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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2009年2月12日 (木)

【櫻井よしこ 麻生首相に申す】歴史観持ち使命果たせ

この文の最後で桜井は「使命の筆頭は、9条の実質的改正につながる集団的自衛権の行使以外にない。ソマリア沖の海賊対策こそ、首相に使命を果たさせるべく天が用意した危機だと思えてならない。」と言っている。ソマリア派兵を麻生の危機突破の突破口にさせたいのである。心してかからなくてはなるまい。(高田)
【櫻井よしこ 麻生首相に申す】歴史観持ち使命果たせhttp://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090212/plc0902120315001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090212/plc0902120315001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090212/plc0902120315001-n3.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090212/plc0902120315001-n4.htm

麻生太郎首相は、満身創痍(そうい)である。

 麻生政権の衰退は自民党の衰退とピッタリ重なる。衰退の原因は自民党らしさを失ったことである。同党の党是である憲法改正は、平たくいえば、自国と自国民の安全と安寧を、自力で守る力を備えるということだ。

 党の再生、麻生政権の生き残りは、こうした自民党らしさをいかに取り戻すかにかかっている。いま、最も切実に問われているのは、国民の前に本来の価値観を取り戻す決意をいかに示すか、その決意を信じてもらえるいかなる手を打つかである。

 文字どおりの崖(がけ)っぷちにもかかわらず、首相が問題視する事柄の、なんと皮相なことか。郵政民営化にどの時点で賛成に転じたか、そのことに関して濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だと訴えている余裕など、ないであろう。首相の最大の問題は、己も党も日本全体も、その置かれている状況がいかに深刻かを読みとれないでいることだ。

 明らかに首相には歴史観が欠けている。個人、党、そして日本の歴史。首相の言葉にあらゆる歴史観の欠如を感じるのだ。

 これまでにも、当欄で問うてきた。首相はなんのために政治家に、そして、首相になったのか、と。また、首相就任が決定した瞬間に、祖父、吉田茂に言及したのは、いかなる理由だったのか、と。首相を支持してきた人々、自民党を支持してきた有権者のためにも、首相自身がいま一度、自らの責任と使命について考えるべきだ。
 まさか、家業を継ぐような気持ちで、政界入りしたのでも吉田に言及したのでもあるまい。戦後日本の国家基盤を整えるにあたって、吉田の犯した判断の誤りゆえに、その後今日に至るまでの気の遠くなるような長きにわたる日本国の深く絶望的な懊悩(おうのう)を解消したいと、首相は考えたのではないのか。その想いゆえに、外相時代に、「自由と繁栄の弧」の外交戦略を打ち出したのではなかったのか。

 それとも、麻生外交戦略の背景に、日本国の未来に関しての、祖父の真の想いを実現したいとの切望があったと見るのは、完全なる読み違いなのか。首相はただの漫画本読者にすぎないのか。

 思えば、吉田の率いる約60年前の日本は、ラスク国務次官補らから「精神力の再生がない」(『日米同盟の絆』坂元一哉、有斐閣)などと蔑視(べっし)されても、尚、「非常にゆっくり」再軍備するとして、米国の要求を退け、当面の力を経済に注いだ。吉田への後世の批判につながるその判断を、吉田自身が誤りだと吐露している。だが、過日、大阪大学教授の坂元一哉氏がサンフランシスコ平和条約に関して吉田を高く評価した。「今あらためて問う!東京裁判」のシンポジウムでのことだ。

 周知のように、同平和条約11条の「連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し」という文言は現在に至るまで、靖国神社にいわゆるA級戦犯を合祀(ごうし)していることの是非や、日本が受け入れたのは東京裁判の判決なのか、東京裁判自体なのかという議論の原因となっている。

日本が受け入れたのは判決であって、同裁判を貫く価値観などではないのだが、この文言は、実は英国が強力に主張して盛り込んだというのだ。米国の原案にはなかったのだが、英国が日本に対して突きつけた非常に厳しい懲罰的な案の名残だったと、坂元教授は指摘したのだ。英国案の骨子はざっと以下のとおりである。

 日本がドイツなどとともに、侵略戦争を遂行した戦争責任を負っていることを、平和条約前文に明記する。国内の右翼団体を取り締まり、連合国に協力した日本人への迫害を禁止する。領土条項では沖縄の主権を放棄させる。こうした内容の条約の発効には、日本の批准を必要としない旨、規定する。

 「絶対極秘」の条件で、英国案を米国から見せてもらった日本政府は、猛反発した。吉田は、勝者が敗者に押しつける形で平和条約を結ぼうとすることの非を鳴らして、平和条約を現在の形に押し戻した。結果として出来上がった条約を読めば、日本の戦争責任を追及する内容ではないこと、日本国の名誉が守られた内容であることが明らかだ。

 吉田は英国の要求を退け、過去にとらわれ呪縛(じゅばく)を受けるような条約を回避した。日本を代表して行った平和条約受諾演説で、吉田は誇り高く新生日本の平和への抱負を語った。このことを坂元氏は高く評価したのだ。

 ところが、「日本の外務省は義理堅いのか」、英国案についても吉田以下日本政府の巻き返しについても、日本外務省は公表しないできたという。
それでも、真実は時間に洗われて、その姿を顕(あら)わしてくる。国家の基盤である軍事力の否定で批判されてきた吉田も、このように、国益のために重要な闘いを勝ちとっていた。歴史上のこうした事実が、政治家の価値を定めていくのだ。

 麻生首相の政治家としての価値こそ、いま厳しく問われている。極まる低さの支持率を思い悩んではならない。眼前の自身の毀誉褒貶(きよほうへん)や評価を離れることだ。その上で、家族の歴史と国家の歴史の中に己を位置づけて、自分に課せられた責任を果たすことだ。それができるか否かによってのみ、真価が定まっていく。使命の筆頭は、9条の実質的改正につながる集団的自衛権の行使以外にない。ソマリア沖の海賊対策こそ、首相に使命を果たさせるべく天が用意した危機だと思えてならない。

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