無料ブログはココログ

許すな!憲法改悪・市民連絡会

« 麻生内閣 暴走/民間船撃沈も「正当防衛」 | トップページ | 20日のソマリア関係ニュース »

2009年1月19日 (月)

朝雲:どう取り組む 海賊対策<上>

朝雲の主張の(上)である。資料として重要なものだ。(高田)
http://www.asagumo-news.com/news.html

どう取り組む 海賊対策<上>
まずP3Cで哨戒
艦艇より負担少ない 米欧とも協力

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として、海自部隊派遣の公算が強まってきた。しかし、現行法下の派遣では日本船籍以外の船舶は保護できないなど、大きな制約が課せられることになる。新法の整備を待てないとしたら、どのような対応がベターか。海賊問題に詳しい海洋政策研究財団政策研究グループの専門家に、海自部隊が派遣された場合の課題や問題点などについて聞いた。

海賊監視でアデン湾派遣が期待される海自P3C。現地に固定翼哨戒機を派遣している国は少なく、ニーズも大きい

 アジアと欧州を結ぶ海上交通路の要衝に位置する“アフリカの角”ソマリア。長く続く内戦で無政府状態にある同国では、貧しい漁民は海賊行為に走り、近年は武力集団が組織的に大型船舶を襲撃して積荷を奪い、乗組員を人質にして身代金を取るなど、海の犯罪がエスカレートしている。
 こうした事態に対し、NATO、EU(欧州連合)、インド、ロシアなどは現地に海軍艦艇を派遣して海賊の取り締まりに乗り出し、中国やイランなども次々と艦艇を派遣、ソマリア沖ではこれまでにない多国籍海軍による海賊掃討作戦が展開されている。
 アデン湾では昨年、日本の関係船舶が襲われる事件も5件発生し、日本船主協会は政府に海自艦艇の即時派遣を求めるなど、国内外で日本部隊派遣の声が高まっている。
 だが、海自が現地で警察行動を行うには新法の整備が必要で、現行法の「海上警備行動」で送り出した場合は日本船籍の船しか守ることができず、各国と協調した海賊取り締まりは難しい。

 では、現段階で海自はなんら期待に応えることはできないのか。これについて海洋政策研究財団の主任研究員を務める海自OBの秋元一峰氏(元海将補)は、「まずP3C哨戒機による情報収集活動が効果的ではないか」と提言する。「空からパトロールするP3Cなら海賊と交戦する危険性は少なく、海警行動で今すぐにでも出せる。固定翼哨戒機を出している国は少ないため、ニーズは高い。海自P3Cが哨戒活動で得た情報を各国海軍に随時提供できるようなシステムを作れば、海自の活動を大きく世界にアピールできるだろう。ただ、P3Cは海賊船からの不意のロケット弾攻撃などに対して脆弱な面がある。これには注意が必要だ」と話す。
 現在、アデン湾に固定翼哨戒機を飛ばしているのはフランスとスペインのみ。これにアルカイダの武器密輸などを監視している米軍機が哨戒飛行しているだけで、海自が加わる余地は十分にある。これら哨戒機はソマリアの隣、ジブチ共和国の仏・米軍基地から飛んでいる。アデン湾のシーレーンは東西約1000キロで、1日1回、P3Cが往復すれば、継続的に海賊船の動向を探ることが可能だ。
 海自P3C部隊の拠点として想定できるのはジブチの米軍基地。ジブチは旧宗主国のフランスと関係が深く、1977年の独立後、現在も仏軍が駐留。01年の米国同時多発テロ以降は米軍も駐留し、首都ジブチ市の国際空港に近いキャンプ・ルモニエに部隊を配置している。日本はフランスに次ぐ主要援助国としてジブチとの関係も深い。
 このためジブチ政府と米、仏両国の協力が得られれば海自P3Cをジブチの米軍基地に展開できる可能性は大きい。ルモニエ基地は航空機の整備・補給施設はもちろん、駐留隊員の生活設備なども整っている。
 P3C部隊を派遣する場合の規模は、空自がクウェートに展開した際の派遣規模が参考となる。空自はクウェートのアリ・アルサレム空軍基地にC130H輸送機3機と人員約200人を展開させ、クウェート軍の施設を借り受けて約5年間にわたりイラクへの輸送任務を続けた。同様にジブチの米軍施設が利用できれば、そこを拠点に哨戒任務を行うことができる。
 P3C1機を毎日飛ばすと、予備機を入れ3機が必要となる。ただし飛行中に海賊船団を発見し、これを継続して追尾するにはこの機数では足りない。P3Cの航続時間は約10時間で、連続して追跡するには常時、交代機をスタンバイさせておくことが必要になる。このため、最低でも4機が必要となろう。
 P3Cを4機派遣する場合の人員は、司令部要員、搭乗員、整備・補給要員、後方支援要員などを含めて約200人程度。艦艇なら1隻で200人、2隻だと500人近くになるため、インド洋補給支援などの任務で艦艇・人員の不足に悩む海自にとっては航空部隊の方が負担は小さい。
 P3Cを運用するには、飛行中のアクシデントも考慮しておかねばならないため、ジブチのほか、アデン湾沿いのイエメンやオマーンなど沿岸国の飛行場も緊急時に着陸できるようにしておくことが必要になる。
 海自P3C部隊はこれまで海外の平和維持活動に参加した経験はないが、米本土やオーストラリアなどには頻繁に展開して訓練を実施しており、隊員は海外派遣には慣れている。しっかりした飛行場設備と本国からの後方支援が得られれば、P3C運用に大きな支障はないとみられている。
 一方、海自艦艇がソマリア沖に派遣された場合も、仏軍が管理するジブチの港湾施設を利用することになりそうだ。ジブチ港はNATOやEU艦艇の補給場所ともなっており、ここに拠点を置けば各国海軍との情報交換にも都合がいい。
 ただし、ジブチに日本大使館はなく、今のところ現地で外務省の直接的な支援は得られない。海自部隊が同国に展開する場合は、日本政府の何らかの外交的な支援拠点を現地に設けることが必要だ。

« 麻生内閣 暴走/民間船撃沈も「正当防衛」 | トップページ | 20日のソマリア関係ニュース »

自衛隊海外派兵恒久法」カテゴリの記事