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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年8月21日 (火)

豊下楢彦氏の岩波新書「集団的自衛権とは何か」

豊下楢彦(関西学院大学法学部教授・国際政治論、外交史)氏が岩波新書で「集団的自衛権とは何か」を出した。豊下氏は前に出版された同新書の「安保条約の成立」がとても面白かった記憶があるので早速買って読んだ。

集団的自衛権に関する理論的問題が整理されていて、憲法や平和に関する市民運動に携わっている者の必読の本だと思う。タイムリーでとてもよい本だと思った。秋の臨時国会での政治的なたたかいを前に、ぜひ皆さん、読んでおいていただきたいと思う。

それにしては各メディアの書評などにいまのところあまり登場していないのが気になるところだ。

「序章」では安倍首相の集団的自衛権についての議論を「俗論」として完膚無きまでにうち破っている。「第1章」では国連憲章51条の集団的自衛権規程が書き込まれた経過を解説し、合わせてブッシュドクトリンによる「先制攻撃論」との違いを丁寧に説明している。「第2、第3章」ではこの問題の日本に於ける議論の経過を詳しく追っている。大事な問題だが、少し冗長に過ぎるきらいもあるので、忙しければ、読み飛ばしておいてもいいかもしれない。第4章では「ミサイル防衛」の問題も論じている。個人的に言えば、このテーマは私自身もこの間、方々で語ってきた問題であり、全く同感だった。第5章は国際情勢の現状。第6章は「日本外交のオルタナティブを求めて」で、私たち運動家にとってはここが大事なところなのだが、豊下氏はここでは政府レベルのオルタナティブしか提示していない。豊下氏の専門領域からしてやむを得ないことではあるが、これでは本当のオルタナティブは出てこないのではないかとも思う。
提示されている「非核の論理」は確かに重要だが、もうひとつ、「9条の論理」が重要で、オルタナティブを提示するとすれば、これは車の両輪ではないだろうか。たとえば私たちが関係している「九条世界会議」あるいは「東北アジアのGPPAC」などはこの問題へのひとつのチャレンジであるのだが。(高田)

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