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許すな!憲法改悪・市民連絡会

2014年7月 2日 (水)

集団的自衛権・閣議決定と首相記者会見

閣議決定
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/anpohosei.pdf

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0701kaiken.html
安倍内閣総理大臣記者会見

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【安倍総理冒頭発言】
 いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく。内閣総理大臣である私にはその大きな責任があります。その覚悟の下、本日、新しい安全保障法制の整備のための基本方針を閣議決定いたしました。自民党、公明党の連立与党が濃密な協議を積み重ねてきた結果です。協議に携わった全ての方々の高い使命感と責任感に心から敬意を表する次第であります。
 集団的自衛権が現行憲法の下で認められるのか。そうした抽象的、観念的な議論ではありません。現実に起こり得る事態において国民の命と平和な暮らしを守るため、現行憲法の下で何をなすべきかという議論であります。
 例えば、海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を同盟国であり、能力を有する米国が救助を輸送しているとき、日本近海において攻撃を受けるかもしれない。我が国自身への攻撃ではありません。しかし、それでも日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定です。
 人々の幸せを願って作られた日本国憲法がこうしたときに国民の命を守る責任を放棄せよといっているとは私にはどうしても思えません。この思いを与党の皆さんと共有し、決定いたしました。
 ただし、仮にそうした行動をとる場合であっても、それは他に手段がないときに限られ、かつ必要最小限度でなければなりません。
 現行の憲法解釈の基本的考え方は、今回の閣議決定においても何ら変わることはありません。海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してありません。外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解があります。しかし、そのようなこともあり得ない。
 日本国憲法が許すのは、あくまで我が国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置だけです。外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行いません。むしろ、万全の備えをすること自体が日本に戦争を仕掛けようとする企みをくじく大きな力を持っている。これが抑止力です。
 今回の閣議決定によって日本が戦争に巻き込まれるおそれは一層なくなっていく。そう考えています。日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない。いま一度そのことをはっきりと申し上げたいと思います。
 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。その痛切な反省の下に我が国は戦後70年近く一貫して平和国家としての道を歩んできました。
 しかしそれは、平和国家という言葉を唱えるだけで実践したものではありません。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加、国際社会の変化と向き合い、果敢に行動してきた先人たちの努力の結果である。私はそう考えます。
 憲法制定当初、我が国は自衛権の発動としての戦争も放棄したという議論がありました。しかし、吉田総理は、東西冷戦が激しさを増すと、自らの手で自衛隊を創設しました。その後の自衛隊が国民の命と暮らしを守るため、いかに大きな役割を果たしてきたかは言うまでもありません。
 1960年には日米安全保障条約を改定しました。当時、戦争に巻き込まれるという批判が随分ありました。正に批判の中心はその論点であったと言ってもいいでしょう。強化された日米同盟は抑止力として長年にわたって日本とこの地域の平和に大きく貢献してきました。
 冷戦が終結し、地域紛争が多発する中、国連PKOへの自衛隊参加に道を開きました。当時も戦争への道だと批判されました。しかし、カンボジアで、モザンビークで、そして南スーダンで、自衛隊の活動は世界の平和に大きく貢献し、感謝され、高く評価されています。
 これまでも、私たち日本人は時代の変化に対応しながら、憲法が掲げる平和主義の理念の下で最善を尽くし、外交、安全保障政策の見直しを行ってまいりました。決断には批判が伴います。しかし、批判をおそれず、私たちの平和への願いを責任ある行動へと移してきたことが、平和国家日本を創り上げてきた。そのことは間違いありません。
 平和国家としての日本の歩みはこれからも決して変わることはありません。むしろ、その歩みをさらに力強いものとする。そのための決断こそが今回の閣議決定であります。
 日本を取り巻く世界情勢は一層厳しさを増しています。あらゆる事態を想定して、国民の命と平和な暮らしを守るため、切れ目のない安全保障法制を整備する必要があります。もとよりそうした事態が起きないことが最善であることは言うまでもありません。だからこそ、世界の平和と安定のため、日本はこれまで以上に貢献していきます。
 さらに、いかなる紛争も力ではなく、国際法に基づき外交的に解決すべきである。私は法の支配の重要性を国際社会に対して繰り返し訴えてきました。その上での万が一の備えです。そして、この備えこそが万が一を起こさないようにする大きな力になると考えます。
 今回の閣議決定を踏まえ、関連法案の作成チームを立ち上げ、国民の命と平和な暮らしを守るため、直ちに作業を開始したいと考えています。十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に法案を提出し、御審議いただきたいと考えています。
 私たちの平和は人から与えられるものではない。私たち自身で築き上げるほかに道はありません。私は、今後とも丁寧に説明を行いながら、国民の皆様の理解を得る努力を続けてまいります。そして、国民の皆様とともに前に進んでいきたいと考えています。
 私からは以上です。

【質疑応答】

(内閣広報官) 
 それでは、皆様からの質問をお受けいたします。
 御希望される方は挙手を願います。私のほうから指名いたしますので、所属とお名前を明らかにされた上で質問をお願いいたします。
 最初に、幹事社からお願いをしたいと思います。どうぞ。

(記者)
 北海道新聞の宇野と申します。
 今回閣議決定した内容については、日本への攻撃の抑止力を高めるという見方がある一方、武力行使要件として「国民の生命などが根底から覆される明白な危険がある場合」とするなど、抽象的な表現にとどまった感があります。これでは時の政権の判断でいかようにでも拡大解釈でき、明確な歯止めにならないとの指摘もありますが、総理はいかがお考えでしょうか。
 また、自衛隊の活動については、世界の警察官としての役割を果たそうとしないアメリカに、尖閣諸島を始め東アジア地域で求められる役割のより適切な実行を促すとの期待がある一方、隊員が戦闘に巻き込まれ血を流す可能性がこれまで以上に高まる可能性も指摘されています。総理はこの点をどうお考えでしょうか。

(安倍総理)
 今回の新三要件も、今までの三要件と基本的な考え方はほとんど同じと言っていいと思います。そして、それが武力行使の条件であったわけでありますが、今回、新三要件としたところでありますが、繰り返しになりますが、基本的な考え方はほとんど変わっていない、表現もほとんど変わっていないと言ってもいいと思います。
 今回の閣議決定は、現実に起こり得る事態において、国民の命と平和な暮らしを守ることを目的としたものであります。武力行使が許されるのは、自衛のための必要最小限度でなければならない。このような従来の憲法解釈の基本的考え方は、何ら変わるところはありません。したがって、憲法の規範性を何ら変更するものではなく、新三要件は憲法上の明確な歯止めとなっています。
 また、この閣議決定で集団的自衛権が行使できるようになるわけではありません。国内法の整備が必要であり、改めて国会の御審議をいただくことになります。これに加えまして、実際の行使に当たっても、個別的自衛権の場合と同様、国会承認を求める考えであります。民主主義国家である我が国としては、慎重の上にも慎重に、慎重を期して判断をしていくことは当然であろうと思います。
 今次閣議決定を受けて、あらゆる事態に対処できる法整備を進めることによりまして、隙間のない対応が可能となり、抑止力が強化されます。我が国の平和と安全をそのことによって、抑止力が強化されたことによって、一層確かなものにすることができると考えています。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社、もう一社ですか。どうぞ。

(記者)
 フジテレビの西垣と申します。よろしくお願いいたします。
 北朝鮮問題についてお伺いいたします。本日、北京で日朝局長級協議が行われました。北朝鮮による特別(調査)委員会につきまして、拉致被害者の方を含め、包括的・全面的な調査を行うこの実効性の担保というものがどのようになされているのか、また、日本の独自の制裁解除に値するものになるのかどうか、総理の御認識をお願いいたします。
 また、あわせまして、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が30日に韓国の国会の答弁で、日本の制裁解除を含む拉致問題解決に向けた交渉が核問題についての日米韓の協調に影響を与えているのではないかとの認識を示されておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

(安倍総理)
 日朝政府間協議については、現在も北京において開催されている最中であります。私としては、代表団が帰国後に北朝鮮側の特別調査委員会に関する説明についてきちんと報告を受けた後に、しっかりと見極め、適切に判断をしていく考えであります。現時点で今後の対応についてお答えすることは適切ではないと思います。
 日朝関係を含め、北朝鮮をめぐる問題については、平素から米国や韓国と緊密に連携を取ってきています。我が国としては、今後も引き続き連携していく考えでありまして、日朝政府間協議の開催によって日米韓の連携に悪影響が出ることはないと考えています。

(内閣広報官)
 それでは、これから幹事社以外の方の御質問をお受けいたしますので、挙手をお願いします。
 それでは、真ん中の女性の。はい、どうぞ。

(記者)
 AP通信の山口と申します。よろしくお願いします。
 今回の集団的自衛権を容認するという決定は、日本の国防政策の大きな転換になると思います。これによって、総理は今後日本をどのような国にするというビジョンをお持ちでしょうか。これがいわゆる普通の国になるということなのでしょうか。
 それからまた、抑止力を高め、一層国際貢献ができるという国になるということは、また平和を守るためには、もしかすると犠牲を伴うかもしれないという可能性もあるかもしれないのですが、国民はどのような覚悟を持つ必要があるでしょうか。そして、今回の決定によって一般の国民の私たちの生活には何か変化があるでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)
 今回の閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために何をなすべきかとの観点から、新たな安全保障法制の整備のための基本方針を示すものであります。これによって、抑止力の向上と地域及び国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していくことを通じて、我が国の平和と安全を一層確かなものにしていくことができると考えています。
 憲法が掲げる平和主義、これからも守り抜いていきます。日本が戦後一貫して歩んできた平和国家としての歩みは、今後も決して変わることはありません。今回の閣議決定は、むしろその歩みを更に力強いものにしていくと考えています。また、今回閣議決定をいたしました基本的な考え方、積極的平和主義につきましては、私は首脳会談のたびに説明をしています。そして、それを簡単にした説明書、これは英語やフランス語やスペイン語やポルトガル語や様々な言葉に訳したものをお渡しをし、多くの国々から理解を得ていると承知をしております。
 また、自衛隊の皆さんは、今この瞬間においても、例えばソマリア沖で海賊対処行動を行っています。あるいは東シナ海の上空において、また海上において、様々な任務を担って活動しているわけでありますが、それぞれ、時には危険が伴う任務である中において、国民の命を守るために彼らはその任務を粛々と果たしているわけでありまして、私は彼らに感謝をし、そして彼らのこの勇気ある活動に敬意を表したい、彼らは私の誇りであります。今後とも、彼らは日本の国民を守るために、命を守るために活動していただけると確信をしております。

(内閣広報官)
 はい、それでは、次の方、どうぞ。

(記者)
 総理、毎日新聞の竹島です。
 先ほど御発言で関連法案の作業チームを立ち上げたいというお話であったのですが、今回示された基本方針がやはり国会でどのように議論されていくのかというのは、国民の関心もかなり大きいと思います。グレーゾーン、国際協力、集団的自衛権、この3つについてどのようなスケジュールで法改正に臨まれるお考えでしょうか。

(安倍総理)
 法改正については、これは直ちに取り組んでいく必要があると思います。今回の閣議決定において、今仰ったようにグレーゾーンにおいて、あるいは集団的自衛権において、あるいは集団安全保障において、自衛隊が活動できるようになるわけではありません。そのための法整備、先ほど申し上げましたようにスタートしていくわけでありますが、この法整備についても与党とよく、スケジュールも含めて連絡をして、緊密な連携をしていきたいとこう思っております。
 今の段階では、いつまでにとかいうことについては、これからスタートするところでありますから、まだ申し上げる状況ではないと思います。

(内閣広報官)
 はい、それでは、次の質問をお受けしますが、時間の関係でこれで最後にしたいと思います。では、竹内さん。

(記者)
 日本テレビの竹内です。
 そもそもなんですけれども、集団的自衛権の問題というものに総理が問題意識を持って取り組もうと思った、その何かきっかけとか原点みたいなものは何でしょうか。それをお聞かせください。

(安倍総理)
 小泉政権時代に、いわゆる有事法制あるいは国民保護法の制定を行ったわけでありますが、当時、私は官房副長官でありました。あの時、改めて戦後60年経つ中において、そうした日本の独立、そして国民の命を守るための法制には不備があるという現実と向き合うことになりました。
 その中において残された宿題がまだあった。それは今回のグレーゾーンであり、例えば集団安全保障の中において、PKO活動をする中において、一緒に活動する他国の部隊に対して、自衛隊がもし襲撃をされたときには助けてもらうことになるけれども、逆はないということで果たしていいのか。あるいはNGOの人たちが実際に危険な目に遭っている中において、自衛隊が彼らを守ることができなくていいのか。そしてまた、何人かの米国の高官から、米軍あるいは米国は日本に対して日本を防衛する義務を安保条約5条において果たしていく考えである。しかし、例えば日本を守るために警戒に当たっている米国の艦船がもし襲われた中において、近くにいて守ることができる日本の自衛艦がそれを救出しなくて、あるいはまた、その艦を守るために何の措置もとらなくて、アメリカ国民の日本に対する信頼感あるいは日本に対して共に日本を守っていこうという意志が続いていくかどうか。そのことを真剣に考えてもらいたいと言われたこともありました。
 段々安全保障環境が厳しくなる中において、正にそうした切れ目のないしっかりとした態勢を作ることによって、抑止力を強化し、そして全く隙のない態勢を作ることによって、日本や地域はより平和で安定した地域になっている、そう考えたわけでありました。今次、その意味において閣議決定ができました。
 私は総理大臣として国民の命を守り、平和な暮らしを守るために、様々な課題に対して目を背けずに正面から取り組んでいく責任があります。その責任において、今回、閣議決定を行いました。

(内閣広報官)
 それでは、予定の時間を過ぎましたので、これをもちまして記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

2014年6月30日 (月)

雑記(317)近所の桜の樹

無惨に伐られて、お地蔵さんのようになってしまった桜の樹。近くに越して依頼、いつも春にはたくさんの花をつけて楽しませてくれたソメイヨシノ。いくらなんでも、安全のためとはいえ、こんな伐りかたはないだろうとおもった。

201406300822

2014年6月29日 (日)

集団的自衛権の閣議決定案全文

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014062701030
集団的自衛権の閣議決定案全文

 政府が27日に与党に示した集団的自衛権の行使を容認する閣議決定最終案の全文は次の通り。

 【冒頭部分】わが国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持しつつ、安定して豊かな国民生活を築いてきた。また、わが国は、平和国家としての立場から、国際連合憲章を順守しながら、国際社会や国際連合を始めとする国際機関と連携し、それらの活動に積極的に寄与している。このわが国の平和国家としての歩みをより確固たるものにしなければならない。
 一方、わが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続け、わが国が複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。国際連合憲章が理想として掲げたいわゆる正規の「国連軍」は実現のめどが立っていないことに加え、冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発・拡散、国際テロなどの脅威により、アジア太平洋地域において問題・緊張が生み出されるとともに、脅威が世界のどの地域において発生しても、わが国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況になっている。さらに、近年では、海洋、宇宙空間、サイバー空間に対する自由なアクセスおよびその活用を妨げるリスクが拡散・深刻化している。もはや、どの国も一国のみで平和を守ることはできず、国際社会もわが国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待している。
 政府の最も重要な責務は、わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることである。わが国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、政府としての責務を果たすためには、まず、十分な体制をもって力強い外交を推進することにより、安定しかつ見通しがつきやすい国際環境を創出し、脅威の出現を未然に防ぐとともに、国際法にのっとって行動し、法の支配を重視することにより、紛争の平和的な解決を図らなければならない。
 さらに、わが国自身の防衛力の強化を図るとともに、同盟国である米国や友好国と連携し、相互に支援することによって抑止力を高めることが重要である。特に、わが国の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定のために、日米安全保障体制の実効性を一層高め、日米同盟の抑止力を向上させることにより、武力紛争を未然に回避し、わが国に脅威が及ぶことを防止することが必要不可欠である。その上で、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献するためには、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備しなければならない。
 今般、与党協議の結果に基づき、政府として、以下の方向性に従って、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な国内法制を速やかに整備することとする。

 【1、武力攻撃に至らない侵害への対処】
 わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、純然たる平時でも有事でもない事態が生じやすく、これによりさらに重大な事態が生じかねないリスクを有している
 武力攻撃に至らない侵害において、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための態勢を整備することが一層重要な課題となっている。
 さまざまな不法行為に対処するため、警察・海上保安庁等の関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、おのおのの対応能力を向上させ、連携を強化するなど各般の分野における必要な取り組みを一層強化することとする。
 離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合に、手続きを経ている間に被害が拡大することがないよう、早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討することとする。
 自衛隊と米軍が連携して切れ目のない対応をできるよう、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を行うことができるよう法整備をすることとする。

 【2、国際社会の平和と安定への一層の貢献】
 (1)いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」
 いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は、「武力の行使」に当たらない活動である。例えば、国際の平和および安全が脅かされ、国際社会が国際連合安全保障理事会決議に基づいて一致団結して対応するようなときに、わが国が当該決議に基づき正当な「武力の行使」を行う他国軍隊に対してこうした支援活動を行うことが必要な場合がある。
 わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、活動の地域を「後方地域」や「非戦闘地域」に限定する等の法律上の枠組みを設定してきた。
 安全保障環境がさらに大きく変化する中で、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが必要である。
 政府としては、「武力の行使との一体化」についての議論の積み重ねを踏まえつつ、こうした枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所で実施する補給、輸送等のわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないとの認識の下、以下の考え方を基本として、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して必要な支援活動を実施できるよう法整備を進める。
 (1)わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない(2)仮に、状況変化により支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止・中断する。
 (2)国際的な平和協力活動に伴う武器使用
 わが国は、これまで必要な法整備を行い、過去20年以上にわたり、国際的な平和協力活動を実施してきたが、「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあることから、自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。
 「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、PKO等の「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進める。
 (1)PKO等では、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについての同意」が必要とされており、受け入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられる。住民保護等の治安の維持を任務とする場合には、特に、その任務の性格上、紛争当事者の受け入れ同意が安定的に維持されていることが必要である(2)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合、領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在しないことを意味する(3)受け入れ同意が安定的に維持されているかや領域国政府の同意が及ぶ範囲等については、国家安全保障会議での審議等に基づき、内閣として判断する(4)なお、これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約がある。

 【3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置】
 (1)いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができないおそれがあることから、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。従って、従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。
 (2)憲法第9条はその文言からすると、国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や第13条が「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されない。一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。
 これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来、政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47年10月14日に参院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権と憲法との関係」に明確に示されているところである。
 この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。
 (3)これまで政府は、この基本的な論理の下、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。しかし、冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器等の脅威等により、わが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的・規模・態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備等あらゆる必要な対応をとることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全うし、国民を守るために万全を期す必要がある。
 こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。
 (4)わが国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置としてはじめて許容されるものである。
 (5)また、憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、それが国民の命と平和な暮らしを守るためのものである以上、民主的統制の確保が求められることは当然である。政府としては、わが国ではなく他国に対して武力攻撃が発生した場合に、憲法上許容される「武力の行使」を行うために自衛隊に出動を命ずるに際しては、現行法令に規定する防衛出動に関する手続きと同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記することとする。

 【4、今後の国内法整備の進め方】
 これらの活動を自衛隊が実施するに当たっては、国家安全保障会議における審議等に基づき、内閣として決定を行うこととする。こうした手続きを含め、実際の自衛隊による活動の実施には根拠となる国内法が必要となる。
 あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に提出し、ご審議をいただく。(2014/06/27-21:40)

2014年4月 4日 (金)

改憲手続き優先 国民投票法改正 今国会成立へ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014040402000108.html

改憲手続き優先 国民投票法改正 今国会成立へ

2014年4月4日 朝刊

 自民、公明、民主など与野党八党は三日、改憲手続きを確定させる国民投票法改正案を衆院に提出することで合意した。衆院に議席のない新党改革を除く七党で八日提出する。合意により改正案の今国会成立が確実となった。国民投票法は二〇〇七年に成立したが、選挙権年齢の引き下げなど三つの検討事項が懸案として残り、国会が改憲を発議しても、国民に是非を問う投票は実施できない状態だった。各党は改憲手続きの整備を優先し、懸案を放置して改正案の提出に踏み切る。 

 共同提出するのは自公民と日本維新の会、みんなの党、結いの党、生活の党の各党。共産、社民両党は法改正に反対の立場。

 改正案は、施行四年後に国民投票の投票年齢を「二十歳以上」から「十八歳以上」に自動的に引き下げるのが柱。現行法は付則で、選挙権年齢や民法の成人年齢を「十八歳以上」に引き下げるまで「二十歳以上」に据え置くとしていた。選挙権年齢などは一〇年五月までに引き下げることになっていたが、与野党の協議が進まなかった。

 八党は、国民投票の年齢の先行引き下げを可能にすることで合意。代わりに、選挙権年齢の扱いでは、二年以内の引き下げを目指すとした文書を交わした。

 現行法の付則は、公務員が改憲の賛否を意見表明するといった政治的行為の容認と改憲以外の問題を問う一般的国民投票の是非も検討事項としていた。今回の合意は公務員の政治的行為に関し、個人的な表明などは認めたが、労働組合など組織的な運動は結論を先送りにした。一般的国民投票の是非も継続協議にした。

2014年4月 3日 (木)

雑記(316)花盗人をやった結果として、机の上に・・・

201404020758

2014年4月 2日 (水)

集団的自衛権:憲法解釈変更「反対」64% 毎日世論調査

http://mainichi.jp/select/news/20140331k0000m010105000c.html

集団的自衛権:憲法解釈変更「反対」64% 毎日世論調査

毎日新聞 2014年03月30日 22時11分(最終更新 03月31日 01時24分)

 毎日新聞が29、30両日に行った全国世論調査で、集団的自衛権を行使できるようにした方がいいと思うか尋ねたところ「思わない」が57%で、「思う」は37%だった。また、憲法を改正せずに憲法解釈の変更で集団的自衛権を行使できるようにする安倍晋三首相の進め方について、「反対」と答えた人が64%に上り、「賛成」は30%にとどまった。

 政府が積み重ねてきた憲法解釈を安倍内閣の判断で変更することへの世論の慎重姿勢が鮮明になった。内閣支持層でも解釈変更で行使を容認する首相の進め方に反対する人が53%で、賛成の42%を上回った。公明支持層は7割が反対し、自民支持層も5割弱が反対した。集団的自衛権を行使できるようにした方がいいと思う人のなかでも、首相の進め方に反対と答えた人が34%いた。

 31日から全党協議を始める自民党内では、与党内の慎重論に配慮し、「限定的な行使容認」論が浮上している。しかし公明党の井上義久幹事長は30日、記者団に「国のありようが変わる。慎重に議論しなければならない」と限定的な容認にも慎重姿勢を表明。さらに「(今の憲法解釈で認められる)個別的自衛権でできる部分も相当ある」とも強調した。

 また25日(現地時間)の日米韓首脳会談で安倍首相が韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と初めて公式に会談したことを、69%の人が「評価する」と答えた。「評価しない」は26%だった。【松尾良、横田愛】

【世論調査】憲法改正の賛否が逆転 反対47%が賛成38%を上回る - MSN産経ニュース

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憲法改正の賛否が逆転 反対47%が賛成38%を上回る
2014.3.31 23:08
 産経新聞社とFNNの合同世論調査で、憲法改正の反対派(47・0%)が昨
年4月以降初めて賛成派(38・8%)を上回った。

 安倍晋三首相が改正に積極的な発言をしていた昨年4月は「賛成」(61・
3%)が「反対」(26・4%)を引き離していたが、改正に慎重な公明 党へ
の配慮から発言を控えるようになると、賛成派は徐々に減少。今年1月には「賛
成」(44・3%)と「反対」(42・2%)が拮抗(きっこう) していた。

2014年3月30日 (日)

自民でうごめく旧主流3派 集団的自衛権で政権牽制、めった切りも

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140328/stt14032811310001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140328/stt14032811310001-n2.htm

自民でうごめく旧主流3派 集団的自衛権で政権牽制、めった切りも
2014.3.28 11:30

 安倍晋三首相(自民党総裁)が意欲を示す、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認をめぐり、自民党第2派閥の額賀派(平成研究会)は27日、勉強会を開き、丁寧に議論していくことを確認した。旧田中派の流れをくむ額賀派は長く主流派の地位を占めてきたが、安倍政権発足後は存在感が薄らいでいる。党内に慎重論がくすぶるこの問題は、国会閉会後に想定される内閣改造をにらみ、首相を牽(けん)制(せい)するにはうってつけの側面もあり、同じくリベラル色が強い宏池会(岸田派)とも連携し、首相への圧力を強めようとしている。(村上智博、内藤慎二)

 「個別の案件ごとに考えていかなければならない。政府の有識者会議『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』の報告が出てきたら、われわれの考え方を整理していく」

 27日の勉強会で額賀福志郎会長はこう語った。党では安全保障法制整備推進本部で31日から議論することが決まっているが、「われわれの考え方」と表現するあたり、首相の出身派閥、町村派(清和政策研究会)に次ぐ第2派閥としてのプライドをうかがわせる。かつて隆盛を極めた面影は、今ではすっかり薄くなったが、それでも、額賀派に目を光らせる青木幹雄元参院議員会長の存在は大きい。
勉強会では集団的自衛権の行使について「極めて抑制的に認めるべきだ」との意見は出たものの、行使容認に否定的な意見は出なかった。勉強会が始まる直前、額賀氏は講師の高見沢将林官房副長官補に「政府は丁寧に議論してほしい」と注文をつけており、あくまで求めるのは慎重な議論。そこには内閣改造を見据えた「条件闘争」のにおいが漂う。

 第3派閥の岸田派も27日の総会で、金子一義最高顧問が派としての勉強会開催を宣言。ただ会長の岸田文雄外相は総会後、勉強会を取り仕切る宮沢洋一党政調会長代理に「党を割るような話じゃない」と突出しないようクギを刺した。こんなことをあえて語るのも、名誉会長の古賀誠元幹事長が「閣議決定による解釈改憲はルール違反だ」などと首相を批判し続けているためで、派内には古賀氏の発言に戸惑いもある。

 「実績としたい気持ちは分からないでもないが、軽(けい)佻(ちょう)浮薄だ」

 石原派(近未来政治研究会)も27日、勉強会を開き、最高顧問を務める山崎拓元副総裁が、憲法解釈変更による行使容認を目指す首相をめった切りにした。

 在日米軍の合憲性が争われた昭和34年の砂川事件の最高裁判決を根拠に解釈変更で一部行使が可能になるとの見解を示している高村正彦副総裁についても「牽強付会だ」と切って捨て、一気に首相に対する「抵抗勢力」の一角に躍り出た。

 各派の狙いはさまざまだが、首相主導の「政高党低」の現状に歯止めをかけたい思惑では一致しており、せめぎ合いは今後も続いていきそうだ。

雑記(315)木イチゴと桜の花

春になりました。木イチゴの花と桜の花です。

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2014年3月24日 (月)

雑記(314)ユキヤナギ

ユキヤナギの季節です。携帯の接写で大きく撮ってみました。

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