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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2008年4月 8日 (火)

読売世論調査についての分析と評価

読売世論調査についての分析と評価

4月8日、発表された「読売新聞」の世論調査(3月15、16日実施。調査方法=全国の有権者3000人に250地点、層化2段無作為抽出法で戸別訪問面接聴取法、有効回収1786人、59.5%)で、画期的な結果が出た。読売新聞が過去に行ってきた憲法に関する世論調査(81年、86年、91年、93年以降は毎年)で、93年(改憲賛成50.4%、改憲反対33.0%)以来、15年ぶりに、改憲反対派が改憲賛成派を上回ったのである。 改憲賛成42・5、反対43・1%である。改正反対の理由の最多は「世界に誇る平和憲法だから」が52・5%(反対意見中、複数回答)を占めた。ここでいう改憲賛成派とは焦点の「9条」に限らず、環境など「新しい人権の付加」などを含め、憲法のいずれの箇所かを変えた方がいいという意見の人を指している。この意見は2004年にピークに達し、その時点では改憲賛成65.0%、反対22.7%となっていた。以降、この意見は年々減少傾向を示し、昨年は賛成46.2%、反対39.1%まで接近していた。
 第9条を今後どうするかについては、「厳密に守り、解釈や運用では対応しない」が23.9%で昨年より3.9%増、「これまで通り、解釈や運用で対応する」が36.2%で昨年より0.4%増加、計60.1%が改憲に反対か現状維持、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」は30.7%と昨年より5%減で、ほぼダブルスコアとなった。2004年以来の改憲反対派増の傾向は、ここにきて、憲法全般、9条の両指標とも、改憲派を追い越したのである。9条については、さらに別に第1項と2項に分けて、改憲の必要性が設問されている。戦争放棄の1項の「改憲」は12.5%、「改憲必要なし」は81.6%である。戦力不保持などの2項は「改憲」36.8%、「改憲必要なし」は54.5%であった。

この調査での集団的自衛権についての設問は異常に誘導的なものであった。「日本と密接な関係のある国が武力攻撃を受けたとき、この攻撃を、日本の安全を脅かすものと見なして、攻撃した相手に反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。政府の見解では、日本もこの権利を持っているが、憲法の解釈上、使うことはできないとしています。この集団的自衛権について、次の中から、あなたの考えに最も近いものを、1つだけあげてください。・憲法を改正して、集団的自衛権を使えるようにする ・憲法の解釈を変更して、集団的自衛権を使えるようにする ・これまで通り、使えなくて良い」とした。しかし、かくも誘導質問的なものに対して、結果は、「改憲して」が18.7%、「解約拡大で」が22.1%、「これまで通り」が51.6%であった。先の9条改憲反対の世論と同様に、平和憲法への確固たる支持の堅さが見える結果である。

 これは全国各地の草の根に急速に形成された「九条の会」をはじめ、この間の改憲に反対するさまざまな人々の運動の成果である。この間、実に多様な「市民」が、さまざまに自らの言葉で改憲反対、9条擁護の発信を次々としてきた。こうした努力が世論を掘り起こし、耕したのである。それは小泉内閣から安倍内閣にいたる経過の中で、「改革」を旗印にして「日本会議議連」など新国家主義的な改憲派がこの国の政治の中心に座り始めたことに対する、憲法3原則に代表される「戦後民主主義」的な価値に根ざしたこの社会の良心的な人々の危機感の発露であった。

今回の世論調査を発表した同紙の中で、駿河大学長の成田憲彦学長(政治学者・元細川護煕首相秘書官)は「(この結果は)安倍内閣の失敗の影響」だと断じて、「昨年の参院選前に、野党の反対を押し切って国民投票法(改憲手続き法=筆者)を成立させた。これが与野党が協調して憲法改正に取り組むという雰囲気を失わせ、いまだ国会の憲法審査会で論議が始まらない状況に至っている。参院選後は『ねじれ国会』が自民、民主の対決色を強め、一緒に憲法改正に取り組もうというムードはさらに後退した。憲法を改正しないほうがよいという理由では『世界に誇る平和憲法だから』が増えている。イラク戦争の泥沼化と、安倍内閣が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めようと結論を急ぎすぎたことが、ここでも影響している」と評価した。これらの評価はおおむね妥当であると思われる。この評価は私が本ブログで昨年5月14日、「この10年のたたかいをふりかえって」で書いたことに通じるものがある。当時、私は「改憲手続き法の成立は政治的には敗北だが、運動として敗北感はない」と主張していた。この10ヶ月余り、それを裏書きする事態が進んできた。私たちは確信を持って良いのではないか。

それにしてもこの点はどう評価すべきだろうか。この世論踏査で、自衛隊の海外派兵恒久法を必要と思う人は46%で、「そうは思わない」の42%を上回った。まず、この設問も集団的自衛権問題以上に誘導的であることを指摘しなくてはならない。それはこうである。「政府は、国連のPKO、平和維持活動以外で、自衛隊を海外に長期間派遣するときには、その都度、特別な法律を作って対応してきました。あなたは、これを改めるために、自衛隊の海外派遣のルールを総合的に定めた新しい法律、いわゆる『恒久法』が必要だと思いますか、そうは思いませんか」というものである。これでは「そのつどやるのは大変だから一般法は必要と思う」といってしまいそうである。しかし、誘導的であるにしても、集団的自衛権では拒否が多かったのであるから、この問題は軽視できない。これは自衛隊海外派兵恒久法がいかに危険なものであるかの暴露の作業が進んでいないことの現れであろう。この問題を克服することが、改憲反対運動を進めてきた私たちの今後の緊急の課題である。私たちには広範な9条支持の世論を基盤にして、自衛隊海外派兵恒久法が9条を根底から破壊する悪法であることを暴露する仕事に取り組まなくてはならない。(高田)

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