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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2008年2月 3日 (日)

陸自中央即応集団の動き

自衛隊海外派兵恒久法への動きが強まる中、覆面の特殊部隊(日本版グリーンベレー)=中央即応集団が在沖米軍基地内で、米グリーンベレーと共同訓練を行った。琉球新報の記事である。
関連して、少し前の日経新聞の記事であるが、自衛隊の海外活動の現状についての分析記事を採録しておく。(高田)

琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-30985-storytopic-3.html
陸自特殊部隊が「研修」 事実上の共同訓練

 【東京】テロやゲリラなど多様な事態に対処する陸上自衛隊「中央即応集団」の部隊員20人が1月13日から2月2日までの日程で、県内演習場で在沖米軍実践訓練の研修をしていることが31日、分かった。詳細は明らかにされていないが、関係者によると「中央即応集団」の部隊は陸上自衛隊初の特殊部隊「特殊作戦群」で、米軍側は米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)とみられる。「中央即応集団」が米軍訓練の研修を行うのは創設以来、県内外を含め初めて。
 日米軍事同盟の強化が進んでいることを如実に示す動きで、研修という名のもと、自衛隊と米軍の事実上の共同訓練が行われている事実が浮き彫りになった。さらに、米陸軍のグリーンベレーが駐留する沖縄が日本版グリーンベレー養成の一翼を担わされる構図も明らかになった。
 研修場所は明らかにされていないが、金武町キャンプ・ハンセンのレンジ4内に米陸軍特殊部隊・グリーンベレー用に建設された米陸軍都市型戦闘訓練施設があり、そこで行われている可能性もある。
 防衛省によると、陸上自衛隊による米軍の研修は「教育訓練、知識、技能の質的向上」が目的で、年度ごとに計画される。
 担当者は「訓練の様子を見たり、説明を受けるもので訓練ではない」とし、研修の詳細は「米軍側が計画しており把握していない」と説明。「中央即応集団」と米軍の共同訓練自体は「県内外を含め、行われたことはない」としている。

<ニュース用語>中央即応集団
 2007年3月28日に創設。防衛相が直轄する機動運用専門部隊。特殊作戦群(習志野駐屯地)や第1空挺団(同)などからなり、創設時の人員は約3200人。特殊作戦群の人員は約300人で、編成や装備、訓練内容などは明らかにされていないが、グリーンベレーを手本にしているとされる。

(2/1 9:58)

http://www.nikkei.co.jp/seiji/20080119e3s1900e19.html

日経新聞 「次」が見えない自衛隊の海外活動

政治部・関口圭(1月21日)

  2008年1月9日、防衛庁が省に昇格してから1年が経過した。半世紀にわたる悲願を成し遂げ、高揚感に包まれた1年前とは異なり、今年は祝賀式典など一切なし。相次ぐ不祥事の反省から華やかな行事は自粛を迫られた。同じ日に首相官邸では防衛省改革会議が開かれ、皮肉にも防衛省を再建するための“外科手術”が検討された。だが、長い目でみると、防衛省が抱える宿題は目先の改革ばかりではない。「本来任務」に定めた海外活動の議論が足踏みし、自衛隊による国際貢献の次の一手が見えてこないのだ。

 「積極的に探すということではない。しかし、国際社会の平和と安定に対して派遣するという考え方からすれば、やや少ないかなという印象だ」。インド洋での給油活動特別措置法が衆院の3分の2以上の賛成で再可決・成立した11日、石破茂防衛相は記者会見で、自衛隊の海外活動の少なさを認めた。海上自衛隊がインド洋で給油活動を再開するのは2月中旬の予定。派遣部隊は約340人で、イラクでの空輸活動を続ける航空自衛隊員約210人を上回る大きな活動が復活する。ただ、給油再開は「マイナスからゼロに戻るだけ」(外務省筋)であり、新しい貢献策ではない。

 国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加を定めたPKO協力法に基づく派遣に限ると、現在の派遣規模は、ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)や国連ネパール支援団(UNMIN)など合計53人にとどまる。一方、中国は昨年4月時点で、国連リベリア・ミッション(UNMIL)などアフリカを中心に12のPKO活動に1820人を派遣している。

 防衛白書でも初めて中国のPKO活動を取り上げ「一定の存在感を示している」と急速な台頭に警戒感をにじませた。防衛省幹部は「天然資源確保をにらんだアフリカへの外交ツールとしてPKOを活用している」と批判するが、国際社会での存在感の違いは一目瞭然(りょうぜん)だ。自衛隊には「もし海自がインド洋から撤収している間に中国が『日本の代わりに補給艦を出す』と宣言したら、米国をはじめ国際社会は完全に日本を見限る」と危機感をあらわにする幹部もいる。

 存在感の薄い防衛省だが、少なくとも昨年夏までは国際貢献を広げようとした形跡はある。昨年6月に「国際平和協力活動・関係幹部会議」を創設し、月1回のペースで協議する予定だった。だが、当時の久間章生防衛相が「原爆投下、しょうがない」発言で辞任し、迷走が始まる。急きょ登板した小池百合子元防衛相も就任記者会見で「国際平和協力活動への積極関与」を今後の課題に掲げたが、当時の守屋武昌防衛次官との次官人事を巡る確執と混乱のうちに会議はおろか、政策協議までストップしてしまった。

 それでも諸外国から自衛隊による貢献に期待する声は強い。「文民輸送用ヘリコプターを派遣してほしい。緊急医療用のチームと機器も派遣してほしい」「アフガンで何ができるかとの議論は日本でますます活発になる」。昨年12月に来日した北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は講演で、アフガン復興への日本の新たな貢献に期待感を示した。

 福田康夫首相は同氏との会談で、アフガン復興に当たるNATOと連携を強めるため、在アフガニスタン大使館員(外務省職員)1人を首都カブールにあるNATO文民代表部との連絡調整員に任命すると約束。新たな貢献への積極姿勢をアピールしようとした。だが、肝心の防衛省・自衛隊は「アフガン本土へのヘリ派遣は危険すぎる。全く検討していない」(自衛隊幹部)とゼロ回答を決め込んだままだ。

 外務省や内閣府にはアフリカで活動するPKOの隊員養成支援策として、自衛隊員を教官として派遣する案も浮上しているが、防衛省首脳は「アフリカに自衛隊員を派遣しても何の国益にもならないし、政策的な進歩にもつながらない」と消極的だ。今年3月にはPKO先遣隊を務める陸上自衛隊の「中央即応連隊」(約700人)が防衛相直轄の精鋭部隊「中央即応集団」に加わり、国際協力の態勢は拡充される。だが、「目下、新たな海外任務のアイデアはない」(統合幕僚監部幹部)という。不祥事などで激しい逆風にさらされ、完全に萎縮してしまっている。

 拓殖大の森本敏大学院教授は日米同盟の観点からこの状況に警鐘を鳴らす。「米国は省昇格を大歓迎していた。だが、本来任務化した国際平和協力業務は進まないし、国家安全保障会議(日本版NSC)も、集団的自衛権行使見直しもやめてしまった。米国は失望している。将来に大きな損失を招いている」。石破氏も「米国の期待値を下げすぎないために給油再開は国家の姿勢として必要だった」と指摘。その上で「給油再開が恒久法につながらなければ意味がない」と危機感をあらわにする。

 確かに、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の議論は動き出したかにみえる。首相は今月18日の衆院本会議での施政方針演説で、恒久法の検討着手を表明した。ただ、民主党内には「不祥事が続く防衛省のままで国際貢献を担う資格はない」との声もあり、論議の視界は不良だ。

 インド洋給油法案の審議過程では「自衛隊を何のために海外に出すのか」という基本論は与野党間で深まらなかった。恒久法議論も政争の具に用いられるなら、日本の国際社会での存在感は薄れ、孤立感ばかりが目立つことになる。

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