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2009年3月14日 (土)

ソマリア派兵各紙社説:読売、毎日、東京、日経、沖縄タイムス

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090313-OYT1T01244.htm
海警行動発令 海賊放置の「無責任」解消へ(3月14日付・読売社説)

 自国の船舶を守ることさえ躊躇(ちゅうちょ)し、他国任せにする――。国際的に無責任で、不正常な状態がようやく解消に向かう

 浜田防衛相が、ソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣するため、自衛隊法に基づく海上警備行動を発令した。護衛艦2隻がきょう、広島・呉基地を出航し、来月上旬から日本関係船舶の警護活動を始める予定だ。

 ソマリア沖では昨秋以降、2日に1件という高い割合で海賊行為が発生している。日本関係船舶がこれまで重大な被害に遭わなかったのは幸いと言うほかない。

 現地では今、15か国以上が警護・哨戒活動を展開している。主要8か国(G8)で艦船を派遣したことがないのは日本だけだ。

 海自にその能力がありながら、法律面などの整理がつかず、派遣が遅れたのは、政治の責任である。現行法による派遣は暫定措置にすぎない。他国の船舶も守ることができる海賊対処法案の早期成立に努めなければならない。

 今回の派遣は、海自にとって新しい種類の海外任務であり、活動の場を広げる意義は大きい。

 インド洋での給油活動のように他国に対する後方支援でなく、自ら前面に出て海賊と対峙(たいじ)する。本来は海上保安庁が担当する海上警察活動に取り組む。

 冷戦後は、紛争終結後の国際的な治安維持や紛争予防に各国の部隊を積極的に活用するのが、世界の潮流である。国連平和維持活動(PKO)でも、警察活動の占める比重が高まっている。

 自衛隊の活動がなしくずしに拡大している、といった一部の批判は、全く見当はずれだ。どの国も、アフリカ沖の海賊対策への艦船派遣は想定していなかった。新たな事態に新たな対応を行うのは当然のことである。

 国連海洋法条約は、すべての国が海賊行為の抑止に協力する義務を明記している。4本の国連安全保障理事会決議も採択されており、憲法上の問題もない。

 自衛隊は近年、日本防衛だけでなく、様々な事態に適切に対処する能力が求められている。自衛隊という公共財を有効活用する時代だ。海自は、新任務を立派に遂行し、より強健で、国民に信頼される組織を目指してほしい。

 各国の艦船派遣は、海賊から民間船舶を守る対症療法だ。抜本的な問題の解決には、無政府状態が長年続くソマリアの司法・警察機能の回復が欠かせない。困難な作業だが、国際社会全体が中長期的に知恵を絞ることが大切だ。
(2009年3月14日01時34分  読売新聞)

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090314k0000m070140000c.html
社説:海賊対策 新法で与野党合意を目指せ

 政府はソマリア沖などの海賊対策のための「海賊対処法案」を閣議決定し、国会に提出した。同時に浜田靖一防衛相がソマリア沖に海上自衛隊などを派遣するための海上警備行動を発令した。海警行動は法案成立までのつなぎ措置である。

 法案は、海賊対策を一義的には海上保安庁の任務とし、海保で対応できない場合に自衛隊を派遣することができるとした。武器使用基準を現行法より緩和するとともに、外国船舶も保護対象となる。

 政府・与党は今国会中の成立を目指すが、民主党は法案への賛否や対案を決めかねている。連立相手に想定している社民党と国民新党が自衛隊派遣に反対または慎重姿勢であることがその理由なのだろう。

 法案で最大の焦点は武器使用基準の緩和だが、現行法で認められている正当防衛・緊急避難に加えて、海賊船が警告・威嚇射撃を無視して民間船に「著しく接近」してきた場合などに、海賊船を停止させるための危害射撃(船体射撃など)ができることになる。

 現行法の海上警備行動では、日本の領海内で発生した不審船事件の場合、逃走する不審船への射撃が可能だが、法案では、自衛隊は海賊行為の現行犯以外で逃走する海賊船を追いかけて船体射撃することはできない。武器使用の緩和は限定的なものと言える。幅広い緩和を求めていた防衛省の一部には不満の声もあるようだが、警察行動とはいえ、武器使用をできる限り厳格にするのは当然である。

 重要なのは、今回の緩和が自衛隊の海外活動全体の武器使用の無原則な拡大に結びつかないようにすることだ。自民党内には基準緩和を求める意見が根強い。国会審議でこの点を明確にするのは、緩和に慎重な与党・公明党の役割である。

 海賊対策は日本の国益に合致しており、海賊が重武装している場合や海保による遠洋での継続的活動が困難なケースなどでは、自衛隊の派遣も有効な方策だ。

 海警行動で海上自衛隊の護衛艦2隻が14日にソマリア沖に向けて出発する。しかし、日本周辺を想定した海警行動で長期間、海自をソマリア沖に派遣するのはやはり無理がある。なるべく短期間にしなければならない。もともと昨年の臨時国会で海賊対策の必要を主張したのは民主党議員だった。新法で与野党合意の素地はあるはずだ。知恵を尽くして有効な海賊対策を打ち立てるべきである。

 ソマリア沖の海賊を根絶するには軍事的行動だけでは困難だ。外交面の対策が不可欠だ。海賊多発の背景には内戦で無政府状態が続くソマリアの国内事情があるのだから、政情改善に向けた国際協力がカギを握る。また、日本はマラッカ海峡の海賊封じ込めに貢献した実績も持っている。国会審議では、こうした総合的な対策について検討してもらいたい。


http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090227k0000m070125000c.html

社説:海賊新法 武器使用緩和の歯止めが必要

 政府・与党が、ソマリア沖などの海賊対策に関する新法で、自衛隊や海上保安庁の武器使用基準を緩和する方針を決めた。

 武器使用基準の緩和は、新法の最大の論点である。政府の法案骨子は、正当防衛・緊急避難などで武器使用を認めた警察官職務執行法7条を基礎としつつ、新たに「船舶を停止させるための射撃」を盛り込んだ。具体的には、現行法で認められている警告・威嚇射撃にもかかわらず、これを無視して接近してくる海賊船を停止させるための船体射撃(危害射撃)が可能となる。

 警職法7条の解釈では、海賊が発砲する前に海賊船に向けた武器使用を認めるのは無理があると判断し、新たな基準を設けることになったようだ。

 政府は新法成立までのつなぎとして海上警備行動で自衛隊をソマリア沖に派遣するが、武器使用は正当防衛・緊急避難に限られる。海警行動での船体射撃は日本の領海内に限定されているからだ。新法案に盛られた船体射撃の許容は、初めて海外活動における「任務遂行のための武器使用」の一部を容認するとの指摘があり、正当防衛・緊急避難以外で人を殺傷する可能性を認めることになる。

 民間船を襲撃しようとする海賊を目の前にして、その犯罪行為を阻止するために船体射撃が必要なケースがあるかもしれない。警告・威嚇射撃だけでは、民間船や自衛隊員を危険にさらす事態を回避できない可能性もある。しかし、その運用は慎重かつ厳格でなければならない。現場指揮官の判断がより重要になるのは間違いないだろう。

 懸念されるのは、今回の措置が、海賊対策という警察活動にとどまらず、自衛隊の海外活動全体に「任務遂行のための武器使用」をより広く認める突破口になりかねないことである。

 自民党の国防部会小委員会が06年にまとめた「国際平和協力法案」は、船舶検査活動や安全確保活動、警護活動で必要な武器使用を認めた。また、安倍内閣時代に発足した安全保障懇談会は昨年の報告書で「妨害排除のための武器使用」を認めるよう提言した。

 自衛隊の海外活動全体になし崩し的に武器使用基準が緩和される事態は避けなければならない。そのための歯止めが必要である。

 また、新法案では、日本関係の船舶だけでなく、他国の船舶も護衛・救援の対象とした。海賊対策では、互いの船舶を保護するなど国際的連携が必要であり、他国の軍艦との情報交換などは、海賊対策という警察権の行使である限り、集団的自衛権の行使にはあたらないというのが政府の解釈である。

 しかし、日本と全く無縁な海域に他国船舶のみの護衛目的で自衛隊を派遣するのは、今回の新法制定の趣旨とは異なる。政府はこの点も明確にすべきである。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009031402000063.html

【社説】
海自ソマリアへ 『変則派遣』を危惧する

2009年3月14日

 ソマリア沖の海賊対処へ海上自衛隊の護衛艦がきょう出港する。新法成立を待たず、ゴーサインを出した「変則派遣」である。国会での十分な議論も経ない、危うさを残す政府の決定を危惧(きぐ)する。

 海自のソマリア派遣をめぐって十三日、二つの動きがあった。

 護衛艦二隻の十四日派遣に向け浜田靖一防衛相が自衛隊法に基づく海上警備行動を発令。一方、閣議では、海賊対策のための自衛隊派遣を随時可能にする「海賊対処法案」を決定した。


http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090313AS1K1300113032009.html

 浜田防衛相自身が認める、当面の“応急措置”として、海警行動発令で派遣しておき、海賊対処法案の成立後、同法に基づく活動に切り替える-。今回、政府は二段階方式を採用した格好だ。

 国連決議に基づき各国が艦船を派遣するなど、取り締まりを強化している折である。年間二千隻の関係船舶が現地を通航する日本として何らかの貢献策を打ち出す必要に迫られている事情は分かる。

 問題なのは、現行法の枠内で海自派遣の答えを導き出した点だ。

 海警行動は海上保安庁による対処が難しいときに発令され、本来は日本近海での活動を想定したものだ。自民党国防族が言う「海上交通路」防衛論の是非も吟味しないまま、アフリカまで守備範囲とみなすのは乱暴過ぎる。国会での議論が足りていない。見切り発車には疑義がある。

 海警行動では日本関連の船舶しか警護できず、武器使用は正当防衛と緊急避難に限られる。こうした点を「不備」ととらえるからこそ、政府は対処法案をつくった。ただ、衆参ねじれ国会で早期成立はおぼつかない。それを理由に応急措置のはずの変則派遣をずるずると続けるようではいけない。

 対処法案は海賊船への船体射撃を容認するケースも想定する。正当防衛などとは違う初の「任務遂行のための武器使用」だ。国防族側には、これを突破口に武器使用基準を緩和させたいとの計算もちらつく。活動範囲や武器使用権限がなし崩しで拡大することがあってはならない。

 国会で十分な議論を尽くす必要がある。政府・与党は野党と真摯(しんし)に話し合わなければならない。

 警察活動とはいえ、海賊との銃撃戦で死傷者が出かねない環境下での任務だ。文民統制の観点からも、徹底したチェックが欠かせない。政府も国民への説明が不十分なままだ。西松建設事件の余波で、論戦の「空白」が続く。国民を蚊帳の外に置いてはいけない

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-03-14-M_1-005-1_001.html
[ソマリア海賊対策]

慣らされることの怖さ

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で政府はきょう、海上自衛隊の護衛艦2隻を派遣する。またぞろ憲法の解釈と国際貢献のあり方をめぐり、自衛隊の海外派遣に疑問符が付く。

 ソマリアの海賊被害が看過できない状況は各国とも深刻に受け止めている。ソマリア沖のアデン湾はスエズ運河に通じる重要な海上交通路で、資源確保や貿易のほとんどを海上輸送に依存する日本にとっても死活問題だ。

 国連が各国へ呼びかけた軍艦派遣だが、日本は海自の護衛艦で海上警備するという、いわば警察活動を国外へも広げる手法だ。

 ブッシュ前大統領による「テロとの戦い」で日本は国際貢献の名の下に陸自、空自をイラクへ出した。いまもアフガニスタンでの戦闘行動を支援するためインド洋で海上給油活動を続けている。

 遠いアフリカ沖での海賊対策という海上警備が今回の任務となる。自衛隊の海外派遣はハードルをまた一段低くしたという印象を抱く。

 政府は海賊対処法の成立を急ぎ、派遣根拠を切り替える予定だが、国内論議が現状を後追いする。いつものパターンか、とあきらめすらあるが、慣らされることの怖さを忘れてはいけない。

 新法は武器使用について、正当防衛や緊急避難の措置に加え、海賊が制止に従わない場合に船舶を停止させる「やむを得ない」手段として発砲を認める。

 重装備の海賊に果たして対抗できるだろうか。

 海外メディアの現地リポートは、「海賊は難破した漁船を装い、水を求めて近づいてくる。貨物船が救難のために近づくと、カラシニコフとロケットランチャーで攻撃する」と伝えている。

 現地で海賊対策に当たっている諸外国が頭を抱えている問題がある。公海上での海賊船拿捕は国連海洋法条約により認められているが、海賊を“逮捕”した後に、どの国でどう裁くかという問題があり、やむなくソマリア領域で犯人を解放するケースがあるという。

 海上交通の要所で国家が無法化する事態を国際社会は想定していなかった。従来警察活動であれば、当該国の警察組織が取り締まるか、問題の海域に隣接する周辺国が対処すべきだ。

 政府組織の復活が本質的な課題だろう。武装した民兵に軍事力で対抗する手段はできれば避けるべきで、海自派遣は決して長期の対策であってはならない。

 ソマリアは1991年の政変後、無政府状態となった。米軍は冷戦後の新任務として国連ソマリア活動に部隊を派遣。しかし93年に殺害された米兵の死体が引きずり回される映像が世界に衝撃を与えた。

 軍事力の投入がなぜ失敗したのか、情勢はいまどう変わったのか、という分析がないまま、法整備を後回しにして性急に派遣するやり方には異を唱えざるを得ない。

 難しく、時間はかかるかもしれないが、政府機能を失った国を復活させる国際社会の取り組みが求められる。

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