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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2008年1月 6日 (日)

福田内閣における憲法問題と派兵恒久法~自衛隊海外活動の一般法 秋の臨時国会提出視野

福田内閣が成立した168臨時国会期間中は明文改憲の動きは完全にストップした。そして間もなく169通常国会を迎える。この国会での憲法問題は臨時国会のようにはいかないだろう。すでに「そろそろいいだろう」とばかりに改憲派がさまざまに蠢(うごめ)きだしている。
船田元・自民党憲法審議会会長代理は新年の共同通信へのインタビューでこう言っている。
「(憲法審査会で最初から憲法改正の中身を話すのは難しいので、まずは慣らし運転として)積み残された宿題を解くことから始めたい。国民投票の年齢を18歳以上にしたことによる民法や公職選挙法などほかの法律改正問題や、民主党が提案していた国民投票の対象・範囲の見直し、その辺からはじまるべきだと思う。改正の中身を扱うにしても、いきなり憲法九条というのは、小学生が大学入試の問題を解くようなものだ。できるだけ折り合えそうな地方分権など統治機構や新しい人権、憲法裁判所を設置するかなどの問題が妥当ではないか」と。
そして「最短で2011年に改憲実現というスケジュールはちょっときつくなってきたが、改憲案審査の凍結が解除される10年以降、そう遠くない時期に成案を得るのは可能だと思う」とも言っている。
われわれの改憲反対戦略はこれらの新しい動きに対応して再構成されるべきであろう。
船田のいうような問題から着手するにせよ、明文改憲の時期は明らかに遅れることになった。まして9条改憲はさらに遅れるだろう。
とすれば与党にとって不可避な課題は解釈改憲をさらに拡大することで米国や財界の要求に応えることだ。しかし解釈改憲といってもすでに限界に来ている。人びとをごまかすに値する解釈を作るのは容易ではない。とすれば、与野党で共同して新しい解釈を作って、世論の支持を獲得するしかない。与党はこの民主党をも巻き込んだ派兵恒久法制定の道を懸命に探ってくるだろう。先の大連立騒動以来、この課題ではきな臭い空気が与党と民主党の間で醸し出されている。
まさに当面する憲法問題の最大のポイントはここになる。恒久法では公明党にも躊躇がある。民主党にも自民党の恒久法には乗れないという空気もある。そして、すでに派兵恒久法に反対する立場を鮮明にしている社民党と共産党は、選挙の年という困難な条件を乗り越えて、さらに国会内で共同を強めるだけでなく、国政選挙でのそれぞれの議席の増加の努力と併せて、院外での大衆運動における共同の強化にさらに一歩踏み出すべきである。
これら与野党の動きは国会外の運動と世論の動向に大きく規定される。
船田はいう。「恒久法は恒久法で地道な論議が必要で、憲法問題についても民意を反映した政党間の協議が正しい」と。
改憲派は一歩後退した。しかし、明文改憲が可能になるまで指をくわえているわけではない。派兵恒久法で反転攻勢に出て、明文改憲までの間をつなごうとしている。そうせざるを得ないところに追い込まれているとみたほうが正確かも知れない。これはこの間の9条改憲反対のたたかいが勝ち取った新たな条件の下で生ずる改憲派の動きに他ならない。私たちの前進が生み出した新たな反動とみるべきである。
与党が一定の準備期間を経て(遅くとも秋にもあり得る総選挙の後)、臨時国会で恒久法問題を出してくる可能性が濃厚になってきた。この連中も必死なのだ。私たちはこれとのたたかいを準備しなくてはならない。
この改憲派の動きを示すものが本日のこの朝日新聞の記事である。
つけくわえれば、この法律の呼び名をこの記事のように「一般法」などと略称させてはならない。とりあえず、この悪法を自衛隊海外派兵恒久法(派兵恒久法)と呼ぶように提唱したい。(高田)


http://www.asahi.com/politics/update/0105/TKY200801050187.html

自衛隊海外活動の一般法 秋の臨時国会提出視野

2008年01月06日14時01分

 政府は、国連平和維持活動(PKO)以外でも自衛隊が海外活動できる一般法(恒久法)について、秋の臨時国会での提出を視野に本格検討に着手する方針を固めた。国連決議や国際機関の要請を派遣の前提とし、国会の事前承認を義務づける一方で、武器使用基準の緩和を検討する方向で与党と調整に入る。一般法は、昨年の民主党・小沢代表との党首会談でも必要だとの認識で一致しており、同党にも政策協議を呼びかける考えだ。

 福田首相は4日の年頭記者会見で「国際平和協力ならば積極的に迅速に活動できる態勢があってもいい、そのためには恒久法を整備した方がいいという意見が前からあった。私もそのような考え方は持っている」と一般法の必要性を強調。「いろいろな活動を想定しながら、どのような仕組みがいいのか国会で十分議論していただきたい」とも述べ、国会での議論活性化に期待感を示した。

 首相がもともと一般法制定に積極的なことに加え、たとえ今国会で補給支援特措法案が成立しても、インド洋での給油支援は「1年間」に限定されているため、来年以降の活動継続もできるように、一般法を準備する必要があると判断。月内にも公明党に呼びかけ、政府・与党で具体的な検討に着手したい考えだ。

 政府は一般法に基づく海外での自衛隊活動について(1)憲法の枠内(2)国連決議や国際機関の要請を前提(3)活動は非戦闘地域に限定(4)国会の事前承認義務づけ――などを柱に法制化の議論を進める。

 その際、自民党国防部会防衛政策検討小委員会で06年、当時小委員長だった石破防衛相がまとめた「国際平和協力法案」(石破私案)をたたき台にする。ただ、集団的自衛権の解釈変更を警戒する公明党にも配慮し、私案では国連決議や国際機関の要請がなくても多国籍軍に参加可能としている部分を、あくまでも国連決議などを派遣の前提とすることで理解を得たい考えだ。

 一方、私案に盛り込まれた治安維持任務の付与や、要人警護などの警護活動もできる武器使用権限の拡大は検討する。

   ◇

 〈自衛隊海外派遣のための一般法(恒久法)〉自衛隊の海外派遣の根拠法には、92年に成立したPKO協力法があるが、米国など多国籍軍支援には対応できず、政府はテロ特措法やイラク特措法といった時限立法の特措法でしのいできた。ただ、特措法では国会審議に時間がとられ、迅速に対応できないため、02年に福田官房長官(当時)の私的諮問機関である国際平和協力懇談会が「多国間の平和協力活動への協力」に関する一般法の整備を提言。政府も03年に内閣官房に海外活動を包括する法整備のための作業チームを立ち上げた。

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