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2008年5月12日 (月)

福田内閣の分析

毎日紙の分析である。参考までに掲載する。(高田)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080512ddm001010071000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080512ddm003010054000c.html
読む政治:内閣支持率低下(その1) かえって結束
 ◇首相「何があっても、解散も辞職もしない」
 ◇「みのさんに理解してもらわないと…」

 ガソリン(揮発油)税の暫定税率が復活した直後のマスコミ各社の世論調査で、内閣支持率はさらに下がり、毎日新聞では18%を記録した。極めて低い水準で政権に黄色信号がともった。支持率低下の動揺が解散回避の一点で、かえって自民党の結束を促している。

 衆院山口2区補選で自民党候補が敗れた4月27日夜、福田康夫首相はひそかに首相公邸に森喜朗元首相、青木幹雄前参院議員会長を呼んだ。

 首相は2人に「国内の政治状況で外交日程がなかなか決められない」とぼやいた。そして首相はこう続けた。「何があっても、衆院解散も内閣総辞職もしない」「支持率は気にせず、外交を粛々と進めていく」

 首相の弱気を心配していた森、青木両氏には安堵(あんど)のセリフで、いきおい話題は内閣改造に及んだ。3人は改造時期を巡り▽北海道洞爺湖サミットより前▽サミット直後▽党役員改選期の9月--の各案について意見交換したという。

 青木氏は「支持率なんて気にしたって仕方ないわね」と周囲に語る。青木氏の「100%理論」。世論調査の支持率が低くても、党内の支持率と合わせて100%になれば、政権は維持できるというものだ。人事で人心を掌握する改造がその決め手というわけだ。

 この会談は党内の動揺を先手を打って封じ込めようという、実力者の腹合わせだった。

 しかし、その翌28日、国会内で開かれた首相と公明党の太田昭宏代表らとの党首会談。公明党の出席者からこんな指摘が出された。

 「新聞の論説委員だけに理解してもらっても仕方がない。みのもんたさんに理解してもらわないといけない」

 日銀総裁人事での武藤敏郎副総裁の昇格提案などで、首相は新聞の社説から比較的、好意的な評価を受けた。しかし、テレビ番組の人気司会者から批判を受ければ、支持率上昇はないという懸念だ。

 特にガソリン価格や後期高齢者医療制度などの生活テーマでは、自民党もテレビに神経をとがらせる。党の部会などでは「朝の番組でみのさんが、民主党と同じ主張をした」などと話題になり、「テレビ出演する議員は、執行部が人選して弁の立つ人を送り込め」などの注文も出る。

 7日の津島派幹部会。津島雄二会長は「『次の選挙では自民党に入れない』という人が増えている。地殻変動が起きている」と語った。連休中に選挙区でベテラン議員が感じた支持率低下を裏付ける逆風。多くの自民党議員の共通認識だろう。

毎日新聞 2008年5月12日 東京朝刊
読む政治:内閣支持率低下(その2止) 反転なるか

 <1面からつづく>
 ◇森内閣は20%以下で持続/「外交カード」で上昇狙う

 解散回避で自民党内の結束を保っても、議員の動揺がいつマグマになって噴き出すかわからない。18%は歴代政権を見ても「政権末期」の数字だ。

 さらに「ねじれ国会」で野党の圧力が強く、今の通常国会を乗り切っても秋の臨時国会、来年の通常国会とハードルは高い。

 佐藤栄作、田中角栄、鈴木善幸各内閣は支持率20%を割って3カ月以内に退陣。竹下登、森喜朗両内閣は10%台からさらに9%まで下がり、宮沢喜一内閣の退陣直近の支持率は14、12、18%だった。

 福田内閣の今後を読む場合、森内閣が参考になるだろう。00年4月に支持率40%でスタートし「日本は神の国」という森氏の問題発言を受け、5月に20%に下落。その後20%を超えることはなかったが、1年間政権を維持した。00年11月に非主流派の加藤紘一元幹事長が森退陣を要求する「加藤の乱」を起こすが、主流派が数の力で抑え込んだ。

 その後、「ポスト森」の動きも、加藤氏の失敗にこりて「出ればつぶされる」と顕在化しなかった。この様子見の状況も、現在の「ポスト福田」候補の動きと似ている。しかし、年が明けると主流派は一転して「森おろし」に動き、01年4月に退陣に追い込んだ。7月に参院選を控え「森首相では勝てない」と判断したためだ。

 つまり、低支持率でも首相が「辞めない」と踏ん張れば政権維持は可能だが、選挙が近くなっても低いままでは「選挙の顔」にならないと、退陣包囲網を張られてしまう。森首相の退陣時の官房長官は福田首相だ。福田氏は、「支持率が1けたになった時に内閣は持たないと思った」と周囲に語ったことがある。

    ◆

 過去の例を見る限り支持率の反転は容易なことではないが、このまま回復しないとは言い切れない。

 「今回の外交成果が内閣支持率のアップにつながると思うか」

 中国の胡錦濤国家主席との首脳会談を終えた福田首相は7日夕、記者団から単刀直入にこう質問された。

 「あなたは自分のために仕事をしているわけではないでしょ?」

 首相は記者とのやりとりを切り上げてしまった。「支持率のために政治をしているのではない」という不快感だが、首相は「今の若い記者は」と、森氏らにも不満をぶちまけたという。実際、中国国家主席との会談が支持率上昇につながるか不明で、13日の道路整備財源特例法改正案の再可決に対する批判で、上昇分が吸収されてしまうかもしれない。

 ただ、北海道洞爺湖サミットは政権浮揚の有力カードであり、北朝鮮政策などで新たな外交カードを切る可能性も否定できない。

 歴代内閣で20%割れの逆境を一時的にせよはね返したのは、小渕恵三内閣だ。

 参院では過半数を割り、凡人、冷めたピザと酷評の中での支持率25%のスタートだった。16%、18%、16%と続くが、自由党との連立を機に30%に倍増。公明党との連立で48%にまで上昇したこともあった。小渕政権の番頭格だった野中広務元官房長官は「小渕さんの着実な姿勢が徐々に評価された。福田さんも仕事はきっちりやっており、日中首脳会談も評価すべきだ。もう少し何をしたいかはっきりさせるべきだ」と言う。

 政策研究大学院大の竹中治堅(はるかた)准教授は、支持率上昇の可能性にも言及する。

 「福田首相は世論の声に応えていない。世論に応えるということは迎合とは違う。小泉純一郎元首相の場合、郵政民営化を打ち出した結果、世論が歓迎した。迎合するための郵政民営化ではなかった。首相は道路特定財源の一般財源化を打ち出したが、やる気があるなら、政権発足当初から言わないといけない。世論に動かされるのでは駄目だ。首相が『これを頑張る』と言って実際に頑張れば、世論は支持すると思う」<読む政治は、政治部・犬飼直幸 世論調査室・中山裕司、田村佳子が担当しました>
 ◇世論調査 小選挙区導入で重み

 自民党も民主党も独自に世論調査を実施して政策判断や候補者選びに利用している。背景には96年衆院選から始まった小選挙区制の導入と政党の組織力低下がある。中選挙区時代は、同じ選挙区で自民党が複数候補を擁立。派閥単位の争いという性格が強く、有権者は人物本位で投票する傾向があった。小選挙区では候補は各党1人で、投票は政党単位の選択となる。党首の魅力に選挙結果が大きく左右される。

 小泉氏が郵政民営化を争点に解散に踏み切り、自民党が圧勝した05年衆院選がその典型だ。国民の人気を知る手段として、世論調査に頼らざるを得なくなった。その傾向に、政党支持組織の衰退が拍車をかけた。

 早稲田大学政治経済学部の谷藤悦史教授は「社員の組織化の難しい第3次産業が盛んとなり、政党の系列団体や労働組合が衰退した。政党も『個人』を相手にした世論調査をするようになった」と指摘する。

 「自民党をぶっ壊す」と宣言した小泉氏の5年半で、業界団体の自民党離れは進み、「風」に頼らざるを得なくなっている。野中元官房長官も「世論調査を気にしているのは小泉・安倍(晋三)政権以後のことだ」と言う。

 世論調査が本格的に広まったのは戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が普及を指導してからだ。調査の持つ意味は時代とともに変わっている。谷藤教授は「かつては政策の成果を問うものだったが、今は世論調査の結果を受けてから政策が選択される。時代の流れが速くなり、短い期間で成果が出ないと、国民も満足しない」と話す。

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 ◆暫定税率再可決後の各社内閣支持率(%)◆

     支持   不支持

毎日新聞 18   61

朝日新聞 20   59

日経新聞 21   68

共同通信 19.8 66.6

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◆毎日新聞調査による歴代内閣の発足時と退陣前の支持率(%)◆

      支持      不支持

内閣    発足時 退陣前 発足時 退陣前

吉田茂   55  38  14  35

鳩山一郎  35  34  14  33

石橋湛山   -   -   -   -

岸信介   46  28  24  34

池田勇人  40  33  26  36

佐藤栄作  46  19  18  46

田中角栄  53  18  13  48

三木武夫  47  32  12  30

福田赳夫  27  25  38  29

大平正芳  27  21  24  46

鈴木善幸  38  16  21  35

中曽根康弘 39  30  31  30

竹下登   30   9  20  63

宇野宗佑  22   -  40   -

海部俊樹  31  36  27  24

宮沢喜一  31  18  22  49

細川護熙  75  74   9  12

羽田孜   43   -  23   -

村山富市  40  24  31  37

橋本龍太郎 59  27  16  41

小渕恵三  25  28  48  43

森喜朗   40   9  24  75

小泉純一郎 85  45   5  37

安倍晋三  67  29  16  58

 (注)宇野、羽田の両内閣は在任中1回しか調査がなく、石橋内閣は在任中の調査がなかった。吉田内閣の発足時の数字は、第3次内閣のもの。支持20%未満は太字にした。

毎日新聞 2008年5月12日 東京朝刊

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