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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年9月

2007年9月30日 (日)

雑記(21)ビルマの民衆に呼応して大使館にデモ

在日ビルマ人共同実行委員会が主催したデモに参加してきた。
雨の中、五反田南公園から品川御殿山の在日ビルマ大使館をめざし、さらにその先の公園まで、約1000人ほどの人びとがデモをした。参加者にはWPNの仲間や、宗教者の人びとなど日本人の姿も見えたが、ビルマ人の人びとがとても多かった。大使館前では道路に於かれた軍事政権指導者の写真をみんなが踏んで通った。

公園で配られたチラシにはローマ字でスローガンが書いてあった。

民主化運動の指導者アウンサンスーチー氏と全ての政治囚の釈放を   急げ!急げ!
国民的和解をするならスーチーさんとの対話を    急げ!急げ!
ビルマ国内で平和的に行っている民主化運動を     支持するぞ!支持するぞ!
独裁ミャンマー軍事政権は民主化運動を行っている僧侶と国民に武力弾圧を やめろ!やめろ!
国連安保理と日本の政府はミャンマー軍人政権が僧侶や国民にしていることをやめるために    圧力を!圧力を!
ビルマ民主化活動は    勝利するぞ 勝利するぞ!

前の部分をリーダーがマイクで叫ぶと、デモ隊があとのフレーズをくり返す、というシュプレヒコールで、私ははじめてだった。(高田)

九条の会のオーバラッピング・コンセンサス

29日、盛岡市で第4回「九条の会」憲法セミナーがあり、講師の池田香代子さん、奥平康弘さんに同行し、セミナーの司会を務めた。補助椅子をたくさんかき集めるほどの盛況ぶりで、344名の参加者。
池田さんのお話は子どもと、若者と、平和への優しい、熱い思いにあふれた者で、会場を魅了した。「死んだ男の残したものは・・・」や「イマジン」のバックグランドミュージックで読む100」人の村は素晴らしいものでした。
奥平さんのお話は、先生が九条の会の呼びかけ人になって以来考えていること、ということで、憲法学から考える九条の運動論ともいうべきお話で、私は大変興味深く聞くことが出来、かつ共感した。いずれブックレットになるので、お話のキーワードだけメモする。

「九条の会をやっている中で、私は憲法学の九条の理解とは違うところに専守防衛論などの一定層が存在することを知った。たとえば『世界』9月号の阪田・前内閣法制局長官の論文などだ。これらがオーバラッピング・コンセンサス(重複した同意)として、結論を共有することが大事で、九条の会はそうしたものだろう。目下、大切なことは、これらが一緒になって蹴ってこられたボールを、蹴り返すことだ。そのあとどうするかは、また別の問題だ」
運動論として重要な指摘だと思った。(高田)

2007年9月27日 (木)

改憲促進へ6億円/国民投票PR 総務省が予算要求/全国50紙に全面広告3回

赤旗しんぶんの報道ですが、これはとんでもない。改憲手続き法は欠陥法であり、だからこそ国会で憲法審査会はつくれずに、立ち往生している。それを無視して、宣伝だけ進めてしまおうというやり方だ。税金の無駄遣いも極まる話だ。(高田)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-23/2007092301_01_0.html
2007年9月23日(日)「しんぶん赤旗」
改憲促進へ6億円
国民投票PR 総務省が予算要求
全国50紙に全面広告3回

 今年五月に成立した改憲手続き法(国民投票法)を国民に周知徹底するために、政府が約六億円を投じて新聞全面広告などを使った広報計画を準備していることが分かりました。総務省が来年度予算案に新規項目として概算要求しました。改憲世論を盛り上げることを意図したものです。

 総務省が八月末にまとめた概算要求には「国民投票制度の周知及び執行体制の確立に必要な経費」として六億三千万円を要求しました。内訳を説明した総務省国民投票係によれば、新聞全面広告に四億円(全国紙五紙、ブロック紙三紙、地方紙四十二紙の計五十紙に三回にわたって掲載する)、雑誌広告に七千万円などを盛り込みました。

 広報費用関係だけで五億八千九百二十万円になります(詳細は表)。このほか「執行体制の検討・研究」の費用として四千万円を要求しました。

 改憲手続き法は自民・公明の与党が、憲法九条改悪を狙って強行成立させたものですが、国民投票法部分の施行は三年後。同法成立(五月)に際しては、参院憲法調査特別委員会で「十八項目」にものぼる付帯決議がつけられ、(1)投票年齢を十八歳以上とするための法令整備(2)最低投票率の是非の検討 (3)在外投票の保障問題(4)公務員・教員の地位利用にかんする基準の検討(5)有料広告規制の検討など、法案の根幹にかかわる問題を検討課題としました。

 この問題の検討も始まらないうちに、巨額な費用を使って法律の広報活動ばかり先行させるやり方は重大です。

 総務省は「法律に検討課題が残されてはいるが、準備は必要だ。国民の大多数にかかわる新しい制度なので、あまねく周知する」と説明します。

2007年9月26日 (水)

安倍内閣が退陣した新たな条件の下で、改憲阻止の運動をさらに大きく前進させよう

これは昨日発行の市民連絡会会報「私と憲法」77号の巻頭論文です。通常はすぐにはサイトにUPしないのですが、情勢と運動の関係で、あえてブログに掲載します。(高田)

安倍内閣が退陣した新たな条件の下で、
   改憲阻止の運動をさらに大きく前進させよう

 自民党総裁選で福田康夫氏が選ばれ、まもなく衆院の首班指名で福田首相が誕生することになった。参院では先の参院選の結果、与野党の議席が逆転し、小沢民主党代表が指名され、衆参の指名者が異なった状況のなかでの新政権の誕生だ。
 小泉内閣の下で行われた2005年9月11日の「郵政民営化」総選挙以来、衆議院は総選挙という有権者の審判がないままに安倍内閣、福田内閣と2代にわたる内閣を誕生させた。これは異常な事態だ。本来、先の参院選の与野党逆転という結果を受けて、総選挙があるべきだったし、その後、安倍晋三氏が世論の批判を押し切って続投し、間もなく行き詰まって首相の責任を突然投げ出した時点で、選挙管理内閣を組織して総選挙を行うべきであった。その意味で福田内閣は有権者の審判を受けていない暫定政権に過ぎない。一刻も早く、解散・総選挙をすべきところだ。

 安倍内閣の退陣は何を意味するのか。
 それは彼が進めようとしてきた新保守主義と新国家主義の結合という特異な政治路線による政権運営の破綻を意味するものだ。安倍首相が標榜してきた「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」とは、「日本会議議員懇談会」という右翼組織のメンバーを中心に組織された内閣と官邸が進めてきた「従米」と「復古主義」の結合した異端の路線だった。この危険な路線が、「見た目」がよくて選挙に勝てる顔として、自民党のプリンス、エースと期待された安倍首相の本質だった。
 安倍内閣は成立するやいなや、小泉前政権が「郵政民営化選挙」という大ばくちで手に入れた多数議席を元手に、教育基本法改悪、防衛省昇格、イラク特措法延長、改憲手続き法などの重大な悪法を国会での十分な議論も経ないで強行採決でやってのけた。そしてさらにテロ特措法延長、集団的自衛権解釈の見直しなどを進め、「任期中の改憲」をめざしていた。内政的には年金問題、格差問題など深刻な矛盾が激化し、対外的には北朝鮮敵視、中国包囲など時代錯誤の「価値観外交」なるものを進めようとした。参議院選挙では155項目の重点政策のトップに新憲法草案の実現を掲げた。安倍内閣は50年代末の鳩山内閣以来、はじめて公然と改憲を掲げた内閣だったのだ。
 安倍の突然の辞任はまさにこれらの政治路線の破綻だった。
 福田内閣の登場は自民党のなかからも安倍内閣の路線への不満が高まっていたことの反映であった。しかし、1年前は自民党のエースとして安倍を担ぎ、今度は雪崩撃ってそれに批判的な福田を担ぐという与党の無責任ぶりは極まっている。
 安倍内閣の特異な路線は破綻した。かつて改憲をめざした鳩山、岸内閣が60年安保闘争の大きな高揚の結果、以降の歴代自民党内閣がしばらく(次頁へ)の間、改憲を口に出来なかったように、安倍内閣の崩壊は改憲積極推進派にとっては重大な歴史的敗北だ。
 福田内閣のもとで、安倍路線がもたらした破綻はある程度、調整されざるをえない。しかし、その調整は自民党の基本的な路線の変更ではない。それは自民党的な路線の復活と言ってよい。憲法の問題で言えば、福田は自民党新憲法草案起草委員会では直接に9条改憲を担当し、安全保障小委員会の座長として、9条2項を破壊する新改憲案をまとめた人物である。テロ特措法では「給油新法」をこの臨時国会に必ず提出すると公約した。福田は小泉内閣の官房長官時代に「派兵恒久法」を積極的に検討させた人物であり、この動きも頭をもたげて来るに違いない。崩壊した安倍政権のあとを継いだので、すぐに安倍のように強行採決を連発しにくく、野党との調整型、話あい路線を標榜せざるをえないという違いだ。
 しかし、両者に本質的違いはないとは言え、運動側からみればこの変化は無視してはならないチャンスであり、活用できるし、活用しなければならない。
 とりわけ参院での与野党逆転という条件は、福田内閣と与党の政権運営に大きな足かせとなる。これはかつてない事態だ。
 福田内閣の元で、集団的自衛権の解釈の再検討の場となっていた「安保法制懇」がすすめてきた路線は再検討されるだろうし、「教育再生会議」も、「美しい国有識者懇」も事実上幕を閉じざるをえない。「憲法審査会」の始動は少なくともこの臨時国会では困難だし、「共謀罪」の上程も同様だ。臨時国会に上程されるとはいえ、院外の世論と運動によっては給油新法の強行も困難になる。衆院の3分の2の議席による再議決という伝家の宝刀は抜きにくいはずだ。朝鮮半島政策も安倍内閣の「圧力」一辺倒ではなく、「対話」重視に舵をきらざるを得なくなる可能性もあり、各国政府間の6者協議と各国民衆の平和連帯をすすめ、朝鮮半島の平和と北東アジアの非核地帯構想など平和を実現する方向での環境づくりの方途も切り開く可能性がある。
 これらと衆院解散総選挙の時期の関係も重大な問題だ。
 私たちは、この獲得された有利な条件を、9条改憲反対運動を軸に憲法3原則を生かし、実現していく市民・民衆側からの大きな運動として実現しなくてはならない。文字通り一党一派に偏しない広範な共同を実現したような「九条の会」を全国いたるところで組織しよう。10月から11月の臨時国会に於いて、テロ特措法や憲法審査会などの動きを院内外で呼応して必ず止めよう。ロビーイングなどで積極的に国会議員に働きかけよう。集会やデモなど街頭行動を共同して組織しよう。そのための広範な市民行動を組織しよう。
 11・3憲法集会を全国各地で開催しよう。11・24「九条の会全国交流集会」を成功させよう。これらの運動の成果を2月16~17日の第11回市民運動全国交流集会に結集しよう。(高田健)

安倍政権、幕閉じる

25日の夕刊の毎日新聞の記事。
私も電話でのインタビューでお話しした。私も斉藤さんと同じく、この機を好機として、憲法改悪反対の運動の強化に生かしたいと述べたが、話がダブるので、省略されたのだろうと思う。
首相は替わったが閣僚はほとんど変わらないという「居抜き」内閣。うどんやさんの安倍さんがやめるといってつぶれた店を、福田さんが買い取って、造作も食器もそのままにラーメン屋をはじめたという図だ。産経新聞は、「それなら政策も変えるなよな」と皮肉っていたが、その気持ち、ワカル、ワカル。
しかし、安倍の政治路線が頓挫したことも間違いない。福田が改憲論者で、テロ特措法も新法でやろうとしているのも間違いない。ここを運動側がどう表現し、どのように闘いを組むのか、ここにこそ運動側の力量が問われる。(高田)

<安倍政権>幕閉じる…識者ら「強行路線で自滅」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070925-00000027-mai-pol

発足からちょうど1年、安倍政権が25日、幕を閉じた。
理念先行ともいわれた安倍晋三首相だが、在任中に成し遂げた具体的な「成果」は、教育基本法改正と国民投票法の成立だった。
反対の立場を取った人たちは、感慨深く、退場する安倍首相を見つめた。

■教育基本法
日本の教育理念を定めた教育基本法。
47年に制定されて以来一度も見直されなかったが、06年12月、改正された。
前文には「公共の精神」をうたい、「愛国心」も掲げた。
10年ごとの教員免許更新を盛り込んだ教員免許法など関連3法も成立した。

藤田英典・国際基督教大教授(教育社会学)は「安倍首相の執念で取り組んだもので強行採決の連発だった。
小泉・安倍路線によって、学校選択制などの成果主義・市場原理主義が教育の現場にも持ち込まれた。
愛国心教育などの復古主義・国家主義的な考えが鮮明になった」とする。
その上で、「教員免許の更新制など、逆戻りが難しいものもある。
地方では既に『改革』の動きが始まっているが、旗振りをするトップが交替することで抑止力が働く可能性がある」と話す。

佐貫浩・法政大教授(教育政策論)は「強引な手法が国民や、アジアを中心とした各国から批判された。
それで身動きがとれなくなり、ストレスを強く感じることにもなったのではないか」と分析した。

一連の教育改革は格差拡大につながると警鐘を鳴らしてきたジャーナリストの斎藤貴男氏。
「大それたことをしようとして自滅してしまった。
安倍首相が残した負の遺産は重い。
福田康夫新首相で多少ブレーキがかかるだろうから、その間に流れを変えていきたい」
■国民投票法
日本国憲法の改正手続きを定めた国民投票法。
今年5月、与党の単独採決で成立した。
安倍首相が1月の年頭会見で参院選の争点として掲げた憲法改正に道筋をつける重要法案だった。

同法に反対した市民グループ「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健事務局次長は「復古主義的な性格の強い安倍さんの改憲論は、かえって自民党内の心配を広げたのではないか。
国民投票法の成立で改憲論議は進んだように見えるが、強行採決で自民、公明と民主との協調路線が破綻し、改憲の実現はむしろ遠のいた」と指摘する。

田北康成・フェリス女学院大非常勤講師(マスコミ論)は「国民投票法は、メディア規制条項を盛り込んでいたり、最低投票率規定がないなど問題を残したままゴリ押しして成立させた。
そうした違和感の一部は参院選の結果に現れていると思う」と話す。
【日下部聡、五味香織、臺宏士】
[Yahooニュース]

2007年9月22日 (土)

第九条の会ヒロシマ

先日、近く発行される第九条の会ヒロシマの会報に以下のような記事を寄稿した。

168臨時国会を招集し、安倍晋三首相が所信表明演説をした翌々日に職務を投げ出すという極めて異常な事態が発生した。国会も止められた。そして鳴り物入りで始まった自民党の総裁選は、最初から福田康夫元官房長官の当選が決まっているデキレースだ。

1年前、改憲派のエースとして登場した安倍首相は、「任期中に改憲を実現する」と称して、次々に改憲へのレールを敷き始め、「戦後レジームからの脱却」「美しい国づくり」などを標榜して、憲法の明文改悪と解釈改憲による集団的自衛権の行使、すなわちグローバルな規模で米国と共に「戦争のできる国」「普通の国」づくりをめざしたのである。

彼はこの路線の具体化として、教育基本法改悪、防衛庁の防衛省への「昇格」、改憲手続き法等、歴代の自民党首相が容易に出来なかった課題を、いずれも異常な強行採決で成立させた。しかし、この強行採決を可能にした衆院での与党の圧倒的な多数の議席は、前任者の小泉前首相が、「郵政民営化国民投票」と称した政治的大ばくちで与党が奇跡的に手に入れた議席数であり、有権者が安倍首相の改憲路線を支持したものではなかったのである。

安倍改憲路線とは右翼団体「日本会議」に代表されるような新保守主義と、ブッシュ米大統領らが推進し、小泉首相も追随してきた新自由主義が結合した特異な路線だった。

この日本会議内閣的な危うさは、日をおかずして国会での強行採決のラッシュや相次ぐ閣僚の辞任に直結し、年金問題の処理の不安を招き、小泉改革が招いた社会に深刻なひずみ、格差の露呈と合わせて、参院選での与野党逆転という決定的な敗北をまねいた。

にもかかわらず安倍首相は「基本路線は多くの国民に理解されている。約束した改革を進め、実行する責任がある」と強弁し、公言した改憲をめざして居座ろうとした。だが自らが設置した「安保法制懇」答申は宙に浮き、それを足場に集団的自衛権の合憲化を進める策謀は世論の動向を気にした連立与党の公明党などからも反発された。参議院の議席の逆転で憲法審査会設置も停滞してしまった。

内外の危機はいっそう拡大し、このひ弱な3世議員の安倍晋三が耐えきれないほどに重圧は強まった。価値観外交での反中国包囲網形成の試み、圧力一辺倒の対北朝鮮外交と6者協議でのジャパン・パッシングの危険、米国議会での「従軍慰安婦問題の非難決議」など、安倍外交の行き詰まりは、期限切れの迫ったテロ特措法延長の「国際公約」で自らを決定的に追いつめることになったのである。

だが問題の責任は安倍晋三個人の範囲にとどまらない。この首相と内閣を支えた自民党・公明党の与党の責任は重大である。

しかし、総裁選の一方の候補である麻生太郎は安倍政権を支えた最大の責任者であり、日本会議国会議員懇談会の前会長で、現最高顧問として、安倍改憲路線との共通性はとりわけ大きい。

もう一方の福田康夫は「調整型」など安倍との政治手法の違いを売りにして、党内外の安倍批判を吸収して支持を固めながら、その実、見逃し難い危険な政治路線を持っている。彼はさきに自民党が発表した「新憲法草案」の作成過程では「安全保障」小委員会の責任者として、現行憲法第9条2項を完全に否定するような自民党の9条改憲案をまとめた人物だ。そして、この総裁選の中では焦点のテロ特措法や増税などについては安倍、麻生らの主張と全く違わない立場なのだ。

参議院の与野党逆転は、私たちにこれまでにない闘い方の可能性を生み出した。民主党の現状は手放しで期待できるわけではないが、国会外での市民の闘いの発展と合わせれば、政治をかえる可能性が見えてきた。強行採決と18項目もの付帯決議で成立させた(これもみんなで闘ったからこそ作り出せた状況です)改憲手続き法は、いま野党の抵抗で憲法審査会は運営「規程」すらつくれず停滞している。重大な欠陥法=改憲手続き法の再検討と廃止法案を作る運動の可能性もでてきた。米軍のアフガン攻撃に後方支援する違憲のテロ特措法の廃止の可能性がある。これをイラク特措法廃止につなげることもあるだろう。安倍が強行した「教育再生会議」の破綻は目に見えている。いま私たちの前には従来、与党が有無を言わせず強行してきた違憲の諸立法を再検討させ、解釈改憲で傷つけられてきた9条を再生し、社会に生かし、実現する闘いの可能性が見えている。
 9月17日 (高田 健  許すな!憲法改悪・市民連絡会)

2007年9月21日 (金)

国連アフガン決議:露が批判声明文 小沢氏主張裏付ける

毎日紙の速報である。
日本政府の姑息な策動が裏目に出た。
どこかの報道が安倍首相の最後の努力が「感謝決議」に結実した、などと書いていたが、安倍首相はほんとうになにからなにまでKY(空気が読めない)だったことが証明されてしまった。
民主党よ、動揺するなかれ。時の利は諸君等に有り、だ。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070922k0000m030066000c.html
国連アフガン決議:露が批判声明文 小沢氏主張裏付ける 

 【モスクワ杉尾直哉】アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)に関する国連安保理決議案の採択でロシアが棄権した問題で、ロシア外務省は20日、「これまで安保理で議論されたことがないインド洋の海上阻止活動が盛り込まれ、棄権せざるを得なかった」とする報道声明文を発表した。

 安保理で拒否権を持つロシアが、現時点で海上阻止活動を受け入れていないことを明確にしたもので、「米国の活動を国連安保理で承認する決議はない」とする民主党の小沢一郎代表の主張が逆に裏付けられた形。民主党対策で採択を急いだ日本政府の読みの甘さが浮き彫りになった。

 今回の決議案では、日本などがインド洋の海上阻止活動に参加する米軍主導の「不朽の自由作戦」(OEF)への謝意が盛り込まれた。これに対し露外務省は「アフガンやほかの紛争に関する過去の国連決議で扱われたことがないまったく新しい要素だ。海上阻止活動を行う根拠について米国などの提案国に説明を求めたが、無視され、性急な採択が行われた」と批判した。

 露外務省の声明文によると、ロシアは、これまでISAFを原則的に支持し、国連決議にも賛成してきた。だが、今回の決議案では、海上阻止活動に触れた文言を米国代表が議論の最終段階で追加。これに対しロシアは説明を求めたが、無視されたという。

 ロシア側は妥協案として、「いかなる海上阻止、臨検活動も国際法と国内法にのっとって行われなければならない」との文言を盛り込むよう提案したが、これも無視されたという。

毎日新聞 2007年9月21日 19時40分

福田の派兵恒久法の再登場

18日の共同通信のインタビューで福田氏が恒久法について触れている。彼は小泉内閣での官房長官時代にこれを積極的に進めようとした過去を持っている。首相になったら再度、これをやろうということだろうが、危険な道だ。
テロ特措法、イラク特措法に代わる派兵恒久法をねらっている。心しておこう。(高田)


http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007091801000797.html

海外派遣で恒久法目指す  福田氏インタビュー

 自民党総裁選で優勢となっている福田康夫元官房長官(71)は18日午後、共同通信の単独インタビューに応じ、自衛隊の海外派遣を随時可能とする「恒久法」制定を目指す考えを示した。自民党が参院選で公約した「3年後の憲法改正案発議」は事実上棚上げする意向を表明。首相に就任した場合の組閣については、臨時国会開会中を理由に閣僚の大幅入れ替えは困難との考えを重ねて示した。

 恒久法は福田氏が官房長官当時の2003年7月に制定方針を表明し、安倍政権も来年1月からの通常国会への提出を目指していたが、参院選惨敗により当面凍結を決定。これについて福田氏は「何か起こった時に慌てて法律を作るということでは機敏な対応はできない。きちんと整えておくことは大事だ」と述べ、あらためて制定の必要性を強調。
2007/09/18 20:41  【共同通信】

福田の改憲への姿勢について

自民党総裁選で、二人の最初の立候補表明から改憲が消えたと「赤旗」が指摘していた。確かに、安倍首相と比べて、この二人には憲法問題の言及は極度に少なくなった。
福田が当選したら、改憲問題にどういう態度をとるのか、本日(21日)の毎日の報道する福田へのインタビューから垣間見ることが出来る。
福田は「10年に憲法改正発議を目指す道筋に変わりないですか」と尋ねられて、「発議できるような状況にあるかというのは大前提でしょ。(衆参両院で)3分の2の議決を要するので、大勢をつくらないといけない。国会の議論がどうなるかを見守っていく必要がある」と答えている。
これを毎日は「福田氏 改憲発議に慎重姿勢」というのだが、かならずしも「慎重」というものでもなく、この発言はごく当然のことを言っているだけだ。福田は2010年に参議院で改憲派が3分の2をしめることが出来るのかどうかということを言っている。民主党と改憲の中身で合意できない限り、2010年には不可能であることは当然のことだ。それなしには発議出来ない。国会の論議のなかでそうなるかどうかということを福田は言っている。憲法審査会の議論がそうした方向に進むのかどうかということだ。
福田は自民党新憲法草案起草委員会の安全保障小委員会(9条関連)の座長として、あの草案をまとめた人物だ。条件さえできれば改憲をしたいと思うのは当然だ。
問題は条件(状況)だということだ。
慌てずに、警戒を怠らずに、しっかりと監視し、闘っていかなくてはならない。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070921k0000e010001000c.html
自民総裁選:福田、麻生両氏へのインタビュー要旨

 自民党総裁選に立候補している福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長に20日、毎日新聞などが行ったインタビューの要旨は次の通り。

 ◇福田氏 改憲発議に慎重姿勢

 --海上自衛隊が参加するテロ対策活動に対する謝意を盛り込んだ国連安保理決議が採択されました。

 ◆期待が表明されたので、当初の予定通り活動を継続できるようにしていきたい。ただ、国会もねえ、だいぶ(会期を)消費してしまった。

 --会期を延長してでもやるべきですか。

 ◆野党ともよく話し合いをしなきゃ。いま、延長がどうのこうのと踏み込んで言えない。

 --公明党が連立政権協議の基本方針に政治資金規正法の再改正を盛り込みました。

 ◆「1円以上の領収書添付を義務づける」と。私も同感するところはある。ただし、政治活動が自由にできなくなることがあってはならない。

 --総裁選で勝ったら、麻生さんの処遇は。また、人事は。

 ◆これはねえ、結果が出た後で考えるべきだ。私が100%絶対に(勝つ)なんて、皆さん方、思ってないでしょ。

 --幹事長にはどういう人材を求めますか。

 ◆国民の信頼を得られる形でのリーダーシップを発揮すること。これはもう、誰がなっても当然ですね。

 --財政再建は。

 ◆基礎的財政収支(プライマリーバランス)を11年度(に黒字化する)と決めているので、達成するよう最大限努力する。先に延びるとかは一切考えていません。

 --女性・女系天皇をどう考えますか。

 ◆(皇室典範のあり方をめぐる)議論の内容をよく承知したうえで判断したい。今のままでは済まないという認識は前から持ってます。

 --10年に憲法改正発議を目指す道筋に変わりないですか。

 ◆発議できるような状況にあるかというのは大前提でしょ。(衆参両院で)3分の2の議決を要するので、大勢をつくらないといけない。国会の議論がどうなるかを見守っていく必要がある。【聞き手・川上克己】

毎日新聞 2007年9月21日 7時24分

2007年9月18日 (火)

雑記(20)安倍のお友達はいまどう思っているのか

これは面白い。本日の毎日新聞の夕刊の記事だ。
岡崎、櫻井、屋山という、安倍の「同志」やブレーンだった連中の感想だ。岡崎はショックを隠せずに、「反動の時代が来る」と叫んだ。櫻井は悔しさをかみ殺して「戦後体制からの脱却をうたった安倍さん自身が、戦後日本のもろさというものを体現していた」と強がりを言った。屋山は「いずれにしても、大砲は放たれた。あとはそれがどこに着弾するか。それを待つだけだよ」などと、どこかの国の性能の悪い弾道弾のようなことを言い放った。
三者三様だが、漫画チックで面白い。記事は長いけれど、読むのは苦にならないのではないかとおもう。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/tokusyu/wide/news/20070918dde012010036000c.html
「プリンス安倍」退場 保守論客の弁は

 憲法改正や教育再生を掲げ、“保守のプリンス”とも呼ばれた安倍晋三首相が退陣する。自民党総裁選は、安倍首相を支えた麻生太郎幹事長に対し、首相と距離を置いた福田康夫元官房長官が本命視され「戦後レジームからの脱却」路線は転換を迫られそうだ。「保守」の行方は、どうなるのか。プリンスを叱咤(しった)激励してきた論客に思いを聞いた。【太田阿利佐、藤原章生、大槻英二】

 ◇「反動の時代」が来る--外交評論家・岡崎久彦氏

 安倍首相の退陣理由は健康問題です。政策のどこかが行き詰まっていた、評判が悪いから辞める、とは言ってません。退陣表明の数時間前まで、首相としてやるつもりだった。職を賭してやると言っていたのを辞めると言うのは健康問題しかないでしょう。それは国民にも分かっています。マラソンに例えれば、ゴールを前に足がどうしても動かなくなってしまった。体力、気力の限界が来た。私もがっかりしたし、一般の保守層の人々もがっかりしたでしょう。だからといって、左翼思想や戦後の偏向教育思想に戻るということはありえない。健康問題だから仕方がありません。

 安倍政権は、教育基本法改正案、教育関連3法案を国会で成立させ、戦後何十年も放り出してあった国民投票についての法も整え、防衛庁も省に昇格させた。今後の日本にとってのレールを敷いた。それは非常に評価しています。特に教育は、思想が保守かどうかに一番影響を与える問題です。教育再生会議はあとは事務的にやればよく、教育はもう大丈夫だと思います。

 残っているのは憲法改正と、その前段の集団的自衛権の解釈問題です。後事を人に託する余裕もなかった。「保守に対する反動」もあるかもしれません。反動といっても、小沢一郎・民主党代表のように米国に肩を張ってみせれば人気が出ると思い込む人がいるだけで、イデオロギーも何もありません。具体的には、中国を刺激しない、憲法改正も安全保障問題も前進しない、ということです。集団的自衛権は2、3年は議論が進まないかもしれませんが、論点は整理したので、やる気のある内閣ならいつでもできる。ただ反動がどのぐらい長く続くかです。

 福田康夫氏が次期首相になったら、反動の時代が来る。麻生太郎氏なら反動もなし、ということです。安倍首相の仕事で最後に良かったのは、麻生氏を幹事長にしたことです。もし麻生氏が首相になったら、それは安倍首相の最後の実績でしょう。

 総裁選の結果は分かりません。しかし我々保守は、反動の時代に備えて頑張るしかない。相撲のインタビューみたいなもので「頑張ります」に決まっています。5年か10年か、健康に気を付けてもう一息、そういう気持ちです。

 ◇「戦後」のもろさ体現--ジャーナリスト・櫻井よしこ氏

 安倍さんの辞任は、誰も皆びっくりしたことでしょう。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げていた。それは米国の占領下で、憲法がつくられ、日本のそれまでの在り方が否定され、日本の在り方が根本的に変えられてしまったことに対しての反論です。

 そこから脱却するということは、自立できない日本を自立させ、自らの力で道を切り開く日本へ変えていくという決意です。しかし、そこには60年以上にわたる戦後体制になじんできた価値観があり、それを打ち破るのは、並大抵のことではありません。

 それを打ち破らなければいけないと言っていたご本人が結局、多くの圧力の前に疲れ果てて、政権を投げ出してしまった。そういう意味で、私は、戦後体制からの脱却をうたった安倍さん自身が、戦後日本のもろさというものを体現していたのではないかと思うのです。

 しかし、安倍政権がこの1年間にしてきたことは、教育基本法の改正も、公務員制度の改革も、後になって必ず高く評価されると思います。自らの任期内に憲法改正すると言って、政権をつくった首相は初めてです。

 衆院に導入された小選挙区制度のもとで、2大政党制へと流れは着実に収れんしています。かつての中選挙区制なら、自民党自身のあいまいさが許容された。しかし、小選挙区制は個々の政党が理念や政策を掲げて戦う政党同士の争いです。

 にもかかわらず、今回の自民党総裁選で、福田(康夫)政権が誕生することになれば、それは、安倍政権とはまったく政策の異なる政権が誕生することになります。憲法改正、靖国参拝、拉致問題などへの対応において、正反対の福田さんに、1年前安倍政権をあれほど熱烈に支持した人たちが、メダカの学校のように、先頭の魚の方向転換に従って、節操なく走ってしまうというのは、政党としての理念を欠く。それは自民党の終焉(しゅうえん)を意味すると思います。

 次の総選挙で、政権交代が現実のものとなれば、民主党政権もかなり混乱するでしょう。そのプロセスで、自民党と公明党の連立も解消されるかもしれない。小選挙区制の下で政界再編という形をはっきり取るかどうかはわかりませんが、政治の混迷は当面続くと思います。

 ◇「大砲」…どこに着弾--政治評論家・屋山太郎氏

 (安倍辞任で)ショックなんてないね。安倍さんが、官僚の天下りを根絶したいって言うんで賛成しただけだ。保守の敗北? 違うんじゃないか。憲法改正は自民党の党是なんだから、たとえ福田さんが首相になっても流れは大きく変わらない。ただ、公共事業ばらまきの古い「官僚内閣」に戻る心配はあるな。

 小泉構造改革で公共事業が激減した。でも、極端な話、地方の産業は公共事業だけだから、何の手当てもしなけりゃ、民主党に出し抜かれるのは当たり前なんだ。でも、どうだろうね。福田さんで(自民党は)選挙できるのか? (彼が)何か言っても、人はわからないだろ。

 安倍さんの成果は、憲法改正を真正面から取り上げ、(今年5月に)国民投票法を制定し、(昨年12月に)教育基本法を改正したこと。ただ、国民投票法も施行が3年延びたし、教育も成果が上がるまでに10年はかかる。長距離砲を撃って、着弾していないようなものだな。

 意義のある改革だけど、一般の国民は「大砲をぶっ放したけど、生活はどうなるんだ」と言うし、日米関係が良いからって国民の生活は変わんない。「テロとの戦い」で評価は得ても、身近な政治とは関係ない。

 安倍さんは天下りをなくそうと公務員制度改革をやってきたけど、これも国民の飯の種にはならない。天下りの度に所得を増やす官僚が、独立行政法人や特殊法人で5、6兆円も税金を使っている。

 そういう明治からの「官僚内閣制」をなくそうとしたんだから、反発はすごかった。政治資金のスキャンダルは官僚にやられたんだよ。それと日の丸・君が代に反対し、戦後体制に安住するマスコミにね。安倍さんはマサカリかついで17回も強行採決したから、改革を推す人も恐怖心が出たんじゃないか。

 ただ、(自分たちが)訴えたかったのはモラルの回復なんだ。日本人のモラルは恥の文化から来ている。それが日本のモノづくりの基礎になった。恥の文化のもとは名誉で、そのもとは武士道。それが廃れたから、今は子殺し、親殺しとめちゃくちゃじゃないか。恥の文化をもっと知らせなきゃならないんだ。いずれにしても、大砲は放たれた。あとはそれがどこに着弾するか。それを待つだけだよ。

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 ◇「夕刊とっておき」へご意見、ご感想を

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ファクス03・3212・0279

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 ■人物略歴

 ◇おかざき・ひさひこ

 1930年生まれ。元駐タイ大使。安倍首相が設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」メンバー。

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 ■人物略歴

 ◇さくらい・よしこ

 1945年生まれ。80~96年、日本テレビのニュースキャスター。従軍慰安婦やエイズなどの言論活動で、98年に菊池寛賞受賞。

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 ■人物略歴

 ◇ややま・たろう

 1932年生まれ。時事通信社ジュネーブ特派員などを経て87年に退社。著書に宰相論、教育論など。02年、正論大賞受賞。

毎日新聞 2007年9月18日 東京夕刊

雑記(19)局面転換?

本日の『毎日新聞』が「政策課題:「安倍カラー」も退場?」という記事を書いているので下に貼り付ける。
安倍首相は「局面の転換をはかる」と称して辞任を表明した。どうやら「民主党がイラク特措法の延長に反対し、小沢党首は自分にも会ってくれない、国際公約なのに行き詰まってしまったので」と言いたかったようであるが、なんとも理解しにくい言葉である。このところの安倍総理の発言は一事が万事、こんな調子で、意味不明のことが多かった。
辞職して、イラク特措法の「局面転換」がはかれるわけがない、ますます延長しにくくなり、新法をだすにしてもいたずらに空白を拡大するだけだ。それとも安倍首相のいう「国際公約」を反故にするためか。それなら話は通じる。たしかに局面転換だ。しかし、そんなわけはないだろう。
この記事のように、もともと不可能な、年金の「3月完了」の約束を反故にするためというのも同じ文脈で理解するのか。こんなことは願い下げだ。
反故にされて憤懣やるかたないだろうと思うのは、集団的自衛権の「安保法制懇」のメンバーと、教育再生会議のメンバーだろう。「安倍さんに頼まれて、やる気になっていたのに……」と恨み節でも言いたいところか。
であるなら、強行した「改憲手続き法」の結果、憲法審査会がハコだけ出来たものの、稼働も出来ない状況になっていることも、局面転換をやってもらいたいものだ。欠陥立法の改憲手続き法の抜本的再検討と、廃止法とはいかないものか。これなら膠着状態の局面転換になるぞ。
郵政民営化法だって、国民新党の主張に呼応して「廃止法案」を参院に上程するのだ。盗聴法も廃止法案を準備したことがある。教育基本法も、防衛省昇格法も……(ウーン、これらは民主党が賛成しているからだめだなあ)。
まあ、それにしても、肝心なことは、安倍がやめて麻生になっても、福田になっても「局面転換」が期待できないことだ。運動と世論の追い打ちなしに局面転換はないか。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070918ddm002010027000c.html
政策課題:「安倍カラー」も退場? 検討作業綱渡り、支え役不在…

 安倍晋三首相が突然の退陣表明をしたことで、憲法9条解釈の見直しや教育再生など「安倍カラー」の強い政策課題の検討作業が宙に浮く事態となっている。いずれもトーンダウンを余儀なくされそうなうえ、首相が公約した年金記録の照合についても先行きが危ぶまれている。【吉田啓志、佐藤丈一、三沢耕平】

 ●集団的自衛権

 憲法9条解釈の見直しを検討する首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)は14日に予定していた第6回会合を中止した。存続は新首相の判断に委ねられる。

 懇談会は「公海上で攻撃を受けた米軍艦船の護衛」など首相が検討を指示した4類型について、集団的自衛権の行使を容認する方向だ。ただ、与謝野馨官房長官は13日の記者会見で、「落ち着いた雰囲気の中で議論してほしい」と述べ、性急に結論を出さないようくぎを刺した。次期首相が有力になっている福田康夫元官房長官は見直しに慎重姿勢を表明している。

 ●年金問題

 宙に浮く5000万件の年金記録統合策として首相が打ち出した「照合と結果の本人通知を来年3月までに完了する」との公約についても、政府内に実現を不安視する声が広がりつつある。

 照合完了目標は当初、08年5月だった。舛添要一厚生労働相は9日、「(政府内に)3月までにできると言った人はいない」と述べ、首相の公約には裏付けがないことを明かしている。

 社会保険庁は今後必要となる作業量を把握できていない。先に「3月完了」という枠をはめられたため、「作業量が判明していく過程で随時、公約達成に必要な人、金を投入していく」(舛添氏)という綱渡りを強いられる。官邸主導の日程前倒しについて、厚労省内には「政府というより安倍印の公約」(幹部)という冷めた意識がある。首相が官邸を去り、政治の圧力が弱まれば、社保庁の先送り体質が再び頭をもたげかねない。

 ●教育再生

 首相がトップダウンで設置した政府の教育再生会議。池田守男座長代理(資生堂相談役)は「次期首相が引き継ぎ、大きな花を開いてくれると信じる」と語り、存続に望みを託すが、これも先行きは不透明だ。同会議は12月に最終報告をまとめる予定だが、後ろ盾だった塩崎恭久前官房長官や下村博文前官房副長官に加え、首相も交代すると支え役は不在となる。伊吹文明文部科学相は「会議がなくなっても困ることはない」と主導権争いで「勝利宣言」した。

 ●公務員改革

 公務員制度改革関連法が先の通常国会で成立し、国家公務員の再就職のあっせんを一元化する新人材バンクが08年中に設置される。現在、二つの有識者会議がバンクのあり方や人事制度の見直しを検討中。政府はその結論を踏まえて来年の通常国会に国家公務員制度改革基本法(仮称)を提出する方針だ。しかし、官僚の抵抗はなお強く、新首相と「霞が関」の距離感しだいで天下り規制策が後退する懸念もある。

毎日新聞 2007年9月18日 東京朝刊

2007年9月14日 (金)

雑記(18)公園で守る9条

8月14日の朝日新聞夕刊(関東)に「公園で守る9条」「戦中派78歳、署名集めを歌集に」「若者たち関心高い」という大きな記事が載り、目をひいた。

箕輪喜作さん(78歳)、東京・小金井市在住。05年11月、地元の小金井市に「九条の会・こがねい」が結成されたのを契機に、9条を守る署名を始め、1年8ヶ月で6千筆以上集めたという記事だ。そしてこのほど、歌集「九条署名の1年」(光陽出版社)を出したのだという。

●声かければ赤ん坊をわれに抱かせて署名してくれしお母さんあり

などの短歌も紹介されていた。

その後、私は箕輪さんのこの歌集を読む機会も得た。

箕輪さんにあってみたくなり、ツテをたどって箕輪さんに連絡し、武蔵小金井駅で待ち合わせをして頂いてお宅を訪ねることができた。

署名はすでにあと数十筆で7000になろうとしているという。休日には近くの武蔵野公園で1日50筆くらい集まると言うから、明日は7000筆を超えているかも知れない。公園にもつれていって頂いたが、本当にひろーい公園で、森があり、川があり、バーベキュー広場があり、スケボー練習場があり、という具合で、近県からの人びとも含めて若者や子ども連れの若い親たち、近くに大学などもあって外国人も多いという。箕輪さんはこれらの人たちに話しかけ、署名を集める。署名簿は「9条の会・こがねい」が作ったシンプルなもので、

We Love 憲法 We Want Peace 請願書 衆議院議長殿 参議院議長殿 請願項目 日本国憲法第九条を守ってください  とだけ書いてある。それに憲法九条の条文が添えてある。

これはいいと思った。いずれ5000万署名運動などにとり組むときは、これがいいのではないかと思った。

箕輪さんは新潟の山村の小学校の用務員を44年間務めて、その後、東京に出てきた。子どもたちや、教師や、村の人びとと箕輪さんの交流は熱いものだったようだ。聞いていて、箕輪さんの人との対話術、とくに子どもとの対話術はこの箕輪さんの長い人生経験のなかで作られたものであることがよくわかった。どんな話をして署名をもらうかの実演も聞いた。最初はつっけんどんだったお姉さんが涙を流したり、悩みをもつ若者の相談にのったり、ときに歌を歌ったり、ときには公園で同郷人に会えば十日町小唄まで踊るという。右翼に署名簿を強奪されたときも、やんわりと抗議し、公園にいたまわりの人びとが守ってくれたともいう。米軍人の家族も、創価学会の会員も、ほんとうに公園にくる人びとは多様だ。最初は「義務感」を伴いながらの署名活動だったが、だんだんにこうした人びととの出会いが楽しくなってきたという。交流したある学校の子どもたちは「九条おじさん」の演劇をつくって上演した。箕輪さんは、その写真を「これは私の宝物です」と微笑みながら見せてくれた。

●田舎弁まるだしなれど若者は戦争体験聞いてくれたり

2007年9月11日 (火)

与党は新法路線選択、政局は激動へ

与党は「新法」に舵を切ったようだ。
この場合、①民主党が、与党に「60日条項」の行使に追い込むために、廃止法案提出やテロ特措法の実績の解明のための国勢調査権の行使などでがんばれるかどうか、②もしそうなれば「60日条項」を行使するにしても、テロ特措法は期限切れになるので、インド洋から自衛隊は引き上げざるをえなくなる、③その場合、2つの問題が生ずる。1は、国会の会期延長をして、衆院で与党が3分の2条項で再議決するというような参院無視の暴挙を世論が許すかどうか、2は、与党幹部のいう「ワンテンポ休んでも一曲」ということを世論が許すかどうか、④それでも与党は、新法を成立させる暴挙にでる場合には、参院での問責決議になるが、可決されたら安倍内閣はどうするか。それでも居直るか、「インド洋派兵・花道論」で内閣総辞職し、新内閣のもとで総選挙に向かうのか、などのシナリオが考えられる。
以下は、本日の毎日の記事。続いて同様の報道で本日の朝日の記事。さらに続いて朝日の記事で、経団連の御手洗会長と同友会の桜井代表幹事が、安倍に呼応して、民主党に圧力をかけている動きの紹介。
最後はまたまた朝日の記事で、参院で承認をえられそうもないから、国会の事後承認も新法では外すというトンデモの話だ(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070911ddm003010017000c.html
クローズアップ2007:テロ特措新法、「捨て身」の首相 総辞職に現実味
インド洋での給油活動継続問題をめぐる臨時国会の流れ

 安倍晋三首相がテロ特措法の延長問題をめぐり、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続できなければ退陣する意向を表明したことで、臨時国会最大の焦点である同問題の帰すうは、安倍政権の運命と直結した。政府・与党は首相発言を受け、11月1日の同法期限切れにとらわれず、新法を制定することで窮地脱出を図るが、成立しても、廃案になっても政権存亡にかかわる局面になることは必至。首相の捨て身の戦略にどう応じるか、逆転参院を握る民主党も難しい課題を抱えることになった。【鬼木浩文、須藤孝】

 ◇成立の場合--問責決議で政局緊迫

 「音楽でもワンテンポ休んで、また続くこともある。それでも1曲だ」

 与謝野馨官房長官は10日の記者会見で、テロ特措法が期限切れを迎え自衛隊が撤退しても、新法制定で再派遣する見通しがあれば「活動継続」にあたるとの見解を示した。

 首相の発言を受け、政府・与党は新法提出に向けて一気に動き出した。現在のテロ特措法を単純に延長する法改正では、11月1日までに法案を成立させなければならず、給油継続反対の姿勢を変える気配のない民主党の小沢一郎代表に、政権の命運を事実上、握られかねないからだ。

 新法を提出すれば、単なる法改正より国会での審議時間が必要となる一方、11月1日を迎えても法案審議中を理由に「(給油活動の)休止に過ぎない」と説明できる。退陣には直結せず、デッドラインは事実上、国会閉会まで延びる。会期延長の優先権を持つ衆院で過半数を握り、年末までの会期延長を決定できる与党側が、主導権を一部取り戻すことにもなる。

 新法では自衛隊派遣に対する国会の事後承認規定の削除が予定されている。しかも、民主党は給油継続そのものに反対しており、歩み寄ることは困難。結局は憲法59条に基づき、衆院で3分の2以上の多数による再可決、成立を目指さざるを得ないと政府・与党はみる。

 ただ、再可決は参院での否決が前提だが、参院で外交防衛委員長ポストを握る民主党が早期に否決する保証はない。

 それでも、衆院からの法案送付から60日以内に参院が議決しなければ否決と見なし、衆院で再可決できるが、会期(11月10日まで)の大幅延長が前提になる。首相の求心力が低下する中、こうした荒業に打って出る余力があるかを疑問視する声は与党内にもある。

 しかも、強硬策に訴えて新法が成立しても、すべてが片づくわけではない。参院選大勝を「民意の表れ」とみる民主党は、そうした筋書きに早くも反発している。鳩山由紀夫幹事長は10日、記者団に「衆院の3分の2を使って、参院の結論を衆院でひっくり返せば、参院の無用論につながる」と強くけん制した。与党が衆院での再可決に踏み切れば、民主党が参院での首相問責決議案を提出し、野党の賛成多数で可決される公算が大きい。

 その場合、弱体化した首相の下での解散を避けるために、政府・与党が「花道退陣」と称し、内閣総辞職と引き換えに法案成立を図る動きが表面化する可能性もある。首相は8日に、問責決議について「重い」と認めながらも、可決された場合の衆院解散・総選挙については否定した。

 ◇不成立の場合--退陣不可避、総裁選に

 参院を舞台に民主党など野党が新法の成立を阻止する可能性もある。首相が「職を賭す」と踏み込んだことで、民主党は態度を硬化させた。

 同党幹部は「審議前に言われては、『辞めろ』としか言えない」と説明する。同党が参院で早期に法案を否決し、衆院での再可決を黙認するという妥協案も、「安倍首相を延命させる談合と取られる」(参院国対幹部)。参院選の大勝を背負い、妥協はできない同党は、参院でも法案を徹底審議し成立を阻止する方針だ。

 そこで同党が重視するのは、参院の過半数確保で可能になった国政調査権の発動だ。現在行っている給油活動の詳細について説明を求める方針。外務・防衛担当の民主政調幹部は「油がイラクに行く米艦船に使われている可能性がある。もし明らかになれば、新法など吹っ飛んでしまう」と語気を強める。

 同党の山岡賢次国対委員長は「新法の審議中に自衛隊が撤退すれば、政権担当能力のない民主党のせいだと宣伝するはずだ」と、警戒を呼びかけた。小沢氏も党幹部との協議で「哲学理念が違う法案をちょっと修正するみたいな話に乗ってはダメだ」と改めて政府・与党と対決姿勢を明確にするよう指示した。

 政府・与党側があらゆる手段を駆使した場合、民主党が阻止できるとは限らないが、法案が廃案や継続審議になった場合、首相の退陣は避けられないとみられる。政局の焦点は自民党の後継総裁選びに移行する。

 一方で「政治とカネ」の問題も、臨時国会でテロ特措法と同様の重さを持つ。新法案の審議が本格化する前に、再び閣僚の不祥事が発覚すれば、政権自体が危機にひんする可能性もある。

 ◇民主、「奇策」に苦慮--世論の動向見えにくく

 民主党の小沢一郎代表は10日の党代議士会などに出席したが、あいさつはせず、首相の発言をあえて黙殺するかのような態度に終始した。

 「これで我が党も追い込まれることになった」。民主党のベテラン議員は、首相の捨て身戦術で、同党が微妙な立場に置かれたとの認識を示した。同党にはもともと、テロ特措法を首相の進退問題に結びつけることに慎重論があった。安倍内閣が総辞職した場合は自民党総裁選が実施され、世論の関心は自民党に集中し、引き寄せた流れが民主党から離れてしまいかねないとの懸念からだ。

 民主党幹部は「堅実型の福田康夫元官房長官が出てきて、態勢を立て直されると厳しい」と指摘する。求心力が衰えたとはいえ、首相がこの問題をテーマに衆院解散・総選挙に打って出た場合、世論の動向が見えにくいという不安もある。

 小沢代表は参院選で、「負けたら政界引退」と退路を断って大勝。政策的に路線の異なる党内の不満分子も現時点では小沢批判を控えているが、次期衆院選で与党を過半数割れに追い込めなければ、抑え込んできたマグマが噴出しかねない。

 自民党の閣僚経験者は「世論の関心が高まったのは好都合。国会論戦で小沢氏の主張のいいかげんさを突く」と語った。

毎日新聞 2007年9月11日 東京朝刊
http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY200709100301.html
http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY200709100265.html
経団連会長、テロ特措法「政争の具にすべきではない」

2007年09月10日20時39分

 日本経団連の御手洗冨士夫会長は10日の記者会見で、テロ対策特別措置法に基づくインド洋での給油活動について「国際的にも高く評価されており、続けるべきだ。政争の具にすべきではない」と述べ、与野党が十分に協議して活動を継続するよう求めた。

 安倍首相が、給油活動が継続できなかった場合、退陣を示唆したことについては「強い決意の表明だったと受け止めている」との見方を示すにとどめ、首相の進退には「仮定の話」として言及しなかった。

 この問題を巡っては、経済同友会の桜井正光代表幹事も、4日の記者会見で「(日本が)これだけの経済大国であることを考えても、テロ対策においてそれなりの役割を果たすことは当然」と述べ、テロ特措法の延長を求めた。

http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY200709110241.html
海自給油新法、国会承認規定盛らず 政府方針

2007年09月11日13時57分

 政府・与党は、インド洋での自衛隊による補給活動を継続するための新法について、活動を給油・給水に限定する一方、自衛隊の具体的な活動内容や区域を明記した基本計画に関して、現行のテロ対策特別措置法で義務づけられている国会承認を規定した条項を盛り込まない方針を固めた。町村外相や高村防衛相は11日、閣議後の記者会見で「(国会の)承認がない案でも問題ない」との認識を示した。

 現行のテロ特措法の承認条項は、基本計画に基づく自衛隊の活動について、対応措置を開始した日から20日以内に付議するか、国会閉会中は、その後最初に召集される国会で承認を求めなければならないとしている。

 自衛隊の活動を国会として点検する目的で設けられ、承認されなかった場合、自衛隊は撤退しなければならない。新法でこうした条項を削れば、自衛隊のインド洋での活動をめぐり、国会の関与を薄めることにつながりかねず、議論を呼びそうだ。

 政府・与党は、新法作成にあたり、捜索救助など、これまで実施してこなかった活動は盛り込まず、安倍首相が活動の継続に不退転の決意を示したインド洋での給油に限定する方針だ。

 町村外相は11日の会見で、こうした新法について「まだ絞ったわけではない」としつつ、「(活動の)範囲や仕事内容を絞ってしまえば、(基本計画よりも詳細な)実施計画そのものと変わりなくなる。そうなれば、法案の賛否そのものが(国会)承認を包括したものとして十分シビリアンコントロール(文民統制)の実をあげることができる」と述べた。

 高村防衛相も同日の会見で、「国会承認を省くとしたら、法律そのものの中に具体的な活動が書き込まれ、それが基本計画の承認と同じように国会で承認された形になる」とし、「シビリアンコントロール上、全く問題ない」と語った。

 新法に、承認条項を盛り込むと、民主党の反対を押し切って法案成立にこぎつけても、活動の承認をめぐり、再び参院で多数を占める民主党が反対し、インド洋での給油活動ができなくなる事態も想定される。承認条項を盛り込まない背景には、こうした事情もあるとみられる。

85%という数字は撤回します

9月2日のこのブログで、朝生での江田議員の発言を紹介して、「テロ特措法、85%はイラク」という記事を書いた。その後、これは各方面で話題になったし、テロ特措法にすら違反して、イラク戦争支援に使われていること自体は事実だが、江田議員の85%という数字は必ずしも正確でなかったことを、同議員も認めた。
この件について、筆者の友人のYさんが教えてくれた指摘を以下、転載します。2日の記事は、このYさんの指摘と合わせてお読みください。(高田)
------------------------------------
(1)江田さんは、自分のサイトで、勘違いを認めているようです。
自衛隊が米軍に提供した艦船燃料のうち85パーセントはイラク戦争向け、という問題については、江田さんご自身が、ご自身のサイトで、以下のように発言を訂正しています。

●「ただ、この点は現在、むしろ私はこう考えている。この数字は、イラク、アフガン渾然一体となった総計の数字ではないかと。」(江田けんじ 今週の直言 9月3日)ですから、あまり85パーセントという数字を、歩かせない方がいいのではないでしょうか。

(2)日本政府は、海上自衛隊から補給を受けた米軍艦船がイラク戦争に参加していたことを03年当時に認めています。サイトやその他に、掲載するのであれば、こちらのほうが適切かな?と思いますので紹介します。(少し長いですが)

●以下赤旗さんより
2003年5月17日(土)「しんぶん赤旗」
海自補給艦 複数任務の米艦船に給油容認 
小泉議員の質問に 石破長官が答弁
 海上自衛隊の補給艦が、イラク戦争に参加していた米空母キティホーク機動部隊に間接給油を行っていた問題で、石破茂防衛庁長官は十五日の参院外交防衛委員会で、同部隊が「複数の任務を同時遂行することはありうる」と答弁。対テロ作戦のほかに、複数の任務を持つ同部隊への給油を容認しました。日本共産党の小泉親司議員に答えたもの。
 海自補給艦による給油は、テロ対策特措法にもとづき、アフガニスタンでの対テロ作戦に参加する軍隊に限定されています。しかし、イラク戦争から帰港したキティホーク艦長が海自から間接給油を受けたことを明らかにし、防衛庁も事実を認めました。
 小泉氏は、キティホーク機動部隊が間接給油を受けた二月二十五日前後には、同部隊が対テロ作戦以外に、イラク南部監視(サザン・ウオッチ)作戦や、イラク戦争の準備をっていたとする米海軍ホームページを示して、「テロ特措法に逸脱する行為だ」と追及。
 石破長官は事実を否定できず、「問題は(給油を受けた時点で)複数の任務のなかの何を遂行しているかだ」と開き直りました。
 小泉氏は、「イラク戦争の任務を受けていた米艦船への支援を認めたことは重大だ」と厳しく批判しました。

もと記事のアドレスはここ↓
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-17/02_02.html

●この部分についての国会質疑
第156国会 参議院 外交防衛委員会 11号 15年 5月15日

○小泉親司君 大変私はこの点については、防衛庁長官の答弁というのは、結局、間接的に行ったかどうかは分からないんだということをおっしゃっているけれども、統幕議長の話というのは、明確に空母にこれは給油が行っているんだと、間接的に行っているんだとおっしゃっているんですよ。しかし、これは二月二十五日だから、これは当時アフガニスタンの戦争にキティーホークが参戦していたから、これはテロ特措法の問題外だという見解を言っておる。
 しかし、私は皆さんに今日お手元に資料をお配りしましたが、実際にこの二月の二十八日のアラビア海から発出したパーカー空母キティーホークの艦長のコメントでも、キティーホークは、単に二月二十五日の段階においても、単にアフガニスタンの不朽の自由作戦ばかりじゃなくて、イラクへのサザンウオッチ作戦をやっていたということを米海軍自体が証言しているわけです。公式のホームページの中で記述しているわけですが、防衛庁長官は、この二月二十五日の段階で空母キティーホークというのは単にアフガニスタンの戦争だけに参戦していたという認識なんですか、それともイラクのサザンウオッチ作戦という戦闘にも参加していた、こういう事実は、いかが御見解でございますか。

○国務大臣(石破茂君) それは、幾つか複数の任務を同時に遂行するということはございましょう。これ一つだけということではなくて、それは不朽の自由作戦あるいはサザンウオッチ、ノーザンウオッチ、いろんなものを、任務を同時に受けているということはあるのだと思います。つまり、同時に幾つかの任務を受け、その時点において、その中の何を遂行しているかということなんだと私は思います。だから、例えばサザンウオッチというものを受けている、したがって、この、私はキティーホークが給油を受けたということを申し上げているわけではありませんが、だから目的外なのだというようなことには私はならないと思います。

○小泉親司君 最後に一言。
 やはりこれはサザンウオッチ作戦にも使えるということを防衛庁長官はどうもお認めになっているようで、これはやはり私は重要だと思いますよ。こんな、イラクの準備作戦、軍事作戦にも使われたということを事実上私はお認めになったようなことだと思いますよ。その点を指摘して、私の質問を終わります
この部分のもとデータは↓の発言番号078からです。(国会図書館の検索サイトです)

http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=23488&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=8&DOC_ID=7349&DPAGE=1&DTOTAL=5&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=23820

これだけだとよく分からないかもしれませんが、
●03年の5月に、イラク侵攻に参戦した空母キティーホークとその随伴艦船が、母港の横須賀港に帰港しました。
●赤旗の記事
同司令官は記者から「海上自衛隊から給油は何回受けたのか」と聞かれましたが、それに対してキティーの艦長が、海上自衛隊の補給艦が、米海軍の補給艦に燃料を提供した、その補給艦からキティーは燃料を受け取ったと回答。
●そこで、海上自衛隊補給艦→米軍補給艦→キティーホークと間接的に燃料が渡り、キティーホークがその直後にイラク侵攻に参戦したため、国会でこうしたやり取りが行われました。
●それで、共産党や社民党からいろいろ質問を受けた石破長官は最後に、上記のように、 海自から間接補給を受けたキティーホークが複数任務に就いていたことを認めてしまったのです。
●当該の記事は、ここにあります↓
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-18/04_01.html

それから、海自の燃料が、ソマリア戦にも使用されているのではないか?との疑惑も出てきていますね。
●赤旗の当該記事
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-06/2007090601_03_0.html

2007年9月 9日 (日)

日本政府による姑息な修正要請

9月9日の朝日紙の記事である。
9月2日のこのブログでも紹介した海自のインド洋での違法補給活動について、窮地に立った日本政府の申し入れで、米海軍のサイトが修正された。何と姑息なことか。野党は参議院での国政調査権の駆使などによって、実態を徹底的に糾明すべきである。(高田)

http://www.asahi.com/international/update/0908/TKY200709080096.html?ref=rss
「イラク向けではない」米が釈明 自衛隊インド洋上給油
2007年09月08日11時39分

 テロ対策特別措置法に基づいて海上自衛隊がインド洋で行っている給油活動について、
米海軍がホームページで誤解を与えかねない説明文を掲載したことが日本で政治問題化し
かけたため、米国防総省がその記述を削除し、釈明に追われている。

 問題のホームページは米第5艦隊のもので、イラク戦争の作戦名である「OIF(イラ
ク自由作戦)」の表題のもとに、「日本政府は8662万9675ガロン以上、7600
万ドル相当以上の燃料の貢献をしてきた」などと書かれていた。末尾にアフガニスタン戦
争を意味する「不朽の自由作戦(OEF)」の開始以来とただし書きはあるものの、全体
としてはイラク戦争に参加する艦船に給油したとも読める書き方だった。

 テロ特措法は、あくまでアフガン戦争に対する支援を前提にしているため、この記述に
気づいた江田憲司衆院議員(無所属)が「イラク戦争に参加する艦船にも給油しているの
ではないか」と疑問の声を上げると、民主党が国会で追及する構えを見せるなど波紋が広
がっていた。

 日本政府は11月に期限切れとなる同法を延長しようとしているが、野党の反対に遭っ
て展望が開けないまま、10日召集の臨時国会に突入する情勢となっている。

 こうした中、米海軍のホームページの記述は事態を一層難しくするとして日本政府が米
側に対応を求めた結果、問題部分の削除に加えて改めて説明をすることになった。

 米国防総省は7日、朝日新聞の問い合わせに対し「問題のページは誤解を避けるため修
正された」「日本の給油活動はOEFを支援する艦船に対してのみ行われている」と回答
した。

2007年9月 7日 (金)

ISAF後方支援がいいわけはない

6日の朝日の報道だが、各紙が報じている。
このISAFの後方支援は多くの問題を含んでいる。問題は周辺事態どころではない。この鳩山発言は要注意の動きである。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0906/TKY200709060430.html
テロ特措法「対案」、ISAF後方支援も 民主・鳩山氏

2007年09月06日21時34分

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は6日、浜松市で講演し、テロ対策特別措置法延長への「対案」について「(アフガニスタンに展開する)国際治安支援部隊(ISAF)の後方支援ということならありうるのか議論を行うことが極めて大事だ」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)が主導するISAFへの協力を選択肢に含める考えを示した。

2007年9月 6日 (木)

テロ特法、与党は中断も覚悟の構え

本日(9月6日)の『産経新聞』の報道である。
これによれば、与党は民主党が反対する「テロ特措法」延長を断念して、9月下旬にも衆院で「新法」を可決、参院に送って11月下旬になれば、「60日規定」で「見なし否決」規定に該当するので、ただちに衆院で3分の2多数で再議決、年内成立をねらうというものだ。この場合、延長不成立で海自の活動は1~2ヶ月の中断になるが、「どこかに寄港してもら」っておいて、新法成立後にインド洋での活動に戻すというものだ。
これは究極の脱法行為である。もともとテロ特措法の特別措置による海自のインド洋派兵が容認すべからざる解釈改憲であるが、またもこうした脱法行為を政府自ら重ねるということは、立憲主義の破壊であり、法治国家体制の崩壊につながるものだ。
このような違法・無法行為を許してはならない。運動はこうした与党の「奥の手」も見越して、野党に不退転の決意でのテロ特措法廃止の闘いを要求しつつ、院外での闘いを準備しなければならない。(高田)

http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070906/ssk070906000.htm
海自活動継続へ テロ新法提出強まる

 政府・与党は5日、インド洋での海上自衛隊の洋上給油活動の根拠となっているテロ対策特別措置法が失効する事態に備え、早ければ9月下旬にも海自活動を規定した新法案を国会に提出する方針を固めた。テロ特措法の期限を延長する改正案提出を断念することも視野に入れている。1~2カ月の活動中断を覚悟してでも新法案を成立させ、早期の活動再開を目指す構えだ。

 自民、公明両党の幹事長、国対委員長と与謝野馨官房長官は5日、都内のホテルで会談し、インド洋での給油活動を継続するため、「あらゆる方法を考えていく」との方針で一致。安倍晋三首相は首相官邸で記者団に「国際社会から期待されている活動を継続していくため、あらゆる努力をしていかなければいけない」と述べた。高村正彦防衛相も「大切なのは(テロ特措法の期限が切れる)11月2日以降も活動を継続できるようにすることだ。あらゆる選択肢がある」と記者団に語った。

 政府は当初、テロ特措法改正案を臨時国会に提出し、期限を来年11月まで1年間延長する予定だった。しかし、参院で野党が審議の引き延ばしを図れば11月1日までの改正案成立は困難で、期限切れ後の11月2日以降に新法案を提出すれば成立は大幅に遅れる。

 このため、政府・与党は海自部隊による海上給油活動に目的を絞った新法案を提出し、早期に審議入りさせる構え。衆院で可決・送付後、参院が60日以内に議決しないときには否決したものとみなす憲法上の「みなし否決」規定を用い、衆院の3分の2以上で再可決できる余地を残すのが狙いだ。新法案を早期に衆院で可決し、臨時国会を延長すれば、年内成立が可能になる。

 また、野党の出方次第では、テロ特措法改正案の提出を取りやめ、新法案に民主党が求める民生分野のアフガニスタン支援策や国会による事前承認などの主張を盛り込むことも検討している。

 新法案成立が11月2日以降になる場合、海自部隊は活動中断を余儀なくされるが、防衛省幹部は「インド洋で海上阻止活動を行っている多国籍軍の中でも、国内事情で一時活動を中断した例はあり、日本が非難されることはない」と語る。また、自民党国対筋は5日、「海自部隊には1カ月程度、どこかに寄港してもらうことになるが、絶対に撤退はさせない」と語った。

(2007/09/06 01:51)

2007年9月 2日 (日)

集団的自衛権*説得力ない身内の議論

31日の「北海道新聞」の社説である。
日本の各マスメディアもジャーナリズムとして、せめてこの程度の批判精神を発揮できないものか。(高田)


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/46582.html?_nva=28

集団的自衛権*説得力ない身内の議論(8月31日)

 やはり、はじめに結論ありきだったようだ。
 集団的自衛権の憲法解釈見直しを検討する政府の有識者会議が、安倍晋三首相が示した四つの類型について、ひと通りの議論を終えた。
 《1》近くにいる米国艦船が攻撃された場合の応戦《2》米国に向けて発射されたミサイルの迎撃《3》他国の軍隊が攻撃されたときの駆けつけ警護《4》戦闘地域での後方支援の拡大ーである。
 会議ではいずれについても、現行の憲法解釈を改めるなどして認めるべきだという意見が大勢だった。
 メンバーは、集団的自衛権の行使や自衛隊の海外での武力行使を認めようという人ばかりだ。多様な観点から是非を論じる場とは思えない。
 専門家による検討という看板を掲げて権威づけしても、これでは説得力はない。会議は十一月にも最終報告書をまとめる予定だというが、こんな会議の議論を、憲法解釈見直しのよりどころにされては困る。
 ただ当面、政府の解釈見直しは棚上げせざるを得なくなっている。先の参院選で自民党が惨敗したうえ、連立を組む公明党も反対しているためだ。各種世論調査でも、見直し不要派が多数を占めている。
 国民の声をないがしろにして、結論を急ぐ必要はない。
 日本は国際法上、集団的自衛権を有しているが、憲法九条が許容する必要最小限度の自衛権の範囲を超えるため行使できない、というのが政府の一貫した立場だ。
 ところが首相は、この憲法解釈はおかしいと考えている。念頭にあるのは日米同盟だ。
 日米の軍事一体化が進めば進むほど、集団的自衛権の不行使原則は邪魔になる。米国も行使容認を求めて首相を後押ししている。
 これまでの政府見解は、内閣法制局が理論的裏づけを担ってきた。政府・自民党内には、役人がとりまとめた見解に政治がしばられる必要はないといった主張もある。
 だが政府見解には、国会でいく度となく議論を重ね、練り上げてきた歴史的経緯がある。国民的合意を得た見解だといっていい。その重みを無視することはできない。
 インド洋やイラクへの自衛隊派遣も、米国と共同で導入を進めるミサイル防衛システムも、すでに集団的自衛権の行使につながりかねない危うさをはらんでいる。
 陸上自衛隊のイラク派遣先遣隊長が、現地で駆けつけ警護を検討していた事実は、その懸念が決して非現実的なものではないことを示している。
 自衛隊のきわどい活動を既成事実として積み上げ、憲法解釈を現実に合わせてねじ曲げる。それは無理、乱暴というものだ。

テロ特措法洋上補給、85%はイラク戦争へ

「朝生」で問題になっています。
ここまで証拠を出されたら、「テロ特措法」の国会審議は持たないでしょうね。自民党の二階は「新法でやろうか」などと「転進」を検討しはじめた発言をしていましたが。いまががんばりどきです。
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大阪の友人が以下のメールをくれました。
ユーチューブにはまだ載っています。いずれ消えるかも知れませんが。
http://www.youtube.com/watch?v=HKviUdWOUaU

この「朝生」の書き起こしは、別の友人が以下のブログで見つけました。
書き起こしが
http://nofrills.seesaa.net/article/53522653.html
にありました。ご参考までに。

Subject: [AML 15588] テロ特措法洋上補給、85%はイラク戦争へ
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市民連絡会 高田 健様

 いつもお世話様です。共同声明に関する続報受信しました。ところで、今朝になりますが、深夜の「朝生テレビ」で江田けんじ議員(無所属)が、米軍艦船への燃料給油は米補給艦を経由し、その行方は「85%はイラク関係艦船」だと発言して波紋をよんでいました。
 テロ特措法延長をめぐる論議だったのですが、これをうけて森本氏(保守派のレギュラー)は、陸上部隊にはイラク、アフガンの区別はあっても、空域、海域には区別がないのだと言っていました。
 江田議員によれば、11ヶ国艦船給油のうち、米・英艦船のみ補給艦に給油しており、米軍関係HPを調べたところ、補給艦を通じて85%がイラク関係艦船に給油されていることが分かったという。視聴者の反響も大きく、番組終了後のアナによれば、そのホームページはたちまちパンクしてしまったそうです。

 ちなみに、今月8月23日統幕監部発表の「支援活動実績」によれば、
◆回数計:774回のうち、米補給艦と駆逐艦350回、英補給艦と揚陸艦33回◆艦艇ヘリ燃料は64回のうち、米31回、英4回、パキスタン13回◆補給量約480.000KL ヘリ燃料約940KL  水117回は総てパキスタン◆艦艇燃料給油は、今年3月1日から8月23日まで計51回。1ヶ月インド洋を うろうろして10回程度給油したことになります。
                           07/09/01 

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