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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年9月26日 (水)

安倍内閣が退陣した新たな条件の下で、改憲阻止の運動をさらに大きく前進させよう

これは昨日発行の市民連絡会会報「私と憲法」77号の巻頭論文です。通常はすぐにはサイトにUPしないのですが、情勢と運動の関係で、あえてブログに掲載します。(高田)

安倍内閣が退陣した新たな条件の下で、
   改憲阻止の運動をさらに大きく前進させよう

 自民党総裁選で福田康夫氏が選ばれ、まもなく衆院の首班指名で福田首相が誕生することになった。参院では先の参院選の結果、与野党の議席が逆転し、小沢民主党代表が指名され、衆参の指名者が異なった状況のなかでの新政権の誕生だ。
 小泉内閣の下で行われた2005年9月11日の「郵政民営化」総選挙以来、衆議院は総選挙という有権者の審判がないままに安倍内閣、福田内閣と2代にわたる内閣を誕生させた。これは異常な事態だ。本来、先の参院選の与野党逆転という結果を受けて、総選挙があるべきだったし、その後、安倍晋三氏が世論の批判を押し切って続投し、間もなく行き詰まって首相の責任を突然投げ出した時点で、選挙管理内閣を組織して総選挙を行うべきであった。その意味で福田内閣は有権者の審判を受けていない暫定政権に過ぎない。一刻も早く、解散・総選挙をすべきところだ。

 安倍内閣の退陣は何を意味するのか。
 それは彼が進めようとしてきた新保守主義と新国家主義の結合という特異な政治路線による政権運営の破綻を意味するものだ。安倍首相が標榜してきた「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」とは、「日本会議議員懇談会」という右翼組織のメンバーを中心に組織された内閣と官邸が進めてきた「従米」と「復古主義」の結合した異端の路線だった。この危険な路線が、「見た目」がよくて選挙に勝てる顔として、自民党のプリンス、エースと期待された安倍首相の本質だった。
 安倍内閣は成立するやいなや、小泉前政権が「郵政民営化選挙」という大ばくちで手に入れた多数議席を元手に、教育基本法改悪、防衛省昇格、イラク特措法延長、改憲手続き法などの重大な悪法を国会での十分な議論も経ないで強行採決でやってのけた。そしてさらにテロ特措法延長、集団的自衛権解釈の見直しなどを進め、「任期中の改憲」をめざしていた。内政的には年金問題、格差問題など深刻な矛盾が激化し、対外的には北朝鮮敵視、中国包囲など時代錯誤の「価値観外交」なるものを進めようとした。参議院選挙では155項目の重点政策のトップに新憲法草案の実現を掲げた。安倍内閣は50年代末の鳩山内閣以来、はじめて公然と改憲を掲げた内閣だったのだ。
 安倍の突然の辞任はまさにこれらの政治路線の破綻だった。
 福田内閣の登場は自民党のなかからも安倍内閣の路線への不満が高まっていたことの反映であった。しかし、1年前は自民党のエースとして安倍を担ぎ、今度は雪崩撃ってそれに批判的な福田を担ぐという与党の無責任ぶりは極まっている。
 安倍内閣の特異な路線は破綻した。かつて改憲をめざした鳩山、岸内閣が60年安保闘争の大きな高揚の結果、以降の歴代自民党内閣がしばらく(次頁へ)の間、改憲を口に出来なかったように、安倍内閣の崩壊は改憲積極推進派にとっては重大な歴史的敗北だ。
 福田内閣のもとで、安倍路線がもたらした破綻はある程度、調整されざるをえない。しかし、その調整は自民党の基本的な路線の変更ではない。それは自民党的な路線の復活と言ってよい。憲法の問題で言えば、福田は自民党新憲法草案起草委員会では直接に9条改憲を担当し、安全保障小委員会の座長として、9条2項を破壊する新改憲案をまとめた人物である。テロ特措法では「給油新法」をこの臨時国会に必ず提出すると公約した。福田は小泉内閣の官房長官時代に「派兵恒久法」を積極的に検討させた人物であり、この動きも頭をもたげて来るに違いない。崩壊した安倍政権のあとを継いだので、すぐに安倍のように強行採決を連発しにくく、野党との調整型、話あい路線を標榜せざるをえないという違いだ。
 しかし、両者に本質的違いはないとは言え、運動側からみればこの変化は無視してはならないチャンスであり、活用できるし、活用しなければならない。
 とりわけ参院での与野党逆転という条件は、福田内閣と与党の政権運営に大きな足かせとなる。これはかつてない事態だ。
 福田内閣の元で、集団的自衛権の解釈の再検討の場となっていた「安保法制懇」がすすめてきた路線は再検討されるだろうし、「教育再生会議」も、「美しい国有識者懇」も事実上幕を閉じざるをえない。「憲法審査会」の始動は少なくともこの臨時国会では困難だし、「共謀罪」の上程も同様だ。臨時国会に上程されるとはいえ、院外の世論と運動によっては給油新法の強行も困難になる。衆院の3分の2の議席による再議決という伝家の宝刀は抜きにくいはずだ。朝鮮半島政策も安倍内閣の「圧力」一辺倒ではなく、「対話」重視に舵をきらざるを得なくなる可能性もあり、各国政府間の6者協議と各国民衆の平和連帯をすすめ、朝鮮半島の平和と北東アジアの非核地帯構想など平和を実現する方向での環境づくりの方途も切り開く可能性がある。
 これらと衆院解散総選挙の時期の関係も重大な問題だ。
 私たちは、この獲得された有利な条件を、9条改憲反対運動を軸に憲法3原則を生かし、実現していく市民・民衆側からの大きな運動として実現しなくてはならない。文字通り一党一派に偏しない広範な共同を実現したような「九条の会」を全国いたるところで組織しよう。10月から11月の臨時国会に於いて、テロ特措法や憲法審査会などの動きを院内外で呼応して必ず止めよう。ロビーイングなどで積極的に国会議員に働きかけよう。集会やデモなど街頭行動を共同して組織しよう。そのための広範な市民行動を組織しよう。
 11・3憲法集会を全国各地で開催しよう。11・24「九条の会全国交流集会」を成功させよう。これらの運動の成果を2月16~17日の第11回市民運動全国交流集会に結集しよう。(高田健)

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