成人は18歳?20歳?法制審部会、結論出ず
この問題の動向からも、目が離せない。私は15歳、国民投票という従来の主張をつづけたい。憲法という若者の将来に関わる問題での意思表示を可能にする年齢を大幅に引き下げて当然だ。民法の諸規定とは分離すればいいだけだ。(高田)
ttp://www.asahi.com/politics/update/1216/TKY200812160417.html
成人は18歳?20歳?法制審部会、結論出ず
2008年12月16日21時13分
民法上の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げるべきかどうかを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会(部会長=鎌田薫・早稲田大教授)は16日、中間報告をまとめた。憲法改正の投票年齢を「18歳以上」とする国民投票法の成立を受けて始まった審議だが、引き下げの是非についての意見は割れたままで、賛否両論を併記する異例の報告となった。
国民投票法は施行される10年5月までに「必要な措置を講ずる」として引き下げへの対応を促している。部会は、来年1月末まで消費者団体や教育関係団体のほか、一般からも意見を聞いた上で審議を再開し、早ければ来年春ごろには最終報告がまとまる見通し。ただ、反対の世論も根強いことから、引き下げへの明確な結論を出せるのかが不透明になってきた。
引き下げられると、18歳で親の同意なく契約を結んだり結婚したりできるようになる。
中間報告によると、若者の社会参加が進んで自立が促進されるという賛成意見の一方、慎重論も多く出された。消極的な意見の理由として、マルチ商法など悪質業者による消費者被害が10代の若者にも広がる▽親の保護もなくなるため、ニートやフリーター、ひきこもりなど自立できない若者がさらに困窮しかねない――といった懸念が示された。
引き下げる年齢については(1)満18歳(2)高校進学者が多いことを考慮して満18歳に達して卒業する3月(3)19歳、との三つの意見が出ている。部会内では「選挙年齢と成人年齢は必ずしも一致する必要はない」という考え方は共有されており、二つを区別する可能性も議論されている。
この問題は今年2月、当時の鳩山法相が方向性を決めない形で、法制審に「引き下げの是非」を検討するよう諮問していた。(延与光貞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081216-OYT1T00610.htm
成人「20歳→18歳」結論見送り…法制審中間報告
民法の成人年齢を引き下げることの是非について検討している「法制審議会」(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は16日、中間報告書を取りまとめた。現行の20歳から18歳への引き下げに関し、方向性は示さず賛否両論を併記した。
同部会は来年1月まで一般から意見を募り、来年中に最終報告書を作成する方針だ。
引き下げ推進論の中心は、若者の社会参加と自立を促すべきだとするもの。一方、慎重論では、若者の消費者被害が拡大する恐れがあるとの意見が多かった。
引き下げの時期については、〈1〉まず民法を改正し、施行まで2~10年程度の猶予期間を設定して、その間に消費者保護などの施策を行う〈2〉施策が充実するまでは法改正を行わない――の二つの案に分かれた。
民法は未成年について、〈1〉契約などの法律行為をするには親などの法定代理人の同意を得なければならない〈2〉父母の親権に服する――などと規定している。中間報告書はそれぞれについて、成人年齢を引き下げた場合のメリットとデメリットを並べた。
〈1〉では、自分の判断でローンなどの契約を結べる一方、若者の消費者被害が拡大する恐れがあると指摘。消費者教育を受けるための環境も整っていないとした。〈2〉では、親から虐待を受けている若者が解放される利点がある反面、親の保護を受けにくくなり、ニートやフリーターなど自立が困難な若者がさらに困窮する恐れがあるとした。
引き下げる場合の年齢も、〈1〉18歳〈2〉18歳に達した直後の3月の一定日〈3〉19歳――とする案に三分された。
同部会が、現時点で成人年齢引き下げに踏み込まなかったのは、委員の間で「機が熟していない」との空気が支配的だったためとみられる。政府や民間の世論調査でも、成人年齢引き下げに反対が賛成を上回っている。5~6月に部会の委員たちが高校に赴いて開いた意見交換会でも、引き下げについて、高校生側から「18歳で急に大人だと言われても困る」などと、反対意見が多く出たという。
同部会は、投票年齢を「原則18歳以上」とする国民投票法が成立したことを受けて3月に審議を始めた。同法の付則は2010年の施行までに「公職選挙法、民法その他の法令について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と規定。関連法が改正されるまでは国民投票年齢を20歳以上にすると定めている。
法務省は最終報告書までに議論を集約したい意向だが、意見がまとまらない可能性は高い。
(2008年12月17日02時31分 読売新聞)
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