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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年7月13日 (金)

有識者懇メンバーの坂元教授の論理

本日(7月13日)の「毎日新聞」討論の広場は「どう考える 集団的自衛権行使」と題して坂元一哉(大阪大教授)、梅林宏道(ピースデポ代表)、田中秀征(福山大客員教授)の各氏がそれぞれの視点で寄稿している。梅林氏は「国際的マイナス甚大(一度容認すれば武力行使は容易に拡大 『専守防衛』失い周辺国との緊張高める)」、田中氏は「米との一体化は危険(米国に『ノー』と言えないうちは控えよ イスラム圏などへの貴重な立場堅持を)」というもので、それぞれ耳を傾けるに値するものがある。

問題は坂元氏だ。見出しは「9条解釈変更で実現を(現行解釈では防衛体制の土台掘り崩す 法律制定で武力行使拡大の歯止め可能)」となっている。「なるほど」と妙に感心してしまった。彼は安倍首相の私的諮問機関=集団的自衛権問題の有識者懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)のメンバーだ。「有識者懇を構成する人びと」というのはこうした論者ばかりだ。彼は国際政治学、日本外交論が売り物の学者で、中西輝政・京大教授や前原誠司・民主党前代表らと同様に故・高坂正尭京大教授の弟子の親米派論客だ。

坂元氏は要旨、次のようにいう。

「集団的自衛権行使についての従来の政府解釈は『権利があるからあなたに助けてもらえるが、行使できないのであなたを助けることはできない』と公言するようなものだ。しかし憲法に米国に向かう核ミサイルの撃墜を禁じる文言があるわけではない。解釈の変更が武力行使に慎重な憲法の精神と齟齬をきたさないように、『行使できる』という解釈に基づく法律の制定が必要になる。そのなかで、できることは『ここまで』と書き込めば歯止めになる」と。

この場合の坂元氏の思考からは「憲法」が全く欠け落ちている(否、正確に言うと、「憲法には核ミサイル撃墜を禁ずる文言はない」という迷言はある)。憲法が軽んじられている、「立憲主義」のなんたるかが全くわかっていないというべきか。

坂元のいう「法律」、たとえば「安全保障基本法」が歯止めになることはあり得ない。こうした法律は、この解釈を成立させるための便法にすぎない。歴代政府の憲法解釈ですら、一内閣(私的諮問機関をつくった安倍内閣)の都合で変更してしまおうとするような安倍政権のことだ。都合がわるくなれば法を修正すれば事足りる。そうなれば4類型の合憲化から、全面的な合憲化へ、絶対に渡れない川は存在しない。

この坂元氏のような輩が、この秋、有識者懇の答申を安倍内閣に出してくる。心しておかなくてはなるまい。(高田)

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