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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2008年9月22日 (月)

福田康夫の政権投げ出しと、麻生新政権下での総選挙について

近日発行される「第九条の会ヒロシマ」の会報に寄稿しました。25日発行予定の「私と憲法」巻頭言のリライトです。

福田康夫の政権投げ出しと、麻生新政権下での総選挙について

 9月1日、福田康夫首相は突然の辞意表明を行った。改造内閣成立からわずか1ヶ月にも満たないうちの政権破綻だ。1年前の安倍晋三につづく自公連立政権の2代にわたる無責任な政権投げ出しは醜態という以外にいいようがない。安倍晋三は所信表明演説直後の辞任で、福田康夫は内閣改造間もなくの辞任だ。麻生新首相を首班とする事実上の選挙管理内閣の下で、間もなく総選挙である。

福田の辞職表明で世論の自公政権への不信がいっそう高まった中、自民党執行部はこの危機を「国民的人気」があるといわれる麻生太郎幹事長を中心に派手な総裁選挙を演出することで、政権維持の好機に変えようというバクチにも似た方針をとった。マスメディアを使って「経済浮揚派」と「構造改革継承派」の対立を演出することで、国民的に不安と不信感がある政府の経済政策で、あたかも転換がおきるかのような派手な宣伝が行われた。総選挙を意識して、ほとんどの候補が経済政策一点張りの主張に走るなかで、自民党は候補に石破前防衛相を加えて安保問題を語らせる布石も打った。給油新法についてはどの総裁候補も「石破に迫られたかたち」をとって、巧みに「実行」を表明した。

しかし、結局、どの総裁候補も自民党綱領にある「憲法改正」についてはふれなかった。これは、今年4月の『読売新聞』の世論調査に示されたような改憲反対の国民世論と、公明党=創価学会の協力なしでは当選すらおぼつかない多くの自民党議員たちの選挙対策が意識されているためだ。しかし、とりわけ麻生太郎新首相は極右集団「日本会議」の幹部の経歴を持つ人物であり、彼が「改憲」という本音を封印して総裁選を進めたことは、きわめて危険な目くらましの政治である。

マスメディアをフルに動員した派手な総裁選報道の中で、事実上、これを総選挙の事前運動化して、1ヶ月後には選挙になだれこんでしまおうという動きも出てきた。新首相の下でまともな国会論戦をやらないままに、総裁選の熱が冷めないうちに選挙をやるという。こんな人だましの政治を許せるものではない。

 いずれにせよ、解散権は自公連立の新政権が握っており、この人々がみずからの陣営にもっとも有利な時期に解散をする。事実上の選挙管理内閣にすぎない新政権のもとで、間もなく総選挙が行われる。この総選挙に私たちはどう立ち向かうべきだろうか。

まず第1に、衆議院においても先の参院選で安倍改憲内閣に打撃を与えたと同様に、麻生・自公連立政権に打撃を与えて、与野党逆転を実現することである。積年の自公連立の悪政に終止符を打つことが出来るかどうかが問われている。与野党逆転は国民にバラ色の政治の実現を約束するわけではない。第一党になるであろう民主党の憲法問題や税制をはじめ、その路線に大きな疑問符が存在することは明らかだ。しかし、参院の与野党逆転が政治の変化に一定の効果があったように、衆議院でのそれも今後の日本の政治の大きな変化を生み出す契機となりうるだろう。

第2に、私は「政権交代を可能にする二大政党制の実現」というスローガンに反対である。民主党がそのマニフェストで「国民の生活が第一」というのは賛成だが、「二大政党制をつくりあげるしかない」と主張するのは正しくない。どだい、今日の市民社会における国民の政治的・経済的、文化的な要求や意識は多種多様である。これを二分化した二大政党で吸収することは不可能であり、危険ですらある。民主主義においては、参議院のように多様な野党が存在することこそ必要である。この多様な野党の存在を失うことは、民衆の政治にとって決定的な損失につながりかねない。

第3に、与野党逆転を目指す野党の中で、憲法改悪に断固反対する社民党、共産党の伸張が求められている。これらの政党は国民の圧倒的多数の世論である9条護憲を保障する政党である。来る衆院選においては、これらの護憲派政党と他の党内の護憲派議員の前進こそが重要である。院外の市民の運動はこれらの人々と連携して、国会内外で積極的にたたかうべきである。そのことを通じて、日本国憲法の第9条をはじめ、25条、24条、21条、20条、14条などをはじめとする憲法の平和と基本的人権、民主主義に関する諸条項を生かしていく政治を実現する契機を獲得していこう。

(許すな!憲法改悪・市民連絡会 高田健)

 

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