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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2009年1月

2009年1月31日 (土)

海賊船停止へ武器使用も容認 与党PT、基準緩和で合意

こうした憲法からの脱法行為を許すことはできない。公明党は恥を知るべきだ。(高田)
http://www.asahi.com/politics/update/0130/TKY200901300285.html
海賊船停止へ武器使用も容認 与党PT、基準緩和で合意

 与党海賊対策プロジェクトチーム(PT)は30日、3月上旬の国会提出を目指す海賊対策新法で、自衛隊の武器使用基準を緩和し、海賊船を停止させるために船体を射撃する「任務遂行のための武器使用」を容認することで合意した。PTの議論を踏まえ、政府は2月上旬にも法案骨子を与党側に提示する。

 任務遂行の武器使用は、憲法が禁じる武力行使にあたる可能性があるとして、これまでの自衛隊の海外派遣では認められてこなかった。PTは警察活動である海賊対策での武器使用は武力行使にはあたらないとの立場だが、憲法との兼ね合いで議論を呼びそうだ。実際に船体射撃に踏みきり、沈没させたり海賊を殺害したりした場合は、世論の批判を浴びる可能性もある。

 海上保安庁による船体射撃は99年の能登半島沖の不審船事件を受け、01年に成立した改正海上保安庁法で認められた。適用は領海内に限られているが、PTは公海にも拡大し、海自、海保双方の武器使用基準として新法に盛り込むことにした。

 ソマリア沖の海賊対策のため、現行法に基づいて発令される海上警備行動では、海自は日本関係商船のエスコートを想定している。新法で任務遂行の武器使用が可能になれば、現場海域を警戒監視する活動も可能になる。

2009年1月29日 (木)

ソマリア海賊で海自 P3Cも派遣検討

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009012902000110.html
ソマリア海賊で海自 P3Cも派遣検討

2009年1月29日 朝刊

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策について、浜田靖一防衛相から二十八日、準備指示を受けた海上自衛隊の検討状況が判明した。アデン湾沿岸のジブチに拠点を設け、護衛艦二隻を派遣、P3C哨戒機三機の派遣も検討する。護衛艦に乗り込む特殊部隊「特別警備隊」は警告射撃は行うが、乗っ取られた船舶の解放は日本政府による交渉に委ねる方針だ。 

 派遣根拠の海上警備行動で守ることのできる日本関係のうち、アデン湾を航行する船舶は年間約二千隻。二隻の護衛艦がエスコート方式で護衛する。海賊が出没するアデン湾を含む東西に長い約千二百キロメートルの航路通過に一日半かかり、警護対象は十隻前後の大船団になる見通し。

 船団を二列にすれば先頭から最後尾まで見通せるが、海賊が利用する高速ボートなど小型の船舶は肉眼では見えにくい。護衛艦の水上レーダーが海賊監視の重要な目となる。護衛艦搭載の対潜ヘリコプターによる定期的な監視も実施する。

 特別警備隊は護衛艦に乗り込み、高速ボートやヘリで海賊船に近づき、警告した後、水面への警告射撃と船体射撃を行うことまでは想定している。

 だが、乗っ取られた船舶に対する武器使用は(1)人質の船員が犠牲になる可能性がある(2)過剰防衛になるおそれがある(3)海賊を逮捕しても身柄の取り扱いが困難-などの理由から、日本政府に交渉を任せる方針でいる。

 P3C哨戒機の活用は、防衛省が「護衛艦派遣より現実的」として以前から検討していた。既に米、独、仏、スペインが哨戒機を派遣している。基地を提供するジブチ政府と地位協定を締結する必要があり、護衛艦派遣より遅れる可能性がある。派遣は乗員、整備員、後方支援要員など約二百人を見込んでいる。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090129AT3S2801C28012009.html
ソマリア沖海賊の情報、日米欧中ロで共有へ 護衛艦3月出発

 政府は28日、海賊対策としてアフリカ・ソマリア沖に海上自衛隊を派遣するのに伴い、すでに同海域で警戒活動を展開している米国や欧州連合(EU)諸国、ロシア、中国などとも海賊情報を共有する方向で調整に入った。海賊船の動向を把握しやすくなるほか、日本が得た情報を他国に提供することで国際協力にもつながるとみている。

 今回の派遣は自衛隊法が定める海上警備行動に基づく措置。浜田靖一防衛相は同日、海自に警備行動発令を想定した準備に入るよう指示。防衛省は来月に調査団をソマリア沖周辺国に送り、3月に哨戒ヘリを載せた護衛艦2隻を出発させる見通しだ。(07:00)

2009年1月28日 (水)

ソマリア沖に海自派遣決定、防衛相が準備指示

「緊急措置」ということで、新法なしの派遣とした。新法を作れということではないが、「緊急」といって、憲法問題に関わる事案を勝手に解釈するほど、「緊急」性があるのか。日本関連船舶が08年に海賊に襲われたのは12件、で前年より2件増。うちアデン湾は3件にすぎないのである。いずれも日本船は逃げ切っている。海域別では東南アジア周辺の5件のほうが多い。国際海事局発表では、世界全体では08年は293件(前年比増30件)、アデン湾は92件(79件増)であり、諸外国が騒いでいるからに過ぎない。日本にとって、これが「緊急性」なのか。
ソマリアの海賊は「日本の貨物を載せているかどうか」を、どうやって確認するのか、海賊に襲われている船に問い合わせるわけでもあるまい。「対象となる船を事前に日本船主協会から国交省を通じて防衛省に通知される」としているが、その見極め・判別をどうするのだろうか。外国船が安全を求めて日本船団に近寄ってきたらどうするのか。
このような曖昧な基準で軍隊を出していいのか。
だいたい、政府や与党は「憲法のしばり」をあたかも窮屈で、悪いことのように語るきらいがあるが、なぜそうなるのかを考えてもみよ。九条解釈を野放図に拡大し、憲法の制限をすり抜け、すりぬけしてきた「解釈改憲」の政治に根本原因があるのではないか。憲法でできないと定められているのなら、やれないのだ。憲法を厄介者扱いにするのは立憲主義ではない。この基本姿勢が、問題なのだ。
本日の読売紙の「スキャナー」欄で海自幹部はこういった。「先の大戦で、日本海軍は日本の輸送船団を守ることができなかった。その時に失った海運業界との信頼を、我々が取り戻さな蹴ればならない」と。読売の解説では「海自にとっての初の商船団防衛は、歴史を精算する意味も持っている」んだと。な~にをいってんだか、まったく。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090128-OYT1T00490.htm
ソマリア沖に海自派遣決定、防衛相が準備指示

 政府は28日午前、首相官邸で安全保障会議を開き、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に、自衛隊法82条の海上警備行動を発令して海上自衛隊を派遣する方針を正式決定した。

 浜田防衛相はただちに、防衛省で斎藤隆・統合幕僚長、赤星慶治・海上幕僚長らに、「任務遂行に遺漏なきよう所要の準備を進めてもらいたい」と指示した。政府・与党は今回の対応を緊急措置と位置づけ、海賊対策一般に関する新たな法律案を3月上旬に国会に提出する。

 河村官房長官は28日午前の記者会見で、通常は正式発令の際に開く安保会議を準備指示の段階で開催した理由を、「安全や自衛隊法にも関係する問題について意識を共有することが必要だという趣旨だ」と説明した。政府・与党内にも異論があった海警行動発令での海自派遣に関し、今後は政府・与党全体で後押しする姿勢を示したものだ。

 政府は今後、護衛要領、武器使用などに関する部隊行動基準を作る。海自は派遣する護衛艦2隻を選び、訓練を行い、護衛艦と防衛省の通信システムなどを整備。こうした準備を経て、政府は3月上旬に閣議で海上警備行動発令を承認し、防衛相が海自部隊に派遣命令する運びだ。3月末にはソマリア沖に展開する。

 護衛艦の保護対象は〈1〉日本籍船〈2〉日本の事業者が運航する外国籍船〈3〉日本人や日本の貨物を載せた外国籍船――で、国土交通省が要請を受け、貨物の重要度などを考慮して選ぶ。護衛艦は必要に応じて海賊船に停船命令を出し、立ち入り検査を行う。

 

自衛官の武器使用には警察官職務執行法が準用され、停船命令に応じない場合は警告射撃が可能だが、船体射撃など相手に危害を加える武器使用は正当防衛や緊急避難に該当する場合に限られる。
(2009年1月28日12時09分  読売新聞)

海賊対策のソマリア沖派遣、28日に海自へ準備指示

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090127-OYT1T01185.htm
海賊対策のソマリア沖派遣、28日に海自へ準備指示

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊が日本関係船を護衛する「警護要領」の概要が27日、明らかになった。

 浜田防衛相は28日に、海自に正式な準備指示を出す。

 

海自は自衛隊法82条の海上警備行動に基づき、護衛艦2隻を派遣、各護衛艦にはSH60K哨戒ヘリ2機と、海賊に襲撃された場合に特別警備隊が使う小型高速艇2艇を積み込む。

 

海賊が頻発するアデン湾では、事前に東西2か所に日本関係船の集結地点を決め、日本船主協会から国土交通省を通じて防衛省に警護要請のあった船舶を、護衛艦2隻が随伴しながら船団護衛する。

 具体的には、商船を約1カイリ(約1・8キロ)間隔で1列の単縦陣で航行させ、船団の前方を護衛艦1隻が先導し、別の1隻が斜め後方から警戒監視する。15~20ノット(時速約28~37キロ)と比較的速度が速い船や、船舷が高い自動車運搬船は、過去に海賊から襲われたケースはなく、船団の前方を航行させるという。

 また、日本船団の周囲に外国船が航行し、海賊の襲撃で救難信号が発せられた場合は、護衛艦からヘリを発進させ、周辺海域にいる他国海軍に通報することを検討している。

          ◇

 自民、公明両党は27日の与党政策責任者会議で、海賊対策に自衛隊を派遣するよう政府に求める方針を決定した。政府は28日に安全保障会議を開き海上警備行動の発令方針を正式決定。防衛相が海自に準備を指示する。
(2009年1月28日03時05分  読売新聞)

2009年1月27日 (火)

国民投票/ボリビア新憲法 承認/米従属・新自由主義と決別選択

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-27/2009012701_03_0.html
国民投票/ボリビア新憲法 承認/米従属・新自由主義と決別選択

(写真)新憲法案の承認を祝う市民=25日、ラパス(島田峰隆撮影)

 【ラパス=島田峰隆】南米ボリビアで二十五日、米国への従属と新自由主義からの決別を内容とする新憲法案の是非を問う国民投票が行われました。地元メディアの出口調査によると、賛成約60%で新憲法案は承認されました。

 同時に行われた大土地所有の上限を問う国民投票では、上限を五千ヘクタールとする案が賛成78%、一万ヘクタールが同21%でした。

 新憲法は「新自由主義国家を過去のものとする」と述べ、連帯、調和、機会均等、社会的平等などを「国の価値」と規定。外交では侵略戦争を拒否し、国内に外国軍基地を設置することを禁止します。憲法で外国軍基地設置を禁止したのは、南米ではエクアドルについで二カ国目です。

 モラレス大統領は二十五日夜、ラパスで演説し、「植民地主義と新自由主義はきょう終わりを告げた。きょうは全国民に平等と尊厳を保障する新しい国の始まりだ」と宣言しました。

 大統領は「合法的に選ばれた政府として、民主的に承認された新憲法を全国に適用する」と強調。「全国民の力で変革を深めよう」と語り、新憲法に反対した国民にも協力を呼びかけました。

 一方、富裕層を主な支持基盤とする野党の地盤である東部四県を含む五県では、反対が賛成を上回りました。野党は新憲法案承認後も反政府運動を続ける姿勢を示しています。
解説
社会変革へ国民の確信

 【ラパス=島田峰隆】南米ボリビアで連帯的な経済モデルを目指す新憲法案が賛成多数で承認されたことは、新自由主義と対米従属から決別するモラレス政権の社会変革の方向に国民が確信を強め、変革のいっそうの前進を願っていることを示しました。

 二〇〇六年一月に発足したモラレス政権は、二十年余り続いた新自由主義路線を断ち切り、「国の資源は国民のために使う」ことを最大の公約にしてきました。

 政府は、それまで外国企業まかせだった天然ガス採掘事業への国家管理を強化。企業からの税収を大幅に増やし、それを財源に就学援助制度や無年金者向けの新年金の創設、病院や学校の増設、医師や教師の育成などに取り組んできました。

 この三年間で全国の病院数は二倍以上に増え、小学校の就学放棄率は2・5ポイント低下。昨年は非識字者を克服しました。

 与党側は「この変革を深化させるのが新憲法だ」と強調。政府を支持する農民、労働者、先住民などの団体は、新憲法で国民の権利が発展すると宣伝し、変革の継続と強化を呼びかけました。

 一方、企業関係者や大土地所有者が支援する野党勢力は、政府による国民向け施策と成果を否定できず、「新憲法はベネズエラの干渉」「経済活動の自由がなくなり失業と貧困が増える」など、国民の不安をあおる宣伝に終始しました。

 十八年間の軍事独裁とその後の政情不安を経験したボリビアで、憲法の是非を国民自身が投票で決めたのは史上初めてといいます。

 反対勢力や一部メディアには、四百条以上ある新憲法案を「国民は読んでもいない」とやゆする主張がありました。しかし選挙中に新憲法案の冊子が街頭で無料配布され、閣僚や国会議員を招いた討論会が無数に開かれるなど、国民的規模で民主的な討論が行われました。

 国民投票が「ボリビアの民主主義と国民参加の発展にとって重要な歴史的出来事になった」(選挙裁判所議長)と言えます。

 ボリビア 面積は約百十万平方キロで日本の約三倍。人口九百五十万人で、先住民55%、先住民と白人との混血30%、白人15%。首都はスクレ、政府所在地はラパス。主な資源はスズ、タングステン、天然ガスなど。昨年八月の国民投票で、モラレス大統領は約67%の支持で信任されました。

http://mainichi.jp/select/world/news/20090127ddm007030080000c.html
ボリビア:先住民の権利拡大へ 国民投票で新憲法案を承認

 【メキシコ市・庭田学】南米ボリビアで25日、先住民の権利拡大などを盛り込んだ新憲法案の是非を問う国民投票が実施され、AP通信によると、「賛成」が約60%を占め、承認された。

 新憲法案をめぐっては昨年9月、左派のモラレス大統領派と、富裕層を中心とする反対派が衝突、死傷者が多数出た。

 ボリビアは先住民が約6割を占め、モラレス氏は同国初の先住民出身の大統領。新憲法では、スペイン語のほかに先住民言語も公用語と規定したほか、下院の議席に先住民枠を新設するなどした。先住民が従事し、コカインの原料にもなるコカの葉栽培を伝統文化として明記した。

 また、土地所有面積に上限を設定し、非利用地は国が接収できると規定した。モラレス政権は先住民を中心とした貧困層への土地分配を目指している。

 昨年9月の衝突後、政府は、反対派との交渉の末、新憲法案の一部を修正し、急進的な色彩をやや弱めていた。

 モラレス大統領は「植民地主義はこれで終わった」と、「勝利宣言」した。新憲法制定に伴い、年内に大統領選が実施される。

 06年1月に就任したモラレス大統領は天然資源の国有化など社会主義的政策を推進。資源が豊かで大土地所有者が多い同国東部地域の白人層との対立が続いている。

毎日新聞 2009年1月27日 東京朝刊

2009年1月26日 (月)

朝雲:どう取り組む 海賊対策<中>/排除できない「交戦」 制約多い特警隊の派遣

この記事はまだ(下)がない。サイトを開くと海自特警隊の訓練写真も載っている。報道で見る海賊とダンチの攻撃的装備だ。必見。(高田)
http://www.asagumo-news.com/news.html

どう取り組む 海賊対策<中>/排除できない「交戦」 制約多い特警隊の派遣

不審船対処の訓練を行う海自特別警備隊。海賊対策には最適の精鋭部隊だが、派遣には制約も多い

 ソマリア沖への海自艦艇派遣が決まった場合、部隊編成や装備はどうなるだろうか。海上警備行動では「日本船舶の護衛」が任務となるが、もし近くの外国船がSOSを発したら、部隊は現場海域に急行し、そこで海賊船と対峙する可能性も排除しきれない。
 「各国海軍の派遣艦艇は海賊に対処するため、武装ヘリと特殊部隊を乗せているところが多い」と話すのは海洋政策研究財団の秋元一峰主任研究員(元海将補)。
 海賊行為を止めさせるには、ヘリや特殊部隊を前面に出し、武装勢力を実力で排除するしかない。海自の武装ヘリは機銃を搭載する最新型のSH60K哨戒ヘリであり、海賊に対抗できる特別の訓練を受けた部隊は特別警備隊(江田島)となる
 特別警備隊は、密輸を行う不審船の立ち入り検査や侵入した武装工作船への対処などが主任務だ。時速40ノット(74キロ)の特殊ボート「特別機動船」を駆って上空のヘリとともに不審船を追跡、実力で停船させ、海空から移乗して積荷などを調べる能力を有している。
 部隊が運用する特別機動船は全長約11メートル、幅約3メートルで、完全武装の1個チームが乗船。通常2隻を同時に運用し、互いに援護しながらヘリとともに作戦に当たる。仮にソマリア沖に特警隊を派遣する場合は、特別機動船を2隻運べる「母艦」が必要となる。
 だが、特別機動船は小型ヘリ並みの大きさがあり、2隻を搭載できる艦は海自にもそう多くない。海賊発見後、同船をすぐ海面に降ろせる状態にしておくには広い甲板スペースと大型クレーンが要る。
 特警隊の母艦として最適のスペックを持つのは、砕氷艦「しらせ」のような大型艦だが、「しらせ」に匹敵する能力を持つのは大型輸送艦「おおすみ」型くらいだ。同艦は艦尾にエアクッション艇格納庫を持つため、ここから特別機動船の発進が可能。ただ同艦はヘリ搭載型でなく、たとえヘリを「貨物」として載せても、飛行管制をしたり整備する能力はない。
 ほかに掃海母艦「うらが」型などもあるが、輸送艦と同様に速力は22ノット(約40キロ)と遅く、海賊船の追跡には向かない。
 一方、護衛艦は速力で優るが甲板には速射砲や各種ミサイル、艦載ヘリなどを搭載しているため特別機動船を積む場所はない。ヘリを降ろしてなんとかスペースを作れるのはヘリ3機搭載型の「はるな」型、「しらね」型(DDH)くらいだ。全通甲板を持つ新DDH「ひゅうが」は今年3月の就役で、乗員訓練のため年内の投入は無理だ。
 特別機動船を現地に持ち込まない選択肢もあるが、汎用護衛艦(DD)搭載の小型ゴムボートや内火艇では余りに脆弱で、特警隊員の安全を考えれば望ましい選択ではない。
 現地では海賊と各国艦艇の銃撃戦も起きている。インド艦は攻撃してきた海賊船を撃沈し、英艦は1982年のフォークランド紛争以来という“海戦”まで経験している。
 海賊は小銃や機関銃のほかロケット弾なども装備。もし交戦となれば、取り締まる側の被害も十分考えられ、防弾板などで人員の安全を図ることも必要になる。
 現地では、たとえ海賊を拘束できても現場部隊は司法権限を持たない。「せっかく捕まえても、その場で海賊を釈放するしかない」(秋元氏)というのが現状だ。このため、司法警察権を持つ海上保安官が同乗することになりそうだが、拘束した海賊を日本まで連れてきて裁判にかけるのかどうかといった問題も出てくる。海賊の取り締まりをどの段階まで行うのか、さまざまなケースを想定して部隊の運用範囲をしっかり決めておくことが派遣の前提となる。

民主「海賊対策」視界不良 他の野党に配慮、方針打ち出せず

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090125/stt0901252018005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090125/stt0901252018005-n2.htm
民主「海賊対策」視界不良 他の野党に配慮、方針打ち出せず
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の護衛艦を派遣する政府方針への民主党のスタンスが定まらない。党内の意見集約ができていないことに加え、政権交代時の連立相手と想定している社民党、国民新党が自衛艦派遣に強く反対しているためだ。安全保障論議は、かねてから民主党のアキレス腱(けん)と呼ばれてきたが、海賊対策で、また一つその危うさが露呈した形だ。(原川貴郎)

 自民、公明両党が自衛隊法の海上警備行動による自衛艦のソマリア沖派遣を正式了承したことを受け、麻生太郎首相は近く、浜田靖一防衛相に派遣準備を指示する。防衛相は月内に海自に準備指示を出し、3月には護衛艦が派遣される見通しとなっている。

 これに対し、野党では共産党に加え、社民、国民新の両党が「一義的には海上保安庁で対応すべきだ」などと反発している。

 23日には両党の幹事長が、民主党の鳩山由紀夫幹事長に「反対」で共同歩調をとるよう求めた。鳩山氏は野党共闘を重視し、「できる限り一致していけるように努力していきたい」と応じた。

 だが、鳩山氏の言葉をそのまま実現するのは容易ではない。民主党は保守系からリベラル派まで幅広い意見を抱えており、公式見解をまとめようとしても意見調整が難しいからだ。

皮肉なことに、自衛艦派遣問題の発火点となったのは、民主党議員の国会での質問だった。

 昨年10月17日の衆院テロ防止特別委員会で民主党の長島昭久氏は、「海上保安庁の巡視艇がソマリア沖の海賊対策に当たるのは困難」との趣旨の答弁を政府から引き出したうえで、「自衛隊艦艇のエスコート(護衛)は海賊対策にかなり効果がある」と提案したのだ。

 首相は「こういったご提案をいただけるのは、ものすごくいいことだ」と両手を挙げて歓迎した。

 ところが民主党内ではその後、海賊対策論議は遅々として進まず、政府・与党の対応を遠くから眺めているだけの状況だ。

 長島氏のアイデアも党内議論にはならず、鳩山氏は23日の記者会見で「なぜ海上保安庁じゃだめなのか、なぜ自衛隊なのかというところが、判然としていない」と長島質問を否定するかのような姿勢もみせた。

 党内の幹部の一部は、海賊問題に関心すらない。

 昨年中のソマリア沖の海賊事件は100件を超え、23人の乗組員が乗った日本郵船の大型原油タンカー「高山」が小型不審船から発砲を受け被弾した事件も含め日本関係船舶関連では3件の海賊事件があった。

 ところが、民主党の平田健二参院幹事長は20日の記者会見でこんな驚くべき発言をしてみせた。

 「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわかない。ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたということがあったのか」

 同党の安全保障政策の不安な一面を、浮き彫りにしているといえそうだ。

2009年1月25日 (日)

防衛相、不本意な派遣 ソマリア沖へ海自新法後回し

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009012502000126.html
防衛相、不本意な派遣 ソマリア沖へ海自新法後回し

2009年1月25日 朝刊

首相官邸に入る浜田防衛相。海上警備行動に基づく派遣には慎重だった=23日

 浜田靖一防衛相は月内にも、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として、護衛艦を派遣するための準備を海上自衛隊に指示する。浜田氏は自衛隊法の海上警備行動に基づく派遣には慎重だったが、麻生首相サイドや外務省に押し切られた。

 浜田氏は二十三日、首相に海上警備行動による派遣が抱えている課題を報告。その後の記者会見で「足らざるところを検討していかなくてはいけない。かといって、手をこまねいているわけにはいかない」と述べ、派遣は不本意であることをにじませた。

 海上警備行動は近海での領海侵犯などを前提にしており、日本と関係ない外国籍船が海賊に襲われても、海自は対処できない。

 武器使用も、海賊が攻撃を仕掛けてきた際の正当防衛や緊急避難に限られ、場合によっては隊員が使用の責任を問われる可能性もある。

 防衛族議員で、こうした問題を熟知する浜田氏にとって、海上警備行動による派遣は避けたかった。あくまで派遣の根拠法となる新法の制定を求めていくハラを固めていた。

 政府の大勢が海上警備行動に傾き、首相が派遣の検討を指示しても、浜田氏は慎重姿勢を崩さなかった。急場をしのぐための海上警備行動発令はやむを得ないとしても、将来的には新法を制定することを担保しておく必要があると考えたからだ。

 与党は浜田氏の意をくみ、三月上旬に新法の法案の国会提出を目指して議論を進める。だが、与党の議論が順調に進むかは不透明だ。

読む政治:ソマリア沖海賊、海自派遣急ぐ政府

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090125ddm001010085000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090125ddm003010090000c.html
読む政治:ソマリア沖海賊、海自派遣急ぐ政府(その1)
 ◇中国には負けられぬ

 中曽根弘文外相の代理としてニューヨークの国連本部に派遣された外務省の西村康稔政務官(自民)は日本の発言が回ってこないかと心待ちにしていた。

 アフリカ・ソマリア沖で頻発する武装海賊への対応策をめぐり、国連安全保障理事会が昨年12月16日に開催した閣僚級会合の席だ。

 西村氏は「日本としては新たな海賊法制の整備を鋭意検討しており、現行法制下でも早急に実効的な対応を講じたい」と表明することにしていた。会議に先立ってライス米国務長官(当時)に「海上自衛隊を出すよう検討している」と伝えたところ、「エクセレント(素晴らしい)」という返事をもらっていた。

 主要8カ国(G8)で現場海域に艦船を出していないのは日本だけだ。西村氏は、日本政府が現行法と新法の「2段階方式」で海自の派遣を前向きに考えていることを説明し、理解を得たかった。

 ところが、常任理事国から始まった発言が中国の番になった時、会場がどよめいた。

 中国外交部の何亜非・副部長が「中国は海軍を派遣すべく、積極的に検討している」と表明したためだった。中国は昨年、7件の誘拐の被害を受けている。西村氏に発言の機会が与えられたのはそのずっと後。中国について事前の情報がなく、各国を驚かせた分だけ、日本の決意表明はかすみがちだった。

 国連安保理は同じ日の会議で、海賊の陸上拠点に対する軍事攻撃を容認する決議1851を採択している。「ソマリア沖」は国際協力の舞台として明確に位置づけられた。

 中国の動きは、政府をあわてさせた。自衛隊の海外派遣が容易ではない日本とは異なり、中国は国連平和維持活動(PKO)など国際協力活動に軍を積極的に参加させ、存在感を高めている。内閣官房の政府高官はそのころ、麻生太郎首相に「中国に負けるわけにはいきません」と進言している。首相は「そりゃそうだ」と答えたという。

 河村建夫官房長官は12月24日の記者会見で派遣の検討状況について聞かれると「中国の艦船も出発すると報告を受けているので、日本の対応を急がなければならない」と回答。質問にはなかった中国にあえて言及した。

 首相周辺は、派遣に慎重な公明党に配慮して、年明けに海上警備行動の発令による派遣方式を表舞台に出そうとしていた。しかし、首相は同月25日夜、記者団に「ことは急いでいる。(新しい)法律を考えるべきだが、時間がかかる。取り急ぎは海上警備行動で対応する」と明言した。

 中国海軍が駆逐艦2隻、補給艦1隻をアデン湾に向け出航させたのは翌26日だった。
◆ソマリア沖、海賊対策に海自
 ◇「派遣」優先、議論半ば 根拠「新法」棚上げ懸念

 海上自衛隊による海上警備行動は、99年の北朝鮮不審船事件、04年の中国原子力潜水艦による領海侵犯事件と過去2回しかない。政府はソマリア沖の海賊対策に向け3例目を発令しようとしている。

 ただ、海上保安庁の船が対処できない緊急事態向けの海警行動を、日本から遠く離れた海域で実施するのは法律の想定外だ。このため、政府内の議論は「派遣の必要性」と「法的な裏付け」の間で揺れ続けた。

 無政府状態にあるソマリアとイエメンに挟まれたアデン湾は、年間延べ2万隻の船舶が航行する重要なシーレーン(海上交通路)だ。日本の海運会社が運航する船舶だけでも年間約2300隻に上る。

 日本の船会社がこの海域で初めて被害に遭ったのは07年10月28日。ケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」が海賊に乗っ取られた。昨年4月21日には原油タンカー「高山」が海賊の高速艇に襲撃され、船体が被弾した。同11月14日には、ケニア沖で中国漁船が乗っ取られ、日本人船長の久貝豊和さん(53)=沖縄県出身=は現在も人質のままだ。

 自衛隊の派遣が政治課題として浮上したのは昨年10月17日の衆院テロ対策特別委員会。麻生太郎首相が長島昭久衆院議員(民主)の質問に答え「海上警備行動としては極めて有意義だと思う」と明言してからだ。

 それでも、政府内の動きは鈍かった。海上保安庁の岩崎貞二長官は昨年10月の段階で「総合的に勘案すると(海保の)巡視船を派遣することは困難」と答弁。他方、浜田靖一防衛相も海自の派遣に一貫して慎重な姿勢を取り続けた。海警行動の発令による派遣は「脱法的」(政府筋)と考えていたためだ。

    ■

 昨年12月2日、衆院第2議員会館で超党派の海賊対策議連が開かれた。代表世話人の一人、中谷元・元防衛庁長官は自衛隊を派遣する場合の根拠法として(1)海上警備行動(2)時限的な特別措置法(3)新たな一般法--の3例を示す文書を配布した。

 特措法はソマリア沖にしか適用できないのに国会審議のハードルは低くならないとの理由で次第に検討対象から外れ、まずは海警行動で対処し、途中から新法による派遣に切り替える2段階方式に議論は傾いていった。

 中国の艦船派遣が表面化した後の12月24日。閣僚懇談会で海保を管轄する金子一義国交相は「早急にこの問題に対応する必要がある」と発言し、防衛省に必要な行動を促した。しかし、浜田氏はぶぜんとして黙り込んだ。このため、前任の防衛相である石破茂農相が「憲法上の問題はない。ただ、海上警備行動は命令を出しっ放しにすることを想定していない」と浜田氏の心中を代弁した。

 浜田氏の理想は、海賊対策の新法で武器使用基準を緩和してからの派遣だった。安易に海警行動に応じた場合、新法の議論が棚上げされ、派遣の実績だけ「食い逃げ」されることを恐れた。
 ◇武器使用基準「運用で」

 自民、公明の与党は今月9日になってようやく海賊対策のプロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。議論の核心は、常に武器使用基準にあった。

 13日のPTでは、インド海軍の事例が問題になった。海賊が乗っ取った漁船の攻撃を受け、インド海軍が漁船を撃沈させ、人質が死亡したケースだ。

 派遣された自衛隊員が海賊や民間人を殺傷した場合、武器使用基準で許される正当防衛や緊急避難の範囲はどこまでなのか。柳沢協二・内閣官房副長官補らは「訓練で習熟すれば対応できる」と主張したが、防衛省の徳地秀士・運用企画局長は「船体射撃で死傷者が出れば、自衛官が訴追される可能性がある」と実態に応じた基準作りを求めた。

 米国でのオバマ新政権の発足を前にして、日本が国際協力分野で出遅れてはまずいという首相官邸や外務省の判断。参院を牛耳る民主党の出方が不透明な中で新法の制定が難しいという与党内の認識。それらが重なり合って「とにかく現行法での派遣を急ぐ」との意見が勢いを増した。

 海自のエスコート方法が議論になった20日のPTでは、公明党の赤松正雄衆院議員ですら「こんなことでぐずぐずやっている場合ではない。早いことが大事だ」と発言した。

 22日にまとまった与党PTの中間報告は、武器使用基準について「具体的な運用基準は防衛省を中心に作成する」と記し、大部分を自衛隊の運用に委ねた。制服組幹部は「核心部分を勝手にやれということだ。やりすぎても怒られ、やらなくても怒られる」と苦渋の表情を浮かべた。

 元陸上自衛隊1佐でイラク先遣隊隊長だった佐藤正久参院議員(自民)は昨年12月、海賊対策で仏軍が拠点にしているジブチを視察した。「各国とも自国の船を守るのが精いっぱいな状況だ。日本は政府内の連携が悪い」

 外務省は、中国の派遣も自国の船舶保護が主目的だとみている。

    ◇

 高塚保、古本陽荘、松尾良、仙石恭が担当しました。

毎日新聞 2009年1月25日 東京朝刊

2009年1月24日 (土)

前原元民主党代表「外交の基軸は日米同盟」「小沢氏も知恵出す努力を」

前原氏のこの議論の問題点は、自衛隊のISAFとPRT参加を主張している点だ。自衛隊という言葉はないが、「武器使用基準は柔軟に」といっているのを見れば明らかだ。オバマ政権のもとでアフガン戦争はより泥沼化する可能性が濃厚である。ここに自衛隊を派遣するというのは、憲法上も重大な違憲行為であるし、自衛隊が戦闘に参加せざるを得なくなるのは必定だ。前原氏の日米同盟基軸論にもとずくこの見解は小泉イラク派兵以上に危険なものを含んでいる。(高田)

前原元民主党代表「外交の基軸は日米同盟」「小沢氏も知恵出す努力を」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090123/stt0901232326005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090123/stt0901232326005-n2.htm
 民主党の前原誠司元代表が産経新聞のインタビューに応じ、「日本外交の基軸は日米同盟だ」と語った。要旨は以下の通り。

     ◇

 麻生内閣の支持率が20%を割り込んで、自民党内には「麻生太郎首相では選挙ができない」という雰囲気が出ている。

 だが、民主党は泰然自若としていればよい。政権交代を訴えて衆院解散・総選挙の早期実施を求めていくことが大切だ。次期衆院選の結果、単独過半数に届かなければ何らかの連立政権構想が出てくるだろう。届いても、参院は社民、国民新両党と協力しなければ過半数に達しない。選挙後には、いろんな形の連携を模索する必要がある。

 自民党との対決路線を前面に押し出す小沢一郎代表の政治手腕は、政権交代の一歩手前まで持ってきたので高く評価する。

 ただ、二大政党制が定着してくれば衆参両院で多数政党が異なる「ねじれ」状態は今後もあり得る。国会が混乱し政策実現が進まなくなれば、日本の発展にとってマイナスだ。

 今後は、与野党が国会できちんと議論して結論を出す、成熟した民主主義を模索するようになるだろう。小沢代表にも、将来的には知恵を出してまとめていく努力を求めたい。

一方、日本外交の基軸は日米同盟だ。ヒラリー・クリントン国務長官も、日米同盟について、「アジア・太平洋地域の平和と繁栄を維持するために不可欠で、アジアにおける米外交の要だ」と明言している。オバマ政権で日米関係に大きな変化はないだろう。

 

民主党は昨年の臨時国会で、インド洋での海上自衛隊の補給活動を1年間延長する新テロ対策特別措置法改正案に反対した経緯があるので、民主党政権が誕生すれば、海自の補給活動は中止する。だが、アフガニスタンの安定、中東全体の安定は、石油価格の安定につながるので、日本は何らかのコミットメントをする必要がある。

 具体的には、国際治安支援部隊(ISAF)に参画し、ある地域の地方復興チーム(PRT)に責任を持ち、農業指導、警察、医療など民政分野の支援に乗り出すべきだ。治安を維持しながら活動することになるので、武器使用基準は柔軟に考えた方がいい。

 

小沢代表が提唱する「国連中心主義」は、国連のステータスを高める努力を各国がしていくという意味では、悪くない。日本は、国連と日米同盟をうまくバランスさせて、日本の安全保障と国際貢献活動をしっかりやっていくことが大事であり、「国連至上主義」になってはいけない。(松本浩史)

海賊対策:民主幹事長「野党3党で統一見解」

民主のこの姿勢は支持できる。動揺することなく、与党と闘うべきである。民主への激励を強めよう。海保での可能性については1992年のプルトニウム輸送の際の巡視艇「しきしま」建造の際の議論を参考にすべきである。(高田)以下ウェキペディアより

(ウェキペディアより:しきしまは、1992年に予定されていた英仏から日本までのプルトニウム運搬船護衛用として1990年度予算で開発された。

しきしまの開発自体は比較的スムーズであったが、開発前に護衛船に海上保安庁の巡視船を使用すべきか、海上自衛隊の護衛艦を使用すべきかで議論となった。

当初から、航続距離や法的な問題から護衛船には海上保安庁の巡視船使用が予定されていたが、一部の議員や世論から巡視船では攻撃力不足であるため、 万が一のことを考えて護衛船には強力な武装を持つ海上自衛隊の護衛艦を使用するべきという意見が出てきた。巡視船が理想か、護衛艦が理想かはマスコミでも 騒がれ、更に日本国内だけにとどまらずアメリカなどでも話題となったが、最終的にはアメリカ軍から偵察衛星による航海の安全を守るための情報支援が得られ ることになったことと、現実的に考えて巡視船では攻撃力不足と言うものの巡視船で対応出来ない攻撃を仕掛けてくる敵はありえないと考えられ、総理大臣も護 衛艦の使用は検討していないと明言したため、予定通り巡視船を新規で開発し、それを使用することとなった。1992年に護衛任務を行う予定であったため、しきしまの開発は急ピッチで進められ、就役直後の199211月に初の護衛任務を行った。)


http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090124k0000m010091000c.html
海賊対策:民主幹事長「野党3党で統一見解」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は23日の記者会見で、東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で海上警備行動発令で海上自衛隊護衛艦を派遣する政府方針について「交戦規定や逮捕権などがオープンになっていない。簡単に認めてはならない」と指摘。「社民党や国民新党と極力歩調をそろえたい」と述べ、3党で統一見解をまとめる考えを示した。

 

鳩山氏の発言は、同日東京都内で開いた3党幹事長会談で、社民、国民新両党が「海賊対策ならば海上保安庁を軸にすべきだ」と政府方針に反対したことを受けたもの。鳩山氏は、海上保安庁の艦艇を派遣できる可能性について党内で議論するよう直嶋正行政調会長に指示。検討に入った。

 ただ、民主党内では「国際協力活動であり国益に資する」(長島昭久衆院議員)など積極論がある。小沢一郎代表もソマリア海自派遣に関して「他党とは完全に一致するとは限らない」と発言しており、野党共闘を巡る新たな火種となりそうだ。【佐藤丈一】

「海賊、現地ではあこがれ」ソマリア担当大使が現状語る

このソマリア担当大使の意見を派兵論者が心して聞くべき報告だ。「しきしま」級巡視艇の派遣で十分ではないか。問題の根本的な解決は、内戦による無政府状態の解決だ。国際社会はこのための協力と民生支援に取り組まなくてはならない。この記事は11月15日のイエメンのアルマフディ沿岸警備体調のインタビュー同様、朝日の貴重な資料だ。にもかかわらず、本日の朝日の社説は派兵を必要としている。ジャーナリズムとしての誇りがあるなら、朝日は政府迎合をやめよ。(高田)
http://www.asahi.com/international/update/0123/TKY200901220286.html
「海賊、現地ではあこがれ」ソマリア担当大使が現状語る

2009年1月23日6時3分


 海賊行為が頻発しているアフリカ東部ソマリアを担当する駒野欽一・エチオピア兼ジブチ大使が朝日新聞の取材に応じ、「海賊が現地の若者たちのあこがれの職業になっている」と、根本的な解決が難しい現状を語った。一方、現地に海上自衛隊艦艇を派遣しても「海賊と交戦する事態にはならない」との見通しも示した。

 大使によると、海賊の多くは沿岸を拠点とする元漁民で、無政府状態になった91年以降、当初は漁場を荒らす外国の漁船を追い払う目的で武装。その後、私兵集団と結びついて人質の身代金狙いの海賊行為に手を染めるようになったという。

 海賊のリーダーは現地では「最も女性にもてる存在」という。荒稼ぎした金で海岸の一等地に豪邸を建て、豪華な結婚式を挙げる様子がアフリカの新聞や雑誌で取りあげられ、豊かな生活の「象徴」にもなっているという。海賊は自動小銃やロケット砲で武装し、複数の高速艇で襲いかかるのが手口。しかし、護衛艦が守っている船隊に近づくことはないという。

 アフガニスタン大使も務めた駒野氏は「アフガンでは金もうけのために貧困層がケシ栽培に走ったが、同じことがソマリアでは海賊として起きている」と指摘。国際社会が連携してソマリアを破綻(はたん)国家から抜け出すよう導かない限り、海賊問題の根本的な解決にはならないとしている。(玉川透)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html
2月24日朝日社説:海賊対策―新法での派遣が筋だが

 アフリカ・ソマリア沖のアデン湾で急増する海賊から日本の商船を守るため、海上自衛隊の護衛艦を派遣する方向が固まった。政府は来週、方針を正式に決め、早ければ3月中にも護衛艦が現場海域へ向かう。

 ソマリア沖には、すでに欧米や中国など約20カ国が軍艦を派遣し、貨物船やタンカーの護衛にあたっている。だが、海賊行為は増え続け、最近では未遂も含めて2日に1件のペースだ。

 アデン湾はアジアと欧州をつなぐ要路だ。そこに無政府状態のソマリアを拠点とする海賊が横行するというのは全く予期せぬ事態だけに、どの国も対応に苦慮している。1日平均6隻もの商船が航行している日本も何もしないではすまされない。

 海賊行為は犯罪であり、本来は海上保安庁の仕事だ。しかし、日本をはるかに離れたアデン湾で長期間、活動するのは、海上保安庁の装備や態勢では実質的に難しい。また海賊行為からの護衛は、憲法が禁じる海外での武力行使にはあたらない。国際社会に協力を呼びかけた国連安保理決議もある。事態の深刻さを考えれば、護衛艦の派遣はやむを得ない判断だろう。

 ただし、派遣の法的根拠となる自衛隊法の「海上警備行動」は、そもそも日本の領海や周辺を想定したものだ。今回は極めて例外的な措置であることを忘れてはならない。

 数隻の日本商船で船団を組み、護衛艦が伴走する方式で海賊の襲撃を予防する計画のようだ。海域をパトロールするといった積極的な取り締まりはしない方針だという。海賊を逮捕した場合に備えて、取り調べなどの司法手続きができる海上保安官を同行させる。

 海上警備行動だと、対象は日本人の生命、財産の保護に限られ、他国の船の護衛や救援はできない。海賊が攻撃してきた場合、どこまで応戦できるか。こうした課題が残ったままの見切り発車である。

 本来なら、海賊を取り締まることを目的とした法律をつくり、自衛隊のできること、できないことをきちんと規定したうえで派遣すべきだ。

 政府は法案を通常国会に提出すべく準備している。課題は多いが、たとえば武器使用は正当防衛と緊急避難に限った警察官職務執行法を原則とし、かつ効率的な海賊取り締まりができるよう工夫をしてもらいたい。

 艦艇による護衛は対症療法でしかない。根絶するには、ソマリアに政府がつくられ、民生を安定させ、自らの手で海賊を取り締まれるようにすることだ。イエメンなど周辺国に沿岸警備を強化してもらうための支援も大事だ。


 こちらの面でも国際的な取り組みが必要だろう。「21世紀の海賊」という一見奇妙な現実とのいたちごっこを早く終わらせなければならない。

2009年1月21日 (水)

オバマ新大統領の就任演説全文

美文調だが「いよっ、アメリカ合衆国大統領!」とでもいうしかない、つまらない演説だ。(高田)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081107-5171446/news/20090121-OYT1T00132.htm
オバマ米大統領、就任演説全文(和文)

 【ワシントン支局】オバマ新大統領の就任演説全文は次の通り。

 ◆危機への決意◆

 市民の皆さん。私は今日、我々の前にある職務に対して厳粛な気持ちを抱き、あなた方から与えられた信頼に感謝し、我々の祖先が支払った犠牲を心に留めながら、ここに立っている。私は、ブッシュ大統領の我が国への奉仕、並びに大統領がこの政権移行期間に示した寛容さと協力に感謝する。

 これで44人の米国人が大統領就任宣誓を行った。宣誓は、繁栄の高まりのときや、平和で静かなときに行われたこともあった。しかし、しばしば、宣誓は、暗雲が垂れこめるときや荒れ狂う嵐のときに行われた。こうした時、米国は、指導者たちの技量や理念だけに頼ることなく、我々人民が祖先の理想に忠実で、建国の文言に正直であることによって、乗り切ってきた。

 ずっとそうやってきた。この世代の米国人も同様にしなければならない。

 我々が危機の最中にいることは、現在では明白だ。我々の国家は、暴力と憎悪の広範なネットワークを相手に戦争を行っている。我々の経済は、ひどく弱体化している。一部の者の強欲と無責任の結果であるだけでなく、厳しい決断をすることなく、国家を新しい時代に適合させそこなった我々全員の失敗の結果である。家は失われ、職はなくなり、ビジネスは台無しになった。我々の健康保険制度は金がかかり過ぎる。荒廃している我々の学校はあまりにも多い。さらに、我々のエネルギーの消費のしかたが、我々の敵を強化し、我々の惑星を脅かしているという証拠が、日増しに増え続けている。

 これらは、データと統計に基づく危機の指標だ。予測は困難だが、間違いなく深刻なのは、我々の国土に広がる自信の喪失や、米国の凋落(ちょうらく)は避けがたく、次の世代はうなだれて過ごさなければならないというぬぐいがたい恐怖だ。

 今日、私はあなた方に告げる。我々が直面している試練は本物だ。試練は深刻で数多い。試練は容易に、または、短い時間で対処できるものではない。しかし、米国よ、わかってほしい。これらの試練は対処されるだろう。

 この日、我々は、恐怖ではなく希望を、紛争と不一致ではなく目標の共有を選んだため、ここに集った。

 この日、我々は、我々の政治をあまりにも長い間阻害してきた、ささいな不満や偽りの約束、非難や言い古された定説を終わらせることを宣言する。

 ◆国家の偉大さ◆

 我々の国はまだ若いが、聖書の言葉には、子どもじみたことをやめるときが来たとある。我々の忍耐に富んだ精神を再確認し、より良い歴史を選び、貴重な才能と、世代から世代へと引き継がれてきた尊い考えを発展させるときが来た。尊い考えというのは、すべての人は平等で、自由で、あらゆる手段により幸福を追求する機会を与えられるという、神からの約束のことである。

 我々の国の偉大さを再確認するとき、我々は、偉大さが決して与えられたものではないことに気づく。それは勝ち取らなければならないのだ。我々の旅は、近道でも安易なものでもなかった。我々の旅には、仕事より娯楽を好み、富と名声の喜びだけを望むような、臆病者のための道筋はなかった。むしろ、我々の旅は、危機に立ち向かう者、仕事をする者、創造をしようとする者のためのものだ。それらの人々は、著名な人たちというより、しばしば、無名の働く男女で、長い、でこぼこした道を繁栄と自由を目指し、我々を導いてきた人々だ。

 我々のために、彼らは、わずかな財産をまとめ、新たな生活を求めて大洋を旅した。

 我々のために、彼らは、劣悪な条件でせっせと働き、西部に移住し、むち打ちに耐えながら、硬い大地を耕した。

 我々のために、彼らは、(独立戦争の戦場)コンコードや(南北戦争の)ゲティスバーグ、(第2次大戦の)ノルマンディーや(ベトナム戦争の)ケサンのような場所で戦い、死んだ。

 しばしば、これらの男女は、我々がより良い生活を送れるように、手の皮がすりむけるまで、もがき、犠牲になり、働いた。彼らは米国を、個人の野望を合わせたものより大きく、生まれや富や党派のすべての違いを超えるほど、偉大であると考えていた。

 ◆米国を作り直そう◆

 これが今日、我々が続けている旅なのだ。米国は依然として地球上で最も繁栄し、力強い国だ。我々の労働者は今回危機が始まった時と同様、生産性は高い。我々は相変わらず創意に富み、我々が生み出す財やサービスは先週や先月、昨年と同様、必要とされている。能力も衰えていない。しかし、同じ手を用いるだけで、狭い利益にこだわり、面倒な決定を先送りする、そんな時代は確実に終わった。今日から我々は立ち上がり、ほこりを払って、米国を作り直す仕事に取りかかろう。

 なすべき仕事は至る所にある。米国経済は、大胆かつ迅速な行動を求めている。そして我々は新規の雇用創出のみならず、新たな成長の礎を整えることができる。道路や橋を造り、電線やデジタル通信網を敷き、商業を支え、我々を一つに結び付ける。科学を本来あるべき地位に戻し、医療の質を引き上げながら、そのコストは減らす。太陽、風や土壌を利用して自動車を動かし、工場を動かす。新時代の要請に合うよう学校や単科大、大学を変えていく。我々はすべてのことを成し遂げられるし、行っていく。

 我々の野望の大きさについて疑念を抱く人がいる。我々のシステムは多くの大きな計画に耐えられないと指摘する人もいる。だが、彼らは忘れている。彼らはこの国が何を成し遂げたかを忘れている。想像力が共通の目的と出合った時、必要が勇気と結びついた時、自由な男女が何を達成できるかを忘れているのだ。

 皮肉屋が理解できないのは、彼らがよって立つ地面が動いたということだ。長い間、我々を疲れさせてきた陳腐な政治議論はもはや通用しない。我々が今日問うべきなのは、政府の大小ではなく、政府が機能するか否かだ。家族が人並みの給与の仕事を見つけたり、負担できる(医療)保険や、立派な退職資金を手に入れることの助けに、政府がなるかどうかだ。答えがイエスの場合は、その施策を前進させる。ノーならば終わりとなる。公的資金を管理する者は適切に支出し、悪弊を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間に不可欠な信頼を回復できる。

 問うべきなのは、市場の良しあしでもない。富を作り自由を広げる市場の力に比肩するものはない。だが、今回の(経済)危機は、監視がなければ、市場は統制を失い、豊かな者ばかりを優遇する国の繁栄が長続きしないことを我々に気づかせた。我々の経済の成功はいつも、単に国内総生産(GDP)の大きさだけでなく、我々の繁栄が広がる範囲や、機会を求めるすべての人に広げる能力によるものだった。慈善としてではなく、公共の利益に通じる最も確実な道としてだ。

 ◆我々の安全とは◆

 我々の共通の防衛については、安全と理想とを天秤(てんびん)にかけるという誤った選択を拒否する。我々の想像を超える危機に直面した建国の父たちは、法の支配と国民の権利を保障する憲章を起案した。憲章は、何世代もの犠牲によって拡充された。これらの理想は、今日でも世界を照らしており、我々は都合次第で手放したりはしない。今日(の就任式を)見ている他国の国民や政府ら。巨大都市から私の父が生まれた小さな村まで。米国が平和と尊厳の未来を求めるすべての国々、すべての男女と子供の友人であり、我々がもう一度、指導力を発揮していく用意があると、知ってほしい。

 前の世代は、ファシズムや共産主義と、ミサイルや戦車だけではなく、強固な同盟と強い信念を持って対峙(たいじ)したことを思い出してほしい。彼らは、我々の力だけでは我々を守れず、好きに振る舞う資格を得たのではないことも理解していた。代わりに、慎重に使うことで力が増すことを理解していた。我々の安全は、大義の正当性や模範を示す力、謙虚さ、自制心からいずるものだ。

 我々は、この遺産の番人だ。こうした原則にもう一度導かれることで、我々は、一層の努力や、国家間の一層の協力や理解が求められる新たな脅威に立ち向かうことができる。我々は、責任ある形で、イラクをイラク国民に委ね、苦労しながらもアフガニスタンに平和を築き始めるだろう。古くからの友やかつての敵とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化を食い止めるためたゆまず努力するだろう。

 ◆変わる世界◆

 我々は、我々の生き方について謝らないし、それを守ることを躊躇(ちゅうちょ)しない。テロを引き起こし、罪のない人を殺すことで目的の推進を図る人々よ、我々は言う。我々の精神は今、より強固であり、壊すことはできないと。あなたたちは、我々より長く生きることはできない。我々は、あなたたちを打ち破るだろう。

 我々のつぎはぎ細工の遺産は強みであって、弱みではない。我々は、キリスト教徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、それに神を信じない人による国家だ。我々は、あらゆる言語や文化で形作られ、地球上のあらゆる場所から集まっている。

 我々には、南北戦争や人種隔離の苦い経験があり、その暗い時代から出てきて、より強く、より団結するようになった。我々は信じている。古くからある憎しみはいつかなくなり、民族を隔てる線も消えると。世界が小さくなる中で、我々に共通の人間愛が現れることになると。米国が、平和な新しい時代の先駆けの役割を果たさねばならないと。

 イスラム世界よ、我々は、相互理解と尊敬に基づき、新しく進む道を模索する。紛争の種をまいたり、自分たちの社会の問題を西洋のせいにしたりする世界各地の指導者よ、国民は、あなた方が何を築けるかで判断するのであって、何を破壊するかで判断するのではないことを知るべきだ。腐敗や欺き、さらには異議を唱える人を黙らせることで、権力にしがみつく者よ、あなたたちは、歴史の誤った側にいる。握ったこぶしを開くなら、我々は手をさしのべよう。

 貧しい国の人々よ、我々は誓う。農場に作物が実り、きれいな水が流れ、飢えた体に栄養を与え、乾いた心を満たすため、ともに取り組むことを。我々と同じように比較的満たされた国々よ、我々が国境の向こう側の苦悩にもはや無関心でなく、影響を考慮せず世界の資源を消費することもないと言おう。世界は変わった。だから、我々も世界と共に変わらなければならない。

 我々の前に広がる道について考える時、今この瞬間にもはるかかなたの砂漠や遠くの山々をパトロールしている勇敢な米国人たちに、心からの感謝をもって思いをはせる。彼らは、アーリントン(国立墓地)に横たわる亡くなった英雄たちが、時代を超えてささやくように、我々に語りかけてくる。我々は彼らを誇りに思う。それは、彼らが我々の自由を守ってくれているからだけではなく、奉仕の精神、つまり、自分自身よりも大きい何かの中に進んで意味を見いだす意思を体現しているからだ。これこそが時代を決するこの時に、我々すべてが持たねばならない精神だ。

 ◆新しい責任の時代◆

 政府はやれること、やらなければならないことをやるが、詰まるところ、わが国がよって立つのは国民の信念と決意である。堤防が決壊した時、見知らぬ人をも助ける親切心であり、暗黒の時に友人が職を失うのを傍観するより、自らの労働時間を削る無私の心である。我々の運命を最終的に決めるのは、煙に覆われた階段を突進する消防士の勇気であり、子どもを育てる親の意思である。

 我々の挑戦は新しいものかもしれない。我々がそれに立ち向かう手段も新しいものかもしれない。しかし、我々の成功は、誠実や勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、忠実、愛国心といった価値観にかかっている。これらは、昔から変わらぬ真実である。これらは、歴史を通じて進歩を遂げるため静かな力となってきた。必要とされるのは、そうした真実に立ち返ることだ。

 我々に求められているのは、新しい責任の時代に入ることだ。米国人一人ひとりが自分自身と自国、世界に義務を負うことを認識し、その義務をいやいや引き受けるのではなく喜んで機会をとらえることだ。困難な任務に我々のすべてを与えることこそ、心を満たし、我々の個性を示すのだ。

 これが市民の代償であり約束なのだ。これが我々の自信の源なのだ。神が、我々に定かではない運命を形作るよう命じているのだ。

 これが我々の自由と信条の意味なのだ。なぜ、あらゆる人種や信条の男女、子どもたちが、この立派なモールの至る所で祝典のため集えるのか。そして、なぜ60年足らず前に地元の食堂で食事することを許されなかったかもしれない父親を持つ男が今、最も神聖な宣誓を行うためにあなたの前に立つことができるのか。

 ◆自由を未来へ◆

 だから、我々が誰なのか、どれほど長い旅をしてきたのか、その記憶とともにこの日を祝おう。米国誕生の年、酷寒の中で、愛国者の小さな一団は、氷が覆う川の岸辺で、消えそうなたき火の傍らに身を寄せ合った。首都は見捨てられた。敵は進軍してきた。雪は血で染まった。我々の革命の結末が最も疑わしくなった時、我が国の祖は、この言葉を人々に読むよう命じた。

 「酷寒の中、希望と美徳しか生き残ることができない時、共通の脅威に気づいた町も田舎もそれに立ち向かうために進み出た、と未来の世界で語られるようにしよう」

 アメリカよ。我々自身が共通の脅威に直面している時に、我々自身の苦難の冬に、時を超えたこれらの言葉を思い出そう。希望と美徳を抱き、このいてつく流れに再び立ち向かい、どんな嵐が訪れようとも耐えよう。

 そして、我々の子孫に言い伝えられるようにしようではないか。我々が試された時、旅を終わらせることを拒み、後戻りすることも、くじけることもなかった、と。そして、地平線と、神の慈しみをしっかりと見つめ、自由という偉大な贈り物を運び、未来の世代に無事に届けた、と。

 ありがとう。神の祝福が皆さんにあらんことを。そして、神の祝福がアメリカ合衆国にあらんことを。
(2009年1月21日02時50分  読売新聞)

2009年1月20日 (火)

海自ソマリア派遣で合意=与党

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090120-00000053-jij-pol
海自ソマリア派遣で合意=与党

1月20日12時11分配信 時事通信

 自民、公明両党は20日午前、国会内で海賊対策に関するプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、現行の自衛隊法に基づく海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦をアフリカ・ソマリア沖に派遣することで大筋合意した。両党はそれぞれ党内の了承手続きを経た上、22日の会合で正式に決める。

20日のソマリア関係ニュース

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090119-OYT1T01133.htm
海賊対策、海自特殊部隊も派遣へ…政府の活動概要

 政府がアフリカ・ソマリア沖の海賊対策で検討している海上警備行動による海上自衛隊の活動要領の概要が19日、明らかになった。

 派遣する護衛艦は2隻とし、日本籍船など「日本関係船」と船団を組み、護衛艦搭載ヘリコプターが上空を警戒しながら、安全海域まで伴走する。保護対象は、国土交通省が貨物の重要度などを考慮して選ぶ。

 護衛艦は必要に応じて海賊船に停船命令や立ち入り検査を実施。武器使用は警察官職務執行法を準用する。武装海賊に備え、2001年に発足した海自の特殊部隊「特別警備隊」が乗り組むことも検討する。

 また、通信衛星経由で同時進行で連絡を取り合うシステムを整備。海賊対処の状況を動画で日本に送るシステム構築も検討する。

 政府は派遣前に、護衛や海賊対処の要領、武器使用などに関する部隊行動基準を作成するが、実際に武器使用に踏み切る場合、要件を満たすかどうかなどを的確に判断するためだ。関係国は海賊の掃討より抑止を重視しているうえ、武器使用の正当性の立証責任は海自にあるため、証拠確保に万全を期す狙いもある。

 一方、海賊を拘束した場合の法執行に備え、司法警察権のある海上保安官が同乗する。拘束した海賊は沿岸国に引き渡すか、殺人など重大犯罪の場合は日本に移送して起訴する方針だ。

(2009年1月20日03時18分  読売新聞)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090120ddm002010059000c.html

ソマリア海賊:海自派遣 対応巡り揺れる民主 「融和」優先、見解まだ

 東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、自衛隊法の海上警備行動に基づき海上自衛隊護衛艦を派遣する政府方針に対し、民主党が対応を巡って揺れている。党内で自衛隊派遣に対する見解がまとまらないことに加え、次期衆院選後の連立相手と目する社民党が強くけん制し始めたためだ。【白戸圭一、小山由宇】

 「海賊対策は民主党の長島昭久議員も提案している」。19日の参院予算委員会で、自民党議員が引き合いに出し、政府に海賊対策新法の検討状況をただした。長島氏はソマリア沖海自派遣論議の火付け役。昨年10月の長島氏の国会質問をきっかけに麻生太郎首相が意欲を見せ始めた。その長島氏は今月14日、党外務防衛部門会議役員会で「私たちは政府の後手後手に回っている。党としての案を考えるべきだ」と発言。浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相が同意したが、具体的な議論には入れなかった。

 インド洋給油活動に対する民主党の対案である「テロ根絶法案」には、海賊対策での海自派遣を視野に入れた条文が盛り込まれているが「現行法の武器使用基準には限界があり、新たな法整備が必要」との立場。しかし憲法問題が絡むため、新法を巡る党内の意見調整は簡単ではない。

 さらに友党の社民党の派遣反対も影を落とす。18日の民主党大会で、来賓の福島瑞穂社民党党首が「ソマリア沖の自衛隊派遣は法律を作っても駄目だが、現行法の運用にも危機感を持つ」と発言。大会では衆院選後の社民党との連立を視野に入れた活動方針を決めており、社民党の意向を無視できない状況だ。


 海上警備行動での海自派遣に理解を示していた小沢一郎代表は、大会後の会見で「自衛隊を使ってどうこうというのはまた別だ」とトーンを後退させた。

 安全保障政策を巡る党内議論が盛り上がらない現状に対し、仙谷由人元政調会長は19日の衛星放送「BS11デジタル」の番組「インサイドアウト」で「自衛隊派遣の議論は『(民主党内が)分裂している』と言われても国民に分かるよう見せるべきだ」と苦言を呈した。

毎日新聞 2009年1月20日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090120ddm003010091000c.html
クローズアップ2009:ソマリア沖海賊 神出鬼没、高速艇を駆使

 東アフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊事件。昨年8月に船を乗っ取られ、50日間拘束されたフィリピン人船員2人が毎日新聞の取材に応じ、その手口を詳しく証言した。日本政府は海賊事件防止のため海上自衛隊の護衛艦を現地に派遣する方針を固めた。だが、高速の小型ボートで音もなく近づき船舶を乗っ取る神出鬼没の海賊に、海自艦艇がどこまで対応できるのか疑問視する見方も根強い。【マニラ矢野純一、外信部・佐藤賢二郎】
 ◇ハシゴかけ、音もなく乗船/全員が自動小銃…威嚇射撃/身代金、当初は10億円要求
 ◇被害の比船員が証言

 中国からオランダへ鉄鉱石などを運ぶため、アデン湾を10ノット(時速約19キロ)で航行中の貨物船「イラン・ディナヤット」号(イラン船籍、4万4468重量トン)が乗っ取られたのは、昨年8月21日午前6時ごろ。同船に乗り組んでいたフィリピン人船員、レイナルド・ウィさん(30)とセリオ・パロマさん(46)は、警報音で船室から甲板に駆け上がった。霧の中、日本製の強力な船外機を積んだ粗末な木造のボートから、海賊がアルミのハシゴをかけて音もなく乗船してきた。

 海賊は自動小銃「AK47」を空に向かって威嚇射撃した。計40人ほどで、全員が自動小銃で武装。貨物船には船長以下31人が乗り組んでいたが、武装しておらず、あっという間に制圧された。

 現場はソマリア沿岸から北へ約200キロの海上。片言の英語を話す1人から「10日近く海上で獲物を探していた」と聞いた。南へ向かうよう命じられ、ソマリア領海内の海岸から5キロほどの地点で停泊。砂漠の中に建つ町並みが見えた。海賊対策で派遣された各国の艦船の姿を見ることは一度もなかった。

 「15日以内に身代金を支払わないと1人ずつ殺す」と言われたが、誰も殺害されず、暴力も振るわれなかった。海賊は無線を使ってイランの船会社と交渉。当初1200万ドル(約10億9000万円)の身代金が200万ドルまで下げられた。

 解放は10月10日。海賊は身代金を持参したイラン船が領海内に入るのを嫌い、自らボートで現金を受け取りに出かけた。大きな袋をいくつも抱えて戻った海賊は、4時間かけて金を数え、「シー・ユー(さよなら)」と言い残して笑顔で船をあとにした。

 × × ×

 世界の海上航行の安全を監視している国際機関「国際海事局」(IMB)によると、ソマリア近海では昨年1年間で計111件の海賊による襲撃事件が発生、前年に比べ倍増した。今年も計13件発生し、うち2件は船が乗っ取られ乗組員計43人が人質になっている。

 アデン湾での事件の多くは、ソマリアとは対岸のイエメン沿岸で起きている。多くの船舶が海賊を警戒してイエメン寄りを航行しているが、海賊はこの海域で襲撃対象の船を待ち伏せしているとみられる。「積み荷を満載しており、喫水線から甲板までの高さは2メートルしかなかった。スピードも遅かったので、標的になったのだろう」と、フィリピン人船員2人は話す。

 海賊が船をソマリア領海内へ移動させたのは、各国派遣艦船による救出作戦を困難にする狙いとみられる。

 海賊問題に詳しい東海大学海洋学部の山田吉彦准教授によると、現在、欧米や中国など計15カ国がこの海域に艦船を派遣。米中露などは数千トン級の大型艦艇で、沿岸のパキスタンやイエメンなどは数百トン級の小型艇だ。

 人質となった2人は「商船が武装しても限界がある。大型の武装艦船では、逃げ足の速い海賊船を追いかけることはできないが、それでも海賊を防ぐことができる」と話す。
 ◇海自「見切り」派遣、疑問も

 ソマリア沖では現在、各国派遣の艦艇が船舶と並んで航行する「エスコート形式」の護衛を行っている。東海大の山田准教授は「これが功を奏し始めており、日本もすぐに動かなければ流れに乗り遅れるが、武器使用を正当防衛などに限った海上警備行動での海上自衛隊派遣では、有効な活動は難しい」と、現行の自衛隊法に基づく海自護衛艦の派遣に疑問を投げかける。

 山田准教授は(1)海賊に攻撃されない限り自衛隊からは手出しができない(2)他国の船舶が襲撃されても救助できない--などの問題点を指摘。「新法が成立すれば、他国の船舶も守ることができ、大きな国際貢献につながる。海外に与える脅威についてルールを超えない配慮は必要だが、海洋大国として責任を持って警備していくべきだ」と訴える。

 同じく海賊問題に詳しい竹田いさみ独協大教授(国際政治)は、艦船派遣以外にも平和的な貢献策があると指摘する。「遠方の国が長期的に艦艇を派遣することはできず、イエメンなど周辺国の沿岸警備隊を充実させる必要がある。これに一番貢献できるのが、沿岸警備のノウハウもある日本だ」と語る。

毎日新聞 2009年1月20日 東京朝刊

2009年1月19日 (月)

朝雲:どう取り組む 海賊対策<上>

朝雲の主張の(上)である。資料として重要なものだ。(高田)
http://www.asagumo-news.com/news.html

どう取り組む 海賊対策<上>
まずP3Cで哨戒
艦艇より負担少ない 米欧とも協力

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として、海自部隊派遣の公算が強まってきた。しかし、現行法下の派遣では日本船籍以外の船舶は保護できないなど、大きな制約が課せられることになる。新法の整備を待てないとしたら、どのような対応がベターか。海賊問題に詳しい海洋政策研究財団政策研究グループの専門家に、海自部隊が派遣された場合の課題や問題点などについて聞いた。

海賊監視でアデン湾派遣が期待される海自P3C。現地に固定翼哨戒機を派遣している国は少なく、ニーズも大きい

 アジアと欧州を結ぶ海上交通路の要衝に位置する“アフリカの角”ソマリア。長く続く内戦で無政府状態にある同国では、貧しい漁民は海賊行為に走り、近年は武力集団が組織的に大型船舶を襲撃して積荷を奪い、乗組員を人質にして身代金を取るなど、海の犯罪がエスカレートしている。
 こうした事態に対し、NATO、EU(欧州連合)、インド、ロシアなどは現地に海軍艦艇を派遣して海賊の取り締まりに乗り出し、中国やイランなども次々と艦艇を派遣、ソマリア沖ではこれまでにない多国籍海軍による海賊掃討作戦が展開されている。
 アデン湾では昨年、日本の関係船舶が襲われる事件も5件発生し、日本船主協会は政府に海自艦艇の即時派遣を求めるなど、国内外で日本部隊派遣の声が高まっている。
 だが、海自が現地で警察行動を行うには新法の整備が必要で、現行法の「海上警備行動」で送り出した場合は日本船籍の船しか守ることができず、各国と協調した海賊取り締まりは難しい。

 では、現段階で海自はなんら期待に応えることはできないのか。これについて海洋政策研究財団の主任研究員を務める海自OBの秋元一峰氏(元海将補)は、「まずP3C哨戒機による情報収集活動が効果的ではないか」と提言する。「空からパトロールするP3Cなら海賊と交戦する危険性は少なく、海警行動で今すぐにでも出せる。固定翼哨戒機を出している国は少ないため、ニーズは高い。海自P3Cが哨戒活動で得た情報を各国海軍に随時提供できるようなシステムを作れば、海自の活動を大きく世界にアピールできるだろう。ただ、P3Cは海賊船からの不意のロケット弾攻撃などに対して脆弱な面がある。これには注意が必要だ」と話す。
 現在、アデン湾に固定翼哨戒機を飛ばしているのはフランスとスペインのみ。これにアルカイダの武器密輸などを監視している米軍機が哨戒飛行しているだけで、海自が加わる余地は十分にある。これら哨戒機はソマリアの隣、ジブチ共和国の仏・米軍基地から飛んでいる。アデン湾のシーレーンは東西約1000キロで、1日1回、P3Cが往復すれば、継続的に海賊船の動向を探ることが可能だ。
 海自P3C部隊の拠点として想定できるのはジブチの米軍基地。ジブチは旧宗主国のフランスと関係が深く、1977年の独立後、現在も仏軍が駐留。01年の米国同時多発テロ以降は米軍も駐留し、首都ジブチ市の国際空港に近いキャンプ・ルモニエに部隊を配置している。日本はフランスに次ぐ主要援助国としてジブチとの関係も深い。
 このためジブチ政府と米、仏両国の協力が得られれば海自P3Cをジブチの米軍基地に展開できる可能性は大きい。ルモニエ基地は航空機の整備・補給施設はもちろん、駐留隊員の生活設備なども整っている。
 P3C部隊を派遣する場合の規模は、空自がクウェートに展開した際の派遣規模が参考となる。空自はクウェートのアリ・アルサレム空軍基地にC130H輸送機3機と人員約200人を展開させ、クウェート軍の施設を借り受けて約5年間にわたりイラクへの輸送任務を続けた。同様にジブチの米軍施設が利用できれば、そこを拠点に哨戒任務を行うことができる。
 P3C1機を毎日飛ばすと、予備機を入れ3機が必要となる。ただし飛行中に海賊船団を発見し、これを継続して追尾するにはこの機数では足りない。P3Cの航続時間は約10時間で、連続して追跡するには常時、交代機をスタンバイさせておくことが必要になる。このため、最低でも4機が必要となろう。
 P3Cを4機派遣する場合の人員は、司令部要員、搭乗員、整備・補給要員、後方支援要員などを含めて約200人程度。艦艇なら1隻で200人、2隻だと500人近くになるため、インド洋補給支援などの任務で艦艇・人員の不足に悩む海自にとっては航空部隊の方が負担は小さい。
 P3Cを運用するには、飛行中のアクシデントも考慮しておかねばならないため、ジブチのほか、アデン湾沿いのイエメンやオマーンなど沿岸国の飛行場も緊急時に着陸できるようにしておくことが必要になる。
 海自P3C部隊はこれまで海外の平和維持活動に参加した経験はないが、米本土やオーストラリアなどには頻繁に展開して訓練を実施しており、隊員は海外派遣には慣れている。しっかりした飛行場設備と本国からの後方支援が得られれば、P3C運用に大きな支障はないとみられている。
 一方、海自艦艇がソマリア沖に派遣された場合も、仏軍が管理するジブチの港湾施設を利用することになりそうだ。ジブチ港はNATOやEU艦艇の補給場所ともなっており、ここに拠点を置けば各国海軍との情報交換にも都合がいい。
 ただし、ジブチに日本大使館はなく、今のところ現地で外務省の直接的な支援は得られない。海自部隊が同国に展開する場合は、日本政府の何らかの外交的な支援拠点を現地に設けることが必要だ。

麻生内閣 暴走/民間船撃沈も「正当防衛」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-18/2009011801_01_0.html
麻生内閣 暴走/民間船撃沈も「正当防衛」

 何が何でもソマリア沖に派兵―。麻生太郎首相と自民・公明両党は現行自衛隊法を最大限拡大解釈し、「海賊対策」を口実とした海上自衛隊派兵へと暴走しています。
米新政権の軽視恐れる

 与党の海賊対策に関するプロジェクトチーム(PT)は自衛隊法に定められた「海上警備行動」で行う措置を二十日に取りまとめ、早急な派兵を促す構えです。首相は十六日、「まとまったら(海上警備行動発令の指示を)すぐやる。事は急いでいる」と発言。今週中にも浜田靖一防衛相に派兵の準備命令を出させる考えです。

 防衛省ではソマリア派兵のための新法制定を先行すべきだとの考えが大勢ですが、首相はこれを一蹴(いっしゅう)しようとしています。

 その背景には、二十日のオバマ米新政権発足という事情があります。シーファー前駐日米大使は十四日、離日直前の講演で「新政権への日本の最初の反応は『ノー・ウィ・キャント(できません)』ではだめだ。海賊からのシーレーン防護もアフガニスタンへの部隊派遣も日本はできる」と発言。政府関係者に緊張が走りました。

 米同盟国に加え、中国などもソマリア沖に派兵しています。米新政権からの軽視を恐れ、派兵を「急いでいる」のです。
現行法を極限まで拡大

 そのため自公政権は、今国会中の成立が不透明な新法を待たずに、海上警備行動を極限まで拡大して本格的な活動に踏み切ろうとしています。

 海上警備行動はもともと日本周辺での活動を想定しており、保護の対象も日本人の生命・財産です。また、このような活動は第一義的に「海上保安庁の責務」(防衛省資料)であり、海自の役割は本来補完的なものです。

 ところが自公は海保の活用を最初から除外し、地理的制約もなしに「自衛隊が主役」の活動を推進しています。ただし、自衛官は海賊などの逮捕権限はないため、司法警察官である海上保安官を乗船させ、海保を補完的な存在に位置付けています。

 海上警備行動での保護対象も日本船籍や日本人などに加え、外国船籍に搭載された日本の積み荷まで対象にしようとしています。
武器使用要件拡大狙う

 自衛隊法上、「正当防衛・緊急避難」に限られている武器使用要件も大幅な拡大が狙われています。

 昨年十一月、インド海軍のフリゲート艦がオマーン沖で民間船舶を「海賊母船」と誤認。「相手側が撃ってきた」として撃沈し、乗組員一人が死亡、十四人が行方不明となりました。後にタイの企業が自社の漁船だったと名乗り出ましたが、与党PTの佐藤茂樹座長(公明党)は「(インド側は)正当防衛・緊急避難の手続きを踏んでいる」と述べ、容認する考えを示しました。

 派兵新法では、「正当防衛・緊急避難」の拡大に加え、相手側からの攻撃がなくとも「任務遂行」のための武器使用が検討されています。

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ソマリア沖への海自派遣 課題山積 悩める政府

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009011902000106.html
ソマリア沖への海自派遣 課題山積 悩める政府

2009年1月19日 朝刊

 政府はアフリカ・ソマリア沖の海賊対策に、海上自衛隊の護衛艦を派遣する準備を進めている。迅速対応を重視して新法制定を待たず、現行の自衛隊法の海上警備行動に基づいて派遣に踏み切るが、多くの課題が残っている。

 護衛艦派遣は、与党海賊対策プロジェクトチーム(PT)が二十日にも派遣容認を正式に決めた後、麻生首相が浜田靖一防衛相に派遣準備を指示する運びだ。海自は準備に一カ月以上はかかるとしており、現地での活動開始は三月以降になる見通しだ。

 政府が派遣を急ぐのは、海運関係者の要望が強いためだ。欧米や中国などが軍艦を派遣している中で、日本が国際的に取り残されるとの焦りもあった。

 ただ、海上警備行動はそもそも不審船などによる領海侵犯を想定した規定。過去二回の発令は、いずれも日本周辺で発生した事態への対応だ。

 自衛隊法は発令の条件を「海上における人命もしくは財産の保護(中略)のため特別の必要がある場合」としており、政府は地理的制限はないと主張している。だが、野党から拡大解釈として追及されるのは必至だ。

 武器の使用は警察官職務執行法を準用し、正当防衛と緊急避難に限り、警告・威嚇射撃などが可能となる。

 だが、現場では瞬時に射撃が可能か判断するのは難しい。防衛省幹部は「撃っていいですかと、いちいち東京に電話で尋ねるわけにいかない」と使用基準の明確化を求める。

 十五日の与党PTの会議では、内閣官房が海賊船の船体への射撃も可能との見解を示したが、防衛省が難色を見せ再調整することになった。

 保護するのは日本船籍の船舶のほか、外国船籍でも(1)日本人を乗せている(2)日本企業が荷主の貨物を積んでいる(3)日本の海運会社が運航を管理している-船舶も対象。日本に関係のない外国籍の船舶が海賊に襲われるのを目撃しても、他国の軍艦に連絡するしかない事態が生じる可能性もある。 (荘加卓嗣)

2009年1月17日 (土)

海自:今春ソマリア沖へ 来週にも派遣準備命令

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090117k0000m010108000c.html
海自:今春ソマリア沖へ 来週にも派遣準備命令

 政府は16日、東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、自衛隊法に基づく海上警備行動で海上自衛隊の護衛艦を派遣するため、来週にも派遣準備命令を出す方針を固めた。約1カ月の準備期間で隊員の訓練などを終え、派遣命令を出す。護衛艦は早ければ3月中にも、現場海域で海賊対策の任務に就く方向となった。

 与党の海賊対策プロジェクトチーム(PT)は、来週中にも自衛隊法に基づく海上警備行動での海自の派遣を了承する見通し。麻生太郎首相は16日夜、首相官邸で「与党PTでまとまったらすぐに(準備命令を)やる。結構、ことは急いでいる」と語った。

 防衛省によると、海警行動で護衛艦の保護対象となるのは、日本船籍か日本人の乗っている船舶が基本だが、自衛隊法82条にいう「財産の保護」として日本の積み荷を積載した外国船舶なども護衛が可能という。

 海賊行為が多発しているソマリア沖のアデン湾で、護衛艦が保護対象の船舶と並んで航行する「エスコート」形式で護衛。武器の使用基準については、正当防衛や緊急避難に限定されるが、政府は保護対象の船舶が襲撃された場合の武器使用は可能と解釈している。

 自衛官は司法警察権を持たないため、海賊の身柄確保の必要性が生じた場合に備え、海上保安官が護衛艦に乗り込む方向だ。

 日本とはかかわりのない船舶から救援要請があった場合の対処ができないことなどから、政府は海賊対策の新法も並行して検討を進めている。ただ、立法措置には時間がかかることから、現行法で対応が可能な海警行動での派遣を先行させることとした。【仙石恭】

http://www.asahi.com/politics/update/0116/TKY200901160303.html
海自、ソマリア沖へ 3月にも活動開始 海上警備行動
 政府はアフリカ東部・ソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣するため、3月にも自衛隊法に基づき海上警備行動を発令する方針を固めた。浜田防衛相が月内にも海自に準備を指示する。政府・与党は海賊対策の新法を3月上旬までに国会に提出する方針だが、成立に時間がかかるため、まずは現行法で可能な海警行動で対応することにした。

 与党海賊対策プロジェクトチーム(PT)は、20日に海自派遣の行動基準をまとめる方針。麻生首相は16日、官邸で記者団に「与党PTがまとまれば、すぐやらせていただく。ことは急いでいる」と明言した。自民、公明両党の党内手続きの終了後、首相の意向を受け、防衛相が準備を指示する。準備は1~2カ月かかるとされ、実際に発令されて海自が活動を始めるのは3月以降になる見通しだ。

 首相は昨年末、浜田氏に対し、ソマリア沖の海賊対策のため、海警行動を含む具体的な対応の検討を指示した。防衛省や公明党内には慎重論も根強いが、現場海域で海賊被害が多発し、国際社会が対策に取り組んでいることから、日本としても早期に対応する必要があると判断した。

 これまでの政府・与党内の調整で、保護対象は日本籍の船だけでなく、日本人や日本の貨物をのせた外国籍の船も含めることが固まっている。武器の使用は警察官職務執行法を準用し、正当防衛と緊急避難の場合に限定する。国会の関与については、派遣の基本計画を閣議決定した後、国会に報告するとしている。

 ただ、海警行動は遠洋への派遣を想定しておらず、武器使用基準も不明確との批判がある。政府・与党内では、本来は新法に基づいて派遣すべきだとの意見も強い。海警行動が新法制定までの「つなぎ」であることを明確にするため、発令は新法の閣議決定に合わせて行う方向だ。

 世界の海上輸送の安全を監視している国際海事局(本部・ロンドン)が16日に発表した08年の海賊事件の報告書によると、ソマリア周辺での発生件数は計111件と前年より倍増。世界全体の計293件の4割弱を占めた。

ソマリア沖海賊対策 船舶救出に特殊部隊

「特殊部隊=特別警備隊」を護衛艦に同乗させ、出動するというのはとんでもない企てである。特警隊は「制圧」が目的である。高速ボートとヘリで1個小隊20数人の特警隊を海賊船、または乗っ取られた船舶に強行乗船させる。本日の東京新聞の半田記者の解説では、米海軍特殊部隊が制圧訓練をしたとき、「特警隊は隊員の8割が被弾した」という。船舶上での接近戦での死傷率は大変高い。海外でのこうした戦闘、武器使用が自衛隊に憲法上、許されるものではない。とにかく、派兵死体という麻生政権の企ての元で、自衛隊が海外で人を殺し、殺される状況が近づいている。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009011790070712.html
ソマリア沖海賊対策 船舶救出に特殊部隊

2009年1月17日 07時07分

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を求められている防衛省が、海賊に乗っ取られた船舶の解放を想定して、護衛艦とともに海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」の派遣を検討していることが十六日、分かった。特殊部隊の派遣により、海賊対策の実効性が増す一方で、武器使用の可能性が高まることになる。

 特別警備隊は、能登半島沖で起きた北朝鮮の工作船事件をきっかけに二〇〇一年三月、広島県の江田島基地で編成された。三個小隊約八十人からなり、高速ボートやヘリコプターで工作船に乗り込み、武力で制圧する。

 政府は、日本関係の船舶を護衛艦がまとめて引率するエスコート方式をとる方針だが、船団から外れたり、個別に航行する船舶が襲撃されるおそれはある。防衛省関係者は「そのとき『何もできない』では許されない」として、特別警備隊の活用が浮上した。

 防衛省の検討では、護衛艦に乗艦させる特別警備隊は一個小隊(二十数人)程度で、高速ボートも搭載する。護衛艦に搭載しているヘリも活用する。

 政府は自衛隊法の海上警備行動を発令して海上自衛隊を派遣する方針で、武器使用は正当防衛・緊急避難に限って許される。

 それでも相手が「国または国に準じる組織」だった場合、特別警備隊が救出に向かえば、憲法九条で禁じた武力行使となる「駆けつけ警護」にあたるが、政府は「国際法上、海賊は『民間』と規定されている。武力行使にはあたらない」という。

 だが、救出をめぐり、多数の死傷者が出る事態になれば、「世論が沸騰して麻生内閣が倒れる」との見方から、防衛省には「海賊対策を軽く考えるべきではない」との慎重論もある。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009011601001036.html
豪華客船護衛へ月内に準備指示 海賊対策で海警行動 

2009年1月16日 21時54分

 日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」

 政府は16日、ソマリア沖の海賊被害対策として、自衛隊法に基づく海上警備行動で海自艦を派遣するため月内にも自衛隊に準備指示を出し、3月中にも現場海域で活動させる方針を固めた。4月下旬から5月初めにかけて日本の豪華客船2隻がソマリア沖を通過予定になっており、この護衛を当面の大きな課題と位置付けている。

 これに関連し、麻生太郎首相は同日夜、与党の結論がまとまり次第、海上警備行動で派遣する考えを表明。海賊対策の与党プロジェクトチームは20日に会合を開き、海上警備行動に関する結論を出す見通しだ。

 ソマリア沖を通過するのは乗客乗員約1100人が乗るとみられる郵船クルーズの「飛鳥2」と、同じく500-600人が乗船する見込みの日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」。2隻とも世界一周クルーズの客船。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009011702000117.html
海自艦派遣準備 首相、来週にも指示

2009年1月17日 朝刊

 麻生太郎首相は十六日夜、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策としての海上自衛隊艦艇の派遣について「与党のプロジェクトチーム(PT)で(結論が)まとまったら、すぐやる」と述べた。

 与党PTが二十日に開く会合で、自衛隊法の海上警備行動の発令による派遣を容認すれば、浜田靖一防衛相に直ちに派遣準備を指示する考えを示したものだ。官邸で記者団の質問に答えた。

 首相は昨年末、与党と浜田氏に対し、海上警備行動による海自艦派遣と海賊対策の新法制定の検討を指示。政府・与党内の調整を早急に終えて、派遣に踏み切る意向を示していた。

2009年1月16日 (金)

海自、3月にもソマリア派遣方針…海上警備行動で

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090116-OYT1T00005.htm
海自、3月にもソマリア派遣方針…海上警備行動で

 政府・与党は15日、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に、自衛隊法82条の海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦を派遣する方針を固めた。

 月内にも麻生首相が決断し、浜田防衛相が準備を指示する。護衛艦は2隻となる見通しで、早ければ3月末にはアデン湾などソマリア沖で日本関係船舶の護衛を開始する。

 政府は、各地の海賊対策で自衛隊を活用する根拠となる新法「海賊処罰取締法」(仮称)の検討作業を進めている。この作業が終わる前に、ソマリア沖に限って海上警備行動で海自を派遣する方向となったのは、深刻化する被害に当面、現行法で対応する狙いがある。

 自民、公明両党は今月9日から、「与党海賊対策プロジェクトチーム」を設置して対応を検討。海上警備行動による自衛隊派遣に慎重だった公明党にも、理解が広がってきた。与党は来週にも政府に対し、海上警備行動の発令を求める見解をまとめる見通しだ。

 海自は、防衛相から準備の指示を受けた後、約1か月かけ、対処要領の作成や護衛訓練、機器の整備などを行う。その後、閣議で海上警備行動発令を承認し、防衛相が海自部隊に派遣を命令する。ソマリア沖に到着するには約20日間かかる見通しだ。

 ◆海上警備行動=海上における人命・財産の保護や治安維持のために特別の必要があり、海上保安庁では対応が困難な場合に、防衛相が首相の承認を得て自衛隊の部隊に発令する。自衛隊は船舶の立ち入り検査や停船、制止を行えるが、正当防衛や緊急避難などの場合を除き相手方に危害を加えることはできない。
(2009年1月16日03時09分  読売新聞)

2009年1月15日 (木)

ソマリア沖の海自艦派遣、防衛相「早急に対策」

ソマリア沖の海自艦派遣、防衛相「早急に対策」

 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090115AT3S1500K15012009.html
浜田靖一防衛相は15日午前、日本船主協会の前川弘幸会長(川崎汽船社長)と同省内で会談した。前川会長はアフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊対策を巡 り、自衛隊法に基づく海上警備行動を発令して海上自衛隊艦船を派遣するよう要請。防衛相は「事情は理解している。実際の派遣に当たっては詰めなければなら ない点があるが、早急に対策を講じられるよう検討している」と応じた。

 政府・与党は海賊取り締まりを対象・海域を問わず可能にする新法案を策定中で、法成立までの「つなぎ」として当面は海上警備行動での海自艦派遣を検討し ている。前川会長は記者団に「海自艦が海域にいるだけで(被害抑止の)効果がある。新法もだが、現状の枠組みでできることもお願いしたい」と述べた。

 船主協会は5日、麻生太郎首相にも海賊対策で海自艦を即時派遣するよう要望している。(12:01)

2009年1月14日 (水)

自衛艦派遣へ来週にも準備命令=海賊対策で政府筋が見通し

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009011400038
自衛艦派遣へ来週にも準備命令=海賊対策で政府筋が見通し

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で政府筋は13日、海上自衛艦の現地派遣のための海上警備行動の発令に向け、浜田靖一防衛相が来週にも準備命令を出すとの見通しを示した。準備命令を受け、政府は、ソマリア周辺国のオマーンやジブチに調査団を派遣するなどして、派遣に向けた準備を本格化させるとみられる。
 調査団には、防衛省や海自のほか、外務省や内閣官房のスタッフも加わる見通し。被害実態の把握や現地のニーズなどを調査、海上警備行動で可能な海賊対策を検討するための素材とする。 
 海賊対策で政府・与党は、現行の自衛隊法に基づく海上警備行動による海自派遣と、外国船舶が襲われた場合でも対処できる新法について、並行して検討を進めている。(了)
(2009/01/14-01:29)

http://www.asahi.com/politics/update/0113/TKY200901130382.html

http://www.asahi.com/politics/update/0113/TKY200901130382_01.html
ソマリア海賊対策 与党が海上警備行動を容認(1/2ページ)

 ソマリア沖の海賊対策を検討している与党海賊対策プロジェクトチーム(PT)は13日、政府が示した海上警備行動発令で海上自衛隊を派遣する場合の保護対象や武器使用基準などを了承した。自民、公明両党は今後の議論を踏まえて党内手続きに入ることになり、麻生首相の最終判断が焦点になる。

 政府は保護の対象について、自衛隊法が海警行動の目的を「(日本人の)人命もしくは財産の保護」としていることから、これまで(1)日本籍船(2)日本の船舶運航事業者が運航する船舶(3)外国船舶に乗船している日本人――に限定する考えを示してきた。首相も昨年10月の国会答弁で同趣旨の発言をしている。

 しかし、政府はこの日のPTで解釈を拡大し、日本の貨物を積む外国船舶も対象に加える方針を示した。日本の輸出入貨物の約4割が外国船舶で運搬されているとの指摘を受け、貨物も日本人の財産に当たると判断した。

 武器使用基準については、昨年11月にソマリア周辺で起きた二つの銃撃事例を提示した。「英海軍が海賊船と銃撃戦になった際に海賊とみられる2人を射殺したケース」と「インド海軍が海賊に乗っ取られたタイのトロール船を、停船要求を無視したとして撃沈してしまったケース」で、いずれも海警行動で認められた正当防衛・緊急避難にあたり、海自にも同様の武器使用が認められるとの判断を示した。

 海自が海賊の身柄を拘束した場合、取り調べや送検ができる海上保安官を海自艦船に同乗させることも確認した。

 ただ、公明党や防衛省内には海警行動での派遣になお慎重な意見もある。与党PTは15日にも会合を開き、海自が保護する船舶の優先順位付けや、現行法では過剰防衛にあたる武器使用などについて具体的な事例に基づいて協議する。

     ◇

■政府が示した海上警備行動の行動基準

【地理的範囲】前例のある日本領海での事案に限らず、領海外のソマリア沖も発令可能

【保護対象】日本籍船、便宜置籍船(日本企業などが船主の外国籍船)、外国船舶に乗船している日本人、日本の貨物を積んだ外国船舶

【武器使用基準】昨年11月、英海軍やインド海軍が銃撃してきた海賊に応戦した程度の正当防衛や緊急避難のための武器使用は可能

【拘束した海賊の取り扱い】海上保安官が同乗し対応

【他国との相互協力】日本人の生命・財産が保護対象のため不可

■ソマリア周辺海域での銃撃事例

◆イギリス 英海軍艦艇が、デンマーク商船を襲撃した海賊船の疑いのある漁船を停船させようと、海兵隊員を乗せた特殊ゴムボートを接近させたところ、銃撃戦に。ソマリアの海賊と思われる2人を射殺。

◆インド インド海軍艦艇が、海賊の母船と認められる船と遭遇。停戦要求に応じず、射撃を受けたため反撃したところ、母船上で火災が発生した。船倉の爆薬が爆発したとみられる。

※いずれも08年11月、防衛省調べ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009011402000138.html

海自警備、日本の貨物も 政府 海賊対策で基本方針

2009年1月14日 朝刊

 政府は十三日、アフリカ・ソマリア沖の海賊への対応策として自衛隊法に基づく海上警備行動を発令して、海上自衛隊の護衛艦を派遣する際の基本方針を固めた。保護対象は、日本船籍の船舶のほか外国船籍でも、日本人を乗せた船舶、日本企業が荷主となっている貨物を積んだ船舶や日本の海運会社が運航を管理する船舶も含む。海賊犯の身柄拘束や取り調べなどを行うため、護衛艦に海上保安庁の海上保安官を乗せる。

 基本方針は、同日開かれた与党海賊対策プロジェクトチーム(PT)に提示され、大筋で了承を得た。

 自衛隊法は、海上警備行動の保護対象について「海上における人命もしくは財産」と規定。政府側はPTで、外国船舶でも乗員に日本人がいたり、日本の貨物を積んでいる場合も「法律解釈上、保護の対象になり得る」との見解を示した。

 また、海賊が日本人に危害を加えるなど重大な罪を犯したケースを想定し、犯人の拘束、取り調べ、身柄の引き渡しや送検などの手続きを即時に行う必要があると判断。取り調べなどの権限を持たない自衛官に代わって、司法警察員である海上保安官が手続きを担うことにした。

 武器の使用については、海上警備行動では警察官職務執行法(警職法)を準用することになっており、正当防衛や緊急避難に限って可能。今後、警告・威嚇射撃だけでなく、海賊や海賊が乗る船を直接狙う「危害射撃」についても可能なケースを検討する。

ソマリア沖海賊対策 政府P3C派遣検討 監視情報 各国に提供

この論理からは、日本関係の貨物を積んでいるかどうかを如何にして確認するか、積んでいないとわかったら護衛しないのか、などという拡大解釈論が幅をきかせる可能性がある。(高田)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090114-00000086-san-pol
ソマリア沖海賊対策 政府P3C派遣検討 監視情報 各国に提供

1月14日8時1分配信 産経新聞

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(写真:産経新聞)
 アフリカ・ソマリア沖での海賊対策で、政府が海上自衛隊のP3C哨戒機の派遣を検討していることが13日、分かった。ソマリア沖で対海賊作戦を展開中の欧州連合(EU)部隊が拠点を置くジブチに派遣、空から海賊船の動向を監視することを想定している。海上警備行動での護衛艦派遣では外国船舶を警護できないなどの制約があり、P3Cの監視情報を各国にも提供することで国際協調を果たす狙いがある。

  ■地図でチェック■ 海賊多発海域と海自の補給活動海域

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 政府は同日の「与党海賊対策等に関するプロジェクトチーム」で、海警行動による護衛艦の護送対象に日本の貨物を積んだ外国籍船を含める考えを表明した。
ソマリア沖で日本関係船舶が輸送する日本の貨物は輸出入全体の6割にすぎないため、残り4割を運ぶ純粋な外国籍船にも警護対象を拡大し、海賊対策でより踏み込んだ措置を取る姿勢を鮮明にした。

 派遣されるP3Cは陸上の基地を使用するための地位協定の締結が受け入れ国との間に必要となる。このため、早期派遣は困難との見方があった。

 だが同日までに、EU部隊加盟のフランスなどが日本政府関係者に対し、EU部隊が締結しているジブチとの地位協定に日本を加えることで締結交渉を早期に完了できるとの見通しを伝達。P3C要員の訓練などの準備が整えば、早期派遣が可能な情勢となった。

 政府は海警行動の発令で3月にも護衛艦をソマリア沖に派遣する方針。だが、海警行動では日本と無関係の外国船舶を護衛できないため「国際協力に結びつかない」(防衛省幹部)との慎重論も根強い。派遣されるP3Cは日本の護衛艦に海賊船の展開情報などを提供することが任務となるが、得られた情報を海賊対策にあたる他国の艦船などに提供しても法律違反とはならない。

 EU部隊と協調して活動を行う場合、海自護衛艦もEU部隊の情報を共有でき、日本単独での活動に比べP3Cの派遣機数を抑えられるメリットもある。

 EU部隊は海賊の襲撃を受けた船舶を国籍を問わず警護するなど、ソマリア沖の海賊対策で中心的な役割を果たしている。各国艦船との連携も模索しており、海自護衛艦についてもEU艦隊の指揮下に入るよう打診している。ただ、海警行動での海自艦艇派遣ではEU艦隊並みの任務を行うのは困難で、政府はP3Cの派遣で国際貢献が果たせるか見極める方針だ。

                   ◇

【用語解説】地位協定

 海外派遣された自衛隊員が現地で事件を起こした際の刑事裁判権免除や関税の減免措置など法的身分を規定する。陸上に長期滞在しない海上自衛隊艦船などの派遣では結ぶ必要はない。国連平和維持活動(PKO)に参加する場合は、国連と受け入れ国が結ぶ地位協定を適用する。条約の一種だが、法改正や予算措置を伴わないため、国会承認は必要ない。

2009年1月13日 (火)

アフガンへの3万人増派承認へ=次期米大統領が意向-Wポスト紙

これはオバマ新政権の命取りになる。アフガン戦争のの泥沼に入り込むに違いない。対日「責任分担」要求が強まることを見ておかなくてはならない。日本の民主党がどうでるのか。これも同党の命運を左右することになる。(高田)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000129-jij-int
アフガンへの3万人増派承認へ=次期米大統領が意向-Wポスト紙

1月13日16時42分配信 時事通信

 【ワシントン13日時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は13日、オバマ次期大統領がアフガニスタンに最大3万人を増派する国防総省の計画を承認する意向だと報じた。これによりアフガン駐留米軍の規模はほぼ倍増する。
 ただ、同紙によれば、オバマ次期政権は、アフガンの治安情勢をこの増派で劇的に転換させられるとはみておらず、抜本的なアフガン戦略見直しを行うための時間稼ぎと考えている。

「朝雲」の報じる海警活動(首相指示に不満そう)

朝雲1月8日のコラムである。同日の朝雲は1面トップ記事で「課題多い海警行動」とする記事を載せ、「まだ不透明だ」と書いているが、インターネットからはまだこの記事は採れない(この部分、下段に追加14日)。(高田)
http://www.asagumo-news.com/f_column.html

首相は与野党の説得を
平木 公二(政治評論家)

ソマリア沖海自派遣
 大雑把に言えば、アフガニスタンからは大麻、ソマリアからは武器がそれぞれに海上ルートで運ばれている。テロと戦う国際社会にとって、これを断ち切るのが焦眉の課題となっている。
 麻生政権にとっては政治機能不全という事態をいささかでも打開し、政局の主導権を取り戻す道があるとすれば、これしかないのではないか。
 麻生首相が12月26日、首相官邸に浜田防衛相を呼び、ソマリア沖の海賊対策のため、海上自衛隊の現地派遣を検討するよう指示した。当面は自衛隊法の海上警備行動発令に基づく派遣とせざるを得ないが、近い将来には新法による対応も検討の対象とするという。
 ソマリア海域は海上輸送の要所で、年間2万隻の船舶が航行し、うち46%が日本関係の貨物を積載している。08年の海賊被害は24日現在109件に上り、うち3件は日本関係船舶だった。これまでに14隻の船が乗っ取られ、269人の乗員が人質になったままだ。
 ソマリア海域の海賊対策には10カ国以上が参加し、中国も26日、駆逐艦など3隻を派遣した。G8で艦船を出していないのは日本のみで、海運業界は海自の派遣を切に望んでいる。今回の派遣「検討」はむしろ遅すぎるくらいだ。
 海上警備行動が発令されれば、海自の護衛艦が日本関係船舶に並走して護衛したり、P3C哨戒機が上空から海域を監視したりすることになる。
 だが、海上警備行動は日本人の生命と財産の保護が目的とされている。いわば日本絡みの船舶が護衛や保護の対象で、外国船舶が近くで海賊に襲われても、見殺しにすることにもなりかねない。国際社会はそんな「身勝手」を許さないだろう。
 ロケット砲などの重装備をしている海賊を相手に武器使用基準の制約があることも気を重くさせている。領海内なら、海上保安庁法の規定が準用され、停船命令や立ち入り検査に応じない海賊への船体射撃が可能だが、領海外では、正当防衛や緊急避難を除けば、海賊に危害を及ぼすことはできないためだ。
 ソマリア海域で外国船舶の警護や任務遂行目的の船体射撃を可能にするには、海賊対策の新法や自衛隊派遣の恒久法を整備するしかない。
 だが、公明党は海自の派遣自体に消極的だ。与党は26日、自民党の中谷元・元防衛庁長官を座長とするプロジェクトチームを発足させたが、調整は難航が予想される。
 民主党も「憲法解釈がはっきりしないで法律を作って、なし崩し的に勝手なことをするのはよくない」(小沢代表)などと新法には慎重だ。
 しかし、麻生首相が海自派遣の必要性を正面から訴え、海上警備行動による派遣を準備しつつ、公明党を説得し、恒久法案の通常国会提出にこぎ着ければ、事態は確実に変わる。少なくとも、日米同盟堅持の観点から、与党内の造反は出にくくなるのではないか。

http://www.asagumo-news.com/news.html
ソマリア海域への海自派遣 課題多い海警行動
首相、早急な検討を指示

 ソマリア周辺海域で多発している海賊事案の対策について、政府・与党の取り組みが本格化している。麻生首相は昨年12月26日の閣議前に浜田防衛相を呼び、自衛隊が早急に対応できるよう検討作業の加速を指示したほか、関係閣僚にも検討を指示。これを受け、与党は1月7日に政策責任者会議を開き、海賊対策を検討するプロジェクトチーム(PT)を発足させた。一方、日本船主協会は同5日、前川弘幸会長らが首相官邸を訪れ、麻生首相に現行法の枠組みで海上自衛隊艦船の即時派遣を要請するなど、海運界からの要望も高まっている。ただ、現行法では海上警備行動による活動となるため、警護の対象は日本船籍などに限られ、他国籍の船が危機に遭遇しても対処できないなど、国際協調の観点から問題があるほか、万一の際の武器使用も制約されることから先行きはまだ不透明だ。

他国船籍は守れず 武器使用も大きな制約

 ソマリア周辺海域での海賊事件は昨年だけで計79件(11月4日現在)発生しており、日本関連船舶の被害も7件ある。とくに欧州への航路となっているアデン湾では昨年8月以降急増し、55件(同)も発生。アデン湾の航行安全の確保は、わが国の経済にも直結している。
 このため麻生首相は1月4日の年頭会見でも海賊対策を喫緊の課題として挙げ、与党をはじめ防衛省、関係省庁に対し、対策の検討を加速させるよう重ねて指示した。
 首相から指示を受けた浜田防衛相は、検討課題として現行法の海上警備行動の発令だと防護対象が限定されること、重火器で武装した海賊が他国の軍に銃撃して抵抗していることなどを挙げ、「的確に任務を遂行するにはどうするべきか、部隊派遣に当たって、いろいろな状況を想定して相応の準備を行う必要がある」と記者会見で述べている。
 海警行動では護衛艦は他国の艦船を防護できない。他国の船が襲われ、海自艦艇がそれを傍観すれば国際的な非難を浴びる結果にもなりかねない。武器使用要件も正当防衛や緊急避難の場合に限られ、海賊行為を制圧するための船体射撃などは認められていない。
 このため政府の総合海洋政策本部では、特措法や一般法の検討を進め,今国会への新法提出を目指しているが、麻生首相は「現行法制の中で自衛隊がやれることという意味では海上警備行動」と述べており、早急な対応となれば海警行動の発動が選択肢とならざるを得ない状況だ。
 一方、日本船主協会は5日、総合海洋政策本部長の麻生首相と河村官房長官に面会し、国連決議に基づき、新法制定を視野に入れつつも、まずは現行法の枠組みの中で海上自衛隊の艦船の即時派遣を決断するよう要望した。海運界は、国際社会がソマリア沖海賊対策へ本格的に動き出していることから、日本の対策が遅れることへの懸念を募らせている。
 昨年6月に国連安全保障理事会がソマリア海賊対策問題で決議を採択して以降、マレーシア、スペイン、英、露、印、中、韓国が海軍艦艇や哨戒機を派遣、または派遣を決めているほか、世界食糧計画(WFP)の食糧支援船の護衛でオランダやカナダ、イタリア、ギリシャが艦艇を派遣、国際社会の取り組みが活発化している。
 これら各国はアデン湾と紅海の入り口に位置するジブチなどを拠点に護衛や監視活動に当たっている。

海賊対策:海自派遣、続く足踏み

自衛隊法82条の適用は、隊法が制定された当時の「専守防衛」の立法趣旨からして大きく異なるだろう。日本の領海内で、海上保安庁の手に余る犯罪が行われる場合に適用するもので、日本から1万キロも離れたソマリアの海賊に適用できるわけがない。海賊は貧弱な漁船を使っており、ロケットランチャーを発射したことはほとんどない。これに自衛艦で立ち向かう愚かさを考えても見よ。なにがなんでも自衛隊を派兵しておきたいという与党の野心は容認できない。これは集団的自衛権の政府解釈の変更と、自衛隊海外派兵恒久法の制定にもつながる危険な動きである。(高田)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090113k0000m010111000c.html
海賊対策:海自派遣、続く足踏み

 東アフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊対策を巡る政府・与党内で足踏みが続いている。麻生太郎首相は、現時点でも実施可能な自衛隊法に基づく海上警備行動で海上自衛隊を早期に派遣し、次いで海自の活動の幅を広げる新法の制定を目指す。だが、浜田靖一防衛相は海上警備行動での自衛隊の派遣に慎重姿勢を崩していない。新法では政府・自民党が検討する自衛隊の武器使用基準の緩和に、公明党が難色を示している。【松尾良、犬飼直幸】
 ◇海上警備行動に限界

 「不測の事態に対応できる法律もきちんと作って出すのが正しいと思うが、早めに出したほうがいい」。首相は10日の内閣記者会インタビューでそう述べ、自衛隊法82条に基づく海上警備行動での早期派遣への意欲を改めて訴えた。公明党にも海上警備行動についての容認論が広がっている。

 首相は昨年末、浜田防衛相に検討を指示した。しかし、海上警備行動の発令権者である防衛相は慎重。9日の記者会見で「早く判断するより内容がどうかだ」と強調した。

 現行法で自衛隊員の武器使用が認められるのは正当防衛などに限られる。

 海賊はロケット砲などで武装しているが、規定では外国船の防護もできず、「助けを求める外国船に何もできない。これで国際協調といえるか」(防衛省幹部)。

 海上警備行動が発令されたのは過去2回だけ。ともに領海内に侵入した不審船や中国潜水艦への対処で、はるかかなたのアフリカへの派遣は「筋が違う」との指摘もある。
 ◇新法、政治問題化も

 政府・与党は、海賊対策で新法をまとめる必要性では一致しており、与党プロジェクトチームは9日、3月中旬の結論とりまとめに向けた議論を始めた。

 だが最大の懸案である自衛隊の武器使用基準の緩和は、政治問題化する可能性が高い。海賊船を停船させるための攻撃など、自衛官に「危害射撃」を認めるかどうかが焦点となるからだ。

 政府・自民党は「海賊取り締まりは警察活動。武力行使には当たらない」と緩和を検討する。しかし今後、アフガニスタンの追加支援などで新法が「前例化」し、なし崩しで海外での武器使用基準が拡大される恐れは否めない。自衛隊派遣に歯止めをかけたい公明党は「対策はあくまで現行の枠内で」(幹部)と緩和に消極的だ。
 ◇ソマリア沖への自衛隊派遣をめぐる論点◇

<海上警備行動>

・武器使用基準は正当防衛などに限定

・保護対象は日本籍船や関係船のみ

・拘束した海賊に対する司法手続き

・元々は日本近海での発令を想定

<海賊対策新法>

・船体射撃などの武器使用基準の緩和

・国籍を問わず海賊行為に適用する国

 内刑法や罰則

・海保との役割分担

【明解要解】ソマリア沖海賊と海自派遣 日本籍船以外も護送可能へ法制定

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090113/plc0901130825001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090113/plc0901130825001-n2.htm
【明解要解】ソマリア沖海賊と海自派遣 日本籍船以外も護送可能へ法制定
政府はアフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊被害を防ぐため、海上自衛隊艦艇を派遣して日本籍船の護送にあたる方針を決めた。日本関係船舶以外の船も護送できるようにするため、海賊対策の一般法制定も目指す。ソマリア沖のアデン湾は中東からの石油を運ぶ海上交通路(シーレーン)の要衝だ。米国や中国などがすでに艦艇を派遣している中で、日本は国連安全保障理事会決議の共同提案国でもあり、早急な対応が求められている。(政治部 杉本康士)

 ソマリアは約20年間、無政府状態が続いており、取り締まり機関が欠けた周辺海域では海賊事件が頻発し、発生件数は昨年1年間で100件を超えた。アデン湾は年間約2000隻の日本関係船舶が通航。日本関係だけでも、昨年1年間で3件の海賊事件が発生し、日本にとっても深刻な問題となっている。

 安保理は昨年、2回にわたり、関係各国に対し海賊抑圧のために艦艇などの派遣を求める決議を採択した。米国やフランスなど15カ国と北大西洋条約機構(NATO)がソマリア沖に艦艇を派遣しているほか、中国は6日からミサイル駆逐艦など3隻を護衛任務にあたらせている。

 国連決議の提案国であるにもかかわらず、海自派遣に踏み切っていない日本は、昨年末に自衛隊法82条で定める海上警備行動を発令し、護衛艦を派遣する方針を決めた。同法では日本籍船のほか、(1)日本企業が運航を管理している外国籍船(2)日本人が乗船している船舶-といった「日本関係船舶」を護送することが可能だ。

 ただし、現行法では日本関係船舶に該当しない船舶は護送できない。自衛隊法では海上警備行動の目的を「海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持のため」と規定しているが、「海上の人命・財産」の解釈について過去の国会答弁で「通常、日本人の人命および財産だ」としているからだ。
しかし、国連海洋法条約では「すべての国は、最大限に可能な範囲で海賊行為の抑止に協力する」としている。政府も「他国の船は助けませんではいかがか」(麻生太郎首相)との認識だ。また、日本の国内法には「海賊罪」がなく、当面は現行刑法の国外犯規定で摘発せざるを得ない。武器使用基準に関しても、海自艦艇は警察官職務執行法を準用するため、威嚇射撃や海賊側と同程度の武器での応戦しか認められていない。

 こうした不備を是正するため、政府は海賊対策の一般法策定の検討作業を加速させる方針だ。自民、公明両党は今月9日に「海賊対策等に関するプロジェクトチーム」の初会合を開いた。民主党も長島昭久衆院議員らが国会審議の場で、海賊対策で海自護衛艦を派遣すべきだと提案している。しかし、次期衆院選を年内に控え、与党との対決色を強める民主党内には「衆院選後、正統な政府ができた上での議論」(直嶋正行政調会長)との声もあり、一般法成立の見通しは立っていない。

2009年1月12日 (月)

世路音調査:内閣支持率10%代に。不支持70%、給付金不支持も70%代に

朝日、共同の調査で麻生内閣支持率が10%代に落ちた。朝日は19%、産経は18%代だ。読売でも20%そこそこ。不支持は7割台だ。給付金も7割以上の人々が反対している。こういう麻生内閣が海賊派兵法などをやろうとしている。解散の前に制定してしまおうというねらいだ。麻生首相にはこれによって民主を攪乱し、あわよくば民主の支持率を落とそうというねらいがあるようだ。水曜の市民連絡会の運営委員会で対策を相談したいと思っている。(高田)
http://www.asahi.com/politics/update/0111/TKY200901110149.html
給付金に反対63% 内閣支持19% 朝日新聞世論調査

 朝日新聞社が10、11の両日実施した全国世論調査(電話)によると、政府が補正予算案に盛り込んだ総額2兆円の定額給付金について、「やめた方がよい」が63%に達し、「政府の方針どおり配った方がよい」の28%を大きく上回った。麻生内閣の内閣支持率は前回調査(12月6、7日)の22%を下回る19%で、内閣発足以来最低となった。不支持率は67%だった。

 目玉政策のはずの定額給付金に対し、多くの国民が拒否感を抱いていることが示され、低支持率にあえぐ麻生内閣はさらに苦境に追い込まれた。「配った方がよい」は自民支持層でも48%にとどまり、「やめた方がよい」が43%いた。

 また、麻生首相は定額給付金の目的について、最近の国会答弁では「景気対策」と繰り返しているが、給付金が景気対策として「有効だと思う」人は18%にとどまり、「有効ではない」が71%を占めた。

 内閣支持率は、11月の前々回調査では37%だった。前回の急落から今回さらに低下し、福田内閣で最低だった昨年5月調査の19%と同水準まで落ち込んだ。自民支持層でも49%しかなく、党支持者の「麻生離れ」が顕著だ。

 財政再建路線から景気対策優先に方針転換した新年度予算案の方針については、「評価する」は33%止まり。麻生首相は予算編成による支持回復にも失敗した格好だ。景気回復を条件に3年後に消費税を増税するとの閣議決定も、「評価」は32%と、「評価しない」の56%を下回った。

 派遣従業員の契約打ち切りが相次いでいることを受けて、製造業への労働者派遣禁止が議論になっている。「かえって雇用が減るという意見もある」と紹介したうえで派遣禁止への意見を聞いたところ、禁止に「反対」が46%で「賛成」の30%を上回った。

 「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民25%(前回28%)、民主38%(同36%)など。民主の自民に対するリードが広がった。

     ◇
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090111-OYT1T00545.htm
内閣不支持7割超、給付金に反対78%…読売世論調査
世論調査・支持率

 読売新聞社が9~11日に実施した全国世論調査(電話方式)によると、麻生内閣の支持率は昨年12月の前回調査から0・5ポイント減の20・4%、不支持率は5・6ポイント増の72・3%となった。

 麻生首相と民主党の小沢代表のどちらが首相にふさわしいかとの質問でも、小沢氏が39%と前回の36%から増やしたのに対し、麻生首相は27%で29%から減らした。

 首相に向けられる有権者の視線は厳しさを増しており、麻生内閣はさらに困難な政権運営を強いられることになりそうだ。

 今回、麻生内閣の支持率は2割台になんとか踏みとどまったものの、内閣の不支持率が7割を超す高水準に突入したのは、森内閣以来だ。

 「麻生離れ」の大きな要因は、経済危機への対応を始めとする内閣の政策に有権者が不満を募らせているためと見られる。内閣を支持する理由では「政策に期待できる」が20%(前回24%)に減り、支持しない理由で「政策に期待できない」が36%(同32%)に増えたことにそれが読み取れる。

 麻生内閣が08年度第2次補正予算案の目玉としている総額2兆円の定額給付金についても、「支給を取りやめて、雇用や社会保障など、ほかの目的に使うべきだ」との意見に賛成と答えた人は78%に達し、支給撤回に反対する意見は17%に過ぎなかった。

 次の衆院比例選でどの政党に投票するかでは、民主39%(前回40%)、自民24%(同24%)などとなり、民主党が自民党を圧倒している。ただ、政党支持率は自民29・3%(同27・2%)、民主26・2%(同28・2%)だった。

 選挙後の望ましい政権は、「政界再編による新しい枠組み」が38%(同33%)と全体の4割近くに増え、「自民と民主による大連立」24%(同25%)が続いた。「民主中心」は22%、「自民中心」は12%だった。
(2009年1月12日02時09分  読売新聞)

http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011101000206.html

内閣不支持70%に拡大  共同通信世論調査

 共同通信社が10、11両日に行った全国電話世論調査で、麻生内閣の支持率は昨年12月の前回調査から6・3ポイント下落し19・2%となった。不支持率は8・9ポイント増の70・2%と森内閣以来約8年ぶりに70%を超えた。定額給付金については「評価しない」が70・5%と、昨年11月の同様の調査から12・4ポイント増加。「評価する」は23・7%(7・7ポイント減)だった。

 麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」への回答は、小沢氏が46・4%(昨年12月調査から11・9ポイント増)で麻生氏の22・1%(11・4ポイント減)の2倍以上になった。国民の「麻生離れ」は危機的水準に達し、首相はより厳しい政権運営を強いられ、衆院解散・総選挙に踏み切る時期の判断でも一層困難を迫られることになった。

 望ましい政権の枠組みは「民主党中心」が51・4%と初めて過半数になり「自民党中心」30・5%に20・9ポイント差をつけた。次期衆院選比例代表での投票先も、民主党が39・7%で自民党26・3%を13・4ポイント上回った。政党支持率も民主党が2・4ポイント増の31・1%、自民党は1・4ポイント減の27・5%と、麻生内閣では初めて逆転した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000514-san-pol
麻生内閣支持率18・2%、危険水域に 産経・FNN合同世論調査
産経新聞社は10、11の両日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で世論調査を実施した。麻生内閣の支持率は昨年11月の前回調査から9・3ポイント下落し、18・2%と初めて2割を割り込んだ。不支持率も13・1ポイント増の71・4%で7割を超えた。政党支持率でも民主党が自民党を上回っており、昨年末から続く政府・自民党の支持率低落傾向に歯止めはかからなかった。

 麻生政権への評価を聞いたところ、「首相の人柄」については29・4%が「評価する」と答えた。しかし、「首相の指導力」「景気対策」「外交政策」などを支持すると答えたのは、いずれも10%台にとどまった。反対に「指導力」と「景気対策」では「評価しない」と答えた人が、それぞれ85・1%と80・3%と8割を超えた。

 首相と民主党の小沢一郎代表の2人のどちらが首相にふさわしいかも聞いたところ、小沢氏が41・0%だったのに対し、首相は25・2%。「信頼できるのは」「政策がよいのは」「『選挙の顔』として魅力的なのは」といった質問でも、すべて小沢氏が首相を上回る結果となった。

 政党支持率は自民党が23・4%だったのに対し、民主党は26・6%。自民党は麻生政権発足以来、初めて逆転を許した。また、次期衆院選の比例代表で投票する政党を聞いたところ、民主党は41・5%を獲得し、29・0%の自民党を大きく引き離した。

 通常国会で焦点となっている定額給付金については、「ばらまき」で好ましくないと答えた人が75・1%。給付金の財源2兆円についても「ほかの政策に回すべきだ」と答えた人は79・8%にのぼった。

 だが実際に給付が決定すれば、84・8%が「受け取ろうと思う」と答え、受け取ろうと思わないと考えている人は11・4%にとどまった。

2009年1月11日 (日)

急変する世界 積極的外交を展開する時、アフガン派遣を検討せよ(1月11日付・読売社説)

読売の社説である。これは、いま、改憲派が望んでいることを率直に言い表しているのではないだろうか。余談であるが、「ブッシュ政権の後半は日米関係がギクシャクした」という評価は私の持論でもあり、面白い。安倍政権のもとでの日米関係、麻生政権のもとでの日米関係のことだ。
読売はアフガン新法を提唱し、その中で武器使用基準の緩和など、憲法9条に触れることを提起している。
また、ソマリア新法の制定を派兵恒久法につなげることを提唱している。これに民主党を巻き込むことが企てられている。その上で、集団的自衛権の行使の解釈の変更を提唱している。
この読売の企てを阻止しなくてはならない。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090110-OYT1T00883.htm
急変する世界 積極的外交を展開する時、アフガン派遣を検討せよ(1月11日付・読売社説)

 世界は今、様々な危機に直面している。米国発の金融危機を発端とする同時不況や、国際テロ、地域紛争、大量破壊兵器の拡散、地球温暖化、貧困などである。

 一つひとつの危機を克服し、世界の平和と繁栄を維持するため、日本が積極的に役割を果たす。国際舞台で自らの存在感を示し、発言力を確保する。そうした外交努力の積み重ねによって、初めて日本の国益は守られる。

 従来のような調整型の外交では、限界がある。中長期的な国家戦略を立案し、能動的な外交を展開することが求められている。

 ◆オバマ政権と同盟強化◆

 

米国の政権交代は、日米同盟を強化し、日本外交を発展させる好機である。

 今月20日に発足するオバマ民主党政権は、多国間外交を重視し、同盟国にも実質的な負担を求める姿勢を示している。

 米国は依然、政治、経済、軍事の各分野で強い影響力を持つ。日本外交が日米同盟を基軸とすべきなのは変わらない。重要なのは受動的外交を脱することだ。

 日本が何をすべきか自ら判断し、実行する。米国にどんな行動を求めるかを熟慮し、最も効果的な方法で働きかける。すなわち、日本がやるべきことをやり、米国にも言うべきことを言う関係を構築したい。

 当面の試金石は、オバマ次期大統領が重視するアフガニスタンへの自衛隊派遣の問題だろう。

 

アフガンでは、40か国以上の部隊が計1000人以上もの兵士の犠牲に耐え、アフガン復興や治安維持に汗を流している。「テロとの戦い」は正念場にある。

 海上自衛隊のインド洋での給油活動は、その一翼を担うが、それだけで日本の国力に見合う国際責務を果たしていると言えるか。


 政府は、陸上自衛隊の輸送ヘリコプターや地域復興チーム(PRT)のアフガン派遣について、より本格的に検討すべきだ。

 無論、一定の危険は避けられない。だが、ヘリコプターを改造して能力を高め、適切な派遣地域を選ぶことで、危険を最小限に抑えられる、との見方もある。

 

陸自のアフガン派遣には、新法の制定が必要となる。その際、正当防衛などに限定されている自衛隊の武器使用権限を緩和し、国際標準並みにすることが重要だ。

 ◆日中韓の潜在力の活用◆

 昨年11月の日米共同世論調査では、日米関係を良いと思う日本人が34%と、2000年以降で最低を記録した。米国による北朝鮮のテロ支援国指定の解除などが影響したと見られる。

 ブッシュ政権の後半は、北朝鮮の核・拉致問題をめぐり日米関係がぎくしゃくした。オバマ次期政権とは、より緊密に政策調整し、強固な連携を再構築すべきだ。

 北朝鮮問題では、中国、韓国との協調も大切である。

 中国との「戦略的互恵関係」をより実質的で、確かなものにするためには、北朝鮮問題や金融危機対策で、目に見える具体的な成果を上げることが求められよう。

 麻生首相はきょう、シャトル外交の一環で韓国を訪問する。頻繁な首脳会談を通じて、未来志向の日韓関係を育てたい。

 先月の日中韓首脳会談で確認したように、アジアの3主要国が幅広く協力を重ねることの意義は大きい。

 日中韓協力は多大な潜在力と可能性を持つ。地域の平和と安定に貢献する方向で、日本は指導力を発揮せねばなるまい。

 日本は今月1日から2年間、10回目の国連安全保障理事会の非常任理事国を務める。能動的外交を具体化する大事な足場となる。

 中東など世界各地の紛争解決や平和維持に積極的に関与する必要がある。長年の課題である日本の常任理事国入りを視野に入れた安保理改革にも取り組みたい。


 そのためには、自衛隊の国際平和協力活動を質、量ともに拡充することが欠かせない。12年連続で減少している政府開発援助(ODA)予算も、増加に転じさせるべき時だろう。

 国際協力活動の当面の課題は、ソマリア沖の海賊対策だ。

 通商国家・日本にとって海上交通路の安全確保は死活的問題だ。現場海域では、日本関連船舶がいつ襲われてもおかしくない。

 与野党は、海自の艦船や哨戒機を派遣するための新法を早期に整備するため、協力すべきだ。

 与野党が新法制定に協力できれば、自衛隊の海外派遣全般に関する恒久法の整備にも弾みがつく。安全保障関連法制は、国会の大多数が賛成するのが望ましい。

 自衛隊が実効性のある活動を行うには、「集団的自衛権は行使できない」とする政府解釈も当然、見直さなければならない。
(2009年1月11日01時28分  読売新聞)

自衛隊イラク派遣:「心に変調、不名誉」ため込み…妻もつらい 専門家が論文

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090110dde041010004000c.html
自衛隊イラク派遣:「心に変調、不名誉」ため込み…妻もつらい 専門家が論文
 ◇「反対」言い出せず過敏に

 5年に及ぶ自衛隊のイラク派遣活動が昨年12月で終了した。実質的な戦地への派遣は戦後初めてで、隊員とその家族の心も揺れ動いた。防衛省の協力を得た専門家が、イラクなどに派遣された自衛官とその妻たちにインタビューして論文にまとめた。派遣された隊員本人だけでなく、その妻にも強い精神的なストレスがもたらされている実態が浮き彫りになり、隊員と家族へのメンタルケアの体制整備が急務と言えそうだ。【本多健】

 調査は大学の文化人類学者がイラクや過去にPKO(国連平和維持活動)で海外派遣された経験のある三十数人の自衛隊員とその妻を対象にしたもので、論文は防衛関係の専門誌「国際安全保障」の07年12月号に掲載された。

 派遣隊員と妻に共通するのは我慢。不安で心に変調を来しても、それを不名誉と考え、ため込む傾向がある。

 「家族の反対があれば行かずに済む。でもなかなか言いにくい」。20代の妻は本音を語る。神経質になり、台所の換気扇の音にさえ敏感になったという。

 テレビで現地の情勢が報じられると、時に涙がこみあげた。心配をかけまいと自らは連絡を控えたが、夫からの電話には絶対出たいので、入浴時も携帯電話は手放さなかった。

 夫も同じだった。妻にイラクの人々との交流は話したが、危険な任務の内容を話すことは控えていた。過労の影響か、帰国後、夫は次第に仕事への意欲を失い、うつ状態になり一時精神科に通った。

 91年に始まった海外派遣は、冷戦期とは異なる心構えを家族に求めた。30代の妻は「派遣までは生命の心配は全くなかった。でも行かせたい。覚悟しないと」と心に決めた。しかし、出発直前になると不安になった。「海外に行ったら強くなる」と派遣歴のある隊員の家族に励まされたが、実感がわかず苦労した。

 別の30代の妻は、帰国後の夫の変化に戸惑った。生活が不規則で精神的なゆとりもない。「腫れ物に触るようだった。機嫌がいいかと思うと急に悪くなる」。夫はストレスが原因で一時入院した。医師から、自ら命を絶ちかねない状態だったと言われた。隊員の妻は夫に共感しようとする傾向が強く、心の危機は妻にも伝染しやすい。妻は「家族にもストレスがたまっていた」と振り返る。

 防衛省の調査では、ここ数年の自衛官の自殺率は、90年代後半に比べ1・5倍程度に増加した。イラクやインド洋に派遣された自衛官も、一昨年までに16人が自ら命を絶った。防衛省は「派遣が動機とは特定できない」と説明するが、激しい戦闘を経験した米国兵士の3割にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が見られるという報告もある。

 制服組幹部は「派遣の賛否とは関係なく、隊員と家族が悩みを語りあい、心の平安を保つ仕組みを整備する必要がある」と話した。

毎日新聞 2009年1月10日 東京夕刊

麻生首相インタビュー詳報】ソマリア沖の海自派遣「自衛官襲う強盗いるかね」(10日午後)

産経紙のインタビューのソマリア関係部分である。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090110/plc0901102113009-n4.htm
【麻生首相インタビュー詳報】ソマリア沖の海自派遣「自衛官襲う強盗いるかね」(10日午後)
【ソマリア沖への海自派遣】

 --ソマリア沖の海賊問題だが、海上警備行動による海上自衛隊の派遣を首相は検討しているが、いつごろ派遣するという目途はあるか

「そうですね、海自、いま昨年末に浜田(靖一)防衛相にこの話を指示したところですけれども、少なくとも日本の船という定義は難しいんですけども、置籍船とか便宜置籍船とかいろんなものがあるんですが、少なくとも日本の荷物とか、日本のモノを積んで運んでいる船まで入れますと、かなりの台数になるんだと思いますんで。それが、どこかの国でやるんじゃない。海賊ですから。そういった、陸(おか)でいえば、陸でやって、陸上でいえば強盗ですから。そういうものから襲われるというのを何もしないで放置しているというのは、これは日本の国家として、なんとなく日本の船が襲われてなきゃいいんじゃないかという種類の話じゃないじゃないかねえ。世界中でみんなこれいろいろ海軍を出し、そういった取り締まりをやっているんであれば、日本もそれに参加して、まずは海上警備行動、やれる範囲がありますから、そういったもので出ていく。少なくともそこに、なんていうの、自衛官が出てきてよ、自衛官に襲いかかる強盗っているかねえ、ふつう。制服のお巡りさんがそこに立っていたら、ちょっとなんとなく仕掛かろうなんていう人はふつういないと思いますよ。そこに遊弋(ゆうよく)しているだけで、そこに存在しているだけで犯罪発生を抑止するという効果があると思いますんで。その意味でも大きい。で、撃たれた場合、撃ち返せるわけですから。そういった意味で、まずはそれでやって」

「しかし、派遣される自衛官のことも考えたら、これは危険で、丸腰でとかいう話やら、よくある話でしたけれども、われわれはカンボジアにPKOを派遣したとき以来、殉職者も出しますんで、そういった意味では十分にそういったものを考えてやる配慮は、やっぱりそういった危険な地域に行かせる立場としては、そういったものを十分に配慮してやるのが当然だと思いますから。そういった不測の事態に対応できるような法律もきちんと作って出すのが私は正しいと思いますが。ただ、時間的なことをいいますと、もうかなりあちゃこちゃ、あちゃこちゃになって、まだ日本人は襲われていないだろうとかなんとかいう種類の話ではないんじゃないかと私自身は思いますけれどもね。だから早めに出した方がいい。私自身はそう思っているところですけれども、いま、これは与党のプロジェクトチームで今やっている最中だと思いますんで、早急に結論を得てもらいたいなあと思っています」

ソマリア沖海賊対策、与党PTが初会合

数日、留守にしたので掲載が遅れたが、与党はソマリア派兵は従来語られていた「特措法」でなく、海賊対策新法という「一般法」でやるという。この論理によれば、企業の活動を守るためにと称して、「海賊」から「ゲリラ」へと進のも時間の問題だ。派兵恒久法の企ての一歩手前まで来たことになる。明らかに憲法9条に抵触する。政府は海賊対策は「国際紛争」ではないというにちがいない。かつて「戦争」とよばず、「事変」と言い換えて侵略戦争を始めた歴史がある。こんなでたらめを許してはならない。(高田)
http://www.asahi.com/politics/update/0109/TKY200901090139.html
ソマリア沖海賊対策、与党PTが初会合

 ソマリア沖の海賊対策を検討する与党海賊対策プロジェクトチームの初会合が9日、国会内で開かれ、共同座長に自民党の中谷元・安全保障調査会長と公明党の佐藤茂樹・安全保障部会長が就任した。海賊対策新法(一般法)を3月までにまとめるほか、法制定までの「つなぎ」として、海上警備行動発令による海上自衛隊派遣、国連や各国への支援策について検討する。

 中谷氏は「現行法による対策の可能性や運用の問題点、武器使用などの対処要領を検討する」とあいさつ。佐藤氏は「海上輸送等の安全確保は重要だ。できることから早急に実効的な対策を講じる」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090107-OYT1T00007.htm?from=nwla
海自ソマリア派遣へ新法、今国会提出へ…海賊船射撃も検討

 政府は6日、ソマリア沖などの海賊被害に対応するため、新法「海賊処罰取締法」(仮称)を今国会に提出する方針を固めた。

 現行法では明確でない海賊行為を新たに犯罪として明記。海上保安庁と海上自衛隊に取り締まり権限を付与し、海保の能力を超える事案は海自が取り締まる。日本関係船舶以外の外国船舶も護衛できるようにするほか、任務遂行目的の船体射撃も検討する。自民・公明両党と調整し、3月までに通常国会に提出、会期内の成立を目指す。

 新法成立までの間は、「つなぎ」として、自衛隊法の海上警備行動発令による海自のソマリア沖派遣を視野に入れている。

 新法は6条前後で構成される見通し。国連海洋法条約に従い、私有船舶や航空機が私的目的のために行う「不法な暴力行為、抑留、略奪行為」を海賊行為として定義し取り締まることを規定する。取り締まりの主体は海保と海自とする。海保を基本とし、海自艦船については、敵の武装程度などを考慮し、海保巡視船の能力を超える場合にのみ派遣するとの役割分担を明記する。

 取り締まりの対象とする海賊行為は、いずれの国の管轄権も及ばない「公海上」のものとする。ソマリア沖に限らず、マラッカ海峡なども対象となる。海上警備行動と異なり、日本関係船舶以外の外国船舶も護衛できるようにすることを明文化し、国際協調活動に支障がないようにする。

 海賊行為の定義に関し、暴力行為を直接行う者だけでなく、「扇動、助長」する行為も含むこととする。船長も含む海賊船の全乗組員を犯罪者として逮捕できるようにして、取り締まりの実効を確保する狙いだ。

 艦船派遣にあたっては、国会承認規定を設けない方向で調整している。取り締まりの際の武器使用のあり方は、今後、与党と話し合って詰める。

 海上警備行動の場合は、警察官職務執行法が準用されるため、原則として正当防衛や緊急避難を除き、犯罪者に危害を加えることは認められていないが、新法では任務遂行目的の船体射撃が可能となるよう武器使用要件の緩和を検討する。
(2009年1月7日03時04分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090111-OYT1T00210.htm
海賊対策会合に代表派遣、関係国と連携強化狙う…政府

 政府は、アフリカ・ソマリア沖の海賊被害への対応策を協議するため、今月14日に米ニューヨークで開かれる「海賊対策関係国会議」の初会合に、政府代表を派遣する方針を固めた。

 海賊対策への海上保安庁や海上自衛隊の艦船派遣を視野に、米国や欧州連合(EU)などすでに現地に艦船を派遣している各国と連携を強化するのが狙いだ。

 会議は、国連安全保障理事会が昨年12月16日、ソマリア沖海賊の阻止に関する決議を採択したことを受けて開かれるもので、ライス米国務長官が各国に出席を呼びかけている。初会合には米国やロシア、中国など約20か国の参加が見込まれており、日本からは外務省幹部が出席する方向で調整している。会議は、海賊対策活動を行うために情報を集約する「情報共有センター」の設立や、逮捕した海賊の取り扱い方法での連携などについて検討するワーキンググループの設置を目指している。ソマリア周辺国に常設の海賊対策の事務局組織を設けることも議論する方向だ。

 日本としては会議への参加を通じ、国際協調の枠組みの中で海賊対策を進めていきたい考えだ。
(2009年1月11日09時33分  読売新聞)

朝日新聞:派遣切り、限界集落…そこに「共産党」―ルポにっぽん

本日の朝日新聞を見て驚いた。1面左から2面にかけての長大なルポである。共産党について、こんな記事がマスメディアに載ったのを私はかつて知らない。そして、その内容である。聞いてはいたが、こういう時代がきたのだなあと、つくづく考えさせられた。良い記事である。この記事は率直に受け止めるべきだと思う。(高田)
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213.html
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_01.html
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_02.html
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_03.html
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_04.html
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_05.html

 「派遣切りは許せません」

 1月5日午前8時。三菱電機名古屋製作所(名古屋市東区)前で出勤してくる従業員にビラを配る人の中に、佐藤剛さん(仮名)がいた。

 キャバクラ嬢のスカウトや客引きの経験があるというだけあって、声がよく通る。両手をポケットに突っ込んだまま完全無視を決め込む人には少しカチンとくるが、よく考えたら自分も1カ月前まではああだったな、と思う。

 昨年12月5日夕。仕事を終え家路を急いでいると、「ハケンギリ」という言葉が耳をかすめた。出所を探し、辺りを見回す。ビラを配っている人たちがいることに気づき、引き返して、もらった。

 その3日前、まさに切られた。5月から三菱で派遣社員として働き、2月末までの雇用契約を更新したわずか3日後、1月9日付での解雇と寮からの退去を通告された。

 北海道出身の33歳。地元の高校を卒業後、職を転々とし、3年半前に愛知県へ。三菱では1日約8時間、製品検査などの流れ作業をこなした。手取りは月約10万円。

 寮の自室でビラを開いた。「派遣・期間工・契約社員でも期間途中の一方的解雇は違法」に衝撃を受けた。

 正社員でないから「雇用の調整弁」扱いされることは覚悟していた。解雇を通告された時、真っ先に去来したのは「予想より早かったな」というあきらめだった。何の補償もなく職も家も奪われて放り出されても、派遣だから仕方ないかと思っていたが、そうか。だまされてたんだ――。

 「やり方が汚い」。このまま泣き寝入りしたくない。携帯電話を取り出し、ビラに載っている番号を押した。そこには「相談はどんなことでも日本共産党へ(無料)」とあった。
翌日、共産党の名古屋北西地区委員会で、専従職員の石田進さん(36)に相談に乗ってもらった。1人でも誰でも入れる労働組合をつくり、三菱や派遣会社と闘っていくことを決めた。1週間後、石田さんに入党を誘われた。選挙には一度も行ったことがない。ただ、派遣労働を原則自由化する99年の法改正に唯一反対したと聞き、「入れて下さい」と即答した。

 「年末より人が減ってませんか」。5日、三菱の前での新年初のビラ配りの合間に佐藤さんが耳打ちすると、石田さんは「派遣の人が相当切られてる感じだね」。それでも1時間で500部のビラがはけた。1年前は20部がやっと。昨秋以降、空気が劇的に変わったという。

 昨年12月下旬、佐藤さんらは「名古屋北部青年ユニオン」を立ち上げ、三菱に団体交渉を申し入れた。同じように派遣切りにあった人から連日、「声をあげてくれてうれしい」「私も闘いたい」というメールがユニオンに舞い込む。自身は寮にとどまって次の職を探している。先行きは明るくない。

 こんなゆがんだ社会はいつか根底から変わらざるを得なくなるぞと夢想してきた。しかし、傍観者としてその時を待つより、自ら動いた方がはるかに楽しい。

 「社会を変えたい。オバマじゃないけど、『チェンジ』ですよ」

 ■誰かに聞いて欲しかった

 昨年12月、名古屋市のうどん屋で、共産党員になったばかりの増山雅一さん(43)と向き合った。「いっぱい食べて下さい」。定食をすすめると、「ギリギリの生活で、すっかり胃が小さくなっちゃって」とおなかをさすった。

 5年前から派遣社員として全国を回ったが、昨年9月、次の職場が見つからずホームレス状態に。何とか以前いた会社に戻ったものの、人減らしで仕事量が倍増していた。腱鞘(けんしょう)炎や胃痛になっても、国民健康保険料を滞納していて病院に行けない。夜勤中、製品を持ったまま失神すると、正社員は「気をつけてよ。高いんだから」。そこも10月で切られた。
 昨年11月24日、金策のため故郷・栃木へ向かった。途中、弟から携帯に電話が入り、静岡県・浜名湖畔の駅で下車。口論になってホームで泣き叫んで…… そこから記憶がない。気づいたら駅の事務室にいて、駅員から「線路を渡って新幹線に飛び込もうとしていたので取り押さえた」と教えられた。

 生きるしかない、でもそのすべがわからない。ふと「困ったことがあったら共産党に行け」という叔父の言葉を思い出し、地区委員会を訪ねた。

 東京の有名私大を卒業してカード会社に就職したんですが、8年で辞めました。父親が借金苦で自殺したのに債権回収の仕事に回され、心と身体が壊れちゃって。でもあの時、栃木に戻らず東京で次の職を探していればこんなことには――。話し出したら止まらなかった。誰かに聞いて欲しかったんだ、と気づいた。

 入党を勧められた時、わが身すら支えられない劣等感もあって二の足を踏んだ。でも「同じ境遇の人に『一人で悩まないで』と呼びかけて」と言われ、「自分も何かの力になれるかな」と決意した。現在、家を失った人の自立支援施設からパートに出ている。

 「今月末で自主退職して下さい」。愛知県に本社を置く住宅会社の営業マン、藤川修さん(43、仮名)は昨年11月末、人事担当者にこう言い渡された。会社は前年比130%の増収で、社長を含め社員は4日前にグアム慰安旅行から帰ってきたばかりだった。

 上司や同僚は見て見ぬふりを決め込んだ。当事者もバラバラで、「連帯して会社と闘うなんて、とてもできなかった」。これまで仕事だけちゃんとやっていればいいんだと思って生きてきた。だが、自分と社会の両方を考えなければダメだ、と思い知った。
共産党に投票したことは一度もない。05年総選挙は「自分の言葉を持っている小泉さんのファンだった」から自民党に入れた。昨年9月、インターネットで志位委員長の演説を聴き、「いいこと言ってるな」と、しんぶん赤旗の見本紙を注文していた。会社が退職金に給与1カ月分上乗せなどの条件をのんだので退職し、入党した。

 ■悲鳴拾えぬ二大政党

 「共産党をよく思っていなかった人も、『助けてくれるのはもうここしかない』と勇気を振り絞って接触してくるようになった」。ある地区委員会の幹部は言う。

 自民党に電話したら「一般市民の相談には応じない」と言われたという失業中の40代の女性。派遣切りで役所に相談に行ったら「そういうことなら共産党に」と勧められたという32歳の男性。「退職を強要されたが、役所も労組も閉まっていて、土日も相談に乗ってくれるのは共産党だけだった」という25歳の男性……。まるで現代の「駆け込み寺」だ。

 小選挙区制導入後、自民、民主の二大政党制が進んだ。しかし、「働く貧困層」のような新たな課題、地域固有の切実な問題に、政治はこたえきれていない。生活がそれなりに回っている時、不当に扱われて不満があっても、多くの人は抗議の声をあげなかった。だが、がけっぷちに立たされ、声を上げるしかない状況に追い込まれた時の足がかりとして、全国に約2万2千の支部を置く共産党やNPOのドアがノックされている。

 「仕事の悩み、一緒に解決しましょう」。共産党も2年ほど前から、街頭でまくビラを雇用問題に焦点を当てたものにするなど工夫をこらしている。実際、インターネットの検索エンジンに、「雇用」「派遣切り」「リストラ」といったキーワードを入れると、共産党のページが上位に並ぶ。それを読んで電話してくる人も多い。
「でも、彼らの政治的な受け皿が共産党しかない、みたいな今の状況は……」。私が言葉を継ぐのをためらうと、先の幹部は「それは、悲劇ですよ」と引き取った。

 党員増を喜んでばかりもいられない。彼らと手を携え、実際に政治を動かしていけるのか。

 「共産党もまた、試されているのです」

 ■山村の高齢者も続々

 奈良県橿原市からレンタカーに乗って約1時間半。国道169号を左に折れ、車1台通るのがやっとの山道に入る。ヘッドライトの光は夜の闇にのみ込まれて頼りなく、一向に視界は開けないのに、カーナビはここが目的地周辺だと告げて勝手に案内を終了してしまった。恐怖心を抑え、10分と少し進む。ようやく、人家の明かりが見えた。

 奈良県川上村井光(いかり)。住民95人のうち67人が65歳以上という「限界集落」だ。昨年3月以降、60~85歳の計10人が新たに共産党員になった。

 夫婦で入党した前北均さん(79)の自宅に昨年11月末、同じように入党した女性3人が集まった。みんな元山林労働者で、労組の関係から旧社会党を支持していたという。入党したのは、井光に住む村唯一の共産党村議、塩谷章次さん(63)に頼まれたから。塩谷さんに誘われ、マイクロバスで党幹部の講演を聴きに行き、親近感も抱いていた。

 「こないだの志位さんの話は、思わず身を乗り出すほどええ話やったねえ」

 「ほんまやな。ま、家に帰ってきたら全部忘れてしもとったけどな(笑)」

 別に共産党でなければならないわけではない。ただ、自分たちの不満や不安に耳を傾け、つながりを持とうとしているのは共産党しかない、と感じている。
 時折、塩谷さんが共産党の政策やビジョンを語るが、すぐにまた話は、いかに生活が大変かに戻る。後期高齢者医療制度の保険料負担が重い。民営化で郵便配達員にお金を預けられなくなった。自家用車がないと、病院に行くにも年金を引き出しに行くにもタクシー代がかかる……。

 村には高校がない。子どもは15歳で村を離れ、それきり戻って来ない。かつては吉野杉の産地として知られたが、安い外材に押され低迷。65年に7200人いた人口は、2千人を切った。今春、中学生が卒業すると、井光には子どもがいなくなる。「10年後、ここは消滅してるかもな」。掘りごたつを囲んでいた陽気な笑い声が沈黙に変わった。

 川上村の衆院奈良4区は、次の総選挙で自民と民主の一騎打ちとなる見込みだ。水面下で「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」が進む。主導しているのは、村の元森林組合長(85)。50年来の自民党員だが、郵政民営化を契機に民主党支持に変わった。「民営化は必ず、地方や弱者の切り捨てにつながる」。共産党に投票することに抵抗感はないという。

 「自分の考えを持って行動しないと、村も政治もよくならないと思うようになった。それがなかったら、惰性で死ぬまで自民党支持だったかもしれない」(高橋純子)

 ■党員も「赤旗」購読者も増加傾向

 共産党広報部によると、党員数は90年の約50万人をピークに減少。94年以降は40万人前後で推移していたが、07年9月から昨年12月末までの間に約1万4千人が新たに入党した。低迷を続けた機関紙「しんぶん赤旗」の購読者数も昨年5月以降、8カ月連続で増え、新規購読者は約2万人に上る。

2009年1月10日 (土)

ソマリア沖への自衛隊派兵に反対する/志位委員長が表明

この内容は基本的に同意できるものだ。こうした方向でのキャンペーンが求められていると思う。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-09/2009010901_03_0.html
ソマリア沖への自衛隊派兵に反対する/志位委員長が表明

(写真)記者会見する志位和夫委員長=8日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は八日の記者会見で、政府・与党が海賊対策を口実に東アフリカ・ソマリア沖へ海上自衛隊を派兵させる新法などを協議していることについて記者団から問われ、「海賊という犯罪行為は、警察行動で解決すべきであり、ここに軍艦を出すというのは筋違いだ。“憲法違反の自衛隊派兵ありき”という態度であり、反対だ」と表明しました。

 志位氏は、派兵される海上自衛隊の武器使用の緩和が検討されていることについて、「憲法に反する武力行使につながる」と強調。自衛隊法八二条が規定する海上警備行動で対応するとしていることについては、「海上警備行動を世界の果てまでやるということは自衛隊の任務として認めがたい」と批判しました。

 そのうえで、志位氏は「日本がまずやることは、周辺国が共同して行っている警察行動に対する海上保安庁の技術支援、資金支援で、これをきちんとやることが筋だ」と強調。また、二十年にわたるソマリアの内戦が漁民を海賊化させているとして、「この根本に対処することが日本のような憲法をもつ国としてとりわけ大切なことだ。ソマリア内戦を終結させ、民生支援をしっかりやるために国際的な枠組みの中で真剣に努力することだ」と指摘しました。

アフガンでの対テロ支援、政府が輸送用ヘリ改修に4億円拠出

こうしてどんどんアフガンに深入りする日本。(高田)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090109-OYT1T00038.htm
アフガンでの対テロ支援、政府が輸送用ヘリ改修に4億円拠出

 政府は、アフガニスタンでの「テロとの戦い」への支援として、国際治安支援部隊(ISAF)の輸送用ヘリコプター改修費に充てるため、北大西洋条約機構(NATO)に設けられた信託基金に300万ユーロ(約4億円)を拠出することを決めた。

 米政府などが求める自衛隊の大型輸送ヘリの派遣に代わる対応として、国際社会の理解を求める考えだ。

 日本が拠出する資金は、エンジンの出力アップや砂ぼこり対策、通信機材の設置、陸上からの攻撃に備えた防御板の取り付けなどに使われる。政府は軍事行動への直接的な貢献にならないようにするため、攻撃用ではなく輸送用のヘリの改修だけに資金が使われるよう、「使い道を厳しく確認する」(外務省)方針だ。

 信託基金は昨年4月、ISAF参加各国のヘリ改修費を集めるため、英国などの提唱でNATOに設立された。山岳地帯が多く、治安悪化で陸路が危険なアフガンでは、物資輸送や治安維持にあたるヘリの需要が高い。しかし、気象状況などで使えない旧式ヘリも多く、問題になっていた。
(2009年1月9日03時07分  読売新聞)

外務省、アフガンに文民派遣へ 復興チームに参加

これは重大な問題だ。外務省職員=文民の派遣だから問題がないなどということではない。PRTとは軍民が一体となった「地域復興チーム」のことだ。JVCなどのNGOがかねてから警告しているように、この支援活動は米軍と一体の侵略と見なされるものだ。日本がこれに加担すること自体が、侵略行動と見なされる恐れが生じるのだ。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0109/TKY200901090298.html
外務省、アフガンに文民派遣へ 復興チームに参加

 外務省は9日、アフガニスタン中西部のチャグチャランで展開する軍民一体型の地域復興チーム(PRT)に、同省職員2、3人を春にも派遣すると発表した。日本はPRTに資金援助はしてきたが、人を派遣するのは初めて。

 現地でPRTを主導するリトアニアの要請を受けた。現在はクロアチアやデンマークなどが参加し、警察官の訓練や地方行政への助言、開発援助をしている。治安が比較的安定していると判断し、日本も文民の派遣を決めた。医療や教育分野の支援、インフラ整備などを強化するため、各国との調整を進める。

2009年1月 6日 (火)

ソマリアの海自派遣、首相「集団的自衛権とは別」

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090106AT3S0502E05012009.html
ソマリアの海自派遣、首相「集団的自衛権とは別」

 麻生太郎首相は5日、首相官邸で日本船主協会の前川弘幸会長(川崎汽船社長)と会談した。前川会長はソマリア近海で急増する海賊被害について「艦船によるエスコートのみでも海賊行為抑止効果が期待できる」と述べ、海上警備行動発令による自衛隊の即時派遣を要請。首相は「集団的自衛権の問題とは別だ。警察官がいればかっぱらいはできない。早急に検討する」と応じた。

 河村建夫官房長官も同日の記者会見で、海上自衛隊派遣に関して「与党でプロジェクトチームを立ち上げてどういう対応ができるかしっかり議論してもらい、できるだけ早く政府方針を決めたい」と強調した。

 首相は4日の年頭記者会見で、政府の憲法解釈上禁じられている集団的自衛権の行使に絡め「ソマリア沖の海賊の話などを含めて引き続き検討しなければならない」と述べていた。5日の発言は集団的自衛権ではなく警察権の行使とみなして海自派遣を検討する考えを明確にしたものだ。(05日 20:36)

派遣村、まじめに働こうという人なのか?と坂本総務政務官

政治家が財界の要求をいれて、1999年にとんでもない派遣法を決めて、子婦下自体を招き、働かなければ食えない人々を寒空の放りだしておきながら、自らの責任は棚上げにして、よくもこんな事が言えたものだ。かつての学生運動の戦術・戦略に似ているって? アホも休み休み言えよ。人々が立ち上がって闘えば、どこででも多かれ少なかれ、こうした闘い方になるのだ。なにもしらない坂本のようなアホが何をいうか! これは派遣切りにあった労働者に対する侮辱だ。もっとまじめにこの問題に対応しろ。(高田)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090105-OYT1T00628.htm
派遣村、まじめに働こうという人なのか?と坂本総務政務官
大揺れ雇用

 坂本哲志総務政務官(自民、衆院当選2回)は5日、総務省の仕事始め式のあいさつで、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかな、という気もした」と述べた。

 さらに、「『(厚生労働省の)講堂を開けろ』『もっといろんな人が出てこい』(と要求される)。学生紛争の時に『学内を開放しろ』『学長よ出てこい』(と学生が要求した)。そういう戦術、戦略がかいま見える気がした」と語った。

 坂本氏は地元の熊本県では厳しい経済状況の中で助け合っているとしたうえで、派遣村のあり方に触れた。

 民主党の小沢代表、国民新党の綿貫代表ら両党幹部は5日夜、都内で会談し、坂本氏への辞任要求も視野に、発言の責任を追及することで一致した。
(2009年1月6日00時03分  読売新聞)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2009010600256
坂本政務官の罷免要求へ=民主

 民主党の山岡賢次国対委員長は6日午前、坂本哲志総務政務官が「年越し派遣村」に集まっていた人たちを「まじめに働こうとしているのか」などと発言、その後に撤回したことについて、「撤回してもまさに本音で、政務官としてふさわしくない。解任を要求していく」と述べ、坂本氏の罷免を内閣に求めていく方針を明らかにした。国会内で記者団に語った。 (了)
(2009/01/06-10:55)

生活破壊・戦争協力反対/共同行動大きく/5・3憲法集会実行委が院内集会

昨日の院内集会の赤旗紙の報道です。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-06/2009010606_01_0.html
生活破壊・戦争協力反対/共同行動大きく/5・3憲法集会実行委が院内集会
志位委員長があいさつ

 二〇〇九年5・3憲法集会実行委員会は五日、国会内で、通常国会開会日にあたり、「生活破壊と戦争協力を許さない」と集会を開き、百三十人が参加しました。

(写真)生活破壊と戦争協力を許すなと開かれた集会。あいさつするのは志位和夫委員長=5日、衆院第一議員会館

 主催者あいさつした高田健氏(許すな!憲法改悪・市民連絡会事務局)は、「解釈改憲による憲法破壊や憲法審査会始動の動きを許さないため、共同行動をさらに大きくひろげよう」と訴えるとともに、同実行委が初めて「生活破壊反対」のスローガンを明確にしたとのべ、九条と二五条を中心とした憲法三原則を実現するための運動をと提起しました。

 あいさつした日本共産党の志位和夫委員長は、アメリカの一国覇権主義が破たんしたもとで、戦争放棄をうたった憲法九条が世界の羅針盤になっていると強調。派遣自由化の“政治災害”によって二五条の生存権を無視した派遣切りが横行する中で、二八条が保障する労働三権を行使して労働者が立ち上がったと指摘。「九条、二五条、二八条を結び合わせて壮大な国民運動をつくる年にしましょう」とよびかけました。

 参加した各団体の代表が発言し、「工場前宣伝や街頭相談などで労組をつくり派遣切りとたたかおうと運動してきた」(憲法会議)「イラク、アフガニスタンからの米軍撤退と日本の戦争協力をやめさせるとりくみが大事になっている」(女性の憲法年連絡会)と発言しました。

 共産党からは志位委員長のほか衆・参国会議員七人が参加し、社民党から重野安正幹事長らが参加しました。

2009年1月 5日 (月)

産経【主張】首相年頭会見 憲法解釈見直しの好機に

昨日の麻生首相年頭記者会見に早速、産経の「主張」が飛びついた。集団的自衛権の従来の政府解釈を見直そうという主張だ。その支えに安倍晋三がつくった「安保法制懇」の提言を使おうとしている。
九条の明文改憲ではなく、解釈を変えることで、九条を破壊しようという動きである。麻生内閣のこうした動きに対して、この法制懇提言自体が、はじめに結論ありきの噴飯ものであったことを改めて暴露しなくてはならない。ソマリア沖海賊対策派兵法が、特措法にするか、恒久法にするか、自衛隊法などの解釈の拡大でやってしまうかなど、さまざまな要因で法制化が困難になっているときに、その困難を集団的自衛権の解釈変更で突破してしまおうというわけだ。
支持率の急落など、内外の懇案の前で立ち往生しつつある麻生内閣が、野党分断などによる失地回復の手段の一つにしようとして、こうした集団的自衛権の解釈変更に手を付ける企てを許してはならない。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090105/plc0901050231001-n1.htm
【主張】首相年頭会見 憲法解釈見直しの好機に
麻生太郎首相は年頭の記者会見で、ソマリア沖に海上自衛隊の艦船を派遣する場合、現行の憲法解釈のために海賊対策の効果が上がらず、海自隊員が危険に遭うことはあってはならないと明言した。同時に「議論を行う必要がある」と強調した。

 これは集団的自衛権の行使を禁止としている憲法解釈の見直しなどを具体的に検討していく意向を示唆したものだ。

 海賊対策やテロとの戦いなど、自衛隊がその能力を効果的に発揮するには、集団的自衛権行使に関する解釈の変更は不可欠だ。首相が改めて前向きな姿勢を示したことを評価したい。

 外国船が海賊に襲撃された場合、海自艦艇が海賊を抑止するための実力行使は、内閣法制局の判断で「武力行使と一体化する」として容認されずにきた。そうした解釈は現実的でないことを首相が事実上認めた意味は大きい。

 昨年6月、福田内閣で政府の懇談会から従来の憲法解釈の変更を求める提言が出されている。

 提言には、国連などが行う国際的な平和活動における武力行使につながる可能性のある行為について、これまでの憲法違反との解釈を改め、「集団安全保障への参加は憲法第9条で禁止されないと整理すべきだ」としている。

 米国をねらった弾道ミサイルの迎撃や国際平和活動を行う友軍が攻撃された場合の反撃なども問題はないと整理されている。当たり前のことが放置されてきた。

 

麻生首相は「この報告書を踏まえて検討する」と述べた。首相の指導力で現実的な解釈に移行する時期を迎えている。

 民主党の小沢一郎代表もソマリア沖への海自艦派遣について、憲法解釈の明示を条件に一定の理解を示している。党首間で論議する格好のテーマだろう。

 一方、5日召集される通常国会に関し、首相は予算案や関連法案の早期成立を最優先させると表明し、民主党との話し合い解散には応じない見解を繰り返した。

 これに対し、小沢代表は4日の会見で定額給付金の撤回と解散を求める姿勢を崩さなかった。

 こうした対立状況の下で「100年に1度」の経済危機を乗り切ることができるのだろうか。

 深刻化する雇用情勢への対処など、党派を超えて政治が緊急に果たす役割を双方が模索すべき時であることを強調したい。

2009年1月 4日 (日)

麻生首相:年頭記者会見の全文(3) 外交・防衛など

首相の年頭記者会見での表明である。集団的自衛権の行使を検討すると言っている。また、安倍内閣のヤラセ懇談会である安保防衛懇の答申をそれなりに有用なものと見ている点も要注意である。(高田)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090104k0000e010024000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090104k0000e010024000c2.html
麻生首相:年頭記者会見の全文(3) 外交・防衛など(1/2ページ)

【集団的自衛権行使】

Q 集団的自衛権について。総理は去年、国連総会で集団的自衛権行使できるように憲法解釈を変えると言ったが、いつごろ、どのような手順で解釈を変えるのか。

A 私の立場は一貫しているんだと思いますが。従来から、政府は集団的自衛権の行使は憲法上、許されないと言う解釈を採ってきて、その立場は変わっている訳ではありません。一方、これは非常に重要な課題なんでして、これまでさまざまな議論がなされて来てということを踏まえ、かなり議論される必要があるのではないか。ソマリア沖の海賊なども含めて、具体的なことになってきていますので、そういったことも含めて対応を考えていかないと。我々としては、自衛官、海上自衛官でもいいですが派遣して、派遣をしたけれども効果がまったく上がらなかった、派遣された隊員、非常に危険なことになったのでは意味がない。私はそう思ってますので。こういった問題に関しては、懇談会の報告書も出されていますので、そういったものを踏まえて引き続き、検討していかねばならんと思っています。

Q ソマリアに派遣する前にということですか?
A 既にいろいろな形で検討がなされています。それ以上、ちょっと答えられません。

EUが海賊対策で海自艦編入構想、実現には法の壁

本日の読売報道である。EUや国連安保理からの要求をガイアツとして、海賊対策特措法、あるいは恒久法の制定にドライブをかける事に利用する可能性がある。注目しておかなくてはならない。(高田)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090103-OYT1T00700.htm
EUが海賊対策で海自艦編入構想、実現には法の壁

 【ブリュッセル=尾関航也】欧州連合(EU)が、アフリカ東部ソマリア沖で海賊に対する作戦を展開中のEU艦隊に、日本の海上自衛隊艦船の編入を検討していることが3日、分かった。

 ソマリア沖で海賊対策にあたるEU加盟国以外の艦船について、EU艦隊への取り込みを図る方向で加盟国間の事務レベル協議が進んでおり、日本が有力な候補国に浮上しているものだ。

 EU外交筋によると、海自艦は英国南部ノースウッドに置かれた「アタランタ作戦司令部」の指揮下に組み込む構想で、欧州諸国の艦船と連携して、海域を通過する商船の警護や巡視活動にあたることを想定している。

 EU艦隊は、ソマリア沖で海賊対策にあたる約20か国の艦船の中で主導的な役割を果たしている。自衛隊が参加すれば、日本関係船舶の安全向上と同時に、日本の国際貢献を内外に印象づける効果がありそうだ。

 ただ、政府が検討している自衛隊法の海上警備行動発令による派遣では、海自艦の保護対象は日本関係船舶に限られるなど、制約が大きい。

 EU艦は、海賊に襲われた船は船籍を問わず保護しており、自衛隊が同様の役割を果たすのは、現行法のもとでは事実上、不可能と見られる。

 日本側には、EU指揮下で十分な貢献ができなければ「かえって不信を招く」(政府筋)との懸念がある。EUも当面は日本の検討作業を見守り、最終的には日本側と協議して実現可能な協力形態を探る意向だ。
(2009年1月4日03時23分  読売新聞)

大企業製造業 10年で1.4倍に/剰余金32兆円増やす/1年分で 正社員年収62万人分

企業は設けたときは労働者に還元しないでため込み、景気が悪くなると、それをはき出さないで、派遣を打ち切るなど、労働者にしわ寄せする。これはその実態が明らかになる数字だ。大企業は労働者を収奪して貯め込んだ内部留保をはき出せ。この資本の不道徳を糾弾しなくてはならない。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-04/2009010401_01_0.html
大企業製造業 10年で1.4倍に/剰余金32兆円増やす/1年分で 正社員年収62万人分

 大企業製造業(資本金十億円以上)の剰余金は、一九九八年九月から二〇〇八年九月までの十年間で約三十二兆円増えていることが分かりました。一年間の平均増加額約三・二兆円だけで、正社員の平均年収の六十二万人分に当たります。剰余金だけでみても、雇用を維持する体力は十分にあります。
雇用維持は可能

 剰余金は、企業がため込んだ内部留保のうち、大きな比重を占めます。財務省の法人企業統計調査をもとに、リストラの先頭にたつ自動車、電機など大企業製造業の利益剰余金と資本剰余金の合計額を計算しました。

 大企業製造業の剰余金の合計額は、九八年九月末時点での約七十六兆七千三百億円から、二〇〇八年九月末には一・四倍の約百九兆一千五百五億円に増加しています。十年間の増加額は、三十二兆四千億円を超えます。

 この増加は、派遣労働の「原則自由化」(九九年)や製造現場への派遣労働解禁(〇四年)など、労働法制の規制緩和と政府のリストラ支援で、賃金の安い非正規労働者比率を急激に高めることでつくられたものです。

 総務省の労働力調査によると、〇八年七―九月期平均の雇用者に占める非正規雇用の割合は34・5%に達しています。一方、大企業製造業の経常利益総額は、ピーク時より低下しているものの十年前の一・六倍になっています。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、正社員の平均賃金は残業代、一時金を合わせて年間五百二十三万五千円です。

 十年間の剰余金の積み増し分だけで、正社員の年収の約六百二十万人分にあたります。十年間分のためこみを十年かけて取り崩すとしても、一年分の約三・二兆円で六十二万人分の正社員の年収分になります。

 厚生労働省の企業からの聞き取り調査では、〇九年三月末までに八万五千人の非正規労働者の雇い止め・解雇が計画されています。

 これまでの大企業製造業の剰余金の一年間分の積み増し分約三・二兆円だけで、「非正規切り」にあう労働者の解雇をやめることができるばかりでなく、その七倍以上の数の労働者を正社員にすることができます。

 利益剰余金・資本剰余金 企業のためこみ金である内部留保の大きな部分を占めます。利益剰余金は、企業が得た利益をためこんだものです。積立金や繰越利益などで構成されます。資本剰余金は、資本取引による剰余金です。

民主『18歳成人』提案へ 年内にも法改正案 民法、公選法など 喫煙・飲酒見送り

2010年から施行される改憲手続き法との関連で、注目しておかなくてはならない。本日の読売新聞には「憲法審査会始動探る、与党、運営ルール、衆院先行制定も」という記事が掲載されている。与党の一部に「(憲法審査会規程を)衆院だけでも制定することを考えないといけない」という意見があることの紹介だ。この場合、民主党は「反対」するであろうが、「阻止」にまわる可動化は極めて不透明で、「反対はするが、採決は認める」という立場に立つ可能性もある。事態は楽観できない。民主党への働きかけを含めて、私たちの活動を考えなくてはならない。5日の院内集会が「憲法審査会始動反対」を掲げたのは正解だった。(高田)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009010402000104.html
民主『18歳成人』提案へ 年内にも法改正案 民法、公選法など 喫煙・飲酒見送り

2009年1月4日 朝刊

 民主党は、民法の成人年齢を二十歳から十八歳へ引き下げる改正案を今年中に提出する方向で検討に入った。投票年齢を十八歳以上とする公職選挙法や、少年法の改正も検討する一方、飲酒や喫煙の年齢の引き下げは見送る方向で調整する。

 政府は、法相諮問機関の法制審議会の部会で引き下げの是非を論議しているが、最近まとめた中間報告では賛否両論の併記にとどまっており、民主党が政権を獲得した場合、成人年齢の見直し論議が加速しそうだ。

 成人年齢引き下げに伴って、見直しが必要な法律は百九十一本。この中から、民主党は引き下げるべき法律の選別作業を進めている。

 これまでの検討の結果、引き下げ対象となっている法律は、国籍取得の条件を二十歳以上とする国籍法や、未成年者に免許を与えないとする医師、歯科医師、薬剤師の各法など。

 一方、引き下げを見送る方向で検討しているのは、二十歳未満の飲酒、喫煙を禁じた未成年者飲酒禁止、未成年者喫煙禁止の両法や、未成年者の馬券購入を禁止する競馬法など。今後、世論を見極めながら、どの法律の年齢条項を据え置くか判断する。

 成人年齢をめぐっては、憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票年齢を原則十八歳以上としたことを受けて見直し論議が本格化。同法の付則は二〇一〇年五月の施行までに、公職選挙法や民法など関連する法令の改正など「必要な措置を講ずる」と明記している。

2009年1月 3日 (土)

産経の危険な煽動【主張】アフガン問題 リスク担う国際協力を 払拭したい軍事アレルギー

2月からの国連安保理議長国に就任するにともない、こうした圧力が強まるだろう。私たちはISAF派兵論をはじめとするこうした煽りに反撃する用意をする必要がある。防衛庁の昇格時に民主党が賛成したため野党と国会外の運動は殆どなすすべもなく採決を進められてしまった。その結果が今回の田母神問題にあらわれていることを考えると、心してかからねばならない。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090103/plc0901030244001-n1.htm

【主張】アフガン問題 リスク担う国際協力を 払拭したい軍事アレルギー
 3隻の中国海軍艦艇が現在、アフリカ・ソマリア周辺海域に向かっている。海賊制圧のため、海南島から先月26日に出航したミサイル駆逐艦「武漢」などだ。肖新年海軍副参謀長は「責任ある大国としての姿勢を示す」と語った。

 中国が世界の平和と安定を積極的に守ると豪語する一方、日本は政争に足を取られ、立ちすくんでいるようにみえる。

 年末になって麻生太郎首相が海上自衛隊艦船の派遣を検討するよう指示したものの、日本の存在感の希薄さは否めない。

 

日本の平和と繁栄は国際社会とともに歩んでいるからこそである。それなのに、そのコストとリスクをできる限り避け続け、つらくて厳しい任務を他国に押しつけてきたのが実像だ。

 海賊だけでなく、テロとの戦いは日本自身の問題である。これにどう立ち向かうのか、国のありようが根幹から問われている

 ■安保理議長国の重み

 日本は2月から、国連安全保障理事会の議長国として、世界の平和と安定を取り仕切る役目を担う。史上最多となる10回目(合計20年)の非常任理事国を1月から務めているためである。

 議長は持ち回りとはいえ、日本は今まで以上に国際社会の平和と安全に貢献する責務を負う。

 直面する課題は、アフガニスタン問題や海賊対処などだ。いずれも日本が具体的行動を取っているか否かで発言の重みは違う。

 アフガンでのテロとの戦いについては、海自によるインド洋での補給支援が先月、改正新テロ対策特別措置法成立により来年1月まで延長となった。だが、最低限の責務を果たしたにすぎない。

 NATO(北大西洋条約機構)など41カ国は安保理決議によりアフガンに国際治安支援部隊(ISAF)約5万人を派遣している。犠牲者も1000人を超えた。

 一方で治安の確保により義務教育の就学人数が2001年の100万人以下から、07年には570万人に達するなどの実績も着実にあげている。

 問題は、日本の「安全第一主義」といえる自衛隊の派遣原則だ。派遣できる「非戦闘区域」を見いだすのは難しい。そもそも自衛隊を危険のない場所に派遣しようという原則に無理がある。

 今月20日、オバマ氏は第44代米大統領に就任する。同盟国としての負担を日本に求めてこよう。それで右往左往はやめたい。

 主体的な判断でアフガン支援に日本の持てる力を活(い)かすようにすればよい。リスクを取らざるを得ないときもあるかもしれない。当たり前の国として、当たり前のことを行う覚悟が必要だ。

 

海賊対処についても、海上警備行動による自衛艦派遣は緊急避難的な措置だ。適切な武器使用規定を含め、すべての船舶を海賊行為から警護するための特別措置法か、自衛隊を随時派遣する恒久法をつくらなければならない。

 いずれのケースでも障害になるのは、「軍事」をタブー視する風潮があることだ。戦後の「絶対平和主義」の残滓(ざんし)は消えていない。法的な不備が放置されていることの要因でもある。

 海賊抑止も国連海洋法条約に明記されており、批准した1996年に国内法を整備しておかねばならなかった。海自に海賊抑止の任務を加えればよかったのだ。

 それができなかったのは、抑止に伴う警察活動である実力行使を内閣法制局が憲法解釈上、「武力行使と一体化する」との理由から認めようとしなかったためだ。

 だが、憲法で禁じられているのは、日本が第三国との紛争を武力で解決することであり、国連の枠組みは問題ない。

 ■内向きと政争で国滅ぶ

 こうした問題をいかに克服していくか。民主党が先にまとめたアフガン支援法案は廃案になったが、武器使用を国際基準にすることが盛り込まれていた。小沢一郎民主党代表はISAF参加への意欲を表明したことがある。

 首相と小沢代表とがいがみあっている状況ではない。衆院議員の任期は9月までだ。

 話し合い解散を前提に自民、民主が歩み寄らなければ解決できない懸案を片付ける合意作りは無理なのか。民主党は政権担当能力を示す好機にできる。

 内向きのまま、不毛な対立に明け暮れているようでは、亡国の道を突き進むだけである。

ソマリア沖海賊、刑法で摘発へ 海自艦同乗の海保活用

こんな脱法措置が許されるものか。刑法の体系、海上保安庁法の体系、自衛隊法の体系からは出てこないやり方を強引な脱法措置ですすめるようなご都合主義的な事は、法治国家ではあり得ないことだ。こんな事を許せば、権力者は自らのくびきを解き放つ魔法の杖を得て、何でもできることになってしまう。できないものはできないのだ。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090103/plc0901030108000-n1.htm
ソマリア沖海賊、刑法で摘発へ 海自艦同乗の海保活用
政府は2日、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、日本籍船を護送する海上自衛隊艦船に同乗する海上保安官の権限を活用して、日本籍船の乗船者に対する殺人や逮捕監禁など重要犯罪を行った海賊の身柄を拘束し、刑法の国外犯規定を適用して逮捕・起訴する方針を固めた。政府は海上保安庁職員をソマリア近隣諸国へ派遣し、容疑者を移送するための空港や取り調べ施設の調査を始めた。

 海自護衛艦が殺人などを犯した海賊の身柄を拘束した場合、ソマリア近海のアデン湾沿岸諸国に寄港。現地で取り調べ、海保の航空機で身柄を日本に移送、逮捕・送検する。寄港地はオマーン、ジブチ、イエメンなどを検討している。

 政府は、海賊対策の一般法検討の中で、海賊行為全般を取り締まる海賊罪の創設を視野に置いている。だが、法改正には時間がかかり、早期の対応が必要なため、今回は現行刑法で対応することにした。
一般自衛官は犯人の逮捕・送検などにあたる「司法警察権」を持たず、「海賊を捕らえても長く拘束できない」(政府関係者)のが実情だ。

 このため、司法警察員の資格を持つ1等海上保安士以上の海上保安官を護衛艦に乗せて活用する。

 政府は、海賊対策のための海自艦船派遣を自衛隊法上の海上警備行動を根拠としているが、実際の海賊取り締まりは海保に頼らざるを得ない実態が浮き彫りになった形だ。

 刑法の国外犯規定は平成15年7月に改正され、日本人が海外で殺人、逮捕監禁、傷害、強盗などの重要犯罪の被害にあった際、日本の捜査機関が捜査できることになった。海自派遣では、この国外犯規定を適用し、殺人や傷害、逮捕監禁など日本人の生命・身体に直接危害を及ぼした犯罪に限定して逮捕・送検する。

 公海上の日本籍船は、日本の国内法が適用されるため、外国人乗組員など外国人乗船者の被害にも対応できる。ただ、ソマリアなど外国の領海で起きた事案については日本人乗組員に対する犯罪しか対応できない可能性があり、政府は法運用上の詰めを急いでいる。

2009年1月 1日 (木)

雑記(67)水仙の花

Photo人間の社会は激動しているのに、水仙の花は年末、大晦日の路傍に今年も例年のように咲きました。美しい花です。東京地方はこれからいっそう寒くなります。咲いた花にとっては厳しい気候ですが。(高田)

各紙社説:朝日、東京、毎日、読売

http://www.asahi.com/paper/editorial.html
混迷の中で考える―人間主役に大きな絵を

 何という年明けだろう。

 100日余り前に米国の繁栄の象徴ウォール街を襲った激震は、同じニューヨークの世界貿易センタービルを崩落させた9・11テロをしのぐ破壊力で、地球を揺さぶり続ける。

 お金の流れが滞って、消費も投資も貿易も縮む。経験したことのない経済の急降下。主要国の株は半値になった。先行きへの心配が企業や消費者の心理を凍らせ、デフレ不況へのおののきが世界に広がる。

■市場の失敗の大きさ

 だが、ここはあわてずに深呼吸してみよう。この危機の意味を考え、それを次の時代への手がかりにできれば、不況を乗り越える力ともなる。

 人々を豊かにするはずの自由な市場が、ときにひどい災禍をもたらす。資本主義が本来もっているそうした不安定性が、金融規制を極限まで緩めたブッシュ政権の米国で暴発し、グローバル化した世界を瞬く間に巻き込んだ。それがこの危機だ。

 今年は、ベルリンの壁とともに東西の冷戦秩序が消滅してから20年になる。地球は一つの市場となり、お金、モノ、そしてITによる情報の流れが豊かさと便利さをもたらした。

 このグローバル化を牽引(けんいん)したのが米国だ。株主や投資家の利益を何より重視する。働く人の暮らしや企業の責任よりも、お金を生み出す効率を優先する。1970年代からレーガン革命を貫いて今日に至る「新自由主義」の考え方に支えられた市場のあり方は、世界にも広がった。

 それが行き着くところまで行っての大破局だ。気づいてみれば膨大な数の米国民が仕事や家を失い、社会の格差は広がり、国の象徴だった自動車をはじめ、製造業は見る影もない。

 人間や社会の調和よりも、利益をかせぎ出す市場そのものを大事にするシステムの一つの帰結である。

■格差と貧困の広がり

 この間、日本では何が起きたか。

 バブル崩壊後の不況脱出をめざし、米国流の市場原理を重視した規制緩和が本格化してほぼ10年。小泉構造改革がそれを加速した。その結果、古い日本型の経済社会の構造がそれなりに効率化され、戦後最長の好景気と史上最高水準の企業収益が実現した。

 だが、同時に現れたのは思いもしなかった現実だ。声高な自己責任論にあおられるように貧富の差が拡大し、働いてもまともな暮らしができないワーキングプアが急速に広がった。労働市場の規制緩和で、非正規労働者が働く人の実に3割にまで膨れ上がり、年収200万円に満たない人が1千万人を超えてしまった。

 かつて日本社会の安定を支えた分厚い中間層はもはやない。

 しかも、財政再建の下で雇用保険をはじめ、医療や公的扶助といった「安全網」は細るばかり。いったん貧困の罠(わな)にはまると抜け出せない。それがありふれた現実になった。そこを今度の危機が直撃した。

 こうした現実はしっかりと直視しなければならない。楽観は禁物である。しかし、いたずらに悲観論に陥ることも未来を見る目を曇らせる。

 「100年に1度の津波」。グリーンスパン前米連邦準備制度理事会議長の言葉を多くの人が引用する。だが、たじろぐ必要はない。なぜなら、私たちの国は過去1世紀半近い間に、それこそ国がひっくり返る危機に2度も直面し、克服してきたからだ。

 「一身にして二生を経るが如(ごと)し」と言ったのは、封建の徳川の世と、明治の文明開化とを生きた福沢諭吉だった。軍国主義の帝国日本が滅び、民主主義の新生日本を築いたのは、わずか60年余り前のことである。いずれの場合も、私たちは大規模な変革を通して危機を乗り越えた。

■たくましい政治が要る

 いま直面しているのは、世界的な金融システムの行き詰まりと、様々な矛盾を抱えて立ち往生している国内の経済財政システムの行き詰まりとが重なった、複合的な危機だ。その克服は、もういちど日本を作り直すくらいの大仕事になる。しかも、黒船や敗戦といった外からの力によることなく、みずから知恵と力で、この荷を背負わなければならない。

 国民が望んでいるのは、小手先の雇用や景気対策を超えた大胆なビジョンと、それを実行する政治の力だ。

 ひたすら成長優先できた時代がとうに終わり、価値観が大きく変化するなかで、どんな国をつくっていくか。それは「環境大国」でも「教育大国」でも「福祉大国」でもありうるだろう。将来を見すえた国づくりに集中して資源を投下し、雇用も創出する。そうしたたくましい政治が要るのだ。

 世界の秩序も、これまでの米国一極支配が終わり、中国やインドを含む「多頭世界」が現れつつある。経済危機に対処し、地球環境を守るための国際連携がますます重要になる。政治はおちおちとしていられない。

 米国民は、市場原理主義と金融バブルで生じたゆがみを是正する役目をオバマ次期大統領に託し、彼と肩を組んで危機を乗り越えようとしている。

 日本でも、今年の総選挙がそうした場になるだろうか。冷戦後の20年間、バブルの絶頂からこの不穏な年明けまで翻弄(ほんろう)され続けた日本。有権者の視線はかつてなく厳しいはずだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009010102000086.html
【社説】
年のはじめに考える 人間社会を再構築しよう

2009年1月1日

 世界大不況の危機克服が最大テーマの年明けです。この百年に一度の歴史からの挑戦に叡智(えいち)を結集しなければなりません。未来世代のためにも。

 進展するグローバル経済の市場原理主義と競争社会に傷つき倒れる人が続出したということがあります。私たちが社説で訴えてきたのは人間中心の社会でした。

 年のはじめの社説も二〇〇七年が「新しい人間中心主義」、〇八年が「反貧困に希望が見える」。貧困問題に取り組む社会活動家たちへのエールでしたが、事態の悪化は想定を超えるテンポでした。
◆奈落への渦巻き現象

 いつの間にか全労働者の三分の一の千七百万人が非正規雇用、年収二百万円以下の働く貧困層が一千万人。若い世代から「結婚もできない」の悲鳴が聞こえます。

 雇用情勢も底抜けしたような不気味さです。厚生労働省の昨年暮れの調査では、ことし三月までに非正規労働の八万五千人が失職か失職見込み。わずか一カ月前の調査に比べ五万五千人も増えて、歯止めがかかりません。

 かつては失職者を受け入れ癒やした家族や地域コミュニティーも今はその機能をもちません。余剰人員を抱えて頑張った企業も人員削減は加速させます。巨額な内部留保を積み増しながらです。生活に不安とおびえがあってはさすがの千五百兆円の個人資産も動きようがありません。

 日本は奈落への渦巻きに落ち込んでしまったのでしょうか。将来不安の貯蓄-消費冷え込み-企業業績悪化-さらなる雇用削減、これでは世界が壊れます。

 もちろん絶望は愚者の結論。どんな難問にも解決の糸口はあるはずで、財政学の立場から日本の未来について提言しているのは神野直彦東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。著書の「『希望の島』への改革」(NHKブックス)ではモデルケースのスウェーデンの実践を紹介しています。
◆希望は協力社会から

 神野教授によると、現在は重化学工業の時代が終わり、情報・知識産業を基軸にした二十一世紀の新しい時代が始まろうとしている産業構造の大変革期。混迷と混乱の世紀転換期でもあり、この「歴史の峠」は競争社会では越えられず、協力社会を築くことでやっと切り開けるのだと主張します。

 希望の協力社会とは、利他的行為が結局は自己の利益になるという協力の原理と思想が埋め込まれた社会。教授は財政再建と景気回復の課題に挑み「ストロングウェルフェア(強力福祉)」を実現したスウェーデンに日本の未来を重ねます。人間の絆(きずな)、愛情、思いやり、連帯感、相互理解が重んじられ生きている社会です。

 激烈競争のグローバル世界に高福祉高負担国家が可能なのか-この疑問には藤井威元駐スウェーデン大使が中央公論一月号の論文「スウェーデン型社会という解答」で、わが国の一般的な受けとめ方には全く根拠がなく、適度な高負担を伴う高福祉システムの実現こそ最も望ましいと考えるに至った理由を詳述しています。

 スウェーデン国民の税・社会保険負担は所得の七割にのぼりますが、民主化された地方自治体が提供する親切安心充実の育児、教育、介護サービスは負担の重さを感じさせないようです。国民の需要は、教師、介護士、保育士などの新たな雇用創出となり、失業や景気対策、地方間格差解消とさまざまな効果で国を元気づけているようです。

 日本はどんな社会をめざすべきか。宗教や歴史、政府への信頼の度合いもあるでしょうがスウェーデン型は検討に値します。日本もまた結いの心や惻隠(そくいん)の情、相互扶助の文化と歴史の国だからです。

 〇六年七月、OECD(経済協力開発機構)は、日本が異様な格差社会で、母子家庭で悲惨さは先進国中最悪などと指摘します。企業が日本型経営を捨てた後、政府の小さな所得再配分機能だけが残った結果でした。

 人間社会は弱者が救われるだけにとどまらず、ふつうの人々が安心し恩恵を受ける社会でなければなりません。人間が部品扱いされる労働システムや法は変えられるべきですし、女性が安心して出産し働ける育児サービスや教育、団塊の世代のための介護など高齢福祉の充実も当然で、貧困問題などあってはならないことです。
◆監視と参加が変える

 危機の時代に臨んで米国民は初の黒人大統領を選出、今月誕生の新大統領は五百万人の雇用創出の資源エネルギー革命構想を打ち出しています。

 「人間社会」の再構築は急務でわれわれも一歩を踏み出すべきです。そのためにはどんな社会をめざすのか、政治に何を求めるのか意思表示と政治への監視と参加がいります。

http://mainichi.jp/select/opinion/
社説:日本版「緑のニューディール」を

 年は明けたが、世界不況のまっただなかである。年賀を言うのもはばかられるような、厳しい正月だ。

 問題は経済だ。単刀直入に言って、ここは政府の出番である。

 民間調査機関の予測を平均すると、2年連続でマイナス1%成長だという。戦後の不況で最もきついものとなる。日本は500兆円経済だから、つまりは2年で10兆円の経済縮小だ。

 赤字国債の累増は問題だが、いま政府が出なければ不況の深化は避けられず、財政再建にも悪影響をおよぼす。必要な財政出動をためらってはならない。

 問題は何が「必要」なのかということだ。旧来型の公共事業に予算をばらまくのでは知的怠慢だ。
 ◇新モデルを求める

 これから需要の増加が見込める成長分野に集中投資すべきなのは当然だ。高齢社会に対応した医療、介護、高齢者ケア、そして教育である。実際、米国で雇用が増加しているのはこうした分野だ。

 だが、今後数十年にわたる「国のかたち」を考えれば、環境投資の比重が限りなく重い。

 時代は大きく転換しようとしている。米国発の世界不況が明らかにしたのは、実は資源・エネルギーの大量消費を前提とする成長モデルの破綻(はたん)である。世界はそれに代わる新しい成長モデルを求めている。

 米国のオバマ次期大統領は環境投資をパッケージにした「グリーン・ニューディール」をオバマノミクス(オバマ大統領の経済政策)の柱のひとつとする考えという。大恐慌からの脱却をめざしてフランクリン・ルーズベルト大統領が打ち出したニューディール政策の環境版である。

 10年で中東石油への依存を断ち切るために総額1500億ドルを投資、再生可能エネルギーの開発・普及を推進する。これによって500万人の新規雇用を見込むという。

 李(イ)明博(ミョンバク)韓国大統領もまた「グリーン・グロース(環境成長)」戦略を打ち出した。エネルギー効率を飛躍的に高めることで、持続的な成長を確保する。李大統領は「グリーン成長はその道を歩むか歩まないかの問題ではなく、必ず進むべき道である」とその時代的意味を語っている。

 私たちは日本もまた、日本版の「緑のニューディール」に踏み出すべきだと考える。それも、各国を上回る大胆さで。

 政府資金を環境に集中投資して需要不足を穴埋めし、中長期的に環境産業と環境技術が日本の成長を先導する経済・社会システムをめざすべきだ。

 簡単な話ではないが、李大統領が言うように、そうせざるをえないのである。気候変動対策に必要なのはいうまでもない。しかし、燃費世界一の日本の自動車産業が世界を席巻したように、「グリーン化」の度合いが競争力に直結し、繁栄と安定を決定する時代になったからでもある。

 石油など化石燃料に依存する成長は長期的に持続不可能だ。化石燃料の消費と経済成長をできるだけ切り離す必要がある。

 ここでは、実用段階の太陽光発電と次世代自動車を飛躍的に普及させることを提案しておきたい。

 政府は太陽光発電世界一の座をドイツから奪還するため、設置補助を再開したが、物足りない。この際、2兆円の定額給付金を中止しそれを太陽光発電に回したらどうか。学校には全国くまなく設置しよう。

 太陽光発電の余剰電力を現状より高く電力会社が買い取り、10年程度でモトがとれる制度にしたい。電力会社は電力の安定供給のために新たな負担が生じるが、国が一定期間、一定額を補助してもよい。

 自動車はすべての公用車をハイブリッドや電気自動車に置き換える。電気自動車の充電施設を全国に設置する必要もあるだろう。

 環境省の分析では排ガス規制で自動車メーカーには「費用」が発生したが、それは排ガス機器メーカーの「需要」であり経済全体への悪影響はなく、日本車の競争力強化をもたらしたと結論している。環境投資を軸とする経済成長は可能なのであり、その図柄をどう描くかの国際競争が始まっている。
 ◇潜在力を引き出す

 いま、世界の目は米国のオバマ次期大統領が、20日の就任式で何をいうかに向けられている。「われわれは米国を変えることができる」という力強いメッセージで当選した若い黒人大統領。ワシントンはすさまじい熱気という。

 80兆円規模ともいわれるオバマ次期大統領の空前の景気刺激策で、米国と世界が不況脱出のきっかけをつかめるか予断を許さない。しかし、そのリーダーシップは強烈な磁場で米国人を引き付け、潜在力を引き出そうとしている。

 日本には資金もあれば知恵もある。しかし、政治が明快なビジョンと強いリーダーシップを欠いている。年頭に当たって、改めて早期に衆院を解散し総選挙を行うよう求めたい。新たな民意を得た政権が、日本版「緑のニューディール」に丈高く取り組むことを切望する。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090101-OYT1T00010.htm
急変する世界 危機に欠かせぬ機動的対応、政治の態勢立て直しを(1月1日付・読売社説)

 ◆新自由主義の崩落◆

 新自由主義・市場原理主義の象徴だった米国型金融ビジネスモデルの崩落が、世界を揺るがせている。

 急激な信用収縮は、実体経済にも打撃を与え、世界は同時不況の様相を深めつつある。

 「100年に1度の危機」とさえ言われ、1929年に始まった「世界大恐慌」が想起されたりもしている。

 だが、もちろん、現在の世界は、80年前とは大きく異なる。

 先進諸国は、歴史的教訓を踏まえて、さまざまな政策手法を積み重ねてきた。危機発生後、直ちに協調利下げを実施したのを始め、その後もさらなる金利の引き下げや、通貨供給量を増やすための量的緩和および公的資金の注入、財政出動などを進めている。

 日本は世界第2位の外貨準備から国際通貨基金(IMF)に10兆円を拠出し、新興・途上国支援に充てる方針だ。外貨準備高世界一の中国などにも協調を促して、IMFの機能拡充への外交努力を強めるべきだろう。

 ただし、足元の日本経済自体も、揺らいでいる。

 世界金融危機の発生当初は、日本の傷は世界で最も浅いとの、楽観論、強気論もあった。

 ところが、戦後最長とされる景気拡大を牽引(けんいん)してきた外需・輸出が、にわかに変調を来した。

 「トヨタショック」といわれた自動車業界を始め、輸出関連業界の急速な業績悪化を引き金に、雇用、企業倒産、消費動向など、様々な経済指標が、日々、急速に悪化している。

 ◆内需拡大に知恵絞れ◆

 世界経済の混迷は、数年間は続くという見方が多い。早急に、新たな商品の開発、新市場開拓などによる輸出戦略の立て直しに取り組まなくてはならない。

 景気の底割れを防ぐため、内需拡大を急ぐ必要がある。ただ、少子高齢化、人口減少が進行する中で、従来通りの公共事業を中心とする手法では限界がある。財政事情も厳しい。

 日本の強みは、減少したとはいえ、まだ1467兆円もの個人金融資産があることだ。

 このうち、150兆円から170兆円が平均的な個人のライフサイクルから見て「余剰貯蓄」といえるとの、総合研究開発機構(NIRA)による試算もある。

 また日銀は、いわゆるタンス預金だけでも30兆円、投資や利殖より安全を志向する当座・普通預貯金としてほぼ眠っている資金が、120兆円あると見ている。

 こうした“眠れる資金”を掘り起こして活用することは、重要な政策課題だ。

 内需拡大に向け、社会保障や、雇用対策などを中心とする景気振興に使途を限定すれば、国民も納得するに違いない。

 できれば超党派で知恵を絞るべき課題である。

 ◆日米同盟の維持が重要◆

 世界経済が混迷する中でも、日本の国際社会への関与、協力の在り方は、引き続き、見直しを迫られよう。

 当面は、対外関与の軸足をアフガニスタンに置くとするオバマ米次期政権が、日本にもアフガン本土の治安回復活動への自衛隊参加を求めてきた場合にどう応えるか、という問題がある。

 これに対し、過去の惰性で、憲法問題など国内政治事情を名目に協力を断れば、米国にとっての日米同盟の優先順位が低下していくことになるだろう。

 日本は、たとえば、北朝鮮の核開発問題にしても、日米同盟関係抜きに、単独で解決することはできない。

 急速に軍備増強を進める中国との関係を考える場合にも、緊密な日米同盟の継続が前提となる。だが、米国にとっても、軍事大国化、経済大国化する中国との関係は、ますます重要になっている。

 国連が各国に求めているソマリア沖の海賊対策に中国も軍艦を派遣するのに、日本関係船舶が多数通航するにもかかわらず明確な方針を打ち出せないでいる日本を、米国はどう見るか。

 米国にとっての日米同盟の優先度を、高い水準に維持するためには、日本が信頼できる同盟国だと思わせるだけの能動的な外交・安全保障戦略で応えていかなくてはならない。

 しかし、現実には、その責任を担うはずの政治は、事実上、“空白”状態に近い。

 衆参ねじれ国会の下、麻生政権は、民主党の政局至上主義的な駆け引きに揺さぶられ、緊要な内外政策の決定・実行ができなくなっている。

 景気対策に必要な第2次補正予算案も、関連法案の成立がいつになるか不明で、早急には実施できそうにない。

 まして、2009年度予算案をいつ実行に移せるようになるかは、見通しがつかない状況だ。

 与野党が国内政局次元の争いに明け暮れていては、日本は国際競争から落伍(らくご)しかねない。

 ◆「党益より国益」を◆

 9月の衆院議員任期切れまでには確実に総選挙があるが、党益より国益、政局より政策を優先し、できるだけ早く“政治空白”を解消して、政治の機動性を回復しなくてはならない。

 しかし、次回総選挙では、自民党、民主党とも、単独過半数を獲得するのは難しいとみられている。すでに、与野党を通じ、そうした選挙結果を想定した政界再編、連立絡みの動きもある。

 結果として、それがいかなる形の政権になるにせよ、肝要なのは、世界の先行きについての中長期的展望を踏まえた政策を、迅速かつ強力に推進できる政治態勢であることだ。

 政治家も、国民も、世界と日本が険しい難所に差し掛かっているのだということを、常に心しておきたい。
(2009年1月1日00時27分  読売新聞)

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