様に、昨年末から正月にかけて東京の日比谷公園にできた「年越し派遣村」を例に挙げ、日本で広がる貧困問題と、憲法25条が規定する生存権を中心に論じた。米国主導の憲法起草過程にあって、この25条は日本側が付け加えた価値ある条項だという点も、そろって指摘した。

 25条は今から50年余り前、肌着を2年に1枚しか買えない当時の生活保護水準を国立療養所の入所者が違憲だと訴えた「朝日訴訟」で注目された。上告中に原告が死亡し裁判は終わったが、高度成長の追い風を受け制度は改善された。

 しかし流れは逆転し「人々の明日の暮らしが脅かされ、教育や医療の機会を奪われる子どもも出てきた」(朝日)、「貧困層が急増し『富める者はますます豊かに、貧しい者はますます貧しく』なり、社会が分断されつつある」(東京)と、厳しさが募る。

 両紙は昨年も、憲法記念日社説で生存権の問題を取り上げた。毎日も昨年は、憲法前文にある「平和のうちに生存する権利」の侵害が進んでいると指摘した。何度でも論ずべきテーマであろう。

 読売は94年以降3回にわたって憲法改正試案を発表。改憲の手続きを定める国民投票法案が成立直前だった07年の憲法施行60周年社説は「歴史に刻まれる節目の年だ」と題し、新憲法への具体的な動きに期待を示した。

 だが「その後、憲法改正論議は失速した」と今年は書き、国民投票法で衆参両院に設けられた憲法審査会が民主党の非協力のために稼働していないと非難。この現実は「衆参両院の機能の見直しを迫っている」と、改憲による参院改革にも言及している。

 こうした内容は昨年の社説とほとんど重なる。改憲論議停滞へのもどかしさがうかがえる。
 ◇修正提言消えた日経

 日経は、集団的自衛権を「行使できない」という政府の解釈の見直しを要求。さらに国会で審議中の海賊対処法案を「包み込む形で」自衛隊の国際協力活動を包括的に認める一般法の制定を提案した。

 日経はここ数年、憲法への自衛権明記や参院の権限・規模縮小など、具体的な条文修正の訴えを続けてきた。しかし今年の社説にはそうした提案がない。現時点では困難という判断だろうか。

 一方、産経は昨年見送った「9条改正」の主張を明記した。北朝鮮のミサイル発射を背景に「敵基地攻撃」論にも言及した。憲法審査会について「野党のサボタージュでいまだに始動できていない」と非難したのは読売と同じだが、「来年5月18日には憲法改正原案の発議が解禁される」と指摘して与野党に積極対応を注文したところに独自色が出た

 現時点で冒頭に掲げたような時代の毎日社説を読み返すと、憲法9条の文言と現実がそぐわないという素朴な受け止め方は、無理からぬことのように思える。しかし条文を現実に合わせれば、さらに解釈改憲が進んで平和主義の根幹が傾くのではないかという懸念も否定しきれない。この悩ましさが消えることはないのだろうか。【論説委員・中島哲夫】

集団的自衛権:強まる「解釈変更論」 首相、慎重に見極め

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090504k0000m010064000c.html
集団的自衛権:強まる「解釈変更論」 首相、慎重に見極め

 集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の変更を検討すべきだという声が、政府・自民党内で再燃している。北朝鮮の弾道ミサイル発射などを受け、安倍晋三元首相が麻生太郎首相に衆院選の政権公約(マニフェスト)に掲げるよう求めたのが発端。首相自身、解釈変更すべきだとの持論を崩していないが、検討を本格化させれば、与党・公明党が抵抗するのは必至。衆院選前の火種にならないよう、首相は与党内の空気を慎重に探る構えだ。【西田進一郎】

 「(報告書を)読ましていただいて、勉強しなきゃいかんと思ってます」

 首相は4月23日夜、安倍氏が首相時代に設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の座長を務めた柳井俊二元駐米大使と首相官邸で会い、懇談会が昨年6月にまとめた報告書の説明を受けた。面会は柳井氏側の要請。首相は前日、首相官邸で面会した安倍氏から集団的自衛権の行使について、「(総選挙の)マニフェストに盛り込んだほうがいい」と申し入れを受けていた。

 懇談会は、米艦船の防護、弾道ミサイル防衛、武器使用基準、後方支援の4類型に絞って議論した。4類型は小泉内閣のころ、安倍官房長官-麻生外相のラインで協議された内容がベース。安倍氏が首相を退陣した後の08年6月、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使は可能との報告書をまとめたが、当時の福田康夫首相は解釈変更に否定的で、報告書は「たなざらし」となっていた。

 麻生首相は就任直後の昨年9月、憲法解釈の変更について「基本的に変えるべきものだ。ずっと同じことを言っている」と述べている。衆院選で対決する民主党の安保政策が定まらない中で、「安全保障の問題は衆院選に向けて民主党との対立軸を示すことができる大きなテーマ」(首相周辺)との思いが強い。

 ただ、平和志向をアピールする公明党が解釈変更に強く反発しており、首相や安倍氏らが強行突破をはかれば、衆院選などでの自公協力にも影響が出かねない。また、自民党内にも麻生-安倍ラインの保守色に抵抗感を示す議員も少なくない。このため、政府関係者は「仮に解釈を変更すれば、今の法体系全体の見直しにつながるが、そこまでは今の政治状況ではできないだろう」と語った。

産経報道:憲法記念日、各地で集会「9条改正を」「憲法審査会の始動を」

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090503/plc0905031932009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090503/plc0905031932009-n2.htm
憲法記念日、各地で集会「9条改正を」「憲法審査会の始動を」
憲法記念日の3日、全国で改憲、護憲両派が集会を開いた。憲法改正を目指す「新しい憲法をつくる国民会議」(自主憲法制定国民会議)と、「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(民間憲法臨調)は、都内で集会を開き、憲法9条2項の改正や衆参両院の憲法審査会の早期始動などを求める提言・決議を採択した。憲法改正を目指す日本青年会議所(JC)も全国一斉に「憲法タウンミーティング」を開いた。

 国民会議は「各党は政争の具にせず、早急に憲法審査会を開始するよう要請する」との決議を行った。来賓の自民党の小池百合子元防衛相は「憲法への取り組みを明らかにできなければ、民主党は政権交代を唱える資格はない」と、民主党が憲法審査会規程制定に応じないことを批判した。
民間憲法臨調は緊急提言で、憲法審査会について、「憲法改正に向けて実質的な作業を開始する」よう国会に要求。中国や北朝鮮への危機感を表明し、「集団的自衛権行使を否定した政府解釈を変更し、憲法9条2項を改正しなければならない」とした。世話人の櫻井よしこ氏は基調提言で「安全独立を担保する自前の力が今の日本にはない。こんな国は異常だ。正常にするには、憲法を改正するしかない」と訴えた。

 一方、都内で開かれた護憲派の集会では、ノーベル物理学賞の益川(ますかわ)敏英(としひで)京都産業大教授が講演。「憲法9条改悪のきな臭いにおいがする」と強調。「憲法解釈でソマリア沖に自衛艦派遣までやった。(改憲派は)交戦権までほしがっている」と述べた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090503/plc0905031933010-n1.htm
民間憲法臨調がブックレット発行 憲法9条改正目指し
2009.5.3 19:33

 民間憲法臨調(運営委員長・西修駒沢大教授)は憲法記念日に合わせ、自衛のための軍隊まで禁ずる憲法9条2項の改正を目指す立場から「憲法9条Q&A 改憲論への疑問に答える20の論点」(明成社、550円)を発行した。

 平和主義は日本国憲法の“専売特許”ではなく世界の8割以上の憲法が規定していることや、共産党が現憲法制定時は「民族の独立を危うくする」と9条を厳しく批判していたことを紹介している。

産経紙による【社説検証】海賊新法

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090504/plc0905040842001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090504/plc0905040842001-n2.htm
【社説検証】海賊新法

2009.5.4 08:38
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で海上自衛隊への海上警備行動が発令され、呉基地を出発後、広島湾を航行する護衛艦さざなみ=3月14日、広島県の広島湾上空(本社ヘリから)

 ■事前承認は不適切だ 産経・読売

 ■文民統制は大丈夫か 朝日・毎日

 海賊被害が急増しているアフリカ・ソマリア沖での海上自衛隊艦船の抑止活動に、より実効性をもたせる海賊対処法案(海賊新法)が与党の賛成多数で衆院を通過した。今国会中に成立の見通しだが、法案をめぐる与野党の修正論議で自衛隊の国際協力活動に関する法整備の遅れが浮かび上がった。

 海自の護衛艦2隻が任務遂行の基盤とする現行自衛隊法の海上警備行動は(1)日本関連船舶しか守れない(2)武器使用は正当防衛と緊急避難に限られる-と解釈される。4月上旬、不審船に接近されたシンガポール船籍のタンカーから救援要請を受けた際も大音響発生装置を使って追い払う苦肉の策をとった。

 新法では、接近する海賊船が警告・威嚇射撃を無視した場合に船体射撃を認め、保護対象が外国船舶にも拡大される。「応急措置」を脱し、米英など約20カ国の艦船と同レベルの活動が可能になる。

 朝日が「早く海賊対策を目的とした新法をつくり、自衛隊の活動の範囲や手順をきちんと位置づけなければならない」と論じたように、法案の早期成立の必要性では各紙の論調に大きな差はない。しかし、民主党が強く求めた自衛隊派遣前の国会承認など与野党の修正協議をめぐっては意見が分かれた。

 産経は、ねじれ国会が数多くの国政の混乱を招いてきた現状をふまえ、「艦船を機動的に派遣する上で、両院の事前承認を必要とする規定は適切ではない」と主張した。また、海賊対処は軍事活動ではなく警察活動とする与党の主張を是とし「原案通り国会報告に留めたのは妥当」との見解だ。

   読売も同様に「海賊対処行動は実質的に海上警察活動であり、法案の定めるよう国会報告で十分だ。すべて事前承認でなければ文民統制ができないかのような議論はおかしい」と指摘し、民主党の賛成を得るために修正するようでは「将来に禍根を残しかねない」と断じた。

 これに対し、毎日、日経、朝日は修正が必要との立場だ。

 毎日は「文民統制(シビリアンコントロール)を強化しようという主張を、文民統制の主体である国会あるいはその一院が派遣に反対する可能性があることを理由に退けるというのは本末転倒の議論である」との論陣を張った。参院での与党の譲歩を求め、事前ないしは事後承認での合意を期待している。

 朝日も、国民の多くに「国会による事前承認の規定がなくて、文民統制は大丈夫なのか」との不安があるとし、日経は「緊急性のある場合も想定して国会による事後承認も認めるかどうかも含め、与野党で議論する必要がある」と提言した。

 武器使用基準の緩和を民主党が容認したことについても論争があった。産経が「与野党協議を重ねた意義はあった」と評価したのに対し、毎日は「自衛隊の海外活動全体の武器使用基準の無原則な拡大に結びつくこと」への懸念を表明した。

 海賊新法は各紙の論調の特徴が際立つテーマだ。とくに産経は法案の閣議決定後の3月13日の社説でいち早く問題点を論じ、「他国艦船への給油が外れたのは残念だ。逃走する海賊船への射撃も見送られた」と指摘していた。

 ソマリア沖は、どの国にも重要な海上交通路である。その安全を守る海自の任務を支えるため、今後も積極的な論戦を期待したい。(鳥海美朗)

                   ◇

憲法記念日集会  『生存権』切実

昨日の東京集会の報道。東京新聞と毎日新聞の記事だが、朝日は改憲派の数百人の集会を先に書いて、その10倍もの5/3集会と対等に並べるという「バランス感覚」ぶりの記事。権力へのチェック精神が失われている。この2社の記事には正常なバランス感覚が見られる。(高田)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009050402000061.html
憲法記念日集会  『生存権』切実

2009年5月4日 朝刊

日比谷公会堂での集会後に、銀座をパレードする益川敏英京産大教授(中央)ら=3日、東京・銀座の数寄屋橋交差点で

 六十二回目の憲法記念日となった三日、各地で開かれた集会では「生存権」が語られた。これまで憲法集会といえば「九条」が中心。ところが、格差の広がりで失業や住居を失う人が急増、「健康で文化的な最低限度の生活」が揺らいでいると憲法二五条がクローズアップされた。若者を中心に、参加者に生存権や憲法について聞いてみた。

 東京都千代田区の日比谷公会堂で開かれた「生かそう憲法 輝け九条」には四千二百人が参加した。作家の落合恵子さんが「苦しむ人々に『全部あんたの責任よ』と言うことで済むのか。健康で文化的な生活を、私たちは営む権利を持っていたはず」と訴えた。

 屋外の大型画面でこの講演を聴いた江東区の女性保育士(28)は「若い人がもっと集会に参加して、声を大きくしていくことが大事だと思う」。通りがかりに耳を傾けた日野市の会社員横倉雅大さん(25)は「憲法には詳しくないが、普通の人が普通に暮らすことが難しい国とは、どうなのかなと思う」と話した。

 ノーベル物理学賞を受賞した京都産業大の益川敏英教授は講演で「憲法九条の改悪に向けての足音がする。日本人はそれほどばかじゃないので、やすやすとは許さないと信じている」と訴えた。

 立川市の立川柴崎学習館で開かれた「市民のひろば・憲法の会」は、派遣切りや平和運動などがテーマ。市民団体「府中緊急派遣村」の東浩一郎さん(43)は「精いっぱい働いてきた労働者が会社から追われている。憲法は国民が国を律するための法。生存権の意味を見つめ直してほしい」と呼びかけた。

 横浜市の保土ケ谷公会堂で開かれた集会では、東京都中央区の会社員、竹渕浩幸さん(32)は「失業などで生活が脅かされている人たちを孤立させないことが大事だ。集会を通じて連携することが必要」と強調した。

 東京都新宿区の早稲田大学で、憲法の講演会を聴いた政治経済学部二年の村上弘美さん(20)は「下宿近くの公園や道路で、ホームレスの人がどんどん増えている。政府はもちろんだけど、民間団体が大きな力になれば」。同区の四谷区民ホールで、改憲派の国会議員らの集会に参加した会社経営者の男性(31)は「九条を改正して自衛権を確立しなければ、この国の将来が不安」と話していた。
◆社会全体の議論を

 ジャーナリストの斎藤貴男さんの話 生存権がテーマになった集会が多いのは、憲法25条が重要なのに形骸(けいがい)化していると、年末の派遣村の映像がみんなに知らしめたからだ。しかし、生活保護などの問題に矮小(わいしょう)化せず、構造改革が生んだ不公正な社会の議論が必要だ。

 最近は北朝鮮のミサイル騒動や海上自衛隊のソマリア派遣など、日本人が狙われやすいというプロパガンダ(宣伝)で、憲法9条を取り巻く環境が急速に悪化している。25条だけでなく、9条が忘れ去られてもいけない。
◆教育格差も顕在化

 佐藤司・神奈川大名誉教授(憲法学)の話 格差社会の到来が、生存権の重要性を高めている。これまで生存権の主要テーマは、年金や生活保護などだったが、高齢化社会の進展で介護の負担や劣悪な施設に苦しむ人たちの存在も浮き彫りになっている。

 生存権は文化的な生活も保障している。憲法26条の教育権とも関連するが、貧困家庭の子弟が十分な教育を受けられない教育格差も顕在化している。多くの今日的な問題とかかわっているのが生存権だ。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090504k0000m040050000c.html
憲法記念日:護憲・改憲 今年も各地で集会

 憲法記念日の3日、護憲、改憲の立場による集会が各地で開かれた。安全保障や最低限の生活を営む生存権など、憲法施行から62年となる今年もさまざまな意見が交わされた。【明珍美紀、山本将克】

 東京都千代田区の日比谷公会堂では「生かそう憲法 輝け9条」を合言葉に「5・3憲法集会」が開かれた。

 作家の落合恵子さん(64)は、2年前に他界した母の介護体験などを交えながら「この国では自己責任という言葉が駆け回るが、介護やリハビリが必要になったとき、それらを求めることは自己責任の問題なのか」と発言。「怒りや異議を表明することも私たちの権利」と強調した。

 ノーベル物理学賞受賞者で京都産業大教授の益川敏英さん(69)は「人類の歴史は大きな目でみれば進歩している。平和憲法の危機も日本人は乗り越えなければならない」と話した。主催者側によると、集会には約4200人が参加した。

 改憲派の国会議員や学識経験者らでつくる「新しい憲法をつくる国民会議」は東京都新宿区の四谷区民ホールで大会を開き、約500人が出席した。

 同会議の清原淳平会長代行は、陸海空軍などの戦力を持たないなどとした「9条」を取り巻く現状について「現実との間にギャップが生じている。(改憲、護憲派とも)戦争をしたくないのは同じ。独立国にふさわしい改正が必要だ」とあいさつ。

 小池百合子元防衛相は、ソマリア沖の海賊対策について「国際貢献をする度に憲法の行間を埋める法律を作っている」と指摘。「憲法改正の王道を進むことが我々の任務で、総選挙後に政治は大同団結すべきだ」と述べた。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-04/2009050401_01_1.html
9条生かし核も戦争もない世界を
憲法施行62年 各地で多彩に
益川さん・志位委員長ら発言 東京

 憲法施行から六十二年を迎えた三日、全国各地で「憲法を守り、生かそう」「憲法改悪は許さない」と、多彩な集会や行動がとりくまれました。

(写真)憲法集会で志位委員長のスピーチを聞く参加者=3日、東京?日比谷公会堂

 東京では、「憲法集会」(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会など八団体で構成する実行委員会)が日比谷公会堂で開かれました。開場二時間前から長蛇の列ができ、開会後、会場に入りきれず外に設置されたオーロラビジョンを視聴する人など、あわせて四千二百人が参加しました。

 スピーチでは、作家の落合恵子氏が歌をまじえ、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏がユーモアをまじえて訴えました。社民党の福島みずほ党首は、「憲法『改正』をくいとめる一歩となる集会。憲法を輝かせるためにがんばりたい」と語りました。

 日本共産党の志位和夫委員長は、「核兵器廃絶と日本国憲法九条」をテーマに発言。憲法九条には、「二度と戦争を起こしてはならない」という決意とともに、「核戦争を絶対に阻止したい」という願いが込められており、それを世界の人びとによびかけたところに、この条文の世界史的な意義があるとのべ、「核兵器のない世界、そして戦争のない世界を築くため、ともに力を合わせよう」と訴えました。

 「憲法を守ってきた人たちに、私たちは守られている」と話す女性(51)は、「戦争のきな臭さに声をあげていきたい」と語ります。東京・北区に住む男性(26)は、妻と二人の子どもといっしょに参加し、「核兵器も戦争もない世界を、というよびかけは本当にその通り。運動を広げたい」と語りました。国分寺青年九条の会の女性(27)は、「自分にもできる運動がある。みんなで楽しく平和を守っていきたい」と話しました。
銀座をパレード

(写真)左から、大黒、笠井、志位、市田、益川、(1人おいて)福島の各氏ら

 東京・日比谷公会堂で開かれた「憲法集会」後の銀座パレードには、日本共産党の志位和夫委員長、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏、社民党の福島みずほ党首、全労連の大黒作治議長らが先頭に立ったのをはじめ、日本共産党の市田忠義書記局長、笠井亮衆院議員が参加しました。

2009年5月 2日 (土)

「私、憲法です。リストラになるってホントですか?」

http://www.asahi.com/national/update/0501/OSK200905010022.html
http://www.asahi.com/national/update/0501/OSK200905010022_01.html
「私、憲法です。リストラになるってホントですか?」

2009年5月2日14時59分

「私自身が憲法なんですよ」と、ネタを披露する松元ヒロさん=4月18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影

ライブを楽しむ観客。笑いながら、知らぬ間に憲法について考えている=18日午後、岐阜県中津川市、佐藤慈子撮影

 腹を抱えて笑いながら、少しだけ憲法のことを考えてみませんか。芸人の松元ヒロさん(56)は、自分が憲法になりきるネタ「憲法くん」を続けている。毒舌な芸風ゆえテレビではあまり見かけないが、全国の市民団体や小さな劇場からは引っ張りだこ。3日、62歳になる憲法くんは島根県の憲法集会に現れる。

 4月18日、岐阜県中津川市の文化会館。平和をテーマにした市民の集い「ピースジャンボリー」の会場は、爆笑の連続だった。

 「姓が日本国、名は憲法。あまり気安く声かけたりしないように」

 赤い縁の眼鏡をかけて、「憲法くん」になった松元さんが、少し偉そうに言うと、約600人の観客は一斉にプッと噴き出した。

 「千葉にあるディズニーランド。あそこのネズミだって80歳で歌って踊るんだから、私も負けていられません」と、昨年80回目の誕生日を迎えたミッキーマウスに威勢良く対抗。改憲論に触れる時は肩を落とし、「私がリストラになるってホントですか? 困るんですよねぇ。今の日本じゃ、年金出るかわかんないし」とぼやく。

 憲法くんの誕生は97年。当時、社会風刺のコント集団「ザ・ニュースペーパー」の一員だった松元さんは、東京で開かれた憲法記念日の集会で初めて披露した。翌年から独立し、ピン芸人として歴代首相をまねしておちょくったり、時事ニュースをパントマイムで表現したり、年間150回ほどの公演をこなす。その大半で登場する憲法くんは、笑いっぱなしの松元さんのネタの中では異色。観客は次第に真顔になっていく。

 憲法くんは問いかける。「私のこと『現実に合わない』と変えようとする人がいます。でも、私って理想でしょ。現実は理想に近づけるよう日々努力するものじゃないんでしょうか?」

 ハイライトは憲法くんの「魂」である前文の朗読だ。
再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し……

 徐々に高揚する憲法くん。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う!

 言い切ると、観客から大喝采。松元さんを呼んだジャンボリー主催者の山本正博さん(68)は「前半は笑わせて客の気持ちをつかみ、後半で憲法について考えさせる。関心のない人でもヒロさんの話はすっと入ってくる」。

 来年5月には憲法改正のための国民投票法が施行される。憲法くんはこう言って、幕を下ろす。

 「私をどうするかは皆さんが決めることです。私は、皆さんの私だから。それでは、私を皆さんに託しましたよ」(山田理恵)

【憲法記念日特集】改憲議員同盟が決議「憲法審査会の早期始動を

明文改憲を口にできなかった麻生首相の施政方針演説などにたいする危機感をもった改憲派の動きが活性化している。衆院議運での憲法審査会規程制定への動きや、総務省のリーフレットといい、青年会議所の全国でのタウンミーティングの取り組みもこうしたものだ。これをぜひとも多くの人びとに伝えて、私たちの運動をつよめなくてはならない。まずは、明日の5・3憲法集会を大きく成功させることだ。本日の朝日新聞の世論調査の9条支持の多さも心強いデータだ。(高田)
【憲法記念日特集】議員同盟が決議「憲法審査会の早期始動をhttp://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905012020013-n1.htm

超党派の国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は1日、東京・永田町の憲政記念館で「新しい憲法を制定する推進大会」を開いた。大会には自民党の細田博之幹事長ら各党や経済界の代表ら約1000人が参加し、「一日も早く国会における憲法審査会の活動が始められ、新しい憲法制定に向けて国会での議論が開始されることを強く願う」と、憲法審査会の早期始動を求める大会決議を採択した。

 中曽根氏は「憲法改正は国家百年の大計だ。初めて日本の国民が、民主的に自分たちで憲法を制定する歴史的大事業に皆さん参画してほしい。日本の歴史に耐え得るような立派な憲法を一緒に作り上げたい」とあいさつした。

 河村建夫官房長官は、現憲法が一度も改正されていないことについて「第2次世界大戦で日本と同様に敗戦したドイツは戦後、社会・経済情勢の変化に対応して(憲法にあたる基本法を)40回以上改正したのに比べ、いかにも不自然な感を免れ得ない」と述べた。

 細田氏は憲法審査会規定の早期の制定の必要性を強調した。民主党の長島昭久副幹事長は「民主党は憲法改正の実現が党是だが、あまりにも野党共闘に気を使い過ぎて、審査会規程の制定に後ろ向きの印象を与えていることを皆さんにおわびしたい。一日も早く党のこういう状態を乗り越えていかなければならない」と述べた。  (原川貴郎)

【憲法記念日特集】「小沢君は変貌した」 中曽根元首相インタビュー

大げさなインタビューだが、中身は薄い。たいしたことは言っていない。
目立つのは中曽根の持論の政界再編、挙国一致体制づくりの主張だ。中曽根はそれでも不満なのだが、自民党憲法草案という古めかしい前時代的なもので、挙国一致ができるわけはない。彼の頭も固くなったものだ。
中曽根が持論の集団的自衛権の解釈変更も、彼は首相の時はやらなかった、やれなかった、今騒いでも説得力に欠けるではないか。
小選挙区制の弊害は民意を正しく反映できないところにある。私も反対だ。(高田)

【憲法記念日特集】「小沢君は変貌した」 中曽根元首相インタビューhttp://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905012048017-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905012048017-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905012048017-n3.htm

サブプライムの問題で米国やヨーロッパ諸国は傷つき、世界情勢は混沌としている。日本がある程度、世界的にも指導力を発揮する時期に入っている。それには国家の態勢を整え、強力安定政権を登場させ、世界政策、世界戦略を実行していかなければならない。この観点から、憲法問題をとらえる必要がある。

 ところが、ソマリア沖の海賊退治のような名分のある協力事業に海上自衛隊を派遣することに対しても、国内には憲法違反だとして反対する勢力がまだかなりある。国家態勢を整える基本点に憲法改正があるのは明らかだ。

 

国民投票法に伴う国会法の改正で法的には設置された憲法審査会が、国会自身が「審査会規程」を作らないことで、委員の構成すらできず放置されている。現代の国会議員たちは、後世の歴史法廷で裁かれるだろう。まさに被告席にいるといえる。

 与党が最近、野党に呼びかけているが、万難を排して早期に「規程」を整備しなければならない。今年は衆院解散・総選挙があるが、総選挙後直ちに審査会の活動を開始できるようにしないといけない。

 次期衆院選は、憲法という国家の重大な基本問題について、各党がマニフェストや論戦で態度を明示して審判を仰ぎ、「国民意志」を確認する貴重な機会といえる。自民党の主張は平成17年の新憲法草案ではっきりしている。野党も考えを明らかにしてほしい。

 自民党の草案にしても、よりよきものにしていく努力は必要だ。自民党案は日本の歴史、文化、伝統を謳(うた)っていない前文への批判が党内でもかなり強い。「自衛軍」をどう位置づけるか、憲法裁判所を置くかどうか、地方制度の条文は今のような簡単なものでいいのかなど、真摯に再検討するのが国会議員の責務だ。

 もちろん憲法問題は超党派で進めることを心掛けるべきで、衆院選でも他党を誹謗してはいけない。しかし、自己の主張は堂々と述べ、他党に協力を求めていくべきだ。

選挙後の国会は行動しなければならない。憲法審査会が動き始めれば、各党の間に政治行動の軸ができてくるだろう。

 衆院選の結果がどうなるにせよ、憲法問題について大連立を考え、挙国的な協力体制をつくるのが望ましい。そうなる可能性はあると思う。憲法あるいは不況への対策、財政再建、社会保障、教育といった重大問題で挙国的協力体制を築いたらどうか。衆院選のマニフェスト(政権公約)に「挙国的勢力の結集」を盛り込んだらいい。

 憲法問題は、時の首相の考え方、打ち出し方によって国民世論が非常に変わってくるものだ。従って、国家権力の最高位に座る首相の考え方は非常に重要だ。

 民主党の小沢君(一郎代表)は変貌した。昔は憲法改正を唱えていたが、民主党の代表になって発言を控えている。あの党には旧社会党左派系もいる。小沢君が党内で権力を握るには妥協しなければならないのだろう。

 けれども、民主党が政権与党になった場合に憲法改正の動きが遅れるかといえば、憲法改正の使命感を持つ民主党議員たちがいるのだから、彼らがいつまでも黙ってみておれるものか、と私は思う。衆院選後は憲法をめぐって政界再編が起きないともかぎらない。

 衆院選で絶対的な過半数をとる党は出てこないだろう。自民、民主両党のいずれが第1党になっても、相対的な第1党、第2党になる。国家的基本問題の推進をめぐって挙国的勢力の結集は考えられる。



 麻生太郎首相が集団的自衛権の問題を検討しているそうだが、私はかねがね、今の憲法の解釈を変更して、集団的自衛権の行使はできると主張している。国民世論や学説も最近はかなり前進している。

 内閣法制局の憲法解釈は、占領期にGHQ(連合国軍総司令部)の指導の下にできたものがそのまま続いている。それを放置しているのはよくない。この種の問題は首相の決断が物事を動かしていく。

世襲議員の立候補を制限する議論があるが、二世、三世の問題は、憲法22条の「職業選択の自由」にかかわってくる。世襲をめぐる議論は、(定数1の)小選挙区制の弊害がかなり強くなって出ていると思う。

 むしろ、選挙制度を中選挙区制に戻す方が手っ取り早い解決案ではないか。そうすれば、非世襲の立候補のチャンスが広がる。世襲議員の数は今よりかなり減るだろう。

 憲法問題について自民党をみると、改正に積極的な議員は30歳代、40歳代の若手に多い。占領政策の影響をかなり受けた世代である60歳代、70歳代の年寄り組が割合消極的だ。

 次の時代の日本を考えれば、党は若返った方がいい。若手が力を得て自らの所信を推進する形が望ましい。ただ若手はもっと迫力を付けなければならない。

 2、3カ月前までは、民主党が圧倒的に強く、衆院選で第1党になると思っていた。しかし、小沢君の公設秘書の政治資金問題が起きて国民の支持はかなり下がった。最近は互角の勝負で、どっちが勝つか分からない状況だろう。

 小沢君がここで「果断な行為」に出れば、選挙には有利に働くだろう。また、これから麻生君がどういう時期に、どんな目標、課題をもって解散を打つかということによっても結果がだいぶ変わってくる。非常に大事な時期になってきた。

 三木武夫内閣の幹事長をした経験からも、任期満了やそれに近い選挙はよくないと思う。最近、麻生内閣や自民党の人気が30%台を回復したのは、小沢問題で民主党の支持が減ったからだ。この効果がいつまで続くか。なるべく早めに解散した方がいい。案外、麻生首相も腹の中でそう考えているかもしれない。

(聞き手 榊原智)

海賊対策 派遣部隊警戒強める

NHKテレビが語っていたので、採録した。
各国が軍隊を派遣しているのに海賊は増えているということは、あまり役に立たないということだ。それどころか、海賊を射殺したりして憎しみを拡大している。
もともとイエメンなど周辺諸国の沿岸警備隊の人びとなどは、周辺海域に不慣れな外国の軍隊が来ても海賊の取り締りにはあまり役に立たないと指摘していたことだ。それより周辺国の沿岸警備隊の充実に力をかしてくれとの要請だった。
日本の自衛隊の仕事が1ヶ月で12回、36隻というのも当初見込まれていた1日5隻という需要想定からみてかなり低い。これでは大げさに言って、とにかく自衛隊を急いで出したかったといわれても仕方がないではないか。
外国船の護衛出動というのは現在は4回だと思うが、重大な違法・脱法行為だ。国会はこれらの検証をきちんとやらなくてはならない。参議院での審議は衆院の再可決を計算に入れての、「まず出口ありき」では断じてダメだ。民主党は真価が問われているぞ。(高田)

http://www3.nhk.or.jp/news/k10015755321000.html#
海賊対策 派遣部隊警戒強める

アフリカ・ソマリア沖で海上自衛隊の護衛艦が海賊対策の活動を開始してから4月末でちょうど1か月がたちました。現場海域で4月起きた海賊による事件は、未遂も含めると33件とこの1年で最悪で、派遣部隊は警戒を強めながら活動を続けています。

海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」の2隻からなる派遣部隊は、ことし3月30日からソマリア沖のアデン湾で海賊対策の活動を開始し、4月末までの1か月で12回、あわせて36隻の民間船舶を護衛しました。防衛省によりますと、このうち日本籍は2隻、残る34隻はいずれも外国籍で、日本向けの積み荷を積んだり日本人の船員が乗り組んだりしている貨物船やタンカーでした。また、派遣部隊はこの間3回にわたって海賊の疑いがある不審船を追い払うなどの措置をとりましたが、いずれのケースも今回の任務で護衛の対象とされていない外国船からの救援要請に応じた対応でした。防衛省によりますと、現場海域で先月起きた海賊による事件は、未遂も含めると33件と、1か月の件数としてはこの1年で最悪だということです。また、手口も夜間に襲撃を仕掛けたり、各国海軍の派遣部隊がいない海域を狙って活動するなど巧妙化しているということで、派遣部隊は警戒を強めながら活動を続けています。

ソマリア沖海賊対策、7月にも第2次部隊派遣 政府方針

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090502AT3S0101Q01052009.html
ソマリア沖海賊対策、7月にも第2次部隊派遣 政府方針

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を巡って、政府は7月にも海上自衛隊護衛艦の第2次派遣に踏み切る方針だ。既に衆院を通過した海賊対処法案は、自衛隊の海外派遣で初めて正当防衛や緊急避難以外の武器使用を認めている。新たな武器使用基準で不測の事態が発生しないよう、防衛省は法案成立後、約1カ月かけて派遣部隊に専門的な教育・訓練を実施する。

 法案は先月23日に衆院を通過、大型連休明けから参院で審議入りする。民主党も徹底的な審議引き延ばしはせず、今国会で成立する方向だ。新法の施行日は成立の30日後。政府は成立後に派遣準備を本格化し、施行直後に第2次部隊を派遣する。(07:00)

9条改正 反対64%、賛成26% 朝日新聞世論調査

9条についての会頭が特徴的である。64:26で3倍近い支持だ。憲法を変える、変えないでは53:33だが、53の約半分は9条を変えないというもので、前項の数字に合致する。先の読売の調査とあわせて、9条支持は圧倒的多数派であることは間違いない。確信をもって活動できる。
問題は9条を生かすという視点から見た場合、武力行使しない海外活動を容認するという声が大きいことなどの問題である。私たちの課題であるが、海賊対処などは自衛隊でなくてもできる、というか、その方が有効だということを明示して行くことなどが重要だ。(高田)

http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200905010262.html

9条改正 反対64%、賛成26% 朝日新聞世論調査

2009年5月1日21時34分
 3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を「変えない方がよい」が64%に達し、「変える方がよい」は26%にとどまった。憲法改正が「必要」とする人は53%いるが、その中で9条を「変える方がよい」とする人は42%、「変えない方がよい」が49%だった。

 調査は4月18、19日に実施した。

 9条に対する意見は、安倍内閣時代の07年4月に「変えない方がよい」49%、「変える方がよい」33%だったのが、福田内閣のもとでの昨年4月調査では66%対23%と差が大きく広がった。今回も昨年から大きな変化はなかった。

 9条を「変える方がよい」と答えた人(全体の26%)に、どのように変えるのがよいかを二つの選択肢で聞くと、「いまある自衛隊の存在を書き込むのにとどめる」が50%、「自衛隊をほかの国のような軍隊と定める」が44%と意見が分かれた。

 憲法全体について聞いた質問では、「改正必要」が53%で、「必要ない」33%を上回った。07年は58%対27%、昨年は56%対31%だった。

http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200905010264.html
http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200905010264_01.html
憲法世論調査―質問と回答〈4月18、19日実施〉(1/2ページ)

2009年5月1日21時34分
(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、08年4月19、20日の調査の結果)

◆憲法全体をみて、いまの憲法を改正する必要があると思いますか。必要はないと思いますか。

 改正する必要がある 53(56)

 改正する必要はない 33(31)


◇(「改正する必要がある」と答えた53%の人に)それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)

 自分たちの手で新しい憲法を作りたいから 9〈5〉

 第9条に問題があるから        15〈8〉

 新しい権利や制度を盛り込むべきだから 74〈39〉

◇(「改正する必要はない」と答えた33%の人に)それはどうしてですか。(択一)

 国民に定着し、改正するほどの問題点はないから 36〈12〉

 第9条が変えられる恐れがあるから       44〈15〉


 自由と権利の保障に役立っているから      14〈5〉

◆憲法は9条で「戦争を放棄し、戦力を持たない」と定めています。あなたは、憲法9条を変える方がよいと思いますか。変えない方がよいと思いますか。

 変える方がよい  26(23)

 変えない方がよい 64(66)


◇(「変える方がよい」と答えた26%の人に)では、憲法9条をどのように変えるのがよいと思いますか。(択一)

 いまある自衛隊の存在を書き込むのにとどめる 50〈13〉

 自衛隊をほかの国のような軍隊と定める    44〈11〉


◆これからの自衛隊の海外活動についてうかがいます。自衛隊の活動はどこまで認められるかについて、あなたの考えは、次の中ではどれに一番近いですか。(択一)

 海外での活動は一切認めない          9(15)

 武力行使をしなければ、海外での活動を認める 56(64)

 必要なら武力行使も認める          32(17)

◆憲法では、国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があるとされています。これは、どの程度実現されていると思いますか。(択一)

 ほぼ実現されている    6

 ある程度実現されている 45

 あまり実現されていない 41


 ほとんど実現されていない 6

    ◇

 〈調査方法〉4月18、19の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は2094人、回答率は55%。

同盟強化へ安保戦略連携 日米防衛相会談

http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050101000901.html

同盟強化へ安保戦略連携  日米防衛相会談

 【ワシントン1日共同】浜田靖一防衛相は1日午前(日本時間同日夜)、ゲーツ米国防長官と国防総省で会談し、両国が安全保障戦略で連携を深め、同盟関係を一層強化していくことで合意した。北朝鮮のミサイル技術は向上しており、日米が協調して対応する必要があるとの認識でも一致した。

 これに関連し日本側が年末に新「防衛計画の大綱」(2010-14年度)の閣議決定、米側も来年2月に「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」を控えていることから、防衛政策の擦り合わせの必要性を確認。浜田氏は新たな日米安保共同宣言の策定を視野に「日米同盟の在り方をめぐる議論を今後やっていきたい」と表明した。

 北朝鮮問題では、ゲーツ氏が4月5日の長距離弾道ミサイル発射について「日米間の事前調整は非常にうまくいった」と評価。さらに「軍事面での協力は今後も非常に重要だ」と、弾道ミサイル防衛(MD)のさらなる効果的な運用の必要性を強調した。

 ゲーツ氏は4月に米国防予算抑制に向け発表した装備見直し案でF22の新規発注を見送る方針を表明したことに関し「議会が他国への輸出禁止措置を取っている。議会の影響力は強い」と説明。浜田氏は「少しでも望みがあるならば検討したい」と、引き続き次期主力戦闘機の選択肢の1つとして検討する考えを伝えた。

審査会規程の整備必要=麻生首相/憲法審査会、規程の早期整備を=公明代表

麻生太郎と太田代表は、改憲手続き法強行の経過についてどう考えているのか。はっきりしろ。民主をかき回したいとの党利党略で憲法をもてあそぶな。(高田)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009050100878
審査会規程の整備必要=麻生首相

 麻生太郎首相は1日夜、衆参両院の憲法審査会規程が未整備のため、審査会が一度も開かれない現状について、「問題ではないのかという指摘は昔からある。衆参両院でいろいろ議論される場がつくられるのは望ましい」と述べ、規程整備が必要との考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。(2009/05/01-20:56)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009050200178
憲法審査会、規程の早期整備を=公明代表

 公明党の太田昭宏代表は2日、都内で街頭演説し、衆参両院の憲法審査会が運営方法に関する規程が未整備のため一度も開かれていないことについて、「民主党で護憲派と改憲派が存在することが反映されて議論が行われていない。一刻も早く規程をつくって活動を始めなくてはならない。野党に連休明けから協力を強く求めたい」と述べた。 (2009/05/02-12:59)

2009年5月 1日 (金)

際限なく繰り返される脱法行為

もともとが隊法81条による応急措置での派遣部隊の行為である。出発時には言及されていなかった「船員法」を盾にとった4回目の行為だ。こうした脱法行為(違法行為だ)を国会は許してはならない。国会の権威に関わる問題である。「仕方がない」「しょうがない」で済ませていい問題ではない。海運九条の階の声明は「軍で守らなければならないような海へは行きたくない」という主旨の主張をしている。それは海に生きる人たちの心意気であろう。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009050101000344.html
警護対象外の外国船救助 4回目、人道上の措置と防衛省

2009年5月1日 13時07分

 防衛省によると、ソマリア沖で海賊対策中の海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」が4月30日午後10時20分(現地時間同日午後4時20分)ごろ、他国の海軍から「パナマ船籍の商船が不審な船に追われている」との情報を受けた。さみだれから哨戒ヘリ1機を発進させ、約30分後、約120キロ離れた場所で商船の安全を確認した。

 活動根拠である自衛隊法の海上警備行動は警護対象を日本関連船舶に限定している。海自艦が警護対象外の外国船の救助活動を行ったのは4回目。防衛省は「船員法に基づく人道上の措置。他国の海軍とは常に情報を共有している」と説明している。

 海上警備行動の不備を運用でカバーした格好だが、なし崩し的な任務拡大の懸念がぬぐえず、警護対象を外国船にも広げる「海賊対処法案」との整合性も問われそうだ。

 防衛省によると、ヘリが商船の安全を確認後、周囲ではしけ船と小型船計4隻を確認した。ただ「商船を追い掛けていたとされる不審船との関連は不明」という。
(共同)

憲法論議、入り口で停滞=国民投票法施行まで1年

時事通信の報道である。(高田)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol
憲法論議、入り口で停滞=国民投票法施行まで1年

 憲法改正手続きを定める国民投票法は、来年5月18日の施行まであと約1年となった。施行後は、国会による改憲案の発議と国民投票の実施が可能になる。しかし、改憲論議の場となる衆参両院の憲法審査会は、運営方法などを定める規程が未整備のため一度も開かれていない。ねじれ国会の下での激しい与野党対立が響き、憲法論議は入り口で停滞している。
 「憲法審査会が発足していないという不正常な状態が2年続いている。早急に法律に基づく組織をつくるべきだ」。自民党の細田博之幹事長は1日の記者会見でこう語り、審査会規程の早期制定に応じようとしない民主党を批判した。
 自民、公明両党は先月23日、衆院憲法審査会の規程制定を求める動議を共同で提出。「何国会かずっと(規程制定を)放置してきたが、ぜひとも決着を付けてもらいたい」(大島理森自民党国対委員長)として、当初は3日の憲法記念日までの採決を目指した。
 しかし、民主党が「憲法を政争の具にしたいのか」と反対する姿勢を崩さなかったため、与党は週内の採決を断念、連休明け以降に先送りした。強行採決に踏み切らなかったのは、改憲案の発議には衆参両院で総議員の3分の2の賛成が必要で、参院の主導権を握る民主党の協力が欠かせないという事情を考慮したためのようだ。
 民主党は「規程に反対だとは一言も言っていない」として、与野党の円満な合意を前提に審査会の発足を認める方針を示している。にもかかわらず分かりにくい対応を取るのは、党内に改憲、護憲両派を抱える状況で審査会での改憲論議が先行すれば、次期衆院選を前に深刻な党内対立を引き起こしかねないと懸念しているからだ。
 国民投票法が成立した当時の安倍晋三首相は、憲法改正を参院選の争点に掲げる意向を示したものの、年金問題などへの対応に強い批判が集まり、結果的に自民党は惨敗した。世論の盛り上がりも欠く中で、与野党からは「衆院選を経てからでないと、憲法問題は腰を落ち着けて議論できない」との声が漏れている。(2009/05/01-20:18)

産経紙 【憲法記念日特集】MDは、海賊対策は…国民投票法施行まであと1年

この産経の記者たちは憲法を何と心得ているのか。憲法は守っても守らなくてもいいものではないのだ。守るのは政府の義務なのだ。産経がいう諸外国には第9条がないのだ。第9条を持つ国と、持たない国は違って当然なのだ。集団的自衛権を行使したかったら、憲法第9条を変える以外にない。憲法をないがしろにするな。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905011925011-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905011925011-n2.htm
【憲法記念日特集】MDは、海賊対策は…国民投票法施行まであと1年
日本国憲法は3日、施行62年を迎える。平成19年に制定された国民投票法の施行(22年5月22日)まであと1年余りとなったが、衆参両院の常設機関であるはずの「憲法審査会」は、野党の反対で約1年9カ月にわたって始動できないありさまだ。憲法論議が停滞する間にも内外情勢は激しい動きを見せるが、憲法第9条の規定や解釈が今も日本の安全保障の取り組みへのブレーキとなっている。

日米同盟とMD

 憲法と現実の溝が埋まっていないのを改めて浮き彫りにしたのが、4月の北朝鮮による長距離弾道ミサイルの発射だ。

 政府は憲法解釈で、集団的自衛権について、「保有は国際法上、当然」としつつも、「行使は憲法上許されない」とする。集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国への武力攻撃を、自国が直接攻撃を受けていなくても、実力をもって阻止する権利だ

 この解釈では、北朝鮮が米国に向けて発射した弾道ミサイルを、日本がミサイル防衛(MD)システムで撃墜すれば、集団的自衛権の行使となり、「憲法上の問題が生じ得る」(内閣法制局答弁)ことになる。15年12月のMD導入決定時の官房長官談話は「第3国の防衛に用いられることはない」と表明済みだ。

 だが、日本のMDは、迎撃ミサイルの購入からイージス艦の改修、発射を探知する早期警戒衛星の情報まで米国に依存している。

 弾道ミサイルは、弾頭に核など大量破壊兵器を搭載していてもおかしくない。日本が憲法を盾にこれを見逃し、米国に被害が生じた場合、米国民は日本と日本国民をどう見るだろうか。「その瞬間に日米の同盟関係は終わりを迎える」(4月25日の安倍晋三元首相の講演)のは明らかだ。

危機感をもつ安倍氏が首相当時に設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)は20年6月、米国に向けて発射された弾道ミサイルの迎撃や国際的な平和活動での武器使用など4類型について、集団的自衛権の行使を容認するよう提言した。

 だが、報告書を受け取った当時の福田康夫首相は動かなかった。麻生太郎首相はこの問題に関心を示すが、政府・与党には「衆院選前にとんでもない」(自民党幹部)との慎重論もあり、先行きは不透明だ。

海賊対策

 現憲法による武器使用の制約も、自衛隊の国際平和活動を阻害し、現場の部隊に負担を強いている。

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策における海上自衛隊の武器使用は、正当防衛や緊急避難などの場合を除き相手に危害を加えることを禁ずる警察官職務執行法7条に基づいている。各国の海軍と異なり、憲法第9条が「海外での武力の行使」を禁じているからだ。

 警護対象を外国船に拡大する「海賊対処法案」が衆院を通過したが、同法案は「停船射撃」を新たに規定し、民間船舶に接近する海賊船への船体射撃を認めた。

 ただ、政府はこれについても「警察権の行使で9条が禁ずる武力の行使には当たらない」とする。海自の任務は「海賊船を追い払うこと」(防衛省)が精いっぱいで、米海軍が最近行った人質奪還は「想定外」(同)だ。海外での自衛隊は今でも「警察予備隊」のようなものだ。

 逃走防止のための武器使用もできず、欧州連合(EU)諸国が行っている特定海域のパトロールにも参加が難しい。ソマリア沖への海自派遣を提唱した民主党の長島昭久衆院議員は「国際協調の観点から問題がある」と指摘している。

(田中靖人、榊原智)

憲法審査会:規程、連休明けにずれ込み 野党の反発強く

与党は連休明けに規程を採決するつもりのようだ。運動側の働きかけが必要だ。気をゆるめることなく、頑張りましょう。5月7日の国会前集会は重要だ。(高田)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090501k0000m010073000c.html
憲法審査会:規程、連休明けにずれ込み 野党の反発強く

 憲法改正の前提となる衆院憲法審査会の発足に必要な「審査会規程」の制定が、大型連休明けにずれ込むことになった。自民、公明両党は3日の憲法記念日前の議決を目指したが、民主党など野党の反発は強く、参院側の動きが鈍いことも考慮して、衆院での「強行採決」を自重した。

 来年5月に国民投票法が完全施行されるため、与党は「審査会規程がないのは国会の不作為だ」(小坂憲次衆院議院運営委員長)と、早期制定に意欲を示していた。与党が示した規程案を審議する議運委は27日、衆院憲法調査会長を務めた自民党の中山太郎元外相から意見を聴取。野党の協力が得られない場合は、30日にも制定の動議を採決し、与党案を衆院本会議に提出する構えだった。

 だが民主党は30日までに、憲法調査会長代理を経験した同党議員からも意見を聞くよう要求。与党側も了承した。審議は連休明けに再開される。野党に譲歩した格好の与党側は、積極派だった自民党の細田博之幹事長が最近トーンダウンするなど、仕切り役が不在であることも浮き彫りとなった。

 党内に改憲派と護憲派が混在する民主党は、規程の制定には反対していないが、「野党との合意がないまま強引に進め、政争の具にしている」と与党を批判。審査会の発足に反対する共産、社民両党との協調にも配慮をにじませた。

 野党が多数派の参院では、参院憲法審査会の規程を定める動きは具体化していない。【木下訓明】

【正論】日本大学教授・百地章 首相の「次の課題」は憲法改正

右派の論客である百地氏は「集団的自衛権の政府解釈を変えなければ、米国は日本を守ってくれない」から、麻生政権は早急にこの問題に着手すべきだという。最近の改憲派の脅しは、北朝鮮脅威論と中国との尖閣列島(釣魚諸島)問題などで危機感を煽り、集団的自衛権の行使の容認を要求するものとなっている。この道は東アジアの緊張を高め、日本が海外で本格的な武力行使を行う道、9条を掘り崩す道だ。百地氏らの挑発を許すな!(高田)

【正論】日本大学教授・百地章 首相の「次の課題」は憲法改正http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905010328002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905010328002-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090501/plc0905010328002-n3.htm
≪総選挙前のチャンスに≫

 昨年9月の発足以来、マスメディアによって一方的なバッシングを受け続けてきた麻生太郎内閣の支持率がようやく底をうち、上昇し始めた。麻生首相は100年に1度といわれる世界的な金融経済危機に臨んで、総額約75兆円におよぶ緊急経済対策を実施し、更に15兆円の追加経済対策を発表した。後は成果を待つばかりということか、首相主催の「桜を見る会」でも「開花はこれから」と上機嫌であったという。

 とすれば麻生首相が次に正面から取り組むべき最重要課題の一つは憲法問題であるべきだ。憲法改正こそ自民党の結党以来の悲願であり、わが国が当面している防衛・安全保障問題の抜本的解決は、まず憲法を改正して対処するしかないからである。しかも、これらの問題は民主党にとってのアキレス腱(けん)であることを考えれば、秋までにある総選挙対策としても格好のテーマとなろう。

 前回の参議院選挙では、安倍晋三首相の率いる自民党は、マニフェスト「155の約束」のトップに「新憲法制定の推進」をあげていた。だが、折からの年金問題に埋もれてしまい、憲法改正問題はまともに論ぜられなかった。それ故、今度こそ与野党間での本格的な論戦を望みたいと思う

 ≪集団的自衛権が焦眉の急≫

 防衛・安全保障問題について、麻生首相は昨年暮れ以来、着々と手を打ってきた。「テロとの闘い」のため、海上自衛隊のインド洋派遣を延長させ、3月には海賊対処のため護衛艦2隻をソマリア沖に派遣している。

 先の北朝鮮によるミサイル発射に際しては、自衛隊法に基づき初の「破壊措置命令」を発し、イージス艦やパトリオットミサイルを配備して万一に備えた。現在、国会で審議中の海賊対処法案も、今国会で成立する見通しである。麻生内閣のこのような積極的な対応は高く評価すべきであろう。

 その中で新たに浮上してきたのが集団的自衛権の問題であった。北朝鮮のミサイル発射の際、アメリカのゲーツ国防長官はミサイルが米本土に向かってこない限り迎撃しないと述べた。発言どおりとすれば、たとえ日本が攻撃されようとも、アメリカは集団的自衛権を発動して日本を守ることはないということになろうが、これでは日米同盟は破綻(はたん)する。

 奇妙なことに、わが国政府は、従来、集団的自衛権は「保持」するが「行使」できないとしてきたから、アメリカ本土や米軍基地に向けて発射されたミサイルを日本は迎撃できない。

 このような解釈をわが国が採り続ける限り、米中関係を重視するオバマ政権の下では、万一の際、アメリカによる日本防衛を期待することはますます困難となろう。北朝鮮がわが国に対してミサイル攻撃を行う場合はもちろん、より現実的な課題として、もし中国が尖閣諸島への上陸を強行した場合、アメリカは本当に応援に駆けつけてくれるだろうか。

 麻生首相は、就任直後から集団的自衛権を認めるべしと発言してきたが、連休明けにはいよいよ政府解釈の変更に向けて、本格的検討に入るという(産経新聞4月24日、日経新聞4月25日)。今こそ首相の決断で集団的自衛権の行使を容認し、アメリカに対しその意思を表明して、同盟関係の遵守(じゅんしゅ)を要求すべきである。

≪領域警備と武器使用の緩和≫

 とはいうものの、アメリカに頼る前にまずなすべきことは、もちろん、自らの手で日本を守り、平時から尖閣諸島や対馬などわが国土を断固防衛することである。

 そのためには、一日も早く自衛隊法に「領域警備」規定を定める必要がある。その際、必要なことは、武器使用についても国際標準を採用することで、「任務遂行のための武器使用」を認めなければならない。今国会で成立予定の海賊対処法では、正当防衛や緊急避難のための武器使用以外に、新たに「船体射撃(危害射撃)」も認めるという。

 海賊対処のためだから憲法上問題はないというが、しかし、はるかアフリカ沖での武器使用基準を緩和しておきながら、最も肝心なわが国の領土、領海の警備に当たる自衛隊の「海上警備行動」や「領域警備」については相変わらず武器使用を制限するというのでは、本末転倒であろう。

 今後、「集団的自衛権の行使」を容認し、自衛隊法に「領域警備」規定を定め、「任務遂行のための武器使用」を承認することができれば、自衛隊はまた一歩、普通の国の「軍隊」へ近づくことになる。そうなれば、憲法に「自衛軍の保持」を明記するのは、もはや時間の問題であろう。これこそ、憲法9条2項改正の突破口と呼ぶゆえんである。

 再軍備より経済復興を優先した吉田茂元首相も、本音は再軍備に賛成であり、国防問題について非常に責任を感じていたという。そのDNAを受け継ぐ麻生首相であれば、経済の次の課題は「憲法改正」のはずである。今こそ、その第一歩を踏み出すときではなかろうか。(ももち あきら)

「核兵器のない世界」へ/国際交渉の開始を要請する/志位委員長がオバマ米大統領に書簡

オバマ大統領はこの呼びかけに応えるべきである。オバマ大統領はできるだけ早期に被爆の地、広島、長崎を訪れ、謝罪するべきだ。それが言葉を行動に移すことになる。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-01/2009050101_01_1.html
「核兵器のない世界」へ/国際交渉の開始を要請する/志位委員長がオバマ米大統領に書簡

 日本共産党の志位和夫委員長は、三十日、国会内で記者会見し、米国のオバマ大統領が先に核兵器廃絶を世界によびかけた演説をおこなったことをうけ、同大統領に、核兵器廃絶のための国際条約の締結めざす国際交渉を開始するよう求めた書簡を送ったことを発表し、その内容を公表しました。書簡は、志位氏が二十八日に米大使館を訪問し、ジェームズ・ズムワルト駐日米臨時代理大使と会談し、手渡しました。(書簡全文、会見詳報)
駐日米大使と会談、手渡す

(写真)記者会見する志位和夫委員長=30日、国会内

 志位氏は会見の冒頭、四月五日にオバマ大統領がプラハでおこなった演説は極めて重要だと指摘。「わが党は、唯一の被爆国・日本で、核兵器廃絶をめざして、国民とともにたたかいつづけてきた政党であり、そういう政党として、核兵器廃絶という人類的課題の一点にしぼって、私たちの考えと要請を、書簡の形で伝えることにしました」と述べました。

 志位氏は、オバマ大統領演説について、(1)米国が「核兵器のない世界」――核兵器廃絶を国家目標とすると初めて明示したこと(2)広島・長崎での核兵器使用が、人類的道義にかかわる問題であることを初めて表明し、その立場から核兵器廃絶にむけた責任について語っていること(3)「核兵器のない世界」にむけて諸国民に協力を呼びかけたこと――の三つの点について注目したと述べ、書簡で「人類にとっても、私たち被爆国の国民にとっても、歴史的な意義を持つものであり、私はそれを心から歓迎するものです」と表明した
と述べました。

 そのうえで、大統領が演説で、「核兵器のない世界」の実現は「おそらく私が生きているうちには無理だろう」と述べたことについては、書簡に「同意するわけにはいきません」と率直に書いたと表明。「何よりも重要なことは、核兵器廃絶を正面の主題にした交渉をよびかけ、交渉を開始することであり、それはその意思さえあればすぐにでもとりかかれるはずです」「そうした立場で私は、書簡で『大統領に、核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮することを、強く要請するものです』と述べました」と、要請の中心点を強調しました。

 志位氏は、オバマ演説がふれた新しい戦略核兵器削減条約の交渉開始、包括的核実験禁止条約の批准など「核兵器のない世界に向けた具体的措置」について、書簡では、「これらの具体的措置は、核兵器廃絶という目標と一体に取り組まれてこそ、肯定的で積極的意義を持つものとなりうると考えます」と述べたと指摘。こう述べたのは、これまでも部分的措置にかかわる交渉がおこなわれてきたにもかかわらず、なお世界には二万発以上の核兵器が存在するという現実があること、これまでおこなわれてきたような核兵器廃絶という目標をぬきの部分的措置の積み重ねでは「核兵器のない世界」へと到達できないことは、歴史で証明されているからだと説明しました。
NPT再検討会議(2010年)で
核廃絶の約束の再確認を

 この点に関して書簡は、「核不拡散条約(NPT)の体制をめぐっても、事情は同じです」と表明しています。志位氏は、核保有国が増えることにはもとより反対だが、同条約が前例のない差別性・不平等性をもつものだと批判してきたこと、同時に、国際社会がNPT体制を受け入れていることも事実だと指摘。それは、核保有国が核廃絶への真剣な努力を約束したからだとして、書簡で「核保有国は、自らが核兵器廃絶に向けた真剣な取り組みを行ってこそ、他の国々に核兵器を持つなと説く、政治的、道義的な説得力を持つことができることを、強調しなければなりません」「二〇一〇年の(NPT)再検討会議において、核保有国によって、核兵器廃絶への『明確な約束』が再確認されることを、私は強く願ってやみません」と要請したことを述べました。

 志位氏は、ズムワルト大使が会談で「大切な書簡です。ホワイトハウスにたしかに届けます」と答えたことを紹介。オバマ大統領が書簡での提起に対して、積極的な対応・行動をおこなうことへの期待を述べるとともに、書簡の内容を核保有国、国連安全保障理事国、すべての国連加盟国にたいして駐日大使館を通じて伝える意向を示し、「わが党は、核兵器廃絶を正面からの主題にした国際交渉を開始することを、米ロをはじめとする核保有国、国際社会に、強く働きかけていきたい」と表明しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-01/2009050103_01_0.html
志位委員長のオバマ米大統領への書簡

 日本共産党の志位和夫委員長が米国のバラク・H・オバマ大統領にあてた書簡は次の通りです。

アメリカ合衆国大統領

バラク・H・オバマ殿

 私は、核兵器による言語を絶する惨害を体験した世界でただ一つの被爆国において、この地球上から核兵器を廃絶することを日本国民とともに求め続けてきた一政党を代表して、この書簡を送るものです。

 四月五日、大統領がプラハで行った演説を、私は大きな感銘をもって読みました。

 

あなたは演説の中で、「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」とのべ、核兵器の最大の保有国アメリカが、「核兵器のない世界」――核兵器廃絶を国家目標とすることを初めて明示しています。

 また、あなたは演説の中で、「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある」とのべ、広島・長崎での核兵器の使用が人類的道義にかかわる問題であったことを、アメリカの大統領として初めて世界に表明するとともに、その立場から核兵器廃絶に向けた責任について語っています。

 さらに、あなたは演説の中で、「協力の呼びかけを非難したり、一笑に付すのは簡単だが、臆病な行為でもある。それは戦争のきっかけともなる。そこでは人間の進歩はとまってしまう」とのべ、「核兵器のない世界」に向けて「一緒になって平和と進歩の声を高めなければならない」と、世界の諸国民に協力を呼びかけています。

 あなたが米国大統領としての公式の発言で、こうした一連の言明を行われたことは、人類にとっても、私たち被爆国の国民にとっても、歴史的な意義を持つものであり、私はそれを心から歓迎するものです。

 ただ、大統領が演説の中で、「核兵器のない世界」の実現は「おそらく私が生きているうちには無理だろう」とのべられていることには、私は同意するわけにはいきません。なぜなら、核兵器を保有する諸大国が、核兵器廃絶を共通の目標として、その実現のための交渉に取り組むということは、いまだに誰の手によっても行われておらず、初めての仕事に取り組むときに、どれだけ時間がかかるかを、あらかじめ決めることは、誰にもできないはずだからです。

 国連が創設後、初めておこなった総会決議第一号(一九四六年一月二十四日)は、貴国など六カ国の提案、全加盟国の一致した賛成のもとに、国連が「原子力兵器などいっさいの大量破壊兵器の廃棄」に取り組むことを決定しました。しかし、それ以降の六十三年間に、核兵器を保有する大国間で、核兵器廃絶を正面からの主題としての交渉はもとより、交渉の呼び掛けさえ、行われないできたではありませんか。

 いま大統領が、「核兵器のない世界」をめざすイニシアチブを発揮することは、これまで誰も取り組んだことのない前人未踏の挑戦への最初の扉を開くものになるでしょう。交渉の呼びかけから交渉の開始まで、そして開始から合意までには、多くの時間が必要とされるかもしれません。それは、あなたのいわれるように「辛抱強さと粘り強さ」が求められる歴史的事業でしょう。しかし、いまその事業を開始する、そのためのイニシアチブを発揮してこそ、プラハでのあなたの演説が、世界平和と進歩のための生きた力を持つことになると、私は考えます。私は、大統領に、核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮することを、強く要請するものです。

 大統領は、プラハでの演説の中で、「核兵器のない世界に向けた具体的措置」として、新しい戦略核兵器削減条約の交渉開始、包括的核実験禁止条約の批准、兵器用核分裂物質の製造を禁止する条約の追求などをあげています。私は、これらの具体的措置は、核兵器廃絶という目標と一体に取り組まれてこそ、肯定的で積極的意義を持つものとなりうると考えます。

 これまでにもこうした部分的措置にかかわる交渉は行われてきましたが、私は、核交渉の全経過が、核兵器廃絶という目標ぬきの部分的措置の積み重ねでは、「核兵器のない世界」に到達できないことを証明した、と考えます。実際、世界にはいまも二万個をこえる核兵器が存在しているではありませんか。

 とりわけ、一九六三年に締結された部分的核実験停止条約が、大気中での核実験は禁止したものの、地下核実験を合法化し、結果的に大規模な核軍拡競争をもたらす引き金となったことは、忘れることはできません。

 

核不拡散条約(NPT)の体制をめぐっても、事情は同じです。五つの大国が核兵器を持ちながら、他国にだけ非核保有を義務づけるというこの条約は、歴史に前例のない差別的な条約です。わが党は、どんな理由であれ核兵器を持つ国が増えることにはもとより反対ですが、こうした条約の不平等性・差別性を批判してきました。

 それでもそうした不公平を、国際社会が受け入れたのは、理由があります。それは、核保有国が核兵器廃絶への真剣な努力を行うことを約束したからにほかなりません。そして、この条約にもかかわらず、新規の核保有国やそれを計画する国が増え続けているのは、NPTが発効して以後三十九年間、この約束が果たされてこなかったことに最大の原因があることを、率直に指摘しなければなりません。

 とりわけ、二〇〇〇年のNPT再検討会議のさいに、「核兵器の全面廃絶に対する核兵器保有国の明確な約束」が同意されたにもかかわらず、二〇〇五年の再検討会議では貴国の前政権などによってこの約束が否定されたことは残念なことです。大統領は、プラハでの演説で、「この体制(NPT)が持ちこたえられない地点にまで到達してしまうかもしれない」と表明されましたが、あなたにそうした危険を強く感じさせている根底には、核保有国が過去三十九年間にとってきたこうした態度があるといわなければなりません。

 この危険から脱出する道は、核保有国が核兵器廃絶への約束に誠実で責任ある態度をとる方向に転換することにあります。核保有国は、自らが核兵器廃絶に向けた真剣な取り組みを行ってこそ、他の国々に核兵器を持つなと説く、政治的、道義的な説得力を持つことができることを、強調しなければなりません。二〇一〇年の再検討会議において、核保有国によって、核兵器廃絶への「明確な約束」が再確認されることを、私は強く願ってやみません。

 わが党は、日米関係については、現在の支配・従属の関係を、対等・平等の関係に転換することを党の基本路線としています。対等・平等のもとでこそ、両国間の真の友情が可能になるというのが、私たちの確信です。この点については、貴国政府の立場とわが党には多くの相違点が存在しますが、この書簡ではあえて核兵器廃絶という人類的課題の一点にしぼって、私たちの考えをお伝えしました。

 核兵器が使われないことを保障する唯一の方法は、「核兵器のない世界」をつくることであり、大統領は、その大目標を世界の前に提起されました。この書簡が、あなたの発言を歓迎する立場から、その発言の精神が世界政治で生きた力を発揮することを願ってのものであることを重ねて表明し、日米両国間の友好と友情が発展することを心から希望して、結びとします。

 二〇〇九年四月二十八日

 日本共産党幹部会委員長

 衆議院議員 志位 和夫
オバマ米大統領のプラハでの演説(4月5日=抜粋)

 きょう話をする問題の一つは、われわれ諸国家の安全保障と世界平和の基本だ。それは二十一世紀における核兵器の未来である。

 何千発もの核兵器の存在は、冷戦のもっとも危険な遺産だ。

 今日、冷戦は消滅したが、何千発もの核兵器は消滅していない。歴史の妙な展開で、地球規模の核戦争の脅威は減少したが、核攻撃の危険は増加した。これらの危険を封じ込めるわれわれの努力は、地球規模の不拡散体制に集中しているが、いっそう多くの人や国家が規則を破ることで、この体制が持ちこたえられない地点にまで到達してしまうかもしれない。

 いまや、このことはあらゆる場所の人々に関係していることを理解してほしい。一発の核兵器がどこかの都市で爆発すれば、何十万の人々が犠牲となる可能性がある。それがどこで起ころうとも、国際の安全にも、われわれの安全保障にも、われわれの社会にも、われわれの経済にも、われわれの究極的な生存にも計り知れない影響となる。

 核兵器の拡散は阻止できず、検証することができない―われわれは、ますます多くの国と人々が究極的な破壊手段を持つ世界に生きるよう運命づけられているという主張がある。そういった宿命論はまったくの敵である。われわれが核兵器の拡散が必然だと信じるとしたら、ある意味でわれわれは核兵器の使用が必然であることを自分自身にたいし認めることになるからだ。

 核保有国として―核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある。われわれは、この試みに単独で成功することはできないが、それを導き、始めることができる。

 それゆえ、きょう私は、核のない平和で安全な世界を米国が追求していくことを明確に宣言する。私は世間知らずではない。この目標はすぐに到達できるものではない―おそらく私が生きているうちには無理だろう。
辛抱強さと粘り強さが求められる。しかし今、われわれは、世界は変えられないという人たちの声にも耳を貸してはならない。われわれは強く主張しなければならない、「イエス・ウィ・キャン(われわれはできる)」と。

 この後、オバマ氏は「米国は核兵器のない世界にむけた具体的措置をとる」とのべ、「新しい戦略核兵器削減条約(START)の交渉」の開始、「米国の包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准」、「核兵器の使用を意図する核分裂物質の製造を検証可能なかたちで終わらせる新しい条約」の追求、「核不拡散条約(NPT)」の強化をあげました。

 

もし平和の追求をあきらめるなら、平和はいつまでたっても手の届くものとならない。恐怖ではなく希望を選択するときこそ、道は見えてくるのだ。協力の呼びかけを非難したり、一笑に付すのは簡単だが、臆病(おくびょう)な行為でもある。それは戦争のきっかけともなる。そこでは人間の進歩はとまってしまう。

 人間の運命は、われわれがつくりだすものである。よりよき未来を達成することによってわれわれの過去をたたえようではないか。この世界をこれまでよりももっと繁栄しもっと平和なものとして伝えるために、われわれを引き離すものに橋を架け、希望を広げ、責任を引き受けようではないか。腕を組めば、それは可能だ。
用語解説

 ■新しい戦略核兵器削減条約

 米国とロシアは4月24日、ローマで新しい戦略核兵器削減条約に関する交渉を開始しました。年内妥結を目指すとしています。新しい条約では主として、▽1991年に署名した第1次戦略兵器削減条約(START1)で合意したミサイルなどの戦略核の運搬手段(それぞれ1600基に削減)のいっそうの削減▽モスクワ条約で合意した戦略核弾頭配備数(上限を6000発に制限)の削減が焦点になるとみられています。

 ■部分的核実験停止条約と包括的核実験禁止条約(CTBT)

 米国、旧ソ連、英国の3カ国は1963年8月、モスクワで「大気圏内、宇宙空間および水中における核実験を禁止する条約」(部分核停条約)を結びました。しかし同条約は地下核実験を容認したため、核兵器の実験・開発はその後も続きました。

 その抜け穴を埋めるための条約が包括的核実験禁止条約(CTBT)。宇宙空間、大気圏内、地下を含むあらゆる空間と水中における核兵器の実験による爆発、その他の核爆発を禁止しています。1996年9月、国連総会が採択しました。発効には、ジュネーブ軍縮会議の参加国で、研究・発電用の原子炉を持つ44カ国の署名・批准が必要ですが、10カ国が未批准のため、条約は発効していません。米国も未批准です。

 ■兵器用核分裂物質生産禁止条約

 核兵器の原料となるプルトニウムや高濃縮ウランなどの全面的生産禁止と生産への他国による援助の禁止を目指す条約。1993年の国連総会でクリントン米大統領の提案で交渉開始を求める決議が採択されました。しかし、各国の意見の対立から交渉そのものが始まっていません。

 ■核不拡散条約(NPT)と再検討会議

 核兵器保有国を、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造し、かつ爆発させた米国、英国、旧ソ連、フランス、中国に限定し、その他の国の核兵器取得を禁止した条約。70年に発効。95年に、条約の無期限延長が決まりました。

 NPTの運用については、1975年から5年ごとに再検討の会議が開かれています。95年の会議は、締約国が「誠実に核軍縮交渉を行う義務」を規定した第6条を再強調。さらに2000年の会議は最終文書で「核兵器の全面廃絶に対する核兵器保有国の明確な約束」をうたいました。

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