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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年5月14日 (月)

雑記(5)~この10年のたたかいをふりかえって

 本日、5月14日、改憲手続き法が参議院本会議で採択されたとき、私は「5・3憲法集会実行委員会」の皆さんと共に、参議院議院会館の前、議事堂の参議院の裏にいた。市民連絡会もオレンジののぼりを2本出し、憲法会議、憲法を生かす会、宗教者平和ネット、キリスト者ネット、YWCA、日本山の南無妙法蓮華経の幟などが林立した。議面集会には150人以上の人々が詰めかけ、社民党や共産党の議員の報告に耳を傾けた。

この日、私は多くのメディアからのインタビューを受けた。事務所に戻ってからも電話が幾つもあった。記者さんたちは一様に「たいへんですね、厳しいですね」「どんな感想をお持ちですか」「今後はどうするのですか」などという問いかけで始まる。

私は質問を受けながら「少し違うな」と感じていた。

10年前(1997年)の5月、私たちは議員会館の裏のキャピトル東急ホテル前で早朝から抗議行動をしていた。憲法調査会の設置をめざす「改憲議連」(中山太郎会長)の結成への抗議だった。憲法50周年運動という市民運動が5月3日、江戸東京博物館で開いた数百名規模の市民集会を経て、

一旦、解散しようとしていた矢先に、この議連が準備されているというベタ記事を見て、「これでは解散もできない」と皆で相談して始めたのが、以降のながいながい改憲議連との闘いの始まりだった。その後、全国ネットワークとしての「許すな!憲法改悪・市民連絡会」も結成された。

1999年6月には自由党大会で改憲手続き法の必要性が主張され、自由党は国民投票法案と国会法改正案をつくった。この年の145通常国会は地獄の釜のフタが開いた(佐高信)といわれた国会で、ここで憲法調査会の設置が決められた。2000年1月に両院に憲法調査会が設置された。私はこのときから国会審議の傍聴をはじめ、それを毎週のように「週刊金曜日」にコラムを書いて報告し始めた。以降、5年半にわたって、私は地方公聴会も含めて憲法調査会の全審議を傍聴することになった。3月には市民と学者、弁護士、ジャーナリストなどによる「憲法調査会市民監視センター」も立ち上がった。

各方面から期せずして運動の共同の模索が始められ、2001年5月、それまでは別々に開いていた憲法記念日の集会が統一して、「5・3憲法集会」が日比谷公会堂で開かれ、社民党の土井党首と共産党の志位委員長が壇上に立った。当時では画期的な一日共闘で、メディアも大きく注目した。これは以来6年、計7回の共同集会をやり、今日では5月3日以外にも日常的に共同行動をするようになってきた。ちなみにこの165通常国会では計14回の議面集会、日比谷野音での集会2回、5波にわたるヒューマンチェーンという国会前行動、国会初日の院内集会、上野や新宿での街頭宣伝などをやるようになった。

2001年11月、改憲議連は「国民投票法案」の改憲議連案をつくって発表し、国会で採択するよう要求した。「許すな!憲法改悪・市民連絡会」はただちにこれを批判し、法案反対の署名運動を呼びかけた。

2003年春にはWORLD PEACE NOWの大規模な運動がくり広げられた。

こうした共同の運動の拡がりの中で、2004年春から「九条の会」が準備され、6月に呼びかけが発表された。以降、九条の会は急速に全国に組織され、今日、その数は6000を超えた。

市民連絡会の仲間たちも、署名やリーフレット、ビラなどを精力的につくりながら、全国的なネットワークを拡大していった。私もこの数年、全国各地で講演をしたりしながら、市民のネットワークを強めて来た。

こうした中で、2006年5月に国会に「改憲手続き法」案が出された。

先般の読売新聞の世論調査が示す「V字型」のグラフは、この10年の中で、後半の3年が明らかに「9条改憲するな」の声が増大していることを示した。またこうした世論を背景にして、民主党も与党批判を強め、憲法調査会で中山会長らが一貫して追求してきた法案の自公民3党による共同提案も失敗した。

安倍首相の焦りにも似た対応により、法案は成立したが、はたして私たちは敗北したのだろうか。法案を成立させないという政治的闘いでは明らかに敗北した。しかし、彼らが目標とした「改憲」はこれによって近づいただろうか。私はそうは思わない。これが今日のインタビューでの私の違和感の根底にある。厳しくない、緊張していない、といったらウソになる。しかし、私たちには敗北感はない。同じ法案阻止の闘いであっても、有事法制阻止などの課題で闘ったときとは、なにか違いのようなものを感じている。

私はかつてうたっていた歌の歌詞をかりて「たたかいはここからだ、たたかいはいまからだ」と言った。意地をはっているのではなく、本当にそう思う。(高田健)  

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