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2009年4月15日 (水)

海兵隊移転協定 日米合意を強化 負担額、根拠見えぬまま

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/
海兵隊移転協定 日米合意を強化 負担額、根拠見えぬまま

 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定締結の承認案が今国会で成立する見通しとなった。在日米軍再編の実現に向け、06年の日米合意(ロードマップ)を事実上、国会で承認することで強化した。だが実際にどれだけの海兵隊員が移動するかはっきりしないうえ、「上限28億ドル(約2800億円)」とされる財政負担の積算根拠も不明だ。グアム移転と並行して行われる普天間飛行場移設問題にも決着のめどは立っていない。再編構想の先行きはなお不透明だ。【松尾良、犬飼直幸、小山由宇】

 米海兵隊のグアム移転は、米国が世界規模で行う米軍再編の一環で、06年のロードマップ(行程表)に基づく在日米軍再編の柱の一つだ。「沖縄県民の負担軽減」が目的で、海兵隊員8000人とその家族9000人がグアムに移転するとしている。

 政府が日本側負担の「上限28億ドル(約2800億円)」を協定に盛り込んだのは、「さらに負担が膨らむのでは」との日本側の懸念を一応解消する意味がある。同時に、協定を国会で承認して重みを増し、簡単に破棄できなくする狙いもある。

 外務省は「多年度にわたって多額の支出をする以上、国会審議で国民に理解を得なければ」と、表向きの説明を繰り返す。だが政府高官は「協定に反対の民主党に政権交代する可能性が念頭にあった」と明かした

 移転費用は総額102・7億ドル(約1兆270億円)と算出され、日本側が総計60・9億ドル(約6090億円)を負担。このうち司令部庁舎や隊舎などの建設は、日本政府が上限28億ドルを財政支出(真水)で直接負担する。また、家族住宅や上下水道の整備費は、事業主体へ出資・融資する国際協力銀行に日本政府が出資する形でまかなう。

 今年度は、グアムでの移転工事が本格化し、政府は当初予算で前年度比3・6倍の米軍再編経費689億円を計上した。うちグアムでの事業費は346億円。グアム北部フィネガヤン地区などの下士官用隊舎の敷地造成などに充てられる。

 今後の具体的な計画は、日米両政府で協議中だ。ただ、10年度から、目標の達成時である14年までの約5年に、日本側の財政負担はまだ2500億円近くある計算だ。日本政府内に「この経済危機下で、巨額支出を続けられるのか」(防衛省幹部)との懸念が強まっている。日本が支出する28億ドルの詳細な積算根拠も示されず、先行きに不透明さが残る。

 協定の衆院審議で政府は、これまで説明してきた海兵隊の移転人数「8000人」を、「実数ではなく海兵隊の定員」と軌道修正した。答弁で麻生太郎首相は、08年末時点で在沖縄海兵隊員が約1万2000人いるとしながら、移転後に残る隊員は定員で約1万人と述べた。単純に計算すれば2000人しか移転しない可能性もあるが、詳細は明らかにされなかった。野党議員から「実際に何人がグアムに移るのか、不明確だ」と批判が出た。
 ◇普天間こう着「再編遅れ」に直結

 日米両政府がまとめたロードマップの大きな柱が、この海兵隊のグアム移転と米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設だ。2月のオバマ米大統領と麻生太郎首相による日米首脳会談でも、ロードマップの着実な実施で合意した。

 だが協定の承認で、在日米軍再編の14年までの完了に弾みがついたとは到底、言えない状態だ。普天間飛行場移設では政府と地元・沖縄、さらに米国の調整が依然こう着状態にある。今回の協定でもグアム移転を「普天間移設の進展にかかっている」としており、移設の遅れは、グアム移転の遅れに直結する。

 このため、沖縄県などが強く求める、代替施設を沖合に移動させる案について、早期の決着を急ぐ政府内からは「わずかな移動なら支障はないはず」(防衛省幹部)と、落としどころを探る動きが出ている。

 その一端が、普天間移設先の沖縄県名護市辺野古一帯で防衛省が行った環境影響評価だ。その準備書は「政府案が最適」としたものの、沖合への修正も視野に入れるなど、計画の修正にも柔軟な姿勢を示した。

 だが、これまで「合意通り」を主張してきた米国の譲歩を引き出せるか、麻生首相らが確信を持てないのも実情で、決着のめどはまだ立っていない。

 在日米軍の再編ではこのほか、沖縄の嘉手納飛行場以南の土地の返還▽米空母艦載機の厚木飛行場(神奈川県)から岩国飛行場(山口県)への移転など、包括的な再配備と地元の負担軽減策が計画されている。
 ◇移設反対の民主、「政権交代後」は未定

 民主党の小沢一郎代表は14日の記者会見で、グアム移転協定が今国会で承認される見通しとなったことを受け、普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する考えを示した。政権交代後に、辺野古移設が前提となった今回の協定の見直しに向けて米側と協議する考えを明らかにした。だが実務レベルで詰めた話し合いは行われておらず、「すべては政権交代後」(政調幹部)なのが現状だ。

 会見で小沢氏は「前線に大規模な兵力を置く必要はない」と、海兵隊のグアム移転に賛同した。だが普天間飛行場の名護市辺野古移設には「(辺野古には)きれいなサンゴの海とジュゴンの最北の生息地がある。何が何でも飛行場を造らなければならないかというと私は疑問だ」と指摘。「どうしても必要なら造る場所は他にいくらでもある。米政府と協議をしっかりすればいい」と述べた。

 外交安保政策に携わる党内の実務者の間で考え方は固まっていない。ある外務防衛部門会議役員は、普天間移設について「党は沖縄ビジョンで『県外を模索し、国外を目指す』としており、協定は結び直す必要がある」と指摘する。一方で別の役員は「日米地位協定改定などとパッケージでの議論となり、米側とどう交渉するか、現時点では決めていない」と話す。

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