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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年9月22日 (土)

第九条の会ヒロシマ

先日、近く発行される第九条の会ヒロシマの会報に以下のような記事を寄稿した。

168臨時国会を招集し、安倍晋三首相が所信表明演説をした翌々日に職務を投げ出すという極めて異常な事態が発生した。国会も止められた。そして鳴り物入りで始まった自民党の総裁選は、最初から福田康夫元官房長官の当選が決まっているデキレースだ。

1年前、改憲派のエースとして登場した安倍首相は、「任期中に改憲を実現する」と称して、次々に改憲へのレールを敷き始め、「戦後レジームからの脱却」「美しい国づくり」などを標榜して、憲法の明文改悪と解釈改憲による集団的自衛権の行使、すなわちグローバルな規模で米国と共に「戦争のできる国」「普通の国」づくりをめざしたのである。

彼はこの路線の具体化として、教育基本法改悪、防衛庁の防衛省への「昇格」、改憲手続き法等、歴代の自民党首相が容易に出来なかった課題を、いずれも異常な強行採決で成立させた。しかし、この強行採決を可能にした衆院での与党の圧倒的な多数の議席は、前任者の小泉前首相が、「郵政民営化国民投票」と称した政治的大ばくちで与党が奇跡的に手に入れた議席数であり、有権者が安倍首相の改憲路線を支持したものではなかったのである。

安倍改憲路線とは右翼団体「日本会議」に代表されるような新保守主義と、ブッシュ米大統領らが推進し、小泉首相も追随してきた新自由主義が結合した特異な路線だった。

この日本会議内閣的な危うさは、日をおかずして国会での強行採決のラッシュや相次ぐ閣僚の辞任に直結し、年金問題の処理の不安を招き、小泉改革が招いた社会に深刻なひずみ、格差の露呈と合わせて、参院選での与野党逆転という決定的な敗北をまねいた。

にもかかわらず安倍首相は「基本路線は多くの国民に理解されている。約束した改革を進め、実行する責任がある」と強弁し、公言した改憲をめざして居座ろうとした。だが自らが設置した「安保法制懇」答申は宙に浮き、それを足場に集団的自衛権の合憲化を進める策謀は世論の動向を気にした連立与党の公明党などからも反発された。参議院の議席の逆転で憲法審査会設置も停滞してしまった。

内外の危機はいっそう拡大し、このひ弱な3世議員の安倍晋三が耐えきれないほどに重圧は強まった。価値観外交での反中国包囲網形成の試み、圧力一辺倒の対北朝鮮外交と6者協議でのジャパン・パッシングの危険、米国議会での「従軍慰安婦問題の非難決議」など、安倍外交の行き詰まりは、期限切れの迫ったテロ特措法延長の「国際公約」で自らを決定的に追いつめることになったのである。

だが問題の責任は安倍晋三個人の範囲にとどまらない。この首相と内閣を支えた自民党・公明党の与党の責任は重大である。

しかし、総裁選の一方の候補である麻生太郎は安倍政権を支えた最大の責任者であり、日本会議国会議員懇談会の前会長で、現最高顧問として、安倍改憲路線との共通性はとりわけ大きい。

もう一方の福田康夫は「調整型」など安倍との政治手法の違いを売りにして、党内外の安倍批判を吸収して支持を固めながら、その実、見逃し難い危険な政治路線を持っている。彼はさきに自民党が発表した「新憲法草案」の作成過程では「安全保障」小委員会の責任者として、現行憲法第9条2項を完全に否定するような自民党の9条改憲案をまとめた人物だ。そして、この総裁選の中では焦点のテロ特措法や増税などについては安倍、麻生らの主張と全く違わない立場なのだ。

参議院の与野党逆転は、私たちにこれまでにない闘い方の可能性を生み出した。民主党の現状は手放しで期待できるわけではないが、国会外での市民の闘いの発展と合わせれば、政治をかえる可能性が見えてきた。強行採決と18項目もの付帯決議で成立させた(これもみんなで闘ったからこそ作り出せた状況です)改憲手続き法は、いま野党の抵抗で憲法審査会は運営「規程」すらつくれず停滞している。重大な欠陥法=改憲手続き法の再検討と廃止法案を作る運動の可能性もでてきた。米軍のアフガン攻撃に後方支援する違憲のテロ特措法の廃止の可能性がある。これをイラク特措法廃止につなげることもあるだろう。安倍が強行した「教育再生会議」の破綻は目に見えている。いま私たちの前には従来、与党が有無を言わせず強行してきた違憲の諸立法を再検討させ、解釈改憲で傷つけられてきた9条を再生し、社会に生かし、実現する闘いの可能性が見えている。
 9月17日 (高田 健  許すな!憲法改悪・市民連絡会)

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