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2007年9月18日 (火)

雑記(20)安倍のお友達はいまどう思っているのか

これは面白い。本日の毎日新聞の夕刊の記事だ。
岡崎、櫻井、屋山という、安倍の「同志」やブレーンだった連中の感想だ。岡崎はショックを隠せずに、「反動の時代が来る」と叫んだ。櫻井は悔しさをかみ殺して「戦後体制からの脱却をうたった安倍さん自身が、戦後日本のもろさというものを体現していた」と強がりを言った。屋山は「いずれにしても、大砲は放たれた。あとはそれがどこに着弾するか。それを待つだけだよ」などと、どこかの国の性能の悪い弾道弾のようなことを言い放った。
三者三様だが、漫画チックで面白い。記事は長いけれど、読むのは苦にならないのではないかとおもう。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/tokusyu/wide/news/20070918dde012010036000c.html
「プリンス安倍」退場 保守論客の弁は

 憲法改正や教育再生を掲げ、“保守のプリンス”とも呼ばれた安倍晋三首相が退陣する。自民党総裁選は、安倍首相を支えた麻生太郎幹事長に対し、首相と距離を置いた福田康夫元官房長官が本命視され「戦後レジームからの脱却」路線は転換を迫られそうだ。「保守」の行方は、どうなるのか。プリンスを叱咤(しった)激励してきた論客に思いを聞いた。【太田阿利佐、藤原章生、大槻英二】

 ◇「反動の時代」が来る--外交評論家・岡崎久彦氏

 安倍首相の退陣理由は健康問題です。政策のどこかが行き詰まっていた、評判が悪いから辞める、とは言ってません。退陣表明の数時間前まで、首相としてやるつもりだった。職を賭してやると言っていたのを辞めると言うのは健康問題しかないでしょう。それは国民にも分かっています。マラソンに例えれば、ゴールを前に足がどうしても動かなくなってしまった。体力、気力の限界が来た。私もがっかりしたし、一般の保守層の人々もがっかりしたでしょう。だからといって、左翼思想や戦後の偏向教育思想に戻るということはありえない。健康問題だから仕方がありません。

 安倍政権は、教育基本法改正案、教育関連3法案を国会で成立させ、戦後何十年も放り出してあった国民投票についての法も整え、防衛庁も省に昇格させた。今後の日本にとってのレールを敷いた。それは非常に評価しています。特に教育は、思想が保守かどうかに一番影響を与える問題です。教育再生会議はあとは事務的にやればよく、教育はもう大丈夫だと思います。

 残っているのは憲法改正と、その前段の集団的自衛権の解釈問題です。後事を人に託する余裕もなかった。「保守に対する反動」もあるかもしれません。反動といっても、小沢一郎・民主党代表のように米国に肩を張ってみせれば人気が出ると思い込む人がいるだけで、イデオロギーも何もありません。具体的には、中国を刺激しない、憲法改正も安全保障問題も前進しない、ということです。集団的自衛権は2、3年は議論が進まないかもしれませんが、論点は整理したので、やる気のある内閣ならいつでもできる。ただ反動がどのぐらい長く続くかです。

 福田康夫氏が次期首相になったら、反動の時代が来る。麻生太郎氏なら反動もなし、ということです。安倍首相の仕事で最後に良かったのは、麻生氏を幹事長にしたことです。もし麻生氏が首相になったら、それは安倍首相の最後の実績でしょう。

 総裁選の結果は分かりません。しかし我々保守は、反動の時代に備えて頑張るしかない。相撲のインタビューみたいなもので「頑張ります」に決まっています。5年か10年か、健康に気を付けてもう一息、そういう気持ちです。

 ◇「戦後」のもろさ体現--ジャーナリスト・櫻井よしこ氏

 安倍さんの辞任は、誰も皆びっくりしたことでしょう。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げていた。それは米国の占領下で、憲法がつくられ、日本のそれまでの在り方が否定され、日本の在り方が根本的に変えられてしまったことに対しての反論です。

 そこから脱却するということは、自立できない日本を自立させ、自らの力で道を切り開く日本へ変えていくという決意です。しかし、そこには60年以上にわたる戦後体制になじんできた価値観があり、それを打ち破るのは、並大抵のことではありません。

 それを打ち破らなければいけないと言っていたご本人が結局、多くの圧力の前に疲れ果てて、政権を投げ出してしまった。そういう意味で、私は、戦後体制からの脱却をうたった安倍さん自身が、戦後日本のもろさというものを体現していたのではないかと思うのです。

 しかし、安倍政権がこの1年間にしてきたことは、教育基本法の改正も、公務員制度の改革も、後になって必ず高く評価されると思います。自らの任期内に憲法改正すると言って、政権をつくった首相は初めてです。

 衆院に導入された小選挙区制度のもとで、2大政党制へと流れは着実に収れんしています。かつての中選挙区制なら、自民党自身のあいまいさが許容された。しかし、小選挙区制は個々の政党が理念や政策を掲げて戦う政党同士の争いです。

 にもかかわらず、今回の自民党総裁選で、福田(康夫)政権が誕生することになれば、それは、安倍政権とはまったく政策の異なる政権が誕生することになります。憲法改正、靖国参拝、拉致問題などへの対応において、正反対の福田さんに、1年前安倍政権をあれほど熱烈に支持した人たちが、メダカの学校のように、先頭の魚の方向転換に従って、節操なく走ってしまうというのは、政党としての理念を欠く。それは自民党の終焉(しゅうえん)を意味すると思います。

 次の総選挙で、政権交代が現実のものとなれば、民主党政権もかなり混乱するでしょう。そのプロセスで、自民党と公明党の連立も解消されるかもしれない。小選挙区制の下で政界再編という形をはっきり取るかどうかはわかりませんが、政治の混迷は当面続くと思います。

 ◇「大砲」…どこに着弾--政治評論家・屋山太郎氏

 (安倍辞任で)ショックなんてないね。安倍さんが、官僚の天下りを根絶したいって言うんで賛成しただけだ。保守の敗北? 違うんじゃないか。憲法改正は自民党の党是なんだから、たとえ福田さんが首相になっても流れは大きく変わらない。ただ、公共事業ばらまきの古い「官僚内閣」に戻る心配はあるな。

 小泉構造改革で公共事業が激減した。でも、極端な話、地方の産業は公共事業だけだから、何の手当てもしなけりゃ、民主党に出し抜かれるのは当たり前なんだ。でも、どうだろうね。福田さんで(自民党は)選挙できるのか? (彼が)何か言っても、人はわからないだろ。

 安倍さんの成果は、憲法改正を真正面から取り上げ、(今年5月に)国民投票法を制定し、(昨年12月に)教育基本法を改正したこと。ただ、国民投票法も施行が3年延びたし、教育も成果が上がるまでに10年はかかる。長距離砲を撃って、着弾していないようなものだな。

 意義のある改革だけど、一般の国民は「大砲をぶっ放したけど、生活はどうなるんだ」と言うし、日米関係が良いからって国民の生活は変わんない。「テロとの戦い」で評価は得ても、身近な政治とは関係ない。

 安倍さんは天下りをなくそうと公務員制度改革をやってきたけど、これも国民の飯の種にはならない。天下りの度に所得を増やす官僚が、独立行政法人や特殊法人で5、6兆円も税金を使っている。

 そういう明治からの「官僚内閣制」をなくそうとしたんだから、反発はすごかった。政治資金のスキャンダルは官僚にやられたんだよ。それと日の丸・君が代に反対し、戦後体制に安住するマスコミにね。安倍さんはマサカリかついで17回も強行採決したから、改革を推す人も恐怖心が出たんじゃないか。

 ただ、(自分たちが)訴えたかったのはモラルの回復なんだ。日本人のモラルは恥の文化から来ている。それが日本のモノづくりの基礎になった。恥の文化のもとは名誉で、そのもとは武士道。それが廃れたから、今は子殺し、親殺しとめちゃくちゃじゃないか。恥の文化をもっと知らせなきゃならないんだ。いずれにしても、大砲は放たれた。あとはそれがどこに着弾するか。それを待つだけだよ。

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 ■人物略歴

 ◇おかざき・ひさひこ

 1930年生まれ。元駐タイ大使。安倍首相が設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」メンバー。

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 ■人物略歴

 ◇さくらい・よしこ

 1945年生まれ。80~96年、日本テレビのニュースキャスター。従軍慰安婦やエイズなどの言論活動で、98年に菊池寛賞受賞。

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 ■人物略歴

 ◇ややま・たろう

 1932年生まれ。時事通信社ジュネーブ特派員などを経て87年に退社。著書に宰相論、教育論など。02年、正論大賞受賞。

毎日新聞 2007年9月18日 東京夕刊

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