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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2008年2月

2008年2月29日 (金)

右派論客・西尾氏の恥知らずな言いぐさ

あきれてものが言えないというのはこういう西尾のたぐいの人物の論調をいう。「加害者にも被害者にも、平等に義務がある」んだってサ! 時間がもったいないので、論評しないが、一読する価値はあると思う。これが日本の右派の代表的な論客の主張なのである。本日の産経新聞掲載の論文である。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080229/plc0802290317000-n1.htm
【正論】イージス艦事故 評論家・西尾幹二 自衛隊の威信は置き去りに

2008.2.29 03:15
このニュースのトピックス:正論

 ■国防軽視のマスコミに大きな責任

 ≪軍艦の航行の自由は≫

 海上自衛隊のイージス艦が衝突して漁船を大破沈没せしめた海難事故は、被害者がいまだに行方不明で、二度とあってはならない不幸な事件である。しかし事柄の不幸の深刻さと、それに対するマスコミの取り扱いがはたして妥当か否かはまた別の問題である。

 イージス艦は国防に欠かせない軍艦であり、一旦緩急があるとき国土の防衛に敢然と出動してもらわなければ困る船だ。機密保持のままの出動もあるだろう。民間の船が多数海上にあるとき、軍艦の航行の自由をどう守るかの観点がマスコミの論調に皆無である。

 航行の自由を得るための努力への義務は軍民双方にある。大きな軍艦が小さな漁船を壊した人命事故はたしかに遺憾だが、多数走り回る小さな漁船や商船の群れから大きな軍艦をどう守るかという観点もマスコミの論議の中になければ、公正を欠くことにならないか。

 今回の事故は目下海上保安庁にいっさい捜査が委ねられていて、28日段階では、防衛省側にも捜査の情報は伝えられていないと聞く。イージス艦は港内にあって缶詰め状態のままである。捜査が終了するのに2、3カ月を要し、それまでは艦側にミスがあったのか、ひょっとして漁船側に責任があったのか、厳密には分からない。捜査の結果いかんで関係者は検察に送検され、刑事責任が問われる。その段階で海上保安庁が事故内容の状況説明を公開するはずだ。しかもその後、海難審判が1、2年はつづいて、事故原因究明がおこなわれるのを常とする。

 ≪非難の矛先は組織に≫

 気が遠くなるような綿密な手続きである。だからマスコミは大騒ぎせず、冷静に見守るべきだ。軍艦側の横暴だときめつけ、非難のことばを浴びせかけるのは、悪いのは何ごともすべて軍だという戦後マスコミの体質がまたまた露呈しただけのことで、沖縄集団自決問題とそっくり同じパターンである。

 単なる海上の交通事故をマスコミはねじ曲げて自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質だと言い立て、矛先を組織論にしきりに向けて、それを野党政治家が政争の具にしているが、情けないレベルである。今のところ自衛隊の側の黒白もはっきりしていないのである。防衛省側はまだ最終判断材料を与えられていない。組織の隠蔽かどうかも分からないのだ。

 ということは、この問題にも憲法9条の壁があることを示している。自衛隊には「軍法」がなく、「軍事裁判所」もない。だから軍艦が一般の船舶と同じに扱われている。単なる交通事故扱いで、軍らしい扱いを受けていないのに責任だけ軍並みだというのはどこか異様である。

 日本以外の世界各国において、民間の船舶は軍艦に対し、外国の軍艦に対しても、進路を譲るなど表敬の態度を示す。日本だけは民間の船が平生さして気を使わない。誇らしい自国の軍隊ではなくどうせガードマンだという自衛隊軽視の戦後特有の感情が今も災いしているからである。防衛大臣と海上幕僚長が謝罪に訪れた際、漁業組合長がとった高飛車な態度に、ひごろ日本国民がいかに自衛隊に敬意を払っていないかが表れていた。それは国防軽視のマスコミの体質の反映でもある。

 ≪安保の本質論抜け落ち≫

 そうなるには理由もある。自衛隊が日本人の愛国心の中核になり得ず、米軍の一翼を担う補完部隊にすぎないことを国民は見抜き、根本的な不安を抱いているからである。イージス艦といえばつい先日、弾道ミサイルを空中で迎撃破壊する実験を行った。飛来するミサイルに水も漏らさぬ防衛網を敷くにはほど遠く、単なる気休めで、核防衛にはわが国の核武装のほかには有効な手のないことはつとに知られている。

 米軍需産業に奉仕するだけの受け身のミサイル防衛でいいのかなど、マスコミは日本の安全保障をめぐる本質論を展開してほしい。当然専守防衛からの転換が必要だ。それを逃げて、今のように軍を乱暴な悪者と見る情緒的反応に終始するのは余りに「鎖国」的である。

 沖縄で過日14歳の少女が夜、米兵の誘いに乗って家まで連れていかれた、という事件があった。これにもマスコミは情緒的な反応をした。沖縄県知事は怒りの声明を繰り返した。再発防止のために米軍に隊員教育の格別の施策を求めるのは当然である。ただ県知事は他にもやるべきことがあった。女子中学生が夜、未知の男の誘いに乗らないよう沖縄の教育界と父母会に忠告し、指導すべきであった。

 衝突事故も少女連れ去りも、再発防止への努力は軍民双方に平等に義務がある。(にしお かんじ)

2008年2月28日 (木)

九条を守る首長の会/憲法は地域住民の隣にある

本日(28日)の河北新報社説である。本ブログでも紹介した宮城県内の首長経験者14人の動きである。この社説が地方自治との関連で、「憲法九条を守る首長の会」の動きを評価していることに注目したい。(高田)

http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2008/02/20080228s01.htm
九条を守る首長の会/憲法は地域住民の隣にある
 憲法九条(戦争放棄と戦力の不保持)の改正反対を主張する宮城県内の市町村長経験者14人が今月初め、「憲法九条を守る首長の会」(会長・川井貞一前白石市長)を結成した。

 「……九条の会」といった各界の組織は全国で5000を超えると言われるが、「首長」と名のつく会は川井会長が言っている通り、恐らく初めてだろう。

 地域社会でも先の戦争体験の風化が進む中、首長の会の結成は「住民と戦争」あるいは「自治体と憲法」について重い問題を提起しているのだと思う。

 自民党が2005年につくった「新憲法草案」は現憲法九条一項の戦争放棄を維持した上で二項の戦力不保持を変更、国の安全保障や国際平和協力のため「自衛軍」を創設するという。

 かいつまんで言えば、集団的自衛権か個別的自衛権かは別にして、日米同盟関係の変化に対応しながら国際社会で発言力を増すためには相応の軍備(自衛軍)が必要だ―との理屈が同党の九条改正論の裏側にある。

 これに対し、地方政治には縁遠いとみられてきた九条にあえて着目した理由について川井氏は「住民の安全安心など、戦争がひとたび起きれば吹き飛んでしまうからだ」と言っている。

 住民生活の向上を政治判断の最大基準にしなければならない市町村長の経験者だからこそ、九条改正に厳しい目を向けざるを得ないということだろうか。

 川井氏の発言は、能動的な外交やグローバリズム時代を重視した九条改正論と自治体住民の意識の間にはまだまだ大きな開きがあることを浮き立たせる。
 憲法改正の手続きを定める国民投票法が昨年5月成立した。

 「憲法は不磨の大典ではないのだから改正の自由を確保しておくべきだ」といった率直な世論に後押しされてのことだ。

 しかし、法を成立に引っ張ったのは九条を柱とする憲法改正に前のめりなほどの意欲をみなぎらせた安倍晋三内閣だった。

 続く福田康夫首相の登場で安倍カラーは消されて改憲熱も冷めたかに見えるが、改憲論はいつ再燃しても不思議はない。

 そうした重苦しい空気を背景に、国民投票法の成立効果とも言える現象が広がっている。

 明確な九条改正、九条を維持した上での憲法改正、そして護憲。それらを求める動きは政党レベルだけでなく、意識的な市民団体にまで見られるようになった。「……九条の会」のような組織もその一つと言えよう。

 その中で、九条改正に異を唱えつつ改憲問題にアプローチしようとする「首長の会」の登場は特別の意味があると考える。

 川井氏はかつて自民党籍を持ったが、市長時代に自民党の公約を強行したわけではあるまい。自治体の首長は住民を意識するほど政党イデオロギーに縛られまいとする。

 そして自治体の住民は政党政治の思惑に左右されない行政のサービスを受けることになる。

 「首長の会」の主張はこうした「普通の住民」の集まりである地方自治体からの発信だ。幅の広い憲法論議に向けて一つの窓を開けたと言えるだろう。
2008年02月28日木曜日

2008年2月27日 (水)

石破防衛相の食言

これは石破防衛相の食言だ。2月22日の衆院安全保障委員会で彼はこういった。「情報操作が行われているとすれば、大臣として責任を取るべきものだ」と。彼はこの日、事実関係に関する情報操作や隠蔽(いんぺい)が発覚した場合、引責辞任する意向を示した。首相も「もし情報操作があれば許すことのできない問題だ。今のところそういうことは(ない)」と述べた。しかし、この報道(本日の朝日紙)はどうだ。あきらかに、この委員会で語ったより数日前に、証拠隠滅のために航海長を呼びつけ、それを隠していたのだ。石破大臣は辞任せよ。福田首相はどう責任をとるのか、明確にせよ。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0227/TKY200802270124.html
「適切でなかった」 防衛相、海保に無断の聴取認める

2008年02月27日12時13分

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故当日の19日午前、海上幕僚監部があたごの航海長をヘリコプターで呼び寄せて防衛省内で事情を聴いていた問題をめぐり、石破防衛相は27日午前の衆院予算委員会分科会で、海上保安庁に無断で行ったことを認めた。聴取は石破氏のほか事務次官、統合幕僚長、海上幕僚長ら4首脳が大臣室で行っていたことも新たに判明した。これまで同省は否定していたが、捜査を受ける側が「密室」で捜査当局に無断で聴取を行っていたことになる。捜査妨害や口裏合わせとの疑念も生じかねない行為に防衛省トップの石破氏自らがかかわったことで、一連の対応への批判がさらに高まりそうだ。

 分科会で、高鳥修一氏(自民)が、航海長をヘリコプターで呼び寄せて事故当時の状況を聞いた経緯を質問した。石破氏は「防衛省において一刻も早く事故状況を把握し、対外的に説明するための行動だった」と釈明。そのうえで、「結果論となるが、海保の了解を得ないで乗組員の聴取を行っていたことは、内部的な調査であったとしても、必ずしも適切ではなかった」と述べ、これまでの防衛省側の説明を翻した。

 あたごの衝突事故から約6時間後の19日午前10時前、海上幕僚監部が航海長をヘリで東京に呼んで事情を聴き、石破防衛相にも直接報告させていた。同省幹部によると、航海長が同省に到着した後、石破氏は大臣室で増田好平事務次官、斎藤隆統合幕僚長、吉川栄治海上幕僚長らとともに直接事情を聴いたという。

 この経緯について同省は26日の会見では「航海長をヘリに乗せる前に、横須賀地方総監部が横須賀海上保安部に通報した」と説明していた。

 一方、第3管区海上保安本部が調べたところ、出先機関を含め防衛省側からの事前連絡を受けた部署の確認はできなかった。19日午後、事後報告という形で防衛省から海上保安庁本庁に報告が入っていたことが分かったという。

 さらに、海幕は19日深夜から20日未明にかけて、あたごに戻った航海長らに電話で事実確認の問い合わせをした際も、海保に断っていなかったことがすでに判明している。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は27日午前、都内で記者団に、石破氏自らが航海長から事情を聴いていたことについて「隠蔽(いんぺい)工作だと思われても仕方ない。海保が事情聴取する前の口裏合わせに使えてしまう」と批判した。

これは関連する赤旗新聞の記事です。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-27/2008022703_01_0.html

自衛隊PKO、新規派遣・政府検討、中東などの司令部に

本日の日経紙報道。大きな記事ではないが見逃せない動きである。福田首相が施政方針演説で「平和協力国家」を主張し、そのなかで自衛隊海外派兵恒久法の検討をとなえた。この動きは、派兵恒久法だけでなく、幅広く取り組んでいるのだという煙幕になる。(高田)

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080227AT3S2600L26022008.html

自衛隊PKO、新規派遣・政府検討、中東などの司令部に

 政府は国連平和維持活動(PKO)への新たな自衛隊派遣の検討に入った。中東やアジアなどで、PKO部隊の運営を統括する現地司令部に要員を出し、情勢が把握できれば実動部隊も派遣する。福田康夫首相は平和構築に積極的に関与する「平和協力国家」を提唱しており、7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)までに実施計画を閣議決定する考えだ。

 司令部要員の派遣先として、東ティモールの国連東ティモール統合派遣団(UNMIT)や、イスラエルなど中東4カ国の国連休戦監視機構(UNTSO)などを想定。スーダン南部の国連スーダン派遣団(UNMIS)も検討する。数人程度の要員でPKO部隊の運営を補佐、自衛隊にどのような活動ができるかを調査したうえで、実動部隊の派遣を探る。(07:03)

2008年2月26日 (火)

福田康夫内閣支持率3割を割る

福田内閣支持率が続落である。産経・FNN合同世論調査結果。
石破防衛相は「辞任しないで問題を解明し責任をとれ」と語った漁民の血の叫びを狡猾にも逆用している。実際のところ、石破が辞任しても、問題の解明に不都合はない。防衛省の中での石破の位置はその程度に過ぎない。問題を明らかにするためにも石破防衛相は辞任すべきではないか。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080225/stt0802251300001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080225/stt0802251300001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080225/stt0802251300001-n3.htm
2008.2.25 13:01
このニュースのトピックス:年金問題

 産経新聞社がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で23、24の両日実施した世論調査で、イージス艦と漁船の衝突事故をめぐる石破茂防衛相の責任問題について「すぐ辞任すべきだ」との回答は6・5%にとどまり、「辞任せず、防衛省の体制見直しなどを続けるべきだ」とする回答が全体の約6割を占めた。石破氏の引責辞任よりも、事故の再発防止や防衛省の体質改善に期待する声が強いことが浮き彫りになった。「再発防止策などにメドがついたら、辞任すべきだ」する回答は32・0%だった。

 この事故への福田政権の対応については、「評価する」と答えたのは11・6%と低かった。逆に「評価しない」が、76・1%と、福田政権の危機管理能力を不安視する回答が多かった。
008.2.25 13:01
このニュースのトピックス:年金問題

 福田康夫内閣の支持率は28・7%と、前回調査(1月)の36・6%よりも7・9ポイント下げ、福田内閣として初めて30%を割った。逆に不支持率は前回の47・3%より4・9ポイント上がり、初めて過半数に達した。
2008.2.25 13:01
このニュースのトピックス:年金問題

 福田政権に対する評価では、「経済政策」「外交政策」「年金問題」などで軒並み6割程度が「評価しない」と回答。特に、在日米軍不祥事とイージス艦事故への対応を「評価しない」とする回答が7割を超えており、一連の問題に対して世論が厳しい視線を向けていることが分かった。

2008年2月24日 (日)

メディアに載った九条おじさん

本日の北海道新聞のコラム「卓上四季」に「九条おじさん」が載った。簑輪さんである。草の根でコツコツと努力を重ねる簑輪さんにこの間、いくつものメディアが注目してくれた。朝日新聞、毎日新聞なども簑輪さんを紹介した。こうした報道を通じて簑輪さんの努力がどれだけ多くの人々を励ましたことだろうか。
草の根の市民の力は微力である。しかし、その微力であることを嘆かずに、にたじろがないで、簑輪さんは、権力を持った改憲派に向かい、自分にできることをやっている。このちからはすごい。誰かが言ったことがある。微力ではあるが、無力ではないと。「微」が10000筆集まるとき、それは「有力」になるにちがいない。強力になるだろう。春が来る頃、簑輪さんのたった1人の署名運動は10000筆を超える。
本日、5月の幕張をめざして、「9条ピースウオーク」がヒロシマを発つ。折悪しく、風が強く、寒い。でも70日以上の平和行進を通じて、この市民たちが沿道の人々に訴え続ける思いは熱い。こうした一見、無謀なことを計画し、執念にも似た準備の努力の中で、実現しつつあるピースウオーク実行委員会の仲間たちに敬意を払いたい。5月、関東の春爛漫の花々の中で、私はこのピースウオークの人々を迎えることができるのがうれしい。
いま、私たちは海外派兵恒久法の策定の動きに抗議する共同アピールの賛同を呼びかけている。次々とよせられる賛同の声に添えてある一言が励みになる。こうした市民の無数のおもいのつながりを感じている。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/
卓上四季
九条おじさん(2月24日)

東京・小金井市に住む簑輪喜作さん(78)は地元で「九条おじさん」と呼ばれている。二○○五年十二月から一人で憲法九条を守る署名を集めている▼ 「9条の会・こがねい」の発足がきっかけだった。戸別訪問から始め、今は毎日のように自宅近くの武蔵野公園に通う。二年余りで署名は九千人分を超えた。半数は若い人たちだ。「今どきの若者はといった声を聞きますが、そんなことはない。話しかけてみるとしっかりした人が多いことがわかります」▼戦争はいかに悲惨か。九条が変えられたらみんなはどうなるか。そんな話をする。涙ぐみながら聞いてくれたり、自宅を訪ねてきたり、手紙をくれたりする若い人もいる。九条が自衛隊員の兄を守ってると話す青年からは「兄ちゃんのためにも頑張って」と言われた▼終戦翌年から四十四年間、新潟県の山奥の小学校に用務員として勤めた。大勢の子供たちと接してきた。九条だけは次の世代に残さなければならないと話す▼「日本がおかしくなっている。私は十五年戦争まるごと生きてきた。その体験者がなぜあの時動いてくれなかったのかと後世の人に言われたくないのです」とも▼広大な武蔵野公園には各地から多くの人が来る。「この年になって人生で最高の経験をさせてもらっています」。署名簿片手に笑顔を見せる簑輪さん。若者との出会いが増える春が待ち遠しいようだ。

2008年2月22日 (金)

マスメディアのミスリードの危険

インド洋北部での開場自衛隊による「給油」が4ヶ月ぶりに再開された。本日の毎日新聞社説は、このことに絡めて「期限切れをにらみ海外派兵恒久法の協議を今から慎重に進めよ」という主旨の議論を書いた。これはまさに、「良識」の衣を着たミスリーディングである。
特に後半の「日本は秋以降、テロ新法を延長するか、恒久法を制定するかの判断を迫られる。」以降の論調は酷い。「延長か、新法の制定か」などという前提がおかしい。給油新法の制定は、当時、参議院で否決された。制定するなという意志であったし、世論の過半もそうであった。公平に見て、期限切れの時に迫られるのは、「廃止か、延長か」であろう。「恒久法の議論の環境は整いつつある」とか、「議論が混乱すれば、国際的信用は低下する」とかいう立場は、「国際的信用」などという今では通用しない論理で、自衛隊の海外派兵を前提とする立場だ。こうしたメディアのあり方に抗議すべきだ。
追記:私は先ほどこういう主旨で抗議の電話をした。応対にでた記者は、「社説は恒久法が前提ではないし、自分は恒久法は危険だと思っている。国際についての指摘もその通りで、あくまでアメリカに追従するか、そうでないかだ」という話であったが、社説の「理解」は異なっていた。(高田)

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080222k0000m070133000c.html
社説:給油再開 期限切れにらみ慎重論議を

 4カ月近い空白を経て、海上自衛隊によるインド洋での給油・給水活動が21日に再開された。

 1月下旬に日本を出航した補給艦「おうみ」と護衛艦「むらさめ」は、海上阻止活動(OEF-MIO)の実施海域に到着し、まずパキスタン艦船への補給を終えたという。対テロ包囲網への復帰である。

 海自の艦船は、旧テロ対策特別措置法の失効(昨年11月2日)に伴って、インド洋から撤収していた。このため、政府は今年1月11日に衆院与党による「3分の2」の再可決で新テロ特措法の成立にこぎつけた。

 現在6カ国が参加する海上阻止活動は、テロリストの海上移動を監視し、武器や麻薬の拡散を防止するものだ。9・11テロ後に大きく変化した安全保障環境を考えれば、日本も国際社会で応分の責任を果たす必要がある。ただし、その活動をめぐるさまざまな疑問に鈍感であっては困る。

 テロ新法の審議過程では、油の転用疑惑が一つの焦点だった。政府は今回、転用防止策として、補給対象を「海上阻止活動に限定する」と明記した交換公文を米英仏パキスタンの4カ国と交わした。もし転用が疑われるような場合は、防衛相に判断を仰ぐという。

 国民の理解を得るよう努力することは当然だ。イージス艦の衝突事故を受け、海自を取り巻くまなざしはさらに厳しくなっていることを忘れてはならない。

 給油再開にあたって国会が心しておくべきなのは、1年の時限法であるテロ新法が来年1月15日に再び期限切れを迎えることだ。

 残念ながらアフガニスタン情勢が劇的に改善する見込みはない。このため今秋の米大統領選で民主党政権が誕生したとしても、対テロ国際活動が縮小するとは考えにくい。であれば日本は秋以降、テロ新法を延長するか、恒久法を制定するかの判断を迫られる。

 恒久法は、個別事案ごとに特措法で自衛隊を派遣するのではなく、あらかじめ国際平和協力活動への参加要件や活動形態を定め、迅速に対応しようというものだ。時限法の対立概念であり、一般法とも呼ばれる。

 福田康夫首相は1月の施政方針演説で「一般法の検討を進める」と表明した。今月から党内論議を本格化させた自民党は、今国会中の法案提出を求めている。民主党も安全保障に関する基本的な法整備を唱えており、公明党を含めて恒久法を論議する環境は整いつつある。

 期限切れ目前になって再び政局が混乱する事態になれば、日本の国際的信用は低下する。恒久法の論点は幅広く、駆け込みで審議する性質のものではない。

 時間的に余裕のある今の段階から慎重に協議を進めることが、与野党の共通認識を深め、かつ国会による文民統制力を高めることにもつながるはずだ。

毎日新聞 2008年2月22日 0時01分

2008年2月21日 (木)

雑記(29)繰り返す米兵の凶行

19日夕刻、国会前で開かれた女性3団体呼びかけのキャンドルデモ形式の「抗議集会」に市民連絡会も賛同して、協力した。予想を超える100名の人々の参加があって、怒りが渦巻いていた。同じ日、沖縄では女性を中心に300人の集会が開かれた。
しかし、その後もこんなにもつづく米兵の凶行。開いた口がふさがらない。米軍も自衛隊も民衆を守らず、犠牲にする。以下、琉球新報の記事である。(高田)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-31547-storytopic-1.html
また凶行、不信頂点 米兵女性暴行拘束

 米兵による蛮行が止まらない。10日の米兵女子中学生暴行事件の発生後、飲酒運転、住居不法侵入と米兵による事件が相次ぐ中、また米兵による外国人女性への暴行致傷事件が明らかになった。米軍上層部が「綱紀粛正」「再発防止」を繰り返し強調しながらも重大事件が続発する状況に、基地所在自治体の首長や、県民の間からは「軍人の素性が見える」「綱紀粛正も全く機能していない」と強い怒りの声が上がった。
 米兵女子中学生暴行事件を受け、米軍や関係機関に抗議・要請し、町民大会の開催を決めている野国昌春北谷町長は「10日の事件から約1週間後に、われわれが抗議など行動している中でまた犯罪が起きている。(米軍が)反省していない証拠だ」と怒りをぶちまけ、「犯罪が繰り返されるのは米軍そのものの体質に問題がある。許し難い」と蛮行を糾弾した。
 沖縄市議会の与那嶺克枝・基地に関する調査特別委員長は、10日の事件を受けて抗議した際の米軍の対応を挙げ「米軍トップの立場で対策を取ると表明し、その動きも見えた矢先だったのに」と絶句。「事件の詳細は分からないが、米軍の危機管理体制がまったくなっていないということの表れだ」と厳しく指摘した。
 女子中学生暴行事件で抗議する県民大会開催を計画している県婦人連合会(沖婦連)の小渡ハル子会長。「女性の人権がこうまで踏みにじられ続けるとは」と絶句。10日の米兵女子中学生暴行事件発生以来、事件が相次ぎ、さらに凶悪犯罪が起きたことに「米軍が行う教育プログラムも綱紀粛正もまったく機能していないことが分かる。女性や子どもの暮らしを守るには米軍基地撤退を求めるしかない。恐ろしくて暮らせない。絶対に許せない。1日も早く県民大会を開かないといけない」と怒りをみせた。
 県子ども会育成連絡協議会の玉寄哲永会長は「あれだけの事件を起こし県民に衝撃を与えたのに、米軍がいう再教育に逆行している。綱紀粛正を幹部たちは認識しているが、一般の兵士はその姿勢ができていない。軍人の素性が見える」と怒りを示した。さらに「問題が連鎖して次々と何か大きなものを引き起こしかねない状況になりつつある。県民大会を通して意思表示をしないといけない」と語気を強めた。

(2/21 10:33)

2008年2月20日 (水)

雑記(28)上野の野宿者に魚を届けていた若い漁師・吉清君

イージス艦「あたご」が千葉の漁船に衝突し、載っていた漁民親子は依然行方不明である。一刻も早く救出されることを願うばかりだ。この事件で自衛隊に文句を言いたいことはMD問題を筆頭に、ヤマほどある。しかし、それはさておいて、この記事を紹介したい。
東京新聞で見つけた記事である。今も冷たい海の中にいる漁民の青年、吉清哲大くん(23歳)の素顔の紹介記事である。読んでいて思わず目頭が熱くなった。
詳しくは記事に譲るが、彼はここ4年ほど、年に3~4回、それぞれとろ箱30箱以上の鯖や鰯を「上野のホームレス支援に」と、自らトラックで届けていたのである。
戦争をする自衛艦からみれば、吉清君は数字の「1人」に過ぎないのかもしれない。しかし、その1人の中身はこんなにもやさしく、暖かく、夢にふくらんでいる。こんなすばらしい漁民の若者をいま寒い冬の海に放り出していることの罪の重さを、防衛相たる石破氏は考えることができないだろう。自分に報告が1時間以上遅れたことに文句をつけていたが、他人事ではない、それは石破氏が責任者をやっている防衛省のことなのだ。石破が言っているシビリアンコントロールとはこの程度のものなのだ。石破氏の責任は重い。もちろん、福田首相もだ。まさか、今回は「自衛隊、どうなっちゃっているんだろうね」などとはいうまい。
吉清君はいま父親とともに海中で苦闘している。家族が、漁師仲間が悲しんでいる。そして吉清君のトロ箱を待っていた上野の野宿者や支援者たちも悲しんでいるだろう。私も悲しい、くやしい。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008022090071644.html
■上野のホームレス支援■

『お金じゃなく申し訳ない…魚どうぞ』

 「魚のあんちゃん、無事でいてくれ」-。「清徳丸」に乗っていた吉清哲大さんは、東京・上野公園のホームレスを支援するため、ここ四年ほど一年に三-四回、自分で取った魚を届けていた。「哲」「魚のあんちゃん」と慕うホームレスやボランティアたちはひたすら安否を気遣う。

 「お金や米でなくて申し訳ないが、この魚を役立ててほしい」

 ボランティアでホームレスを支援する東京都荒川区の「赤銀杏(ぎんなん)会」の石崎克雄会長(60)のもとに、哲大さんがそう言って現れたのは四年ほど前。以来しばしば、サバやイワシなどを詰めた発泡スチロールの箱をトラックで届けるようになった。一回に約三十箱に上った。調理師の免許を持つ石崎さんは連日、料理や弁当をつくり上野公園のホームレスに配っているが、「フライや煮魚にしたり。ありがたい限り」と話す。

 石崎さんは「哲は優しくてきっぷのいい若者。自分の家族みたいに接していた」と哲大さんの人柄を語る。料理の配達役も引き受けてくれ、「酒の席で『早く嫁さんもらえ』と言うと、いつも苦笑いを浮かべる」。

 笑顔を絶やさないが、仕事の話題になると表情がきりっと締まり、「おやじ(治夫さん)の後を継ぐけれど、もっと大きな船を買って仲間と一緒に漁に出たい」と夢を口にしたという。

 行方不明のニュースを見て、赤銀杏会の事務所にはホームレスの人たちから心配する電話が寄せられている。「ショックといら立ちで足が震えてくる。何とか無事でいてほしい」。石崎さんは、祈るような気持ちで救出を待っている。(藤浪繁雄)

(東京新聞・中日新聞)

2008年2月19日 (火)

内閣不支持50・8%

読売の世論調査が発表になった。内閣不支持率が5割を超えた。このままでは福田康夫内閣はのたれ死にだ。
こんな内閣が自衛隊海外派兵恒久法をやろうとしている。
沖縄での米軍兵士の少女強姦事件に対しても、この福田首相は「米軍はどうしちゃったんでしょうね」とのたまわった。まるで他人ごとである。この人物、自分が就いている首相という位置のなんたるかが、はじめからおわかりでない。「やめなさい!」の声を大きくしよう。
今朝未明、イージス艦が漁船を真っ二つにした。福田首相は「自衛隊、どうしちゃったんでしょうね」とでも言うのだろうか。
支持率が下がるのは当然だ。(高田)

内閣不支持50・8%、暮らし直結問題で不満募る
世論調査・支持率
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080218-OYT1T00528.htm
 読売新聞社が16、17日に実施した全国世論調査(面接方式)によると、福田内閣の支持率は38・7%(1月調査比6・9ポイント減)に下落し、不支持率は50・8%(同9・2ポイント増)に増えた。

 内閣発足以来、初めて不支持率が支持率を上回った。

 内閣を支持しない理由を二つまで挙げてもらったところ「政治姿勢が評価できない」が48%と最も多く、「経済政策が期待できない」の37%、「首相が信頼できない」「安定感がない」の各28%が続いた。

 内閣に優先的に取り組んでほしい課題(複数回答)では「食品安全対策」が40%と、1月調査に比べ16ポイント増えた。内閣が最近の経済状況の変化に適切に対応していると思わない人は75%に上った。中国製冷凍ギョーザによる中毒事件や各種商品・サービスの値上げなど、暮らしに直結した問題への対応に不満が募り、支持率低下を招いたようだ。

 今国会の焦点となっているガソリン税については、道路整備のために税率を暫定的に上乗せすることを、法律の期限が切れる3月末以降も「続ける方がよい」と答えた人は29%で、「やめる方がよい」が62%に上った。ただ、ガソリン税の暫定税率を延長する租税特別措置法改正案を3月末までに採決した方がよいと思うかどうかについては、「そう思う」「そうは思わない」とも45%と、意見が分かれた。改正案採決に向け、与野党が修正に向けて歩み寄り、合意すべきだと思う人は60%に上り、「そうは思わない」の30%を上回った。

 政党支持率は自民が32・6%(1月調査比2・9ポイント減)に低下し、民主は20・0%(同3・1ポイント増)に伸ばした。
(2008年2月18日22時34分  読売新聞)

2008年2月16日 (土)

内閣支持続落、32.5%=不支持が4割超-時事世論調査

時事通信の世論調査。福田内閣は長期低落傾向が顕著だ。(高田)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200802/2008021500644&rel=y&g=pol

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2008/02/15-15:32 内閣支持続落、32.5%=不支持が4割超-時事世論調査
 時事通信社が8日から11日にかけて実施した2月の世論調査結果によると、福田内閣の支持率は前月比2.0ポイント減の32.5%で、4カ月連続で下落した。不支持は同3.4ポイント増の43.2%。支持と不支持の差も10.7ポイントに拡大した。不支持が4割を超えたのは、昨年9月の政権発足後初めて。
 福田康夫首相は、社会保障国民会議や消費者行政推進会議などを相次いで発足させ「福田カラー」を打ち出しているが、支持率低下を食い止めることはできなかった。
 不支持の理由(複数回答)は「期待が持てない」が3割近くに達したのをはじめ、「リーダーシップがない」17.4%、「政策が駄目」10.4%と続いた。

2008年2月14日 (木)

民主に恒久法協議呼び掛け 自民、対案を足掛かりに

自衛隊海外派兵恒久法への動きがさまざまに報道されている。自民党の民主党への働きかけが執拗になされていくのがよくわかる。東京新聞から記事二つ、うち一つは共同の配信。もう一つは毎日新聞の記事を紹介する。
運動を強めなければならない。
私たちは今週末の土、日に全国交流集会だ。そこで全国の仲間達と運動への意志一致をはかっていくつもりである。重要な会議になると思う。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008021301000428.html

【政治】
民主に恒久法協議呼び掛け 自民、対案を足掛かりに

東京新聞 2008年2月13日 16時54分

 自民党は13日、自衛隊海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)制定に向けた「国際平和協力の一般法に関する合同部会」(座長・山崎拓前副総裁)が初会合を開いたのを踏まえ、民主党に対して恒久法に関する政策協議を呼び掛けていく方針だ。

 衆院テロ防止特別委員会の中谷元・自民党筆頭理事が早速、鉢呂吉雄・民主党筆頭理事に電話し、民主党が新テロ対策特別措置法の対案として前国会に提出した「国際テロリズムの防止と根絶のためのアフガニスタン復興支援特措法案」の審議入りを打診した。

 衆院で継続審議となった同法案には「安全保障の原則に関する基本的法制の整備」を求める条項が盛り込まれており、自民党には法案審議を恒久法の政策協議の足掛かりにしたい思惑がある。鉢呂氏は「まだ衆院で予算案審議が続行中だ」として審議入りに慎重な考えを示したという。
(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2008021402087340.html

スコープ 恒久法 自民前のめり 『給油再び中断』回避へ焦り

2008年2月14日 紙面から

 自民党は十三日、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法に関する合同部会の初会合を党本部で開いた。座長の山崎拓前副総裁は、今国会提出、審議入りも視野に、恒久法制定を急ぐ考えを示した。しかし、公明党は制定に消極的な上、自民党が協力を期待する民主党も現段階では静観の構え。自民党の前のめりぶりだけが突出している。

  (古田哲也)

 山崎氏は会合で「恒久法を制定しておかないと、対応できないことになりかねない」と、早期制定の必要性を力説した。

 山崎氏らが制定を急ぐ背景には、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法(給油新法)が、来年一月に期限切れになることがある。

 参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」下で、再び給油活動が中断する事態を避けるには、自衛隊をいつでも海外派遣できる法体系を整備しておくべきだとの考えからだ。

 恒久法を新テロ対策特措法の期限切れに間に合わせるには、今秋の臨時国会での成立が必要。ただ、臨時国会だけでは「審議時間が不十分となる」(国防族議員)ため、今国会中に法案を提出し、ある程度審議を進めておかなければならない。

 自民党は、党内議論が本格始動したことを受け、公明党に対し、与党プロジェクトチームを二十七日にも設置することを打診。公明党はすでに先月から週一、二回のペースで党内議論を始めており、与党内での議論開始には応じる方針だ。

 ただ、恒久法の議論が進めば、武器使用の対象拡大など、憲法解釈の変更を含む論議に発展することは避けられず、公明党サイドは「今のところ法制化ありきで議論していない」(山口那津男政調会長代理)と、早期の恒久法制定に慎重だ。

 一方、恒久法をめぐる議論をきっかけに、民主党から国会審議への協力を取り付けたい自民党にとっては、制定に前向きな議員を抱える民主党の動向も気掛かりだ。

 自民党の中谷元・元防衛庁長官は十三日、民主党の鉢呂吉雄「次の内閣」外相に電話で、恒久法について「話し合いをする必要がある」と提案したが、鉢呂氏は「与党側の考え方が出てこない段階で、審議することにはならない」と拒否した。

 民主党は、新テロ対策特措法に基づく給油活動には反対姿勢を貫いてきた。自民党が給油活動継続のために恒久法制定を持ち出している以上、安易に協議に入れないというのが実情だ。

http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/02/14/20080214ddm005010025000c.html
自衛隊海外派遣:恒久法、憲法解釈置き去り 技術論先行に危うさ--自民部会

 自衛隊の海外派遣の要件を定める恒久法の合同部会が13日、自民党内に発足し、恒久法制定議論が本格化した。福田康夫首相が前向きなことに加え、新テロ対策特別措置法が1年間の時限立法のため、党内には「来年までに恒久法が必要」との認識が広がっている。ただ、自衛隊の海外活動のあり方を巡る本質的な議論ではなく、「武器使用基準」など法技術論が先行しているのが実態で、憲法との整合性などの調整は難航も予想される。【古本陽荘】

 「内閣法制局の判断は非常に重要。従来の憲法解釈を踏襲することを前提に議論する」

 合同部会の座長、山崎拓前副総裁は憲法解釈の変更を念頭に置いていないことを強調する異例のあいさつで会議を始めた。山崎氏が警戒するのは恒久法制定が憲法解釈の変更論議に進展し、法整備自体が暗礁に乗り上げることだ。

 この日も参加者からは「国際貢献をすべてカバーできるものにすべきだ」など活動範囲の緩和を求める意見が相次いだ。陸上自衛隊のイラク派遣が死者を出さず、国際的な評価を受けたことを受け、「自衛隊をもっと活用すべきだ」との空気は党内で高まっている。

 現行の憲法解釈では、海外での自衛隊の武器使用は「国や国に準じるような組織」が相手とならないことを前提に「自分や自分の管理下にある人」を守るための正当防衛に限られてきた。他国軍隊が襲われた際、駆け付けて護衛することや、巡回監視活動などはできないため、武器使用基準の解釈変更を求める声も上がっている。

 ただ、解釈変更の議論が始まれば公明党が反発するのは必至。同党はすでに国際協力の「勉強会」を始めているが「恒久法制定を前提としたものではない」(幹部)と慎重姿勢を崩していない。

 先の臨時国会では複数の民主党議員が政府側に恒久法制定を要求。福田首相と小沢一郎民主党代表との「大連立構想」の際にも恒久法が議題となった。政府や自民党内には「民主党に手を突っ込む材料」(政府筋)と政局含みの見方もあるが、同時に「命にかかわることなので政争の具にすべきではない」との懸念も出始めている。

2008年2月13日 (水)

改憲国民投票に向けた法制上の地ならし

本日、13日の産経新聞の記事であるが、読売新聞でも「18歳は成人か 法制審、議論スタート、国民投票法が契機」という大きな記事を載せている。
鳩山邦夫法相は改憲議連発足当初は議連の事務局長を務めるなど、根っからの改憲推進派であるが、こんどは自らが法務相をつとめているという立場を利用して、改憲国民投票に向けた地ならしを始めた。
18歳問題は改憲手続き法案の議論が未消化(強行採決)であることをを示す一つの問題である。法案採決が強行された167通常国会において、投票権者の年齢を民主党は18歳といい、与党は20歳と主張、法の成立を急いだ安倍内閣・与党が強引に18歳で法案を通してしまったものだ。私たちの市民運動は、投票権者が義務教育終了年齢者(15歳)でいくべきだという意見を主張してきた。
今後も議論になる問題のひとつであり、鳩山法相は「憲法審査会」が開店休業になっているなか、少しでも事態を改憲実現の方向にすすめ、あわよくば憲法審査会始動にドライブをかけようとしたのではないか。油断できない動きである。
なお、本日の「赤旗しんぶん」は「あす自民党憲法審議会 国民投票年齢を検討」という記事を掲載している。同審議会は中山太郎が会長。2010年5月の改憲手続き法施行までに、自民党単独でも検討作業を進めておかないと、法施行の基本的内容が定まらないとの焦りからの動きだと分析している。これも鳩山邦夫らと同一歩調をとったものであることは疑いないところである。(高田)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000938-san-pol
2月13日10時34分配信 産経新聞
「18歳成人」年齢引き下げ是正 法制審に諮問へ

 民法で定める成人年齢を20歳から引き下げる是非について、鳩山邦夫法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。約1年をかけて議論し、一定の方向性を打ち出す方針。成人年齢は民法で定めた結婚や取引行為のほか、飲酒や喫煙にも影響する可能性があるだけに、賛否をめぐり白熱した議論が展開されそうだ。

 昨年5月に成立した憲法改正手続きのための国民投票法が、投票できる年齢を18歳からと定めたことに伴う諮問。同法の付則には、平成22年5月の施行日までに公職選挙法や民法などの規定について検討を加え、必要な措置を講ずるよう記載されている。

 現行の民法では、「年齢20歳をもって、成年とする」と規定。成人年齢の引き下げの是非について法制審で検討が始まるのは、民法で定めた成人年齢が変わった場合、ほかの法律などに与える影響が大きいためだ。

 国民投票法の成立を受けて、政府が設置した「年齢条項の見直しに関する検討委員会」が年齢条項がある法律、政令、府省例をリストアップしたところ、計308本が該当。その中には未成年の飲酒や喫煙を禁じた法律など、社会的な論議が巻き起こりそうなものも含まれ、各省庁は民法改正の行方を見守ったうえで、所管する法律などを検討するとみられる。

 海外では、韓国、ニュージーランド、タイは成人年齢を20歳としているが、英国、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢としている。

産経新聞が「子どものしつけの徹底」を叫ぶいかがわしさ

本日(13日)の産経新聞のコラムである。沖縄の人々が心から怒っているのに、なんともやりきれない記事である。産経の花岡客員編集委員のこの言いぐさに本音があられている。花岡にとってははじめに米軍基地ありきなのだ。なんとも、いやな記事だ。いかがわしい記事だ。
花岡氏がどこで育った、どういう年代の人物かは知らないが、少なくとも私は「戦後」といわれる時代を東北地方の山村に育ったので、「『知らない人についていってはダメ』。筆者などの世代は子どものころ、親から口うるさく言われたものだ」などとは言われていない。
「道で知らない人とすれ違っても『こんにちわ』ときちんと挨拶しなさい」と教わったのは覚えているが。いまでも故郷の近くを通ると、子ども達は見知らぬ私に「こんにちわ」と元気に挨拶してくれる。(高田)

【政論探求】「反基地」勢力が叫ぶいかがわしさhttp://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080212/plc0802122007008-n1.htm
 また、なんともやりきれない事件が起きた。沖縄の駐留米兵による少女暴行事件だ。

 関係当局は事件を徹底的に調べ、糾弾すべきは糾弾してほしい。当然ながら、この米兵は厳罰に処せられるだろう。中学3年生、14歳の少女に一生背負わなくてはならないキズを負わせたのだから、これは償いようがない。

 以上のことを踏まえたうえで、あえて書かなくてはならない。平成7年の少女暴行事件の再来として、現地では受け取られている。それは感情論としては分かるのだが、「反米」「反基地」勢力が気勢をあげているのは、なんともいかがわしさがにおう。

 この事件を政治闘争の具にするというのでは、被害少女への思いやりを欠くというものだ。こういう事件を前にしては、人間の尊厳に対してどこまでも誠実でありたい。

 「米軍は出ていけ」と声高に叫ぶのは言論の自由なのだろうが、そこには責任も伴わなくてはいけない。日本の安全保障は米国の「核の傘」が基本であることはいうまでもない。米軍撤退を主張するのなら、独自核武装論が付随しないと日本をめぐる安保環境は激変してしまう。

 パワーバランスの空白を招いたら、東アジアの軍事情勢は一気に緊迫する。ほくそ笑むのは誰か。そこを抜きにして、厳粛かつ現実的な安全保障政策は語れない。

 そういってはなんだが、これでまた、普天間飛行場の移設問題で、地元の首長や議員たちが日和見を決め込む理由ができた。基地との共存共栄以外に沖縄がたどるべき道はない。そのことを百も承知していながら、彼らはからだを張ってこなかった。

 日米安全保障協議委員会に設置されたSACO(特別行動委員会)が普天間の全面返還、ヘリポート移設を打ち出してから、もう10年が過ぎた。名護市のキャンプ・シュワブへの移設で日米合意が交わされているが、地元の調整は一向に進まない。

 それにしても、一部メディアのヒステリックな伝え方はいったいどう理解したらいいのか。事件は事件、安保は安保、と冷静に切り離し、日米同盟の死活的な重要さに思いをはせてこそジャーナリズムだ。

 「住民自決は軍命令」と信じて疑わない体質と共通する情緒的反応の弊害を、そこに指摘しないわけにはいかない。

 「知らない人についていってはダメ」。筆者などの世代は子どものころ、親から口うるさく言われたものだ。

 米軍基地が集結する沖縄である。夜の繁華街で米兵から声をかけられ、バイクに乗ってしまう無防備さ。この基本的な「しつけ」が徹底していなかったことは無念、という以外にない。(客員編集委員 花岡信昭)

2008年2月12日 (火)

内閣支持41% 不支持49%

内閣不支持率、NHK世論調査でも急増。それでもNHKの調査は政権に甘いと思いますがね。(高田)
http://www3.nhk.or.jp/news/2008/02/12/d20080212000135.html
内閣支持41% 不支持49%
NHKは、今月9日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは1766人で、このうち57%にあたる1012人から回答を得ました。それによりますと、福田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント下がって41%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、5ポイント上がって49%となりました。そして、通常国会の焦点の一つとなっている道路特定財源について、暫定的に高い税率をかけている「暫定税率」を維持すべきかどうか尋ねたところ「維持すべき」が25%、「維持すべきでない」が38%、「どちらともいえない」が31%でした。また、道路特定財源全体を、使いみちを限定しない一般財源にすることについては、「賛成」が42%、「反対」が20%、「どちらともいえない」が31%でした。さらに、政府が、今後10年間で最大59兆円をかけて全国の道路整備を計画していることについて、「妥当だ」が11%、「妥当でない」が51%、「どちらともいえない」が30%でした。そのうえで、ガソリン税の暫定税率を維持するとした税制関連法案の参議院での採決の時期について「年度内に採決すべき」が27%、「年度内の採決にこだわるべきでない」が42%、「どちらともいえない」が22%でした。さらに、税制関連法案の扱いをめぐる与党や民主党の対応について質問したところ、「民主党が国会に対案を提出し、修正協議を始めるべきだ」が45%で最も多く、次いで「与党が積極的に働きかけて、修正協議を始めるべきだ」が32%、「修正協議を始める必要はない」が7%でした。また、衆議院の解散・総選挙の時期については「来年の任期満了まで総選挙を行う必要はない」が34%、次いで「日本でのサミットが終わったあと、今年秋ごろまでには行うべきだ」が29%、「平成20年度予算案が成立したあと、今年春ごろには行うべきだ」が24%でした。さらに、次の衆議院選挙後の望ましい政権の形について質問したところ「自民党が中心となる連立政権」が27%で最も多く、次いで「民主党が中心となる連立政権」と「自民党と民主党による大連立政権」がそれぞれ20%などとなりました。
    2月12日 19時22分

2008年2月11日 (月)

またも海外派兵恒久法について言及

今度は高村外相がミュンヘン安全保障会議で「自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)」について積極発言をした。
こうして、世論が慣れさせられるのは怖いことだ。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY200802110004.html
自衛隊の海外派遣「積極的に」 高村外相

朝日新聞2008年02月11日06時51分

 ミュンヘン安全保障会議に出席した高村外相は10日、アジア地域の安定の構築をテーマに演説し、「日本は『平和協力国家』として、国際社会において積極的な責任と役割を果たしていく」と述べ、国連平和維持活動(PKO)など自衛隊の海外派遣に前向きに取り組む姿勢を強調した。9日にはロシア、米、ドイツの関係閣僚とも会談した。

 演説では「現行制度下で参加できる国連ミッションへの参加を積極的に進めたい」としてPKOへの取り組みに言及したうえで、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)についても「必要な法制度の検討を進めていきたい」と語った。中国の軍拡にも触れ「軍事力の近代化や軍事費の増大は地域の懸念を増大させる」として、欧州連合(EU)側による対中武器輸出解禁の動きを牽制(けんせい)した。

 9日夕(日本時間10日未明)には、ミュンヘン市内でロシアのイワノフ第1副首相と会談し、プーチン政権後の日ロ関係進展に向けて、北方領土問題の進展を求めた。イワノフ氏は「56年宣言が(解決に)最も近づいた地点だ」と述べ、平和条約締結後に歯舞・色丹を引き渡すことを定めた56年の「日ソ共同宣言」が交渉の出発点との考えを改めて示した。また、温室効果ガスの排出量取引などに関する両国の政府間協議を27日に東京で開催することを確認した。

 日独外相会談では、7月の北海道洞爺湖サミットで核不拡散問題を議題としたいとの日本側の意向を伝え、この問題の重要性で認識が一致した。ゲーツ米国防長官は、海上自衛隊が給油活動を再開することに謝意を表明した。

2008年2月10日 (日)

雑記(27)聖徳太子は実在しなかった

「建国記念日」を明日に控えて、商業メディアの社説としては破格の社説が本日の「東京新聞」に載った。
私は今朝、寝起きに記事に目を通して、「快哉」を叫んだ。ブログに掲載するのでぜひ読んでほしい。

聖徳太子は「憲法」問題とも無関係ではない。自民党などの改憲論者はさも知ったかぶりして、「日本には3つの憲法がある」などといって、帝国憲法とならべて、聖徳太子の17条憲法をあげることがあるし、「和をもって尊しとなす」という言葉もあまりにも有名で、階級対立など、社会的な差異・対立を覆い隠すために、支配層の側が重宝して使うことが多い(私はこれは眉唾のイデオロギーだと思っている)。
そしてこれらの動きが、ナショナリズムや天皇制護持の根強い思想風土と結合して語られ、それを再生産していくのである。

私ごとで言えば、80年代から90年代にかけて、「幕末明治民衆運動史研究会」というアマチュアの歴史研究会を仲間とともに続け、千葉の楠音次郎らの「九十九里反乱」や、相楽総三の赤報隊事件、明治期の自由民権運動と秩父困民党などの歴史を追っていたことがあった。いま広く知られるようになった鈴木安蔵の業績にふれたのもこの頃である。
また、これと並行して歴史家の寺尾五郎さんと日本通史の学習会を続けたこともあった。寺尾さんは「寺尾史観」と私たちが称していた個性派の歴史研究者で、私たちが日本史に複眼的視点を持つ上で、多くを教えられた。この時期に、聖徳太子の存在に疑問をもち、天皇制の通説と日本書紀への批判的視点も私たちなりで固めていた。大山さんの著作に触れるのはその後ではあったが、そのときも大いに学ぶものがあり、「我が意を得たり」の感を強く持ったことがある。
研究会は折りからの憲法問題へのとりくみの力の配分との関係で、私の非力の故に閉じることになったのであるが、これは返す返すも会員諸氏には申し訳なく、また私としても残念なことであった。

話はそれるが、先日、千葉県でおこなわれた「九条の会・千葉地方議員ネットワーク」が主催した憲法問題の講演会の講師で出かけたとき、当時の歴史研究会の仲間だったWさんが会場に聞きに来てくれた。懐かしく、うれしい限りであった。Wさんはいまだに郷土史など歴史の研究を続けており、頭がさがるばかりである。そのとき頂いた本が「やさしさを遺して」(現代書館)という本であった。Wさんは2年前、22歳のご子息を失っていたのである。1人のやさしい若者が亡くなった。こんなやさしい子がなぜ死んだのか、千葉からの帰路はそうした思いを反芻しながら、いただいた本を読むことになった。本はWさん夫妻のやさししさにあふれた本である。

ともあれ、聖徳太子は実在しなかったという歴史の真実が、こうした視点から東京新聞というメディアの社説で語られたことの意義は大きい。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008021002086566.html
東京新聞【社説】
週のはじめに考える 書き換わる聖徳太子像

2008年2月10日

 実在から非実在へ、聖徳太子像が大きく書き換えられようとしています。戦後歴史学がたどりついた成果とも、真実追究の学問がもつ非情さともいえるでしょうか。

 聖徳太子を知らない日本人はまずいません。教科書風にいえば、六世紀末から七世紀前半の飛鳥時代、日本の伝統精神に仏教や儒教の外来思想を身につけ、日本の国力と文化を飛躍的に高め世界の先進国入りさせていった皇太子です。

 「和を以て貴しと為す」との教えや貧しい者への優しい眼差(まなざ)し、太子の言葉とされる「世間虚仮(せけんこけ)唯仏是真(ゆいぶつぜしん)」の無常観などは、いまも人の心にしみて揺さぶります。
 常識になった非実在

 もっとも、一時に八人の訴えを聞いて誤りなく裁いたことから、八耳皇子(やつみみのみこ)と呼ばれたとの伝承や生まれたときから言葉を話し高僧の悟りに達していたとの伝説、その未来予知能力や中国の高僧の生まれ変わりで、最澄は玄孫などの輪廻(りんね)転生の説話などには訝(いぶか)しさを感じさせるものではありました。

 誇張や粉飾があったにしても、実在と非実在では話の次元が全く違ってしまいます。ところが、積み重ねられた近代の実証的歴史学の結論は「聖徳太子はいなかった」で、どうやら決定的らしいのです。

 聖徳太子の実在に最後のとどめを刺したとされるのが、大山誠一中部大学教授の一九九六年からの「長屋王家木簡と金石文」「聖徳太子の誕生」「聖徳太子と日本人」などの一連の著書と論文、それに同教授グループの二〇〇三年の研究書「聖徳太子の真実」でした。
 日本書紀に政治意図

 それらによると、聖徳太子研究で最も重視すべきは、日本書紀が太子作として内容を記す「十七条憲法」と「三経義疏(さんぎょうのぎしょ)」。数多くの伝承や資料のうち太子の偉大さを示す業績といえば、この二つに限られるからだそうです。

 このうち十七条憲法については、既に江戸後期の考証学者が太子作ではないと断定し、戦前に津田左右吉博士が内容、文体、使用言語から書紀編集者たちの創作などと結論、早大を追われたのは有名です。

 三経義疏は仏教の注釈書で太子自筆とされる法華義疏も現存しますが、これらも敦煌学権威の藤枝晃京大教授によって六世紀の中国製であることが論証されてしまったのです。

 世に知られた法隆寺の釈迦(しゃか)三尊像や薬師如来像、中宮寺の天寿(てんじゅ)国〓帳(こくしゅうちょう)も、その光背の銘文研究や使用されている暦の検証から太子の時代より後世の作であることが明らかになってきました。

 国語・国文学、美術・建築史、宗教史からも実在は次々に否定され、史実として認められるのは、用明天皇の実子または親族に厩戸(うまやど)王が実在し、斑鳩宮に居住して斑鳩寺(法隆寺)を建てたことぐらい。聖徳太子が日本書紀によって創作され、後世に捏造(ねつぞう)が加えられたとの結論が学界の大勢になりました。

 太子像が創作・捏造となると、誰が何のために、その源となった日本書紀とは何かが、古代社会解明の焦点になるのは必然。そのいずれにも重大な役割を果たしたのが持統天皇側近の藤原不比等というのが大山教授の説くところ。長屋王や唐留学帰りの僧・道慈が関与、多くの渡来人が動員されたというのです。

 日本書紀は養老四(七二〇)年完成の最古の正史で、その編纂(へんさん)過程に律令(りつりょう)体制の中央集権国家が形成されました。隋・唐の統一と東アジアの大動乱、それによる大化の改新や壬申の乱を経て、古代社会の「倭(わ)の大王」は「日本の天皇」へ変わったとされます。

 大変革の時代の日本書紀の任務は誕生した天皇の歴史的正統性と権威の構築です。それが、高天原-天孫降臨-神武天皇-現天皇と連なる万世一系の思想と論理、中国皇帝にも比肩できる聖天子・聖徳太子の権威の創作、書紀は政治的意図が込められた歴史書でした。

 大山教授の指摘や論考は、歴史学者として踏み込んだものですが、隋書倭国伝との比較などから「用明、崇峻、推古の三人は大王(天皇)でなかったのではないか」「大王位にあったのは蘇我馬子」などの考も示しています。「日本書紀の虚構を指摘するだけでは歴史学に値せず、真実を提示する責任」(「日本書紀の構想」)からで、日本書紀との対決と挑戦が期待されます。
 千年を超えた執念

 日本書紀が展開した思想と論理は千三百年の現実を生き現代に引き継がれました。憲法と皇室典範は「皇位は世襲」で「皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と定めています。

 しかし、万世一系は子孫を皇位にと願う持統天皇のあくなき執念と藤原不比等の構想によって成り、その父系原理も日本古来のものとはいえないようです。建国記念の日に永遠であるかのような日本の原理の由来と未来を探ってみるのも。
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資料・2005年頃、あるメディアに寄稿したものだが採録しておきたい。

 改憲派が持ち上げる聖徳太子の「十七条憲法」は偽書?

 自民党内の改憲派は「日本の歴史、伝統、文化、その象徴としての誇るべき天皇制の尊重」「現行憲法は無国籍憲法だ」「日本には聖徳太子の十七条憲法と、明治天皇がお作りになられた(!)五カ条の御誓文がある」などと、恥知らずなことを言うようになっている。
 これらの人びとが聖徳太子の「十七条の憲法」で特に好んで引用するのは「第一条(一に曰く)以和為貴(和を以て尊しとす)」だ。これを与野党の一部議員たちは「この和の精神こそ日本文化のすぐれた精神を表している」などと言う。
 だからいたずらに「国家と国民の対立を言うのではなく、相互の協調をはかることこそが日本文化なのだ」というのである。
 「和の精神」こそは、皇国史観における思想教育のからくりの種本のようなものだ。聖徳太子は国家の下への国民の統合、国家の下での異質なものの統合、階級対立の否定と融和などを説く際に使われる。実に聖徳太子は国家権力にとっては便利な人物なのだ。
 歴史研究に多少でも興味を持つと、遠からずぶつかる問題は史料の偽書、贋作などの問題だ。
 たとえば東北人の筆者などは、一時期胸躍らせるようにして興味を持ったものに「東日流三郡誌(つがるさんぐんし)」論争というのがあった。
 まだ日本列島に統一政権が成立していなかった奈良や平安の時代、東北地方は大和の政権による「征夷」という名の軍事侵略が繰り返された。
 歴史の本には坂上田村麻呂の「奥州征伐」などと書かれ、抵抗する者はまつろわぬ民であり、あるいは鬼とされた。
 東北地方に住む者として、大和から見て書かれた歴史に反発し、侵略への抵抗闘争に関心を持ち、また当時の奥州の独自の高い文化の存在に興味を持った。佐 治芳彦氏の「謎の東日三流郡誌」などは懸命に読んだ。中世に繁栄した津軽の十三湊(とさみなと)と荒吐(あらはばき)一族の興隆と滅亡など古代東北史の壮 大な物語は、アトランティス大陸の滅亡の悲話のようで、東北人の筆者を惹きつけた。
 しかし、「東日流三郡誌」はのちに地元青森などの古文書研究会らによって、発見者が書いた偽書との鑑定結果が公表された。
 大和の権力と戦った安東氏の伝説や、あたらしくはNHKの大河ドラマの奥州藤原氏と源義経に関する伝説など、事実も少なくないが、相当に脚色された面も多い。
 しかし、東北人はこうした説には騙されやすい側面がある。
 例の石器のねつ造問題もそうだ。
 差別と偏見にさらされてきた東北人としては、旧石器時代が大昔の東北・北海道にあったというだけで、スカッとするのだ。
 しかし、聖徳太子の手によるとされる「十七条憲法」が偽書だったとしたらどうだろうか。
 あるいは聖徳太子のもうひとつの書物「三経議疏(さんきょうぎしょ)」が実は彼の手になるものではないとしたらどうなるだろうか。
 改憲派が高く持ち上げる聖徳太子の和の精神、日本のすばらしい歴史・伝統・文化という議論は崩れ去るのだ。
 いまでは偽書の「東日流三郡誌」などの助けを借りなくとも、アテルイをはじめ大和の侵略に抗して戦った東北の民衆の歴史は存在することが証明できる。
 大山誠一という人の「聖徳太子と日本人」が角川文庫から出た。大山さんの史観には異論もあろうが、おもしろい。
 彼にいわせれば「厩戸王という一人の王族がいて、斑鳩の宮(奈良県)に住み、斑鳩寺(法隆寺)を建立したことは事実だが、……憲法十七条を制定し、『三 経議疏』を著したというのは事実ではなく、偉大な聖徳太子に関する史料は、すべてのちの時代につくられたものである」というのだ。
 一読をすすめる。

2008年2月 9日 (土)

保守系実力者ら9条守る会結成 元市町村長14人 宮城

本日の河北新報に掲載された記事。
私の記憶に間違いがなければ、鹿野さんは憲法調査会の仙台公聴会で公述人として発言したはずだ。(高田)

http://www.kahoku.co.jp/news/2008/02/20080209t11049.htm
保守系実力者ら9条守る会結成 元市町村長14人 宮城
 憲法九条の改正反対を主張する宮城県内の市町村長経験者14人が8日、「憲法九条を守る首長の会」を結成した。現職時代に強力な指導力を発揮した保守系の実力者らが顔を連ねている。全国の首長経験者のほか、知事や市区町村長に賛同を呼び掛けるという。

 全国市長会の副会長を務めた前白石市長の川井貞一氏(75)が会長に就任。元鹿島台町長で全国町村会副会長だった鹿野文永氏(71)、元七ケ宿町長の松村行衛氏(69)、前山元町長の森久一氏(62)らが参加した。

 初会合で「九条改憲こそ市町村住民の安全を脅かす最たるものであり、断固として阻止する」とのアピール文を作成。近く全国の都道府県や市区町村に郵送し、ホームページも立ち上げる。

 県庁で8日記者会見した川井会長は国民投票法制定や自衛隊のイラク派遣を指摘し、「米国に引きずられ、日本が危ない方向へ進んでいる。党派にとらわれず、国に遠慮せず地方から声を上げることが必要」と述べた。

 鹿野氏は「改憲阻止を明確に表明しにくい首長もいるが、会の結成が励ましになる。県内外に広く発信したい」と述べた。

憲法9条改正反対を主張する川井前白石市長(右)と鹿野元鹿島台町長=8日午前、県庁
2008年02月08日金曜日

2008年2月 7日 (木)

中谷氏、今国会中にも与野党協議を、と

自衛隊海外派兵恒久法の動きが急だ。中谷はこんなことを言った。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080207/plc0802071122011-n1.htm
自民、自衛隊海外派遣で恒久法PT発足へ
産経新聞2008.2.7 11:21
このニュースのトピックス:安全保障

 自民党は7日、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)の策定に向け、党内に「国際平和協力の一般法に関する合同部会」を設置することを決めた。座長には山崎拓前副総裁が就く。すでに党内論議を進めている公明党と今月下旬にも与党プロジェクトチーム(PT)を発足させ、武器使用基準のあり方や派遣に際しての国連決議の位置付けなどの問題に関する議論を本格化させる。

 これに関連し、自民党安全保障調査会長の中谷元・元防衛庁長官は7日午前の同党国防関係合同会議で「一般法は悠長な問題ではない。この国会にも対応しなければならない」と述べ、来年1月の新テロ対策特別措置法の期限切れを見越し、通常国会の期間中に与野党間で協議に入る必要性を強調した。

2008年2月 6日 (水)

福田首相の政治手法

諮問会議を連発する福田首相の政治手法に注目しておきたい。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080205/plc0802052254009-n1.htm

首相が「有識者会議」連発、独自色を模索

産経新聞2008.2.5 22:53

 福田康夫首相が昨年9月の就任以来、首相官邸内に「社会保障国民会議」はじめ民間人や学識経験者の会議設置に躍起となっている。「福田カラー」をアピールする狙いがあるが、首相の意欲が空回りし「会議は踊る、されど…」に陥る可能性を指摘する声もある。

 首相は4日、自民党役員会で環境問題で有識者会議を近く発足させる方針を表明した。記者団には「司令塔のような組織をつくりたい。産業界や国民が何を目指していくのかという会議をつくりたい」と強調した。

 首相の視線の先にあるのは地球温暖化対策が主要テーマになる7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)だ。「世界にアピールできる環境政策をとりまとめようと意欲満々」(周辺)という。

 首相は昨年末、前防衛事務次官収賄事件で「防衛省改革会議」を立ち上げたほか、外交でも私的懇談会「外交政策勉強会」を発足させた。だが環境と並んで力を入れているのは、自身が掲げる「国民の目線」を具現する消費者問題だ。

 首相は1月4日に、複数省庁にまたがる消費者行政の一元化方針を表明していたが、中国製ギョーザ中毒事件を受け「消費者行政推進本部」(仮称)を前倒しで立ち上げ、早ければ4月にも結論を出すとぶち上げた。

 一方で、安倍晋三前首相が立ち上げた教育再生会議には終始冷淡だった。渡辺美樹委員(ワタミ社長)は「福田首相になってからは早くまとめて終わらせようという感じがあった」と振り返る。

 「いろんな省庁に関係する問題は縦割り行政ではすまない」。首相は5日夕、記者団にこう語った。政府筋も「独善的にならずに各層から幅広く意見を吸い取るのが福田流」と強調する。

 しかし、自民党内では「首相にはもともと、自分のために汗をかいてくれるような親しい議員がほとんどいない。民間人を使う会議の連発はそんな孤独な首相を象徴している」(閣僚経験者)との冷ややかな声も漏れる。音頭をとって設置した会議を生かすも殺すも、結局は首相の指導力にかかっているようだ。

2008年2月 4日 (月)

派兵恒久法、与党PT発足へ

派兵・給油新法は1年の特措法だ。今年の末には延長か、廃止かが再度議論にならざるをえない。だから海外派兵恒久法を急いでいるのだ。秋の臨時国会では最大の課題になるだろう。
「いつでも、どこへでも、アメリカさんの要請に従って自衛隊を派兵する用意がございます。中法即応隊だって作っております。」としたいわけだ。
いよいよ与党協議が始まる。公明党はまた「下駄の雪」になるのか。そうだとすればこの党は文字通り悪党だ。(高田)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000051-san-pol
自衛隊派遣 恒久法PT、月内発足 与党、6日に準備会合

2月4日8時0分配信 産経新聞

 自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)の策定に向け、自民、公明両党が与党プロジェクトチーム(PT)の準備会合を6日に開くことが分かった。月内に正式に発足させる。座長には、自民党外交調査会長の山崎拓前副総裁が就任し、同党からは中谷元・安全保障調査会長ら防衛庁長官経験者、公明党は山口那津男元防衛政務次官らが参加する。

 「平和の党」を掲げる公明党はこれまで、支持母体の創価学会が自衛隊の海外派遣に否定的だったことから恒久法には慎重姿勢を示してきた。しかし、福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表が昨年秋、「大連立」構想で恒久法を取り上げたことから、公明党抜きで議論を進められるとの危機感が高まっていた。

 こうした事情から同党は年明けから「与党内での議論を主導する」(公明党筋)との観点で党内での恒久法に関する議論を本格化させた。

 一方、政府や自民党でもインド洋での海上自衛隊による補給活動を再開する新テロ対策特別措置法の期限が来年1月までの1年間の時限立法であることから、恒久法制定に向けた動きを強めていた。補給活動を延長するためには今秋の臨時国会で同法改正案を成立させる必要があり、「民主党は先の臨時国会と同じように、再び補給活動を政局に利用する」(防衛省幹部)ことへの懸念があるためだ。

 1月18日の施政方針演説で恒久法に関し「検討を進める」との表現にとどめていた福田康夫首相も、29日の衆院予算委員会では「ぜひ作りたい。野党にも理解いただけるよう全体をみて進めたい」と踏み込んだ答弁を行った。

 与党恒久法PTは、石破茂防衛相が自民党防衛政策検討小委員長としてまとめた恒久法案「国際平和協力法案」をたたき台に恒久法策定を検討するとの案が有力だ。

 ただ、石破案は、国連決議がない場合でも自衛隊を派遣できる内容のため、与党内からは「これでは国連至上主義をとる小沢・民主党を恒久法の論議に引き入れるのりしろがなくなる」(自民党幹部)との指摘が出ている。また、石破案が武器使用基準を現在よりも緩和することに公明党は慎重姿勢を崩していない。

2008年2月 3日 (日)

陸自中央即応集団の動き

自衛隊海外派兵恒久法への動きが強まる中、覆面の特殊部隊(日本版グリーンベレー)=中央即応集団が在沖米軍基地内で、米グリーンベレーと共同訓練を行った。琉球新報の記事である。
関連して、少し前の日経新聞の記事であるが、自衛隊の海外活動の現状についての分析記事を採録しておく。(高田)

琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-30985-storytopic-3.html
陸自特殊部隊が「研修」 事実上の共同訓練

 【東京】テロやゲリラなど多様な事態に対処する陸上自衛隊「中央即応集団」の部隊員20人が1月13日から2月2日までの日程で、県内演習場で在沖米軍実践訓練の研修をしていることが31日、分かった。詳細は明らかにされていないが、関係者によると「中央即応集団」の部隊は陸上自衛隊初の特殊部隊「特殊作戦群」で、米軍側は米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)とみられる。「中央即応集団」が米軍訓練の研修を行うのは創設以来、県内外を含め初めて。
 日米軍事同盟の強化が進んでいることを如実に示す動きで、研修という名のもと、自衛隊と米軍の事実上の共同訓練が行われている事実が浮き彫りになった。さらに、米陸軍のグリーンベレーが駐留する沖縄が日本版グリーンベレー養成の一翼を担わされる構図も明らかになった。
 研修場所は明らかにされていないが、金武町キャンプ・ハンセンのレンジ4内に米陸軍特殊部隊・グリーンベレー用に建設された米陸軍都市型戦闘訓練施設があり、そこで行われている可能性もある。
 防衛省によると、陸上自衛隊による米軍の研修は「教育訓練、知識、技能の質的向上」が目的で、年度ごとに計画される。
 担当者は「訓練の様子を見たり、説明を受けるもので訓練ではない」とし、研修の詳細は「米軍側が計画しており把握していない」と説明。「中央即応集団」と米軍の共同訓練自体は「県内外を含め、行われたことはない」としている。

<ニュース用語>中央即応集団
 2007年3月28日に創設。防衛相が直轄する機動運用専門部隊。特殊作戦群(習志野駐屯地)や第1空挺団(同)などからなり、創設時の人員は約3200人。特殊作戦群の人員は約300人で、編成や装備、訓練内容などは明らかにされていないが、グリーンベレーを手本にしているとされる。

(2/1 9:58)

http://www.nikkei.co.jp/seiji/20080119e3s1900e19.html

日経新聞 「次」が見えない自衛隊の海外活動

政治部・関口圭(1月21日)

  2008年1月9日、防衛庁が省に昇格してから1年が経過した。半世紀にわたる悲願を成し遂げ、高揚感に包まれた1年前とは異なり、今年は祝賀式典など一切なし。相次ぐ不祥事の反省から華やかな行事は自粛を迫られた。同じ日に首相官邸では防衛省改革会議が開かれ、皮肉にも防衛省を再建するための“外科手術”が検討された。だが、長い目でみると、防衛省が抱える宿題は目先の改革ばかりではない。「本来任務」に定めた海外活動の議論が足踏みし、自衛隊による国際貢献の次の一手が見えてこないのだ。

 「積極的に探すということではない。しかし、国際社会の平和と安定に対して派遣するという考え方からすれば、やや少ないかなという印象だ」。インド洋での給油活動特別措置法が衆院の3分の2以上の賛成で再可決・成立した11日、石破茂防衛相は記者会見で、自衛隊の海外活動の少なさを認めた。海上自衛隊がインド洋で給油活動を再開するのは2月中旬の予定。派遣部隊は約340人で、イラクでの空輸活動を続ける航空自衛隊員約210人を上回る大きな活動が復活する。ただ、給油再開は「マイナスからゼロに戻るだけ」(外務省筋)であり、新しい貢献策ではない。

 国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加を定めたPKO協力法に基づく派遣に限ると、現在の派遣規模は、ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)や国連ネパール支援団(UNMIN)など合計53人にとどまる。一方、中国は昨年4月時点で、国連リベリア・ミッション(UNMIL)などアフリカを中心に12のPKO活動に1820人を派遣している。

 防衛白書でも初めて中国のPKO活動を取り上げ「一定の存在感を示している」と急速な台頭に警戒感をにじませた。防衛省幹部は「天然資源確保をにらんだアフリカへの外交ツールとしてPKOを活用している」と批判するが、国際社会での存在感の違いは一目瞭然(りょうぜん)だ。自衛隊には「もし海自がインド洋から撤収している間に中国が『日本の代わりに補給艦を出す』と宣言したら、米国をはじめ国際社会は完全に日本を見限る」と危機感をあらわにする幹部もいる。

 存在感の薄い防衛省だが、少なくとも昨年夏までは国際貢献を広げようとした形跡はある。昨年6月に「国際平和協力活動・関係幹部会議」を創設し、月1回のペースで協議する予定だった。だが、当時の久間章生防衛相が「原爆投下、しょうがない」発言で辞任し、迷走が始まる。急きょ登板した小池百合子元防衛相も就任記者会見で「国際平和協力活動への積極関与」を今後の課題に掲げたが、当時の守屋武昌防衛次官との次官人事を巡る確執と混乱のうちに会議はおろか、政策協議までストップしてしまった。

 それでも諸外国から自衛隊による貢献に期待する声は強い。「文民輸送用ヘリコプターを派遣してほしい。緊急医療用のチームと機器も派遣してほしい」「アフガンで何ができるかとの議論は日本でますます活発になる」。昨年12月に来日した北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は講演で、アフガン復興への日本の新たな貢献に期待感を示した。

 福田康夫首相は同氏との会談で、アフガン復興に当たるNATOと連携を強めるため、在アフガニスタン大使館員(外務省職員)1人を首都カブールにあるNATO文民代表部との連絡調整員に任命すると約束。新たな貢献への積極姿勢をアピールしようとした。だが、肝心の防衛省・自衛隊は「アフガン本土へのヘリ派遣は危険すぎる。全く検討していない」(自衛隊幹部)とゼロ回答を決め込んだままだ。

 外務省や内閣府にはアフリカで活動するPKOの隊員養成支援策として、自衛隊員を教官として派遣する案も浮上しているが、防衛省首脳は「アフリカに自衛隊員を派遣しても何の国益にもならないし、政策的な進歩にもつながらない」と消極的だ。今年3月にはPKO先遣隊を務める陸上自衛隊の「中央即応連隊」(約700人)が防衛相直轄の精鋭部隊「中央即応集団」に加わり、国際協力の態勢は拡充される。だが、「目下、新たな海外任務のアイデアはない」(統合幕僚監部幹部)という。不祥事などで激しい逆風にさらされ、完全に萎縮してしまっている。

 拓殖大の森本敏大学院教授は日米同盟の観点からこの状況に警鐘を鳴らす。「米国は省昇格を大歓迎していた。だが、本来任務化した国際平和協力業務は進まないし、国家安全保障会議(日本版NSC)も、集団的自衛権行使見直しもやめてしまった。米国は失望している。将来に大きな損失を招いている」。石破氏も「米国の期待値を下げすぎないために給油再開は国家の姿勢として必要だった」と指摘。その上で「給油再開が恒久法につながらなければ意味がない」と危機感をあらわにする。

 確かに、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の議論は動き出したかにみえる。首相は今月18日の衆院本会議での施政方針演説で、恒久法の検討着手を表明した。ただ、民主党内には「不祥事が続く防衛省のままで国際貢献を担う資格はない」との声もあり、論議の視界は不良だ。

 インド洋給油法案の審議過程では「自衛隊を何のために海外に出すのか」という基本論は与野党間で深まらなかった。恒久法議論も政争の具に用いられるなら、日本の国際社会での存在感は薄れ、孤立感ばかりが目立つことになる。

有名人による新ファシズム的な言辞の横行

軽い。どう見ても軽い。
橋下・次期大阪府知事の「憲法発言」は弁護士の肩書きをもった憲法に無知な人物の発言だ。これが単なる悪ガキの戯れ言ではなく、次期府知事だから始末がわるい。そのまんま東・宮崎県知事の徴兵制(で若者を鍛え直せ)発言にしてもそうだ。この連中、憲法などについてほとんどわかっていない。ただただ自らの特殊な政治的発言を知名度にまかせて振りまいているだけだ。ここに新しいファッシズムの萌芽を見ると言ったら言いすぎだろうか。そうは思えない。見逃さず、軽視せず、反撃することが重要だ。以下、朝日新聞の記事である。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0202/SEB200802020019.html
橋下節に疑問の声「あんたこそ憲法学べ」 岩国住民投票

2008年02月03日11時38分朝日コム

 米空母艦載機移転をめぐり06年春に山口県岩国市が実施した住民投票に対する橋下徹・次期大阪府知事の発言に、憲法学者や政治学者らが首をかしげている。弁護士でもある橋下氏は、反論した前岩国市長の井原勝介氏を「憲法を勉強して」と痛烈に批判したが、「橋下さんこそ不勉強では」との指摘も出ている。

 橋下氏の発言が飛び出したのは1月31日。3日告示の岩国市長選で艦載機移転容認派が推す前自民党衆院議員の福田良彦氏を応援するビデオ撮影に応じた後、「防衛政策に自治体が異議を差し挟むべきではない」「間接代表制をとる日本の法制度上、直接民主制の住民投票の対象には制限がある」と持論を展開。井原氏が「国民が国政にものを言うのは当然」と反論すると、1日に「憲法を全く勉強していない」などと再反論した。

 橋下氏の発言に対し、小林良彰・慶大教授(政治学)は「この種の住民投票には法的拘束力がない。住民の意思の確認・表明なのだから、それを憲法が制限することはあり得ない」と指摘。「防衛は国の専権事項だが、基地問題は地元住民にとって生活問題だから、意見を言う資格がある。それは憲法が認めた言論の自由だ」と述べ、「橋下さんこそ憲法を勉強した方がいいんじゃないか」と皮肉った。

 小林節・慶大教授(憲法)は「橋下さんは憲法を紋切り型に解釈しているのではないか」と首をひねる。「地域の問題について住民の声を直接聞いて、その結果を地方自治体の意向として国に示して実現を図っていい、というのが憲法の考え方だ」と言う。

 奥平康弘・東大名誉教授(憲法)は「法的拘束力のない住民投票の是非について、わざわざ憲法を引き合いに出すこと自体が論外」と突き放した。「弁護士が『憲法』と言えば、いかにも説得力があるように聞こえるが、政治家として政治的な発言をしたまでのこと。人びとの注目を集め、目的は達成したんじゃないのかな」と冷ややかに語った。

http://www.asahi.com/kansai/osakatiji/OSK200802010040.html
橋下氏に前岩国市長反論「大阪府民の声は聞かないのか」

2008年02月01日

 山口県岩国市にある米軍岩国基地への空母艦載機移転問題で、大阪府知事選で初当選した橋下徹氏が「国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」と述べて同市が06年に行った住民投票を批判したのに対し、前岩国市長の井原勝介氏(57)は1日、記者会見で「主権者である市民、国民が国政にものを言うのは当然だ。大阪でこういう問題が起きれば、国策だから府民の声は聞かないということなのか」と反論した。

 井原氏は「住民投票は議会で成立した条例に基づいて行われ、住民の意思が明確に示されたもの。とやかく言われるのは筋違いだ」とも述べた。

 住民投票は井原前市長が発議して06年3月に行われた。神奈川県の米軍厚木基地から空母艦載機部隊を岩国基地に移す計画に対する賛否を問い、「反対」が87.4%だった。

 同市では出直し市長選が3日に告示される。移転に反対する井原氏と、移転容認派が推す前自民党衆院議員の福田良彦氏(37)の一騎打ちとなる見込みで、橋下氏は福田氏を支援する考えを示している。

http://www.asahi.com/kansai/osakatiji/OSK200801310067.html
「岩国の住民投票には反対」橋下氏が発言

2008年01月31日

 大阪府の次期知事の橋下徹氏(38)は31日、米軍空母艦載機の岩国基地への移転をめぐり、山口県岩国市が一昨年に住民投票で反対の意思を示したことについて、「国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」と批判した。2月3日告示の同市長選では、移転容認派が推す福田良彦・前自民党衆院議員を支援する考えを示した。

 橋下氏はこの日、府庁の自民党談話室で、福田氏を応援するビデオ撮影に応じた。党本部の菅義偉・選対副委員長から電話で依頼されたという。

 その後、報道陣に応援の経緯を説明し、過去のテレビ番組で「岩国の人たちが住民投票をやることには反対」と発言していたことを明かし、「この考えは今も変わらない」と述べた。橋下氏は「直接民主制の住民投票の対象の範囲は、間接代表制をとる日本の法制度上、制限があると思う」と持論を展開した。

 同市長選では在日米軍再編に伴う艦載機移転の是非が争点。「反対」派の井原勝介・前市長は2年前、住民投票で圧倒的な「移転反対」の民意を引き出し、直後の市長選でも当選した。しかし、容認派が多数を占める議会と対立して昨年12月に辞職、出直し市長選に再び立候補している。

2008年2月 2日 (土)

超党派訪韓団:10日に訪問 李次期大統領と会談へ

こういう動きもある。備忘録として。(高田)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080202k0000m010073000c.html
超党派訪韓団:10日に訪問 李次期大統領と会談へ

 自民、民主、公明、社民4党による議員団が10、11両日に韓国を訪問、李明博(イミョンバク)次期大統領と会談し、北朝鮮情勢や日韓の協力関係強化などについて意見交換する。

 メンバーは自民党が山崎拓前副総裁、加藤紘一元幹事長ら8人、民主党が仙谷由人元幹事長代理、枝野幸男元政調会長ら5人、公明党が東(ひがし)順治副代表ら前衆院議員1人を含む3人で、社民党は辻元清美政審会長代理が参加する。

 加藤氏は「リベラル保守勢力」の結集を唱え民主党議員と接触を重ねており、超党派訪韓団に対し「次期衆院選後の政界再編をにらんだパイプづくり」との見方が出ている。【小林多美子】

毎日新聞 2008年2月1日 19時51分

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080201/plc0802011926005-n1.htm
加藤、山拓両氏が超党派で訪韓10~11日 政界再編の布石か
産経新聞2008.2.1 19:25
このニュースのトピックス:諸政党

 自民党の加藤紘一元幹事長、山崎拓元副総裁は10、11の両日、訪韓し、次期大統領の李明博(イミョンバク)氏と会談する。訪韓団には、民主党の仙谷由人元幹事長代理や枝野幸男元政調会長ら小沢一郎代表と距離を置く衆参議員5人も参加しており、「政界再編の布石ではないか」(派閥領袖級)との見方も浮上している。

 加藤、山崎両氏は1日、首相官邸で福田康夫首相と会い、「衆参ねじれ国会だからこそ外交のギリギリの部分は超党派で話をしなければならない」と訪韓の意義を説明。首相は「超党派の外遊はよいことなのでぜひ成果をあげてほしい」と述べ、「大統領就任後の会談を楽しみにしている」と李氏へのメッセージを託した。

 訪韓団は、自民党は山崎、加藤両氏のほか、園田博之政調会長代理、小坂憲次元文科相、野田毅元自治相、中谷元元防衛庁長官、後藤田正純衆院議員ら8人が参加。民主党は仙谷、枝野両氏のほか小沢鋭仁衆院議員、蓮舫参院議員ら5人。公明党は東順治副代表ら3人、社民党の辻元清美衆院議員も加わる予定だ。

 一行は10日に日本を出発し、11日午前、ソウル市内で李明博氏と会談。日韓関係や対北朝鮮政策などで意見交換する。

 加藤氏は、菅直人代表代行を含め、民主党とのパイプが太いことで知られており、昨年の参院選後はさらに関係を強化。3月末には自民、民主両党が再び激突する可能性が高い中、「リベラル勢力の再結集」を掲げる加藤氏の動きが注目を集めそうだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008020202084389.html
麻生、鳩山由氏ら議連設立 政界再編台風の目に?

2008年2月2日 東京新聞朝刊

 自民党の麻生太郎前幹事長や民主党の鳩山由紀夫幹事長ら両党の有志議員約十人が、インターネット上での各種手続きなどを可能とする電子自治体を推進する議員連盟を結成することが一日、分かった。五日に衆院議員会館で設立総会を開く。

 議連には、電子自治体に積極的な首長や首長経験者も参加。各自治体の電子化が本格化し始める中、自治体や国の取り組みを後押しするのが狙いだ。

 民主党側は政局とは関係ないと強調しているが、麻生派関係者は「麻生氏が民主党とのパイプをアピールできる」と話している。今後の大連立や政界再編がらみの動きとしても、注目される存在になる可能性がある。

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