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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2007年4月10日 (火)

集団的自衛権行使に踏みこもうとする安倍内閣に対決する沖縄紙の社説

実に堂々たる社説である。安倍内閣が企てている集団的自衛権の問題でかくもまっとうな議論を展開する社説は、この国の全国紙ではすでに見られない。そうした社説を沖縄の地元紙が載せるのは沖縄の歴史の反映である。この沖縄タイムスの社説をぜひ読んで頂きたい。(高田)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070409.html#no_1

社説(2007年4月9日朝刊)

[集団的自衛権]

二度と戦争しない国に

戦後の憲法解釈上の大転換

 

 安倍晋三首相は、憲法九条の解釈上これまで政府が禁じてきた集団的自衛権の行使を一部容認する方向で見直す方針を固めた。

 昨年九月、首相就任後の所信表明演説で「いかなる場合が集団的自衛権の行使に該当するか、個別的な類型に即して研究する」と表明。現憲法下での集団的自 衛権の行使については「私の内閣の間に結論を出す」とも述べてきた。今回の見直しは、具体的にその第一歩を踏み出したといえる。

 見直しの内容は、(1)日本のミサイル防衛(MD)で同盟国を狙った弾道ミサイルの撃破(2)公海上で自衛隊艦船と並走する艦船が攻撃された場合の反撃 (3)一つの目的で活動する多国籍軍で他国軍が攻撃された場合の反撃(4)国連平和維持活動(PKO)で任務遂行への妨害を排除するための武器使用―の四 つの具体例について、今月中に有識者会議を立ち上げ検討するという。

 自衛隊に海外で「反撃」や「武器使用」が許されることになれば、戦後六十年間、一度も改正されなかった「平和憲法」の根幹部分(九条)が完全に見直されることになりかねない。

 これは、「(集団的自衛権行使の)一部容認」どころか、専守防衛の枠を取り払い、同盟国・米国の戦争に日本が参加するという憲法解釈上の大転換を意味する。

 戦争放棄、戦力不保持を掲げた憲法九条をほごにし、日本国家の「交戦権」を復活させることにほかならない。

 夏の参院選の争点になることも予想され、日本が今後、どういう国家として歩むのか、国民の選択が問われることになる。

 先月三十日、弾道ミサイルを迎撃する航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が埼玉県の入間基地に配備され、日本のミサイル防衛(MD)がスタートした。

 昨年七月の北朝鮮によるミサイル連射などを受け、国内では昨年十月に先陣を切って米軍嘉手納基地にPAC3が配備された。

 政府はMD体制の構築を急いでおり、PAC3の他の自衛隊基地への追加配備に加え、年内にはイージス艦一隻に初めて海上配備型迎撃ミサイル(SM3)も搭載する。

 

米軍と自衛隊の一体化で加速

 

 米軍と自衛隊によるミサイル迎撃が実際に可能となったわけである。

 在日米軍司令部のある東京・横田基地に自衛隊の航空総隊司令部を併置し「日米共同統合作戦センター」を運用する計画も進められている。

 だが、効果的な運用には米軍と自衛隊の一体化が不可欠とされ、いよいよ集団的自衛権の行使を禁じる憲法九条との両立が困難になりつつある。

 今年一月、防衛庁が「省」に昇格し、自衛隊の海外派遣が本来任務となった。海外活動で米軍と自衛隊の一体化がより進めば、集団的自衛権の行使と武器使用の議論はますます避けられず、集団的自衛権の行使に突き進むことが十分予想される。

 日本は北朝鮮ミサイル実験によって直接の脅威にさらされたため、国民の不安感は大きい。だが「目には目を」とばかりに、平和国家日本の国是としてきた専守防衛の枠を踏み外すことは、諸外国を無用に刺激することになるのではないか。

 特に、中国などアジア諸国の警戒感を引き起こすことは必至で、日中間の関係改善の流れを変える可能性もないとは言えない。

 安倍首相が集団的自衛権の行使を求める背景には、米国に依存した日米安全保障体制の在り方を、より対等な形に近づけようという狙いがある。

 

双務性にこだわってはならぬ

 

 日米同盟の「片務性」から「双務性」への転換を目指す首相は、集団的自衛権行使の禁止について「国際社会の通念の中で果たしていつまで通用するか」と疑問を提起している。

 しかし、片務性の代償として日本は年間二千五百億円以上もの「思いやり予算」を米軍に拠出している。これだけの金を米軍に出しているのは、世界で米軍が駐留している二十七カ国の中で日本だけだ。

 その上で、平和憲法を見直してまで「双務性」にこだわる必要性がどこにあるのか大いに議論が必要だ。

 安倍首相は、自身の宿願たる「改憲」にこだわっており、このままいけば日本の平和憲法は米国好みの憲法に仕立て直されかねない。

 自衛隊を「戦争のできる軍隊」にしてはならず、日本を二度と「戦争をする国」にしてはならない。

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