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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年6月 7日 (木)

雑記(8)自衛隊情報保全隊、人権を無視して系統的に市民情報を収集

共産党が内部情報資料を暴露

(これはあるメディアに依頼されて書いた原稿を若干手直しして掲載するもの)

イラクへの自衛隊派遣に関する市民の監視活動などについて調査した陸上自衛隊東北方面情報保全隊作成による内部文書が、6月6日、日本共産党の志位和夫委員長の記者会見で暴露された。文書は2種類、A4版で166枚におよぶ。ひとつは2004年1月7日から2月25日までの期間のうちの5週間分の収集情報の資料、もうひとつは2003年11月24日から2004年2月29日までの家、6週間分の「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」と題する文書。イラク反戦関係だけでも監視対象とされた団体・個人は41都道府県293団体・個人であり、さらにイラク派兵反対の活動の他、医療費負担増に反対する運動、年金改悪反対運動、消費税増税反対運動など、直接自衛隊とは関係のない各種の運動にまで監視対象を拡げていることがわかる。また報告書はこれらの監視対象を記号で区分しており、共産党(系)、社民党(系)、民主党(系)、連合、新左翼、これら以外の市民運動などの表示がある。報告には集会やデモの写真まで貼付されている。

例えば、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」も構成団体になっている「WORLD PEACE NOW」は「反戦市民」という分類だ。2004年2月の報告では「World Peace Now(ママ)を代表とする各地の反戦市民団体は、インターネットなどを通じ、連携を呼びかけ、各地の団体が同一日同一時刻に呼応する抗議行動を行うなどの全国的な連携が認められたが……」などとして、活動を監視していることが明らかにされた。資料が短期間に限定されているのでWPNに関する記述はあまり多くないが、それでも報告では、「イラク入りしたフリージャーナリストのC」「反戦市民団体代表、画家の(a)」など、WPN関係者の特定の人物をあらわす表現もある。WPNの活動の中で、集会の周辺でうろつき写真を撮る不審な数人のグループに抗議して逃げ去られ、この件で付近にいた公安刑事を追及すると「あれはわれわれの関係者ではない」などと弁明するので、「ではあれは何者か、自衛隊か」と追及したことが一再ならずあったのも事実だ。確かにこの連中は公安とは異なった雰囲気を持つ者たちで、私たちは当時、活動の中で自衛隊調査隊の影を実感していた。今回の文書はこれを裏付けた形だ。

一方、04年1月の記述では、民主党の増子輝彦衆院議員(当時)が隊友会の新年会の祝辞でイラク派兵反対の言及したことについて、「反自衛隊活動」に分類し、隊友会幹事長が「今後、同議員を隊友会名誉会員から外し、隊友会の公式行事には招待しない」ことを示唆したなどと記録している。監視は市民団体、労働団体だけでなく、民主党の国会議員にまで及んでいた。

今回、暴露された文書は東北方面隊の作成による短期間のものだけで、まさに氷山の一角にすぎない。各方面隊などの機関がひきつづき市民運動や労働運動、宗教団体、政党などの活動を監視し、スパイ・調査活動に従事していることは疑いない。久間防衛相は「自衛隊の写真撮影なども差し支えない」と居直り、さらに、「年金改悪反対」や「消費税増税反対」など自衛隊の活動とは無関係な分野の情報を集めていた点についても「公開の場に出かけて、事実として把握するだけの話。踏み込んだということにならない」との考えを示し、塩崎官房長官も「法令の範囲内なら問題なし」と強弁している。

しかし「自衛隊の情報を守る」ことを口実にして設置された軍事組織の機関が、民間の運動を監視すること自体が自衛隊法にすら定められていない違法な活動であり、憲法に定められた基本的人権を侵害する重大な違法行為で、決して許されるものではない。先の海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」の辺野古派遣といい、今回の情報保全隊の報告書といい、事態はここまで来たかという思いを強くする。
なお、この「情報保全隊」とは2003年3月以前は「調査隊」と呼ばれていたもので、陸海空3自衛隊に設けられているもので、中央直轄の本部のもとに5つの方面隊ごと(今回の文書は東北方面隊のもの)に置かれ、隊員総数約900人という。(高田)

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