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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年8月31日 (金)

中曽根、安倍に渇を入れる

本日(8月31日)の『産経新聞』の「単刀直言」というコラムで、中曽根元首相が「初心忘るべからず」「決戦的指導力 首相は発揮を」と、安倍首相にエールを送っている。
両者の関係は、例えば先の自民党新憲法草案起草委員会の前文委員会で中曽根が委員長、安倍が事務局長だった。このときも党内外で「前文案」への批判が強かったが、動揺する安倍に中曽根は「安倍君、ひるむな!」と渇を入れたことがある。
この一文も安倍に一定の影響を与えるに違いない。(高田)

http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070831/skk070831000.htm
政局は衆院解散総選挙に向かう 中曽根康弘元首相

「初心忘るべからず」。安倍晋三首相にエールを送る中曽根康弘元首相=28日午後、東京・平河町の砂防会館

 改造内閣で安倍晋三首相は、個性の強い、多彩な人材を集めたと思う。自民党三役人事も割合に実力のある人材を抜擢(ばってき)して、一新の気分を出そうとしている。設計図、材料はそろえた。これらを上手に組み立て、国家という家を建てられるかどうか。大工の棟梁(とうりょう)の腕前になる。

 最初の内閣である第1期は総理学を勉強する時代だったと思う。しかし、年金記録紛失や閣僚の失言、政治資金処理をめぐる問題への対応などで安倍氏の指導力が問われ、参院選で自民党は大敗した。

決戦的指導力 首相は発揮を

 これからの第2期で一番大事なことは、摩擦を恐れずに自分の政策、信念を断行していく「陣頭指揮力」が大事だ。日本や外国の最高責任者に国民が魅了されるのは、勇敢さや雄々しさである。

 首相の政治遂行には、長期目標と現実政治と2つ分けて考える必要がある。

 長期目標としてあるのは憲法改正だ。安倍氏は5年以内にやりたいと以前から言っている。今は「初心忘るべからず」の思いで、この目標に対する道筋を一歩ずつ作っていく段階で、そのための準備行為の道筋を作るべきだ。

 自民党内の憲法審査会の構成なども早くやり、研究討議活動をできるだけ早期に再開する必要がある。それが憲法問題に対する安倍氏の信念の不動を示す形になる。ストップさせてはいけない。

 現実政治の問題では、(9月10日召集予定の臨時国会の焦点となる)テロ対策特別措置法の延長問題のほか、小泉純一郎内閣が行った仕事の後始末がある。

 小泉内閣は市場経済を強調しすぎて、地方や労働の格差問題を生んだ。財政再建の問題、結局は税制の問題もある。基礎年金の2分の1国庫負担を実行するために消費税をどうするか。今は手をつけないといっても、6年そのままでよいとは考えられない。政争の具にされやすいが、平成23年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を実現する工程管理計画が要求される。また、日本のこれからの経済、教育や外交をどうするかを、国家的見地に立って自民、民主両党の首脳部は話し合うことだ。

 民主党も参院第1党となり、国家への責任について従来とは異なる立場に変わり、昔の社会党のような反対のための反対は国民に批判される。政権担当能力を示す大局的変化が期待される。

 そして次は、特にアジア外交だ。安倍氏は就任早々、中国と韓国を訪問したが、あれはあいさつ程度であって、本格的に話し合うのはこれからの仕事だろう。

 私の経験だが、外交はトップ間の信頼と友情が生まれないと本格的に進まない。私とレーガン元米大統領との関係や胡耀邦元中国共産党総書記との関係はそうだった。前政権の結果、日本は国連安保理常任理事国入りがかかった選挙で、従来、友好的票田であった東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカの大部分の票を逃した。中国の進出が目立ち、近来日米関係もギクシャクしている。この失地回復と、中国、北朝鮮と近接し変化しつつある米国と強力な再統合を図るときだ。

 これからの6年間、参院で自民党が多数になる可能性は少ない。そうなると、これから参院のやりかたの基本方針を内閣や自民党が決めないといけない。

 では何か。与党と民主党による政策協議の機関を作る。そこで双方が話し合い、妥協し、法案を処理していく。テロ特措法の延長問題も、このような形で決着を図るべきだ。

 (参院で否決されても衆院で3分の2以上の賛成があれば成立できる規定は)テロ特措法では使うべきではないと思う。妥協・修正で成立を図るべきだ。いわゆる衆院の3分の2で復活を図る方法は、内閣の運命を決める重大な問題に限るべきで、そのときは衆院解散という問題が付随する可能性もある。

 テロ特措法に民主党の小沢一郎代表は反対だと言っているが、このような国家的課題は粘り強く交渉して、国民の前に自民党の誠意と真剣さを示し、両党の国家的課題への協調の先例を作る機会だ。

 また、おそらく民主党は国会などを通じて「年内にでも衆院解散をやれ」と何度も迫るだろう。自民党は「まだそんな時期ではない」との思いがあるだろう。そういう形のままでいろいろな与野党間の駆け引きが行われ、その結果いずれ衆院解散が行われることは想定される。

 衆院解散は、早ければ来年1月くらいにはあり得るし、来年中には十分にあるのではないか。たしかに、民主党の中には自民党と政策的な共通点を持っている勢力がある。しかし、解散総選挙の前に小沢氏に反してまで独自行動を取ることはないだろうし、できないだろう。だから、そういう面から考えて、解散の時期は早まってくる。いずれにせよ、来年の通常国会で審議する平成20年度予算でも、自民党は相当苦労し、危機的政局が続くと思う。

 来年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)まで解散を遅らせる余裕はないだろう。また、戦った上で堂々とサミットに出るほうが日本の権威のためにもいいかもしれない。

 当然のことだが、自民党は安倍氏のもとで衆院選を戦うべきだ。今度の改造の人的配置、内閣の顔ぶれを見ると、立場は違っても気脈の通じる者を要職に配置し、安倍氏は解散覚悟の体系を作っていると思う。

 衆院選の政治課題は、まさに格差と年金や財政問題だ。そのために、新しい陣容にしたのだろう。そして、新しい考えに立って安倍氏が決戦的指導力を発揮したら、国民は見直すだろう。そのためにも安倍氏に一番大事なことは、断行力となる。

 衆院選の結果で各政党は、国民世論の動向を見て国家の行く末を考えながら、どのような道を選択すべきかを考えないといけない。2大政党制の前進を図るなら、政党が国家的責任を分かち合う大局的な相互関係をつくらなければならない。

 大連立や政界再編は次の総選挙を経た後にあり得るし、終局的には憲法改正問題が国会で議論され、その成否の選択を政治家が決心する時期には確実に起こるものと予測している。

(2007/08/31 07:54)

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